モスラ (架空の怪獣)
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モスラ (Mothra) は1961年(昭和36年)の映画『モスラ』を始めとする東宝製作の怪獣映画に登場した架空の怪獣。
『モスラ』で初めて登場した怪獣モスラは、その後も多くの作品で活躍し、ゴジラ、ラドンと並び東宝三大怪獣と称される。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 特徴
モスラは蛾を巨大化させたかのような形状をしており、その生態も蛾、特にカイコに酷似している。すなわち卵生で幼虫から繭を作り、成虫へと脱皮するというライフサイクルを持っている。成虫は沖縄の蛾、ヨナグニサンがモデルと言われており、白一色のカイコ蛾と比べて、カラフルな色合い(この事から極彩色の怪獣とも言われる)をしている。また、カイコ蛾の羽は退化しており羽ばたく事が出来ないのに対して、モスラは強靭な羽を持っており太平洋も楽々と飛び越える事が出来るほどの飛行力を持っている。
鱗粉を出して相手を混乱させる技が得意で、これで敵怪獣を何度も苦しめている。但し、『モスラ対ゴジラ』と『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』では「鱗粉を失うと羽がもろくなり飛行能力を失ってしまう、つまり死亡する」という設定があるため、まさに「最後の攻撃」と言える(事実、2作とも成虫はゴジラに敗れ、ゴジラ打倒を幼虫に託している)。また、水中戦は苦手で『モスラ2 海底の大決戦』でダガーラとの水中戦には苦戦した。『モスラ2』ではダガーラに対抗するため水中モード・モスラ、レインボーモスラ、『モスラ3 キングギドラ来襲』ではキングギドラに対抗するため鎧モスラに変化した。一度は敵に敗れ、それに対抗するために新たなモスラになり、再戦を挑み倒すという戦い方が平成モスラシリーズでは多かった。というよりもその戦い方がこの作品の定評になっている。(ゴジラ FINAL WARSで最後のガイガンに対する捨て身技のファイヤーモスラがあるがこれはパワーアップではない。)
[編集] 名称
英語ではMothra。蛾を意味する英語のMothと母を意味する英語のMotherを掛け合わせたもの。つまり、本来の蛾の怪獣という意味の他に、母性を象徴する怪獣としてこの名称がつけられた。事実、モスラの出演する映画ではモスラは他の怪獣と違い、必ず何かしらの守護神となっているため、いわゆる「敵役怪獣」になった事は一度もない(『怪獣総進撃』でキラアク星人に操られて破壊活動を行った事があるのみ)。
[編集] モスラが登場する映画のリスト
怪獣モスラは、第1作の後も多くの怪獣映画に採り上げられ登場している。以下は、そのリストである。
リストは映画の公開順、タイトルの右下には各作品に登場する怪獣を記す。
- 『モスラ』 (1961)
- モスラ(成虫、幼虫)
- 『モスラ対ゴジラ』 (1964)
- ゴジラ (架空の怪獣)、モスラ(成虫、幼虫)
- 『三大怪獣 地球最大の決戦』 (1964)
- 『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』 (1966)
- 『怪獣総進撃』 (1968)
- 『ゴジラvsモスラ』 (1992)
- ゴジラ、モスラ(幼虫、成虫)、バトラ(幼虫、成虫)
- 『ゴジラvsスペースゴジラ』 (1994)
- 『モスラ』 (1996)
- モスラ(幼虫、成虫)、デスギドラ
- 『モスラ2 海底の大決戦』 (1997)
- モスラ(幼虫、成虫)、ダガーラ
- 『モスラ3 キングギドラ来襲』 (1998)
