家庭用ロボット
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家庭用ロボット(かていよう-)とは家庭に人間のパートナーとして導入されるロボットのことである。
- 娯楽用品として家庭内に配される物は、エンターテイメントロボットの項を参照されたし。
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[編集] 概要
これに属するものは、人間が親しみやすいようなデザインを取り入れる傾向が見られる。これは人間の生活基盤となる家庭や、その家庭が含まれる社会に於いて、周囲の人間に緊張を強いるような形状の物は、受け容れがたいためである。
このため将来的にはヒューマノイド型(アンドロイド)の物が想定されているが、それ以外にも動物的であったり、何等かのキャラクターを模した物など、親しみが涌きやすい物が多い。ただ、家事の中でも掃除や調理等といった特定分野にのみ機能するような物では、余りその例に沿わない物も見られる。
[編集] 親しみ易さの要素
これらでは、地球上の動物の多くがそうであるように、「顔(頭部)」・「二つの目」・「手や足といった棒状の機能部分」を持っている物が多く開発が進んでおり、コミュニケーションを取る際に何等かの意思表示を音声以外(表情に相当)する物も想定されている。特に人間の形を模した物では、顔と識別可能な表示部分を持ち、円滑なコミュニケーションを図る機能が想定されている。(→ユーザーインターフェイス)
ただこの「生き物を連想させる親しみ易さ」には所謂不気味の谷現象と呼ばれる問題を含み、ある一定以上の類似性を追及すると、かえって親しみやすさが失われるという。
例を挙げると、“(・_・)”のような顔文字を連想させる単純な顔付きは、誰にとっても親しみを覚えやすいが、これが著名人の顔を模したゴムなどで出来たマスクをロボットに被せてしまうと、人によっては不気味な感じを受ける物となってしまう(参考CNET記事・韓国で制作されたアインシュタイン顔のロボット)。
[編集] 備考:人間型の利点
人間の形・大きさをしているという事は、住居などの限られたスペースでは重要な要素である。これは人のために作られた建具や家具・建築構造を変更しないで済むという事であり、同時に人間の生活に何等かの制約を求めないで済むという事でもある。
例えば「買物をしてきてくれるロボット」を想定した場合、これが6本のタイヤを持ち、高さ2mのものだったとしたら、タイヤの対応範囲以上の段差は乗り越えられず、ましてそんな物がスーパーマーケットの売り物の棚の間を走り回っていたら、目障り以外の何者でもない。(ことに依ったら、他の店舗利用者が恐怖心すら抱くかもしれない)
もしこれが、同重量・同身長であったとしても、二本足で歩き回るような装置であった場合、多少はその身長から来る威圧感はあるかもしれないが、人間用のエスカレーターを使ったり出来るし、エレベーター内で他の買い物客の迷惑とはなりにくく、また人間用の買物カートを押しながら、棚から商品を手にとって、自分のカートに入れて運搬する事ができる。また人と同じレジの列に並ぶ事も可能だ。
これが他の、公共交通機関を利用するような、遠隔地への買物であった場合には、更にその違いは大きい。
このような「人間社会の中で、人に混じって行動するロボット」の開発はすでに進められており、日本では福岡市が地域おこしの一環もあって、通称「ロボット特区」を制定、公道での実地ロボット運用試験[1]が行える等の動きも見られる。(→構造改革特別区域)
[編集] 人間型以外の方向性
その一方では、住居全体を一つの人工知能を持つロボットとしてしまおうというコンセプトも存在するが、こちらは住居者自身から見れば、様々な自動化・省力化器機を備えた住居との差異が明確で無いため、此方を指して「家庭用ロボット」と呼ぶ事は少ない。あくまでも建具や什器とは別の、独立して機能する「家事を行ってくれるロボット」というイメージが強い。
[編集] パートナーロボット
[編集] 癒し系ロボット
エンターテイメントロボットの項を参照されたし。
[編集] 介護用ロボット
- モーム(架空。アニメ上)
[編集] 育児ロボット
- ドラえもん(架空。漫画上)
[編集] 家事支援ロボット
- HMX-12 マルチ(架空。ゲーム上)
- 清掃ロボットは開発も進み、既に自律稼動する製品も販売されている。
[編集] 脚注
- ↑ 公道(不特定多数の出入りする通路等も含まれる)にロボットが出る場合の問題として、道路交通法上、車輪で自走するロボットは、現行法では原動機付自転車等に分類される。なお、同法では、自律的に自走する車両も、人型で自立歩行するロボットも想定外となっている。