全日本合唱コンクール
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全日本合唱コンクール(ぜんにっぽんがっしょうこんくーる)は、朝日新聞社と全日本合唱連盟が共同で行う日本の合唱大会である。1948年より開催。当初は学生(高校と大学)、職場、一般の3部門でスタートした。出場団体の増加や多様化により、部門を細分化し、現在の総合合唱コンクールへと発展した。NHK全国学校音楽コンクール(Nコン)と並んで二大コンクールと呼ばれる。Nコンとの区別から、一般的に「連盟コンクール」と呼ばれる。
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[編集] コンクールの形態
出場資格のある合唱団は、各都府県(北海道は地区)の合唱連盟に加盟している、8人以上の合唱団である。合唱団の構成により以下の5部門に分けられる。
- 中学校部門
- 高等学校部門
- 大学部門
- いずれも同一校の学生・生徒で構成される合唱団、もしくは複数校の合同で構成される合唱団。ひとつの学校から複数の合唱団が出場できる。
- 職場部門
- 同一の企業、官公庁等に属する役員、従業員等で構成される合唱団。
- 一般部門
- 上記4部門のいずれにも属さない合唱団。
- 規定上、少年少女合唱団、おかあさんコーラスやシルバーコ-ラス等もこの部門に含まれる。
さらに中学校部門は混声合唱と同声合唱に、高等学校・大学・一般部門は32人以下のAグループと33人以上のBグループに分けられ、それぞれ別個に審査が行われる。
[編集] 演奏規定
出場団体は、当該年度の「合唱名曲シリーズ(課題曲集)」から任意の一曲を課題曲として全員で演奏しなければならない。ただし、中学校部門には課題曲がなく、自由曲のみの演奏である。 「合唱名曲シリーズ(課題曲集)」は毎年3月にカワイ楽譜から出版される。原則として「混声4曲・男声4曲・女声4曲」が収録され、各4曲の内訳は、「外国曲2曲、邦人曲2曲」である。外国曲のうち1曲はルネサンス・バロック期の作品が必ず含まれる。邦人曲には「朝日作曲賞」入選の曲が入ることもある。
自由曲は、演奏時間が定められており、中学校部門は8分00秒以内、高等学校部門は6分30秒以内、大学・職場・一般部門は8分30秒以内で演奏しなければならない。演奏時間内であれば曲目、曲数、伴奏楽器に制限はないが、この時間を1秒でも超過した場合は、審査の対象外となる。 演奏順は、課題曲、自由曲の順とする。
指揮者・伴奏者・独唱者の出演資格は問わないので、コンクールのために外部からプロの指揮者等を招聘することも可能である。ただし、中学校・高等学校部門では、指揮者・伴奏者・独唱者は、当該校長が認めたものに限られる。
[編集] コンクールの実施
[編集] 全国大会までの道のり
全国大会の予選にあたる都道府県大会及び支部大会は、全日本合唱連盟の地方支部組織である各地域の合唱連盟が主催する。都道府県大会、支部大会(北海道・東北・関東・東京・中部・関西・中国・四国・九州の9支部)ですぐれた演奏をして審査員に推薦されると、全国大会に出場することができる。ただし、北海道支部、東京支部の全部門と、関西支部の大学・職場・一般部門は支部大会のみが行われる。全国大会に出演できる団体数は、都道府県大会の参加団体数によって決められる。都道府県大会・支部大会・全国大会を通して、演奏曲目・曲目順・伴奏楽器を変更することはできない。
また、前年度の全国大会で優秀な成績をおさめた場合、全国大会もしくは支部大会のシード団体に選出される。全国大会へのシード団体は、大学・職場・一般部門のみで、前年度の全国大会で各部門の上位2団体のみにシード権が与えられる。シード団体は、都道府県大会及び支部大会を経ずして全国大会に出場することが出来るが、都道府県大会及び支部大会では、審査の対象外で演奏しなければならない。またシード団体は、前年度の全国大会に出演した出演区分を変更することはできない。
[編集] 全国大会
全国大会は毎年会場が異なり、全日本合唱連盟の理事会で開催地が決定されるが、原則として9支部の持ち回りである。これはNHK全国学校音楽コンクールの全国大会が、毎年東京・渋谷のNHKホールで開催されるのと対照的である。中学校部門が創設される前は、1ヶ所の会場で、連続した3日間で全部門を開催していたが、現在は10月末に中学校・高等学校部門、11月23日頃に大学・職場・一般部門で、2ヶ所の会場に別れている。中学校・高等学校部門は、団体移動に配慮して、新幹線沿線地域で開催するのが慣例となっている。
[編集] コンクールの審査
審査員は、作曲家、指揮者、声楽家、合唱連盟の役員などが務める。全国大会では審査員は9人以上と定められている。都道府県大会及び支部大会では、参加団体数や規模によって、3人~7人と、地域によってばらつきがある。
全国大会の審査は、新増沢方式で行われる。これは各審査員が全団体に順位をつけ、過半数の票を獲得した団体から順に総合順位を決定する方式である。都道府県大会及び支部大会でも、全国大会に準じて新増沢方式を採用している大会が多いが、一部地域の大会では、独自性を出すために別の審査方式を用いている。 総合順位に基づいて、審査員の合議により、全国大会では全団体に、都道府県大会及び支部大会では音楽的に特にすぐれた演奏をした団体に、金・銀・銅の各賞が贈られる。また特別賞が贈られることがある。特別賞のひとつであるカワイ奨励賞は、課題曲または自由曲に邦人作品を演奏した団体が対象となる。
[編集] 平成18年度の予定
会場及び日程は変更になる場合がある。
- 高等学校部門
- 中学校部門
- 10月29日(日)
- 大宮ソニックシティ(さいたま市)
- 午前に混声、午後に同声を開催。
- 大学部門(Aグループ、Bグループ)・一般部門(Aグループ)
- 職場部門・一般部門(Bグループ)
- 11月26日(日)
- 熊本県立劇場コンサートホール(熊本市)
- 午前に職場部門、午後に一般部門を開催。
[編集] 関連項目
- NHK全国学校音楽コンクール
- 国際青少年合唱祭
- 宝塚国際室内合唱コンクール