- モスラ(幼虫、成虫)、キングギドラ
- 『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』 (2001)
- ゴジラ/呉爾羅、バラゴン/婆羅護吽、モスラ/最珠羅(幼虫、繭、成虫)、ギドラ/魏怒羅、キングギドラ/千年竜王
- 『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』 (2003)
- ゴジラ、モスラ(幼虫、繭、成虫)、3式機龍(メカゴジラ)
- 『ゴジラ FINAL WARS』 (2004)
- 『ゴジラ対ガイガン』では幼虫のみがライブフィルムとして登場した。
[編集] 映画『モスラ』 (1961) のモスラ
インファント島の守護神。小美人が興行師ネルソンに連れ去られた為、本能でそれを追って東京にやってきた。幼虫の形態で180メートルにまで巨大に成長し、都内を破壊、東京タワーで成虫になり、今度はネルソンが逃亡したロリシカ国のニューカークシティを破壊するが、福田善一郎達が空港にモスラの紋章を描き、着地したところで小美人を返され、小美人を連れてインファント島へ帰った。
- (幼虫)
- 体長:180メートル(最大時)
- 体重:2万トン(最大時)
- (成虫)
- 体長:135メートル
- 翼長:250メートル
- 体重:1万5千トン
[編集] 平成モスラ3部作のモスラ
インファント島の守護神。親モスラとデスギドラとの戦いの最中に卵から孵化した。デスギドラに苦戦する親モスラの援護にくるが歯が立たず、尻尾を噛みつかれ血まみれになったあげく、頭を踏みつけられた。その後、屋久島で繭を作り成虫に変態した。樹齢一万年の屋久杉の力(一万年分の大地の記憶)を得た為羽根と複眼が緑色をしている。このモスラは「新モスラ」または「新生モスラ」とも言われる。そしてデスギドラを再度、封印した。ダガーラ戦では水中戦が苦手なので絶体絶命のピンチにまで陥れられた。こうした数々の戦いを経験するうちに、「レインボーモスラ」「水中モスラ(アクアモスラ)」「鎧モスラ」への変身能力を身に付けた。羽化の時には無数の分身体に別れて、合体して一体になった為、分身攻撃が得意である(歴代モスラの中で、分身体の状態で羽化したのは、このモスラだけである。デスギドラとの2度目の戦いの際、分身攻撃で、デスギドラを翻弄した)。又、幼虫の時期には体色を風景と同化させて擬態する能力も持っていた。これには「グリーンモスラ」という呼び名もある。また、『モスラ2』のDVDにおいては「モスラ・レオ」と表記されている。なお今までのシリーズとは違い、幼虫の状態でも腹部からビームを撃つことができる。ちなみにモスラを呼ぶ時に歌う歌は、3作共微妙に違っている。ちなみにこれほどの沢山の変身をしたのはこのモスラだけである。
- (幼虫)
- 体長:25メートル
- 体重:3000トン
- (成虫)
- 全長:24メートル
- 翼長:53メートル
- 体重:5900トン
[編集] レインボーモスラ
『モスラ2』、及び『モスラ3』に登場。ダガーラに敗れ、絶体絶命のピンチに陥ったモスラがゴーゴの「命の水」の影響で強化した状態、以後の通常形態になる。虹色に変化した翼をもつ。 翌年のキングギドラ戦でも登場しているがキングギドラ(グランドギドラ)の圧倒的な力の前に敗れ、1億3000万年前の中生代にタイムスリップし、そこでのキングギドラ幼体(ヤングギドラ)との戦いで相撃ちになり一度は絶命する。しかし、原生モスラ達に繭のタイムカプセルによって包まれ、さらに力と能力を増した「鎧モスラ」(下記を参照)に変身して、現代に帰ってきた。
『モスラ2』では目などはモスラの色を残し緑だったが『モスラ3』では青さが増し目も青になった。
