全国高等学校バレーボール選抜優勝大会
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全国高等学校バレーボール選抜優勝大会(ぜんこくこうとうがっこうばれーぼーるせんばつゆうしょうたいかい)は、毎年3月20日から3月26日まで1週間に渡って東京都渋谷区の国立代々木第1体育館を会場に開かれる高校バレーボールの大会である。「若さでアタック!春の高校バレー」というサブタイトルを大会名冒頭につけているため、一般には「春の高校バレー」、「春高バレー」と呼ばれている。 インターハイと並び、高校バレーにとって重要な位置づけにある大会である。この大会からは数多くの日本代表選手を送り出しており、日本代表への登竜門といわれている。
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[編集] 概要
- この大会は日本バレーボール協会、全国高等学校体育連盟、産経新聞社、フジテレビジョン、FNSフジネットワークが主催し、コカ・コーラの特別協賛で行われている。 優勝校には優勝カップと、コカ・コーラ賞品が副賞として贈呈される。
- 全国大会に出場することができるのは、前年優勝校と地方大会で勝ち上がった学校の男女53校ずつ、計106校である。地方大会は毎年1月から2月に開催され、東京は3校、大阪と神奈川は各2校、北海道は南北で各1校、他府県は各1校ずつが全国大会に出場することができる。大会は地方大会、全国大会通じてトーナメント方式で行われ、優勝校は来年の全国大会の出場権を得る(地区予選免除)と同時に、当該年の黒鷲旗全日本バレーボール選手権大会の出場権を得ることができる。
- 抽選会は3月初めにお台場フジテレビで行われる。最初に前回優勝校が第1シード、他の強豪3校が第2~4シード、東京都大会優勝校が第5シードとそれぞれ配置され2回戦から緒戦を行い、次に残りの代表校の抽選が行われる。ただし、同地区で3校出場の東京都代表校同士は準決勝以降、2校出場の大阪、神奈川、北海道代表校同士、さらに前回優勝校と同地区代表校とはそれぞれ決勝のみに当たるように配置される。なお、前回優勝校が大阪、神奈川、北海道の場合、同地区で3校出場となるため前述の東京都代表校と同じ扱いとなる。
- 競技は3回戦までは3面、準々決勝は2面のコートで同時に行われるが、準決勝と決勝戦はアリーナ全体をセンターコートにし1面のみで競技が行われる。其れに伴い試合セット数も準々決勝までは3セット制(2セット先取)であるが、準決勝と決勝戦は5セット制(3セット先取)となる。
- かつては青山学院大学記念体育館や東京体育館をサブ会場としていたが、現在は代々木第1体育館だけになった。尚、2007年は代々木がアスベストの除去工事の関係上、さいたまスーパーアリーナで行なう。
[編集] 競技日程
- 3月20日 - 開会式・1回戦
- 3月21日 - 1回戦・2回戦
- 3月22日 - 2回戦
- 3月23日 - 3回戦
- 3月24日 - 準々決勝
- 3月25日 - 準決勝
- 3月26日 - 決勝戦
2006年現在。全て男女共通。
[編集] 春高バレーボールコーチングキャラバン
春高バレーボールコーチングキャラバンは全日本経験者のコーチを全国大会出場をめざす高校に派遣し指導を行う制度のことである(ただしフジテレビ系列のない青森県・徳島県・山口県には一切派遣されない。一方同じ条件の山梨県はフジテレビの視聴可能世帯が多いことに配慮し、例外的に派遣される。)。この制度は2001-2002年シーズンからはじまった。指導の様子は、各地区担当局エリアによる地上波(FNS28社及び日本テレビ系列の山梨放送の計29作品)・フジテレビ739(CS放送)・BSフジで放送される。
[編集] 歴史
- 1970年 - 3月24日から3月29日の日程で第1回大会が開催された。試合会場は準決勝までが東京体育館、決勝が駒沢室内球技場。出場枠は日本全国を23の地区に分けて、東京地区からは男女2校ずつ、その他の地区からは男女1校ずつの、計48校であった。開会式では、当時の産経新聞社長、鹿内信隆による始球式が行われた。
- 1974年 - 女子・八王子実践高校が大会初の連覇をした。
- 1976年 - 大会史上初めての男女とも同一の都道府県代表が優勝した。
- 1979年 - 男子・藤沢商業高校が男子大会初の連覇をした。
- 1980年 - 男子・藤沢商業高校が連続優勝記録を3に伸ばした。(史上初の3連覇)
- 1982年 - 男子・藤沢商業が史上最多の4回目の優勝をした。
