ハロ (ガンダムシリーズ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハロ (Haro) は、アニメ『機動戦士ガンダム』を始めとするガンダムシリーズに登場する架空の小型球形ロボット(ただし、『機動戦士クロスボーン・ガンダム』ではオウム、『G-SAVIOUR』では携帯端末)。シリーズの中ではある種の名物とも呼べる存在。
デザインは大河原邦男。前番組の『無敵鋼人ダイターン3』で主役メカダイターンを修理する小型ロボットとしてデザインされたが、監督である富野喜幸(現:富野由悠季)の判断で次作であるガンダムに登場することになった。
「ハロ」という名前は、映画『2001年宇宙の旅』に登場した人工知能HAL(ハル)9000型コンピュータに由来するとされる。
当初は黄緑のものだけだったが、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』シリーズでは同形状で様々な色のハロが登場した。有重力下では転がったり跳ねたりして、また無重力下では球体上部の左右に付けられているカバー2枚を、羽根のように羽ばたかせたりして移動する事ができる。会話機能もついており、劇中では良く人物の名前を連呼している。
また、育成ゲーム『ハロボッツ』シリーズでは、サンライズ作品に登場するさまざまなロボットに成長、変身する。
なお、ワギャンランドの敵キャラとしてハロが出ていた。
目次 |
[編集] 宇宙世紀に登場するハロ
[編集] 機動戦士ガンダム
ガンダムシリーズ史上初めてのハロは、『機動戦士ガンダム』にてアムロ・レイのペットロボットとして登場する。TV版放映時の設定ではアムロが製作したハンドメイドロボットだったが、デアゴスティーニ社発行の「ガンダム・ファクトファイル」では市販されているロボットと設定されていた。安彦良和が描く「機動戦士ガンダム・THE ORIGIN」でもこの設定で描かれている。ホワイトベースではカツ、レツ、キッカ達の玩具となっていた。手足が内蔵されており、延ばして階段を上る描写もある。脱走した捕虜コズン・グラハムの足にぶつかって転ばしたり、何かの理由で腹を立てたフラウ・ボゥに蹴っ飛ばされても壊れないなど、かなり丈夫にできているようだ(声:井上瑤、アニメ映画版Iのみ高木早苗)。
[編集] GUNDAM THE RIDE
富士急ハイランドにて2000年7月から稼動しているアトラクション『ガンダム・ザ・ライド』内の設定では、コロニー公社のマスコットとして描かれている。 一年戦争末期、連邦政府の政策によってサイド6へ疎開する人々の設定でアトラクションは開始されるが、アトラクションに乗り込む前に観る映像の中に登場する。
[編集] 機動戦士Ζガンダム及び機動戦士ガンダムΖΖ
厳密には「ハロ THE II」という名前である。一年戦争(『機動戦士ガンダム』における戦い)が終結した後、戦争を勝利に導いたとしてホワイトベース隊が英雄扱いされ、その際にマスコットロボットとしての人気が出て、玩具メーカーによる商品化がされたという設定があり、『機動戦士Ζガンダム』作中でカミーユ・ビダンが月面で拾い、修理したのはその1つである。その後、シンタとクムの玩具となり、『機動戦士ガンダムΖΖ』にも引き続き登場した。中央を開くとノートパソコンとなっており、手足のギミックはない。(声:荘真由美)。
[編集] 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』作中では、アムロがハサウェイ・ノアにプレゼントしたものが登場。しかしハサウェイがラー・カイラムのブリッジから抜け出したときはブリッジに取り残されてしまった。 アムロの話によると,初代から3代目に当たるらしい。
[編集] 機動戦士クロスボーン・ガンダム
『機動戦士クロスボーン・ガンダム』では、ハロはロボットではなく、ベラ・ロナが飼っているオウムの名前である。ベラやキンケドゥの肩に止まって今までのガンダムの登場人物達の名台詞を喋っていた。マザー・バンガード自爆の際はノーマルスーツを着てベラと共にコア・ファイターに乗り込んだが、その後、作中には登場しないため、どうなったのかは不明。
[編集] 機動戦士Vガンダム
『機動戦士Vガンダム』では、ウッソ・エヴィンの所有物であり、もともとはハンゲルグ・エヴィンが拾ってきて高性能に改造された物として登場する。従来のものにはないカメラ機能やシャボン玉を利用したスクリーンで映像を映し出したりする機能も持ち合わせており、ハイランドではトマーシュの手によって圧縮ガスボンベとワイヤーガンも取り付けられた。
