国道3号
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国道3号(こくどう3ごう)は、福岡県北九州市から鹿児島県鹿児島市へ至る一般国道である。福岡県~熊本県にかけて九州自動車道と並走する。 JR九州の鹿児島本線、また熊本県八代市~鹿児島県薩摩川内市は肥薩おれんじ鉄道とほぼ同じルートを行っている。 特に福岡県においては、同県南北を結ぶ交通の要衝となっており、県内を走る国道の中では最も交通量が多い。
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[編集] 概要
- 陸上距離:392.1km
- 起点:福岡県北九州市門司区(老松公園前交点=国道2号終点)
- 終点:鹿児島県鹿児島市(中央公園=国道10号・国道224号・国道225号・国道226号終点、国道58号起点)
- 主な経由地:福岡市 久留米市 熊本市 八代市 水俣市 薩摩川内市
- 指定区間:福岡県北九州市小倉北区砂津(富野口交点)~終点
[編集] 歴史
現在の国道3号に相当する道は、長崎街道の一部、唐津街道、薩摩街道である。国道3号と長崎街道が同じルートであるのは門司から八幡までであり、そこから長崎街道は、遠賀川に沿って進み冷水峠を越えて筑紫野へ、鳥栖から長崎方面へ向かうという、今日の国道200号と国道34号に相当するルートをとっていた。八幡から福岡市へ向かう道が唐津街道である。薩摩街道は鳥栖附近で長崎街道から分岐し、現在の3号と同じルートをとっていた。
明治18年内務省告示第6号「國道表」では、長崎街道がそのまま国道4号「東京より長崎港に達する路線」となり、薩摩街道は国道4号から筑紫野で分岐する国道11号「東京より熊本鎮台に達する路線」および熊本より先の国道37号「東京より鹿児島県に達する路線」となった。唐津街道は国道34号「東京より福岡県に達する路線」に指定された。
大正9年施行の旧道路法に基づく路線認定では、国道2号「東京市より鹿児島県庁所在地に達する路線(甲)」となった。この路線は福岡市を経由するもので、今日の国道3号と同じルートである。それまで上位路線であった長崎へ向かう路線は、国道2号から鳥栖で分岐する国道25号となった。また、遠賀川沿いの旧長崎街道は国道から外された。この区間が再び国道となるのは1953年のことである。
1952年12月4日、新道路法に基づく路線指定で旧2号の門司より南が一級国道3号(福岡県門司市(現 北九州市門司区)~鹿児島県鹿児島市)として指定された。1965年4月1日に、道路法改正によって一級・二級の別がなくなり一般国道3号となった。
[編集] バイパス路線
[編集] 福岡県内
国道495号の一部区間(福岡市東区香椎駅前~福津市中央)および福津市中央から遠賀郡岡垣町山田峠に至る道路が国道3号の指定から外れるまでは福岡市東区香椎駅前から遠賀郡岡垣町山田峠までの区間がそれぞれ「香椎バイパス」「宗像バイパス」「岡垣バイパス」と呼ばれていた。
福岡県道112号福岡日田線(福岡市博多区東比恵~筑紫野市原田)が国道指定から外れるまでは、福岡市博多区豊から筑紫野市原田までの区間が「福岡南バイパス」「筑紫野バイパス」と呼ばれていた。
福岡市博多区豊から福岡市東区松崎までの区間は現在も「国道3号博多バイパス」と呼ばれる。博多バイパスに対する現道区間は福岡市博多区東比恵から福岡市東区下原である。博多バイパスは将来延長され、東部市場付近(福岡市東区下原)で3号線と合流する計画となっている。
[編集] 熊本県内
1969年までは熊本県道303号四方寄熊本線の区間が国道3号の現道であった。これと並行して建設されたバイパスの熊本市四方寄町から浄行寺交差点までの区間は、現道となった現在も「清水バイパス」と呼ばれている(四方寄熊本線は「旧国道3号」の通称が現在でも広く使用されている)。
[編集] 鹿児島県内