- 体長・体重などは変身前のモスラと同じ(上記)。
[編集] 水中モード・モスラ
『モスラ2』と『モスラ3』に登場。ダガーラに抵抗するためレインボーモスラが変化した水中形態。これで水中戦が苦手だったモスラもダガーラと互角の水中戦を繰り広げることができた。分身攻撃もできる。水の抵抗を少なくするため、斜めに小さめな翼になっている。また体型も若干細くなっている。光速モードへ変身する際の途中形態でもある。「アクアモスラ」とも呼ばれる。ちなみに鳴き声がレインボーモスラの時とかなり違う。
- 体長:24メートル
- 翼幅:30メートル
[編集] モスラ光速モード
『モスラ3』に登場。レインボーモスラが中生代にタイムスリップするために、水中モードを経て変化した姿。全身尖った体付きである。その名の通り、光速もしくはそれ以上のスピードが出せるものと思われる。
- 体長:25メートル
- 翼幅:30メートル
[編集] 鎧モスラ
『モスラ3』に登場。「平成モスラ3部作」史上最強のモスラである。レインボーモスラの時にキングギドラに敗れ、それに抵抗するためにモスラが中生代にタイムスリップしてキングギドラ幼体を倒して絶命した後、原始モスラ達の作った繭の中で一億年間も眠った究極の形態。その名の通り体が鎧のように固く、その固さは、キングギドラの強力な光線をも跳ね返すほどである。また、羽も固く強化されており、どんなものでも切断できるほどである(キングギドラとの2度目の戦いの時、体当たりした時に片方の羽を切り落としてしまっている)。額の光線を発射する単眼が、一つになっている。そこから発射される光線は以前のモスラと比べ、かなり強力になっている。 その圧倒的なパワーでキングギドラを青い色をした塵に分解して倒した。鎧を解除した後、親モスラに似た鎧モスラ・エターナルに変化した。
- 体長:80メートル
- 翼長:250メートル
- 体重:2万トン
[編集] 鎧モスラ・エターナル
『モスラ3』に登場。キングギドラを倒した直後に鎧モスラが、鎧を脱いだ姿。そのため、姿形は鎧モスラの形そのままである。額の光線を発する単眼が消えた非戦闘モードである。逆に、戦闘時には、元の鎧モスラにも変身できると思われる。結晶化したモルを蘇らせたため、生命に関する能力を持っていると考えられる。先代の親モスラの子供のためか、外見は親モスラにそっくりである。
- 体長・体重は変身前と同じ(鎧モスラが鎧を外した姿のため、いくらかは体重は軽くなるものと思われる)。
[編集] フェアリー
エリアスが乗る小型のモスラ。親モスラの分身のためか、外見が親モスラと全く同じ姿である。守護神であるモスラの眷属(=神の使い)であり、モスラの変化とともに外観も変化する、武器は触角からの光線(インパルサー)。物質の分析や異生物との交信も出来る。
- 体長:18センチメートル
[編集] 親モスラ
『モスラ』に登場。先代のモスラ。卵を産んで死を待つ所に出現したデスギドラに立ち向かうが圧倒的なパワーに苦しむ。その後、幼虫と共に立ち向かうがそれでも歯が立たなかった。デスキドラを挑発しダムを破壊させて濁流にデスキドラを飲み込ませた後に,幼虫モスラを海上まで連れていき,そこで力尽き、幼虫に全てを託して海の底へ沈んでいった。触覚から、光線を発射したり、羽から稲妻を落としたり、燐粉をばら撒いたりと多彩な技を持つ。『ゴジラVSモスラ』の成虫と容姿がそっくりだが、作品的繋がりは皆無のため別個体である。
- 体長:25メートル
- 翼長:50メートル
- 体重:6千トン
[編集] 原始モスラ
中生代に生息していたモスラの祖先、人類の環境破壊以前の時代の為、複数の個体が存在し、劇中には幼虫が3体登場した。キングギドラ幼体を倒して力つきたモスラを繭に包み、復活させ現代に送った。成長した後の姿は劇中では確認されていない。