- 1983年 - 7年振り・史上2度目の同一都道府県代表による優勝を果たした。
- 1986年 - 男子・藤沢商業高校が史上最多の5回目の優勝。女子・古川商業高校が女子大会では第4・5回の八王子実践以来12年ぶり2校目の連覇達成をした。
- 1993年 - 新人賞が新設される。
- 1997年 - 男子・鎮西高校が連覇をした。連覇達成は第16・17回の女子・古川商業以来、11年ぶり。男子としては藤沢商業高校以来、17年ぶり2校目。
- 1998年 - 女子・四天王寺高校が、第16・17回の古川商業高校以来、12年ぶり3校目の連覇達成。
- 1999年 - 男子・岡谷工業高校が男子大会として2年ぶり史上3校目の連覇達成。
- 2000年 - 男子・岡谷工業高校が20年ぶり史上2校目、公立校では初の3連覇を達成した。ラリーポイント制導入。
- 2002年 - 女子の決勝はメグ・栗原恵(三田尻女子)VSカナ・大山加奈(成徳学園)の対決で話題になった。
- 2003年 - 女子大会で東京の成徳学園が、第28・29回の四天王寺以来、5年ぶり4校目の連覇達成
- 2004年 - 21年振り史上3回目の同一都道府県代表校による優勝。同一市町村(佐世保市)での優勝は初。
- 2006年 - 男子・深谷高校が男子大会としては7年ぶり史上4校目の連覇達成。
- 2007年 - 全国大会会場の代々木第一体育館がアスベスト除去工事のため、さいたまスーパーアリーナを主会場にする(いわゆる2008年高校総体リハーサル大会になる)。それに伴い、埼玉代表校は開催地枠により従来の1校から2校に増える。(男子は深谷高校の前回優勝枠で実質3校)また東京都代表校は従来の3校のまま維持され、出場校は男女54校ずつ計108校になる。競技日程は通常より一日繰り上げ、3月19日から25日まで行われる。
-
- さいたまスーパアリーナにおける大会が好評あれば開催地を代々木体育館とさいたまスーパアリーナで交互で行うが検討されている。
[編集] 歴代優勝校
回 | 年度 | 男子優勝校 (都道府県) |
女子優勝校 (都道府県) |
---|---|---|---|
1 | 1970年 | 中央大学付属(東京) | 岡崎女子(愛知) |
2 | 1971年 | 大商大高(大阪) | 高田(岩手) |
3 | 1972年 | 崇徳(広島) | 中津南 (大分) |
4 | 1973年 | 大商大高(大阪) | 八王子実践(東京) |
5 | 1974年 | 古河第一(茨城) | 八王子実践(東京) |
6 | 1975年 | 崇徳(広島) | 就実(岡山) |
7 | 1976年 | 大商大高(大阪) | 泉州(大阪) |
8 | 1977年 | 弘前工業(青森) | 博多女子商業 (福岡) |
9 | 1978年 | 藤沢商業(神奈川) | 妹背牛商業(北海道) |
10 | 1979年 | 藤沢商業(神奈川) | 香川(山口) |
11 | 1980年 | 藤沢商業(神奈川) | 成安女子(京都) |
12 | 1981年 | 弘前工業(青森) | 就実(岡山) |
13 | 1982年 | 藤沢商業(神奈川) | 四天王寺(大阪) |
14 | 1983年 | 東亜学園(東京) | 八王子実践(東京) |
15 | 1984年 | 崇徳(広島) | 四天王寺(大阪) |
16 | 1985年 | 習志野(千葉) | 古川商業(宮城) |
17 | 1986年 | 藤沢商業(神奈川) | 古川商業(宮城) |
18 | 1987年 | 東海大四(北海道) | 扇城(大分) |
19 | 1988年 | 崇徳(広島) | 旭川実業(北海道) |
20 | 1989年 | 足利工大付(栃木) | 順心女子学園(東京) |
21 | 1990年 | 市立船橋(千葉) | 八王子実践(東京) |
22 | 1991年 | 花園(京都) | 氷上(兵庫) |
23 | 1992年 | 東海大四(北海道) | 帝国女子(大阪) |
24 | 1993年 | 釜利谷(神奈川) | 八王子実践(東京) |
25 | 1994年 | 東海大四(北海道) | 大阪国際滝井(大阪) |
26 | 1995年 | 深谷(埼玉) | 共栄学園(東京) |
27 | 1996年 | 鎮西(熊本) | 古川商業(宮城) |
28 | 1997年 | 鎮西(熊本) | 四天王寺(大阪) |
29 | 1998年 | 岡谷工業(長野) | 四天王寺(大阪) |
30 | 1999年 | 岡谷工業(長野) | 古川商業(宮城) |
31 | 2000年 | 岡谷工業(長野) | 九州文化学園(長崎) |