その後サンドージュの電撃からウッソを助けた際に故障し、リガ・ミリティアの老人達によって修理されたが、言語機能の修復がうまくいかなかったようで言葉遣いが変わってしまっている。そしてウッソがV2ガンダムに搭乗するようになって以降は、コックピットにハロ専用の台座が用意され、戦闘の際にはウッソのバックアップに活躍した。ガンダム史上でもここまでハロが活躍したのも珍しい。(声:松本梨香)。
[編集] G-SAVIOUR
コゥビィが持っていた小型の携帯端末にハロの名がつけられている。過去に実在したマスコットロボットにあやかって名前が付けられたものと思われる。
[編集] コズミック・イラに登場するハロ
[編集] 機動戦士ガンダムSEED
外観はそれまでのものとほぼ同じだが、従来のハロよりは小さくソフトボールのボールよりやや大きいサイズであり、アスラン・ザラが製作してラクス・クラインに幾度かプレゼントした。複数のカラーバリエーションがあり、ラクスは特にピンク色の物を携帯していた(声:三石琴乃)。ラクスは他にもグリーンやイエロー、ネイビー、オレンジなどのハロを保有しており(サイズはどれも同じでそれぞれ手足が内蔵されているようだ)、それぞれのハロはそのボディーカラーで「ピンクちゃん」「ネイビーちゃん」などと呼び分けられていた。尚、鬼ごっこの鬼役となったネイビーのハロには、目印としてヒゲのマークが描かれていた。 なお、これらハロには言語学習機能があり、劇中でもラクスやアスランの名前を呼んだりしてしゃべるシーンや、なぜか関西弁をしゃべるシーン(「なんでやねん」や「まいど」、「おおきに」等)が多々見られた。また、「オマエモナ」など。ピンクのハロは、軍艦の電子ロックすら解除出来る高度な開錠能力を有しており、アークエンジェルではしばしば軟禁中の部屋からラクスともども無断外出していた。
[編集] 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
ラクスの影武者、ミーア・キャンベルもハロを所持している。ラクスのハロとの違いは赤色で英語(「Hello!」や「Are You Ok?」等)を喋ることである。
ラクスの所持するハロは、特殊部隊の侵入を察知する、ラクス狙撃を察知する、フリーダムガンダムへの扉を開けるための鍵を口の中に持っている、など以前より高度な機能を備えている。また、若干ではあるが言語のレパートリーも増えている(江戸っ子口調で知られる「てやんでぃ!」やお笑い系タレントの波田陽区のネタのひとつである「残念!」等)。
[編集] その他の作品、ゲーム等に登場するハロ
[編集] SDガンダムフォース
ハロの形をした覆面を被った人間がSDGの長官として登場している。51話のアクションシーンでは機動武闘伝Gガンダムの東方不敗よろしく尋常の人間では有り得ない戦いを見せた。喋るときは口ではなく目が光る。
[編集] SEEDが一番
フレッツスクェアにて放送されていた機動戦士ガンダムSEED情報番組「SEEDが一番」でオレンジのハロが案内を勤めていた。(声:小林恵美)。「ハロハロー」の挨拶や丸い体に似合わず毒舌を伴ったトークにより作品そのものとは違った魅力があった。
[編集] SDガンダム GGENERATON
PlayStation用ゲーム「SDガンダム GGENERATION」シリーズには「ハロ」と呼ばれるオリジナルユニットが、製作側のお遊びで登場させられている。圧倒的な戦闘能力を誇る機体であり、第1作「SDガンダム GGENERATON」ではゲーム中最強の機体であった。外観はペットロボットの「ハロ」に酷似しているが、ドリルクローや拡散バブルなどの強力な武装を備え、通称「丸い悪魔」と呼ばれているという設定。なお、続編では「サイコ・ハロ」、「ゴッド・ハロ」などが、さらに最新作「GGENERATON SEED」では「ピンクハロ」、「イエローハロ」などラクス・クラインが所有しているものにちなんだ機体が追加されている。
[編集] ハロボッツでのハロ
育成ゲーム『ハロボッツ』シリーズでは、ガンダムシリーズに登場するモビルスーツだけではなく、さまざまなサンライズロボットに成長する。
[編集] 現実世界でのハロ
アニメでの根強い人気と、機動戦士ガンダムSEEDでの人気に後押しを受け、ハロのキャラクターグッズが多数発売されている。その多くは玩具だが、中にはハロの形をした自作パソコンケースといった高年齢層に向けた商品もある。
近年のガンダム作品のクレジットにも、ハロが登場している。内容は黄緑のハロがジャンプして「SUNRISE」のロゴに飛び込み、「I」の文字の点になるというものである。(SEEDシリーズはラクスのピンクハロである。)