- 体長:15メートル
- 体重:2千トン
[編集] ゴジラシリーズのモスラ
モスラはゴジラシリーズにもゴジラの味方または敵として何度も登場しており、「ゴジラ以外の怪獣」の登場回数ではトップである(対ゴジラ、三大怪獣、vsモスラでは主役扱いである)。ちなみにゴジラは成虫モスラに勝ったことは何度かあるが、幼虫モスラに勝ったことは一度もない。だが、ならばその全てにおいて負けているのかというと、そうともいえない。怪獣王たるゴジラが幼虫のモスラに負けるとは「見かけ倒し」との声もある。
[編集] 昭和期シリーズ
- (成虫/各作品共通)
- 体長:135メートル
- 翼長:250メートル
- 体重:1万5千トン
[編集] モスラ対ゴジラ
成虫と新たに卵から産まれた双子の計3体が登場。成虫は『モスラ』に登場した個体と同一とされる。またかなりの巨体でありゴジラの大きさが霞むくらいだがそれでも老齢期なので東京タワーで羽化した時より小さいとされる。産んだ卵が台風により日本まで流され、その卵をゴジラが襲おうとしたため、卵を守るために残り少ない命を承知で登場。ゴジラを鱗粉で苦しめるが、最後はゴジラの熱線で死亡。卵から生まれた2体の幼虫がゴジラを糸でグルグル巻にして海へ落とし、2体の幼虫はインファント島に帰還した。しかしこの内1体は、後に死亡(後述)。
- (幼虫)
- 体長:53メートル
[編集] 三大怪獣 地球最大の決戦
幼虫が登場。『モスラ対ゴジラ』に登場した幼虫と同じ個体とされる。しかし、2体のうち1体は死亡している(劇中で小美人が説明。原因は不明だが、前回のゴジラ戦における怪我が原因、という説(幼児向けに発売された本より)が有力である。おそらく、前作でゴジラの尻尾に噛み付いたためにその尻尾で叩きのめされた、青い眼をした方だろう)。キングギドラ来襲の際に、小美人が呼び寄せた。ゴジラとラドンに一緒に戦おうと説得するが「いつも我々をいじめてきた人類を守る必要はない」と拒否され、仕方なくキングギドラに1体で戦うが勝てる訳もなかった。その姿を見たゴジラとラドンは、キングギドラと戦うことを決意し、共にキングギドラを宇宙に追い返した。
[編集] ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘
成虫が登場。上の2作品に登場した幼虫が変態した姿と思われるが劇中では特に言及されていない。秘密結社「赤イ竹」に拉致されたインファント島の人たちを救出するために最後に少しだけ登場。戦うことが目的ではないので、襲いかかろうとするゴジラに羽でチョップを食らわせて追い払う程度で済ませている。
[編集] 怪獣総進撃
幼虫が登場。怪獣ランドの怪獣として登場した。キラアク星人に操られ、北京の列車やモノレールの駅を破壊。その後、富士のすそ野でキングギドラと戦い糸でぐるぐる巻きにした。
- 体長:40メートル
- 体重:8千トン
[編集] 平成VSシリーズ
[編集] ゴジラvsモスラ
地球の先住民族コスモスの守護神。同族だが傾向が異なるバトラと戦う運命にあり、不本意ながらバトラと戦った。インファント島の地中から卵が出現し、インファント島の開発を行っていた丸友観光によって日本に運ばれる途中に孵化した。孵化の直前に出現したゴジラ、バトラと戦った。その後、丸友観光に連れ去られたコスモスを追って東京に上陸し、国会議事堂で繭を作り成虫となった。同時期に成虫となったバトラと横浜上空で激しい戦いを繰り広げたのち、上陸してきたゴジラにバトラに決して使う事がなかった超音波ビームで攻撃し、傷ついたバトラを助けて和解、共闘の末にゴジラを攻撃不能状態にして海へ連れ去ったが、バトラが力尽きてしまい、その海上でゴジラを封印、バトラの使命を受け継ぎ、地球に追突する隕石の軌道を変えるため宇宙へ旅だつ。
