学校法人崇徳学園

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崇徳学園（そうとくがくえん）は、崇徳高等学校と併設される崇徳中学校でなる学園。正式には「学校法人崇徳学園」と称する。男子校。広島市西区楠木町に校舎がある。浄土真宗本願寺派関連校の一つで、龍谷総合学園加盟校。

元々は「学仏場」として寺院の子弟が学ぶ学校だったが、1913年に旧制崇徳中学校として改組した際、広く一般に門戸を広げた。

崇徳中学は少人数教育を特徴とし、宗教や外国人教師による英会話なども行われる。また、学校行事も多く1年から3年生まで毎年学年ごとに修学旅行や登山旅行などを行う。1年を通してスポーツを奨励し、毎月のマラソン大会、ソフトボール大会、バレー大会、バスケット大会、体育祭が行われる。体育祭の崇徳独自の競技（一難去ってまた一難、レンジャー部隊など）は秀逸である。文化祭にも力を入れており、劇発表・音楽発表・弁論大会・クラスでの研究発表・クラブの模擬店やカラオケ大会が行われる。

生徒が学ぶコースは3つあり、2000年からスタートした中高一貫6年制、他中学から進学してきた生徒には「特別進学コース（通称Aコース）」と「進学コース（通称Bコース）」（いずれも3年制）がある。また「Bコース」内には「クラブ推薦クラス」と寺院の子弟が学ぶ「仏教コース」が併設されている。近年は、国立大学進学者が増加している。Aコースは長期休暇中に開講される補習を受けることが義務付けられている。この補習では河合塾などの人気講師が教鞭を取ることもあり、実践的な受験勉強が可能である。

運動系クラブでは、広島で初めて創部されたラグビー部、センバツで優勝した硬式野球部、高校バレーの常連バレーボール部、県内随一の強豪で金メダリストを輩出したこともある柔道部、広島では数少ないアメリカンフットボール部などがある。文化系では広島の高校に唯一つしかない崇徳高校グリークラブがある。グリークラブは20回全日本合唱コンクールに出場し10回の優勝を誇る。また海外演奏旅行も行っており、計8回、海外で演奏した経験があり、クラシックの殿堂カーネギーホール（アメリカ）で3度の演奏経験がある。

元々浄土真宗の関連校のため、中学全学年と高校1,3年には「宗教」の授業があり、宗教科教員団と宗教教育部が校務に存在する。卒業生にも、僧籍にある人が多いのも特徴。京都の龍谷大学とは同じ宗派と言うことで特別推薦制度があり多くの生徒が龍谷大学に進学する。

その特色から、真面目な学校というイメージを長く持たれていたが、近年は厳格な規律主義における、行き過ぎた管理教育を問題視する声もあり、校内暴力、イジメ、盗難事件等の、生徒間におけるトラブルも頻発しており、保護者達はそれに対する対策を学校側に求めているが、学校側は今の所、特に何の対策も行っていない。

[編集] 学園の沿革

1875年　「学仏場」として広島市胡町に寺院子弟の専門学校として開学。
1877年　「進徳教校」に改組。
1882年　「進徳教校」が広島市西区楠木町の現在地に移転。
1883年　真宗崇徳教社が「進徳教校」の経営に関わる。
1900年　校名を「仏教中学」に改める。
1901年　校名を「広島仏教中学」に改める。修業年限を5年制にする。
1902年　西本願寺が学校の直接経営権を握り、校名を「第4仏教中学」に改める。
1912年　西本願寺の意向により、第4仏教中学閉校。
1913年　旧制崇徳中学校として再スタート。この年より門戸を一般に開放。経営は真宗崇徳教社。初代校長に観山覚道就任。
1931年　旧制中学校歌制定（1948年に新制高校発足後に歌詞一部変更の上再制定）
1941年　校長観山覚道が退任し、竹野恵真が第2代校長に就任。
1945年　原爆により校舎全壊。市内の小学校を仮校舎として9月、授業再開。
1948年　学制改革により、新制「崇徳高等学校」発足。中学校を併設。
1951年　真宗崇徳教社が経営権を学校法人崇徳学園に譲渡。商業科を高校に併設。
1954年　竹野恵真が校長を退任。福島利美が第3代校長に就任。竹野恵真名誉校長となる。
1964年　創立88年記念式典開催。戦前に発行されていた学園誌が1回限りの復刊。体育館竣工。
1965年　福島利美校長が突然の退任。新たに金子彪が第4代校長に就任。福島利美名誉校長になる。
1967年　崇徳中学校を広島市西区大芝に移し、全寮制を取る。「興仁寮」竣工。
1972年　戦前に発刊されていた学園誌が正式復刊。
1973年　金子彪校長が退任。西田早苗が第5代校長に就任。金子彪名誉校長になる。
1976年　学園創立100周年記念式典開催。春のセンバツで硬式野球部初優勝。
1983年　商業科募集停止。
1984年　西田早苗校長が退任。前田孝顕が第6代校長に就任。西田早苗名誉校長になる。
1985年　特別進学コース（Aコース）設置。7時間制。
1986年　商業科35年の歴史に幕。これにより高校は普通科A・Bコースと仏教コースのみとなる。
1991年　前田孝顕校長退任。中尾正が第7代校長に就任。
1993年　中学校の寮「興仁寮」閉鎖。
1994年　教育課程改定により、「家庭科」が新設。高校3年生の授業。
1995年　龍谷大学と教育連携校締結。
1998年　中尾正校長が退任。室田重法が第8代校長に就任。
2000年　室田重法校長が退任。沖本利夫が第9代校長に就任。中高一貫教育がスタートし、中学校が高校敷地内に戻る。
2001年　新校舎落成。
2004年　沖本利夫校長が退任。第10代校長に鳴川則弘就任。

[編集] 主な事件

1973年、経営のあり方を巡り理事会と教職員が対立。教職員は組合を作りストライキを起こした。理事会は全員辞任。
1991年の台風19号被害で補助金を不正に取得していた事が発覚。社会問題に発展し理事長が辞任。事務員が懲戒免職。
2000年、中学校生徒による集団万引き事件が広島駅駅ビル内の店舗にて起こる。またその当時は、学校内でも物や金銭の紛失事件が相次いでいた。学校側はこの問題に対し、特に何の対策も行わなかった。
2001年、部活動の最中、顧問の教師が騒いでいた生徒の耳を強打し、結果その生徒の鼓膜が破裂するという事件が起きた。学校側は当教師に対して、特に何の処分も行わなかった。

[編集] バレー部

野球部、グリークラブとも大きな実績を上げているが、やはり崇徳と言えばバレー部の実績は全国1、2と言えるものである。世界の猫田勝敏を生んだことで有名だが、高校三冠と言われる、高校総体・国体・春高バレー（1970年度から）に於いて、戦後から昭和期のみで、優勝14回（総体7、国体4、春高3）、準優勝17回、ベスト4・11回、ベスト8・11回　と近年は振るわないが、過去の実績で言えば全国一かも知れない。