32 | 2001年 | 深谷(埼玉) | 三田尻女子(山口) |
33 | 2002年 | 東北(宮城) | 成徳学園(東京) |
34 | 2003年 | 岡谷工業(長野) | 成徳学園(東京) |
35 | 2004年 | 佐世保南(長崎) | 九州文化学園(長崎) |
36 | 2005年 | 深谷(埼玉) | 共栄学園(東京) |
37 | 2006年 | 深谷(埼玉) | 東九州龍谷(大分) |
38 | 2007年 | ? | ? |
[編集] 主な春高出身のバレーボール選手
- 川合俊一(東京都・明治大付属中野高校、1979年、1980年大会)
- 西村晃一(京都府・花園高校)
- 朝日健太郎(熊本県・鎮西高校、1992年、1993年大会)
- 南克幸(山口県・宇部商業高校)
- 加藤陽一(大分県・大分工業高校、1994年大会)
- 越川優(長野県・岡谷工業高校)
- 益子直美(東京都・共栄学園高校)
- 大懸郁久美(北海道・旭川実業高校)
- 大林素子(東京都・八王子実践高校、1985年大会)
- 中野由紀(大阪府・南寝屋川高校)
- 宝来眞紀子(山口県・三田尻女子高校)
- 菅山かおる(宮城県・古川商業高校、1996年大会)
- 大沼綾子(宮城県・古川商業高校、1996年、1997年大会)
- 高橋翠(宮城県・古川商業高校、1996年、1997年大会)
- 高橋みゆき(山形県・山形商業高校)
- 杉山祥子(静岡県・富士見高校)
- 吉澤智恵(東京都・共栄学園高校)
- 大山加奈(東京都・成徳学園高校、2002年大会)
- 栗原恵(山口県・三田尻女子高校、2002年大会)
- 河村聖子(山口県・三田尻女子高校、2002年大会)
- 木村沙織(東京都・下北沢成徳高校、2004年大会)
- 狩野舞子(東京都・八王子実践高校、2005年、2006年大会)
- 浅尾美和(三重県・津商業高校)
()内は出身高校、春高出場年
[編集] 放送体制
- 全国大会においては、フジテレビ系列各局が中継・放送している。準決勝、決勝のみ全国ネットで放送される(一部放送されない地域も存在する)。1998年からCS・J SPORTSで全国大会の全試合が放送されるようになった。決勝戦はBSフジでも放送される。2006年から中継映像が全試合ハイビジョン製作になった。
- 地方予選大会においては、各地域のフジテレビ系列各局と一部の独立UHF局が地方大会決勝戦を中継・放送する。
- フジテレビは東京都大会と茨城県大会、東海テレビは愛知・三重・岐阜県大会を担当。フジテレビ系列の無い地域はそれぞれ青森放送・山梨放送・テレビ山口(1987年まではFNSに加盟していたが、JNN排他協定がもとで離脱)・四国放送が地方大会決勝を中継する。また関東地区(東京を除く)と関西地区(和歌山・京都)の独立UHF局でも地方大会決勝を中継する。なお以前は、岩手放送(現:IBC岩手放送)・山形テレビ・高知放送でも地方大会決勝を中継した。
- 関西地区では、深夜録画放送として放送されている(担当:関西テレビ放送)。しかし、和歌山大会決勝では、テレビ和歌山が関西テレビ制作の番組を、実況生中継で放送し、同日深夜に同じ番組を放送する。京都大会は、京都放送でも同日の夜録画放送が実施される。(京都放送→関西テレビの順で放送。)
- 東京都大会は、他の地区と違い、女子の試合(準決勝2試合と3位決定戦)は放送されるが、男子の試合は収録は行っているものの結果のみで全く放送されない。
[編集] テーマ曲
- 1993年 君が君でいるために/森川美穂
- 1994年 OPEN YOUR HEART/吉田朋代
- 1995年 MUSIC FOR THE PEOPLE/V6
- 1996年 MADE IN JAPAN/V6
- 1997年 May Be/BE∀T BOYS
- 1998年 Be Yourself!/V6
- 1999年 Believe your Smile/V6
- 2000年 HORIZON/嵐
- 2001年 はなさない!/嵐
- 2002年 Eazy Crazy Brake Down/嵐
- 2003年 コイゴコロ/嵐
- 2004年 Stand Up!/NEWS
- 2005年 きらめきの彼方へ/NEWS
- 2006年 MY WAY/玉置成実
[編集] 関連項目
- 全国高等学校選抜大会
- 全国高等学校総合体育大会バレーボール競技大会(インターハイ、夏の全国大会)
[編集] 外部参照リンク
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