- (幼虫)
- 体長:120メートル
- 体重:1万5千トン
- (成虫)
- 翼長:175メートル
- 体重:2万トン
[編集] ゴジラvsスペースゴジラ
- フェアリーモスラ
- 宇宙へ飛び立ったモスラがスペースゴジラの脅威を知らせる為に地球へよこした分身体。超能力者しか見えない。
- (成虫)
- 翼長:30センチメートル
- (成虫)
[編集] 新世紀シリーズ
[編集] ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
従来のモスラと異なり、護国三聖獣の一つである海の神として登場。(但し「海」との関連を見出せる描写はない。しいて挙げれば「湖」で成長した事くらい)外見は従来と異なり、体毛がなく少々不気味な個体。今回は、厳密には人類の味方ではないので、鹿児島県の池田湖から出現した際に、不良たちを襲い、溺死させる。その後、湖面に繭を作り成虫となった。飛行してゴジラの迎撃に向かい、途中から参戦したギドラと共にゴジラを迎え撃った。しかし、今回ばかりはゴジラの力が強すぎた。ギドラがゴジラの攻撃で気絶し、再びローンバトルを強いられた上、ギドラへのとどめとして放たれたゴジラの熱戦をギドラをかばって2回受け、燃やし尽くされる。そのエネルギーをギドラに与え、完全体「千年竜王」キングギドラにさせた。なお、従来のモスラが使った鱗粉や光線は使わず、尾の先端から飛ばす無数の針と脚による引っ掻きが攻撃方法。
- (成虫)
- 翼長:75メートル
- 胴幅:5メートル
[編集] ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
初代モスラの子孫。脚部以外は初代に準じた形態。機龍(メカゴジラ)に代わり、ゴジラと戦う。鱗粉及び足による引っ掻き攻撃でゴジラを苦しめるがゴジラに足を引きちぎられてしまう。成虫は援護にやってきた2体の幼虫をかばい、ゴジラの熱線に敗れる。2体の幼虫は機龍と共にゴジラと戦い、機龍のスパイラルクロウで体を貫かれて怯んだゴジラを糸でグルグル巻にして動きを止め、機龍、身動きのとれないゴジラと共に海に沈んだ。
- (成虫)
- 体長:36メートル
- 翼長:108メートル
- 体重:1万2千トン
- (幼虫)
- 全長:43メートル
- 体重:9千トン
[編集] ゴジラ FINAL WARS
インファント島の守護神という基本設定はそのままであるが、伝承によればかつてガイガンの襲来に際して戦いを挑み、敗れたとされている。これにより古代の地球ではX星人達によるミトコンドリアの収穫が滞りなく行われ、後に「カイザー」と呼ばれる地球人との混血種が誕生するに至ったと考えられる。ガイガンが再起動し、X星人達の地球侵略が苛烈を極める地上に復活、モンスターXと改造ガイガンに苦しむゴジラの援護に現れた(ただし、モスラが戦っている間、ゴジラはダウンしており、モスラがガイガンと共に倒れた後でゴジラが再び戦うのでタッグ戦はしていない)。ガイガンとの空中戦においてカッターで羽を切断され、光線で大爆発して倒されたかに思われたが、その光線を爆炎として身にまといガイガンに体当たり(技名:ファイヤーヒートアタック。この状態のモスラをファイヤーモスラと呼ぶ)して倒した。ガイガンと共に爆散したかと思われたが、エンドロールで小美人の待つインファント島へと無事帰還している。
ゴジラと成虫モスラが共闘するのは本作のみであり、またこの2体のみが地球側の怪獣としてX星人が操る怪獣と戦っている。なお、造形物は前作の物の流用で、頭部の毛並みのみ多少変更している。