[編集] 重複区間
- 福岡県北九州市門司区(老松公園前交点)~福岡県北九州市小倉北区(三萩野交点):国道10号
- 福岡県久留米市~熊本県山鹿市(中央通り交点):国道325号
- 熊本県山鹿市新町(西上町交点)~熊本県山鹿市中央通(中央通り交点):国道443号
- 熊本県鹿本郡植木町(舞尾交点)~熊本県熊本市(水道町交点):国道208号
- 熊本県熊本市(近見町交点)~熊本県宇土市(松原交点):国道57号
- 熊本県熊本市~熊本県宇城市松橋町久具:国道218号
- 熊本県熊本市~熊本県八代市(萩原町交点):国道219号
- 鹿児島県鹿児島市小山田町(小山田町交点)~鹿児島県鹿児島市城山町(中央公園):国道328号
[編集] 通過市町村
[編集] 接続路線
- 福岡県
- 国道2号(北九州市門司区起点)
- 国道10号(北九州市門司区起点~北九州市小倉北区)
- 国道198号・国道199号(北九州市門司区)
- 国道322号(北九州市小倉北区)
- 国道199号・国道200号(北九州市八幡西区)
- 古賀IC - 九州自動車道(古賀市)
- 国道201号・国道495号、香椎東出入口・香椎出入口 - 福岡高速道路1号線(福岡市東区)
- 国道202号・福岡外環状道路(国道202号)・国道385号、千代出入口・榎田出入口・半道橋出入口・月隈出入口・金の隈出入口・大野城出入口 - 福岡高速道路2号線(福岡市博多区)
- 水城出入口 - 福岡高速道路2号線、太宰府IC - 九州自動車道(大野城市・太宰府市)
- 国道200号・鳥栖筑紫野道路(筑紫野市)
- 佐賀県
- 福岡県
- 熊本県
- 鹿児島県
[編集] バイパス
- 戸畑バイパス(北九州市)
- 黒崎バイパス(北九州市)・・・未完成
- 遠賀バイパス(遠賀町~岡垣町)
- 岡垣バイパス(岡垣町~宗像市)
- 宗像バイパス(宗像市)
- 香椎バイパス(古賀市~福岡市)
- 博多バイパス(福岡市)
- 福岡南バイパス(福岡市)
- 筑紫野バイパス(筑紫野市)
- 熊本北バイパス(熊本市)・・・未完成
- 清水バイパス(熊本市)
- 川尻バイパス(熊本市)
- 宇土バイパス(宇土市~宇城市)
- 隈之城バイパス(薩摩川内市)
- 市来バイパス(いちき串木野市)
- 鹿児島バイパス(鹿児島市)
[編集] 有料道路
[編集] 別名
- 長崎街道
- 薩摩街道
[編集] 主な峠
- 小栗峠(標高183m):福岡県八女郡立花町~熊本県山鹿市
- 赤松太郎峠(標高117m):熊本県八代市~熊本県葦北郡芦北町
[編集] 道の駅
- 福岡県
- 立花(八女郡立花町)
- 熊本県
- 鹿北(山鹿市鹿北町)
- 竜北(八代郡氷川町)
- たのうら(葦北郡芦北町)
- 鹿児島県
- 阿久根(阿久根市)
[編集] その他
北九州市内は市街地を走るため、門司駅前、小倉北区富野・清水(きよみず)交差点、八幡西区陣山・黒崎・陣原・則松周辺などは渋滞も激しい。その他信号も多く、並行する国道199号線がバイパスの役割を果たしている。北九州市を抜けて福岡市北部にかけての区間は、バイパスとして整備された区間で信号が少なく車線数も多い。ただ北九州方面から福岡、鳥栖、久留米方面までは幹線道路として事故の多さでも国内有数であるため注意が必要。(暴走行為などのかなり危険な運転もしばしば見られる。)また、佐賀県の基山町から福岡県の八女市方面にかけては大部分が片側一車線である上、交通量も非常に多いため、慢性的に渋滞している。久留米から南は山越えのルートになる。
熊本県内では、県道3号大牟田植木線と合流する地点(鹿本郡植木町)の道路標示が紛らわしいことで有名。四方寄交差点(熊本市)以北は相互一車線区間で、熊本市中心部に向かう車が多く、渋滞が起こりやすい。特に国道208号線と接する、舞尾(もうの)交差点(鹿本郡植木町)は渋滞のメッカ。渋滞の解消に向けて、北バイパス、西バイパスなどが整備中である。