広島高速交通広島新交通1号線
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広島新交通1号線(ひろしましんこうつういちごうせん)は、広島県広島市中区の本通駅から同市安佐南区の広域公園前駅に至る広島高速交通の新交通システム路線である。愛称はアストラムラインで、日本語の「明日」に英語の「トラム」(電車)という意味からつけられた。市民からはアトムという通称で親しまれている。
1994年に開催された「広島アジア大会」の会場として広島広域公園に造られた競技場広島ビッグアーチへのアクセス路線。また、広島市西部の安佐南区に広がる住宅地から市中心部への通勤・通学路線ともなっている。本通~城北間は地下線である。本通~中筋間は国道54号(国道183号・国道191号・国道261号と重複。牛田~不動院前間は広島県道37号広島三次線も重複)、中筋~大原間は広島県道38号広島豊平線、大原~伴中央間は広島県道265号伴広島線、伴中央~広域公園前間は広島県道71号広島湯来線(広島県道265号伴広島線と重複)に沿って走る。
広島県内で初めて自動改札機が導入された路線でもある。
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[編集] 路線データ
本通~県庁前間が鉄道事業法による鉄道、県庁前~広域公園前間が軌道法による軌道となっている。
[編集] 運行形態
本通~広域公園前間の列車を中心に、本通~長楽寺間の区間運転列車、平日朝には大町駅折り返し列車が運行されている。なお、1999年3月20日から本通~広域公園前間に日本の新交通システムとしては珍しい急行列車が運転されていたが(2004年時点で平日に1往復のみ)、運転取り扱いが煩雑となることから、2004年3月20日の改正で廃止された。2000年3月20日からは一部列車が大町で追い越し(急行に先行して大町行を設定し、大町で一旦運転を打ち切って折返線で急行を待避、急行の発車直後に続行して大町始発で再度運転)をするのみで、速達性には不十分な面もあり定着しなかった。なお、急行列車停車駅は本通・県庁前・大町・上安・長楽寺・大塚・広域公園前であった。
2006年現在、日中は全区間10分間隔で、土曜休日は長楽寺折り返しの設定があり以北~広域公園前の末端区間で20分間隔となる時間帯がある。 朝ラッシュ(平日)は広域公園前→本通は6~8分間隔であるが、長楽寺からの出庫便・折り返し便、大町での折り返し便の設定により、大町以南はピークでは2~3分間隔で運転される。 夕ラッシュ(平日)は6~8分間隔で下りはすべて広域公園前行き、上りは長楽寺からの出庫便が一部混ざる。
またサンフレッチェ広島の広島ビッグアーチでの試合開催時は試合開始と終了時刻に合わせて臨時列車が運行される。
[編集] 歴史
広島市内中心部の本通駅から全線のほぼ中間にある長楽寺駅までは、広島市郊外の住宅地と市内中心部を結ぶ軌道系路線としてアジア大会誘致構想以前から計画され建設された区間であった。長楽寺駅から広域公園前駅までは、「広島アジア大会」の競技場広島ビッグアーチへのアクセス路線として建設された。
建設中の1991年3月14日14時頃、広島市安佐南区上安5丁目の上安駅付近で前日に仮設置していた長さ65m、重さ43tの鋼鉄製の橋桁が落下して並行する県道を走行(渋滞で停車)していた自動車数台を直撃し、運転手や作業員ら15人が死亡・8人が負傷するという事故が起きている。詳細は広島新交通システム橋桁落下事故を参照のこと。
- 1989年(平成元年)2月28日 起工式・工事着工
- 1991年(平成3年)3月14日 建設中の上安駅付近で橋桁落下事故。15人死亡・8人負傷
- 1994年(平成6年)7月15日 開業検査終了
- 1994年(平成6年)8月20日 本通~広域公園前間が開業
[編集] 駅一覧
駅名 | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|
本通駅 | 0.0 | 広島電鉄:宇品線 | 広島市 | 中区 |
県庁前駅 | 0.3 | |||
城北駅 | 1.4 | |||
白島駅 | 2.1 | |||
牛田駅 | 2.9 | 東区 | ||
不動院前駅 | 4.0 | |||
祇園新橋北駅 | 5.0 | 安佐南区 | ||
西原駅 | 6.0 | |||
中筋駅 | 7.0 | |||
古市駅 | 7.8 | |||
大町駅 | 8.4 | 西日本旅客鉄道:可部線 | ||
毘沙門台駅 | 9.6 | |||
安東駅 | 10.6 | |||
上安駅 | 11.4 | |||
高取駅 | 12.0 | |||
長楽寺駅 | 12.7 | |||
伴駅 | 13.9 | |||
大原駅 | 14.9 | |||
伴中央駅 | 16.0 | |||
大塚駅 | 17.6 | |||
広域公園前駅 | 18.4 |
[編集] 新駅設置計画
城北駅~白島駅間にJR山陽本線との乗り換え駅として新白島駅(仮名)という駅を地下に設置し、JR山陽本線に設置される新白島駅(仮名)と連絡通路で接続するという計画がある。
[編集] 延伸計画
1999年11月、広島市はアストラムラインの延伸計画を発表した。現在のアストラムラインは本通駅から広域公園前駅まで“逆さJの字型”の路線を走っているが、広域公園前駅から東へJR西広島駅を経由してJR広島駅まで延伸、本通駅からも南へ広島大学跡地まで延伸して、“αの字”型の路線にする。
工事は広島市の財務状況を見ながら3期に分けて順次整備していくという。
- 2015年ごろまでに広域公園前駅-西広島駅間の6.2kmを整備(“逆さUの字型”路線の完成)
- これに合わせて、アストラムライン新駅とJR西広島駅・広電西広島駅を橋上駅舎で接続する「西広島総合駅」の計画も進められている。
- 2020年ごろまでに西広島駅-白神社前交差点間2.7kmおよび本通駅-白神社前交差点間0.5kmを整備(“Oの字型”路線の完成)
- 2030年ごろまでに白神社前交差点-広島大学跡地間0.9kmおよび白神社前交差点-JR広島駅間2.7kmを整備(“αの字型”路線の完成)
なお、計画では広域公園前駅-西広島駅間を「西風新都線」、西広島駅-広島駅間を「東西線」、本通駅-広島大学跡地間を「南北線」と呼称している。西風新都線に4駅(西広島駅を除く)、東西線に5駅(西広島駅・広島駅を除く)、南北線に白神社前交差点と広島大学跡地の2駅を設置予定。
さらに、広島大学跡地から吉島、出島を経て、広島港まで延伸するルートも計画されている。なお、東西線については広島電鉄もLRTによる同路線の建設を希望したため、調整に難航している。
地下方式より経費の安い高架方式を採用するか、景観や環境に配慮した地下方式とするかは未定となっている。しかし、それどころか広島市は新球場建設や道路整備などのため財政が苦しく、現在広島高速交通が赤字なので建設自体危ぶまれている。
[編集] その他
- 地上区間の広域公園前~古市間と中筋~白島間では駅の外観・構造がやや異なる。中筋~白島間ではホームの端に階段・エスカレーターが設置されているのに対し、広域公園前~古市間ではホームの中間に階段・エスカレーターが設置されている(改札とホームが同じフロアにある毘沙門台駅を除く)。