- 体長:72メートル
- 翼長:216メートル
- 体重:2万5千トン
[編集] 亜種怪獣
[編集] バトラ
映画『ゴジラvsモスラ』に登場。
モスラの亜種であり、モスラと同様に地球の守護神というべき存在であるが、『守護』を目的とするモスラとは相反し、『破壊』を目的としている存在である。その名は「バトルモスラ」の略であるとされる。はるか太古の発達した文明時代に、気候を自在に操る機械が発明され地球生命を脅かした為に、文明を滅ぼそうと地球自らが生み出したとされる怪獣である。そのために凶悪そうな顔をしている。幼虫の時でも光線を放つなど、モスラに比べて、より攻撃的な能力を持つ。『ゴジラ対メガロ』に登場したメガロに顔が似ているが、関連はない。
バトラはコスモスの築いた古代の文明を攻撃し、コスモスの守護神モスラによって最終的に北の海に封印されたがその時にはバトラによって気候操作の機械が壊されていた為、多くの大地が海中に没しコスモスの文明は滅び多くのコスモスが命を落とした。その後巨大隕石の落下が引き金となり20世紀に復活する。復活したバトラは日本に向かい、能登半島沖にて航空自衛隊の戦闘機からミサイルを受けるがそれをものともせず地中に潜り、名古屋に巨大な土煙と共に出現し名古屋城を破壊した。そして名古屋テレビ塔付近で迎え撃つ陸上自衛隊の74式戦車部隊と戦い角と目から光線を発射し多数を撃破するが、到着したツインメーサータンクと92式メーサー戦車の攻撃を受け名古屋テレビ塔を倒して再び地中に潜行する。その後フィリピン沖に出現。コスモスを守るためにゴジラの気を引いていた孵化したばかりのモスラに襲い掛かろうとしたが、逆にゴジラの怒りを買ってしまい、ゴジラとフィリピン沖の海底で激しく戦う。しかし、戦闘の衝撃がマグマ層に影響を与え、海底火山が活動を開始しゴジラ共々マグマに飲み込まれる。バトラは幼虫のモスラが国会議事堂で羽化して成虫になろうとしている時に海から再び姿を現し、成虫となりモスラの元へ向かう。
横浜みなとみらい21でモスラと激しく戦うが、先のマグマ層の活性化で噴火した富士山から現れたゴジラを迎え撃つために単身ゴジラの元に向かった。返り討ちにあい、あわやというところでモスラに助けられ、モスラと共にゴジラを迎え撃つが、戦闘中に負った怪我がバトラ自身の命を縮めた。バトラはモスラとの連携攻撃によってゴジラを行動不能にし、海上に運び出したが、その途中、ゴジラに噛み付かれた傷口に熱線を浴びせられゴジラと共に海に沈む。
本来の復活の目的は後に地球に飛来する巨大隕石(後のスペースゴジラであったという説もある)を回避する事であったが、ゴジラに倒されたために、モスラが代行した。
ちなみに、蛹の状態は劇中では見られず、幼虫の状態から一瞬にして成虫に変態した。しかし、その成虫化の姿は、ユスリカの蛹が尾を上下に振りながら水面を泳ぎつつ、羽化する姿を彷彿とさせるものである。設定ではモスラが完全変態を行うのに対し、バトラは不完全変態を行うとされており、コミカライズ版では変態の際に残した抜け殻が発見されている。
余談だが、ゲーム『ゴジラ怪獣大決戦』ではモスラの超必殺技「モスラ&バトラ攻撃」(隠し技扱いだった)でバトラが何処からともなく現れ、モスラと共に戦うという登場をしている。「ゴジラvsスペースゴジラ」ではストーリーに直接関ってはこないが、ライブフィルムにて登場している。
- (幼虫)
- 体長:90メートル
- 体重:2万トン
- (成虫)
- 翼長:180メートル
- 体重:3万トン
[編集] 関連項目
- ゴジラ
- 小美人
- パオパオチャンネル:1987年から89年にかけてテレビ朝日系列で放送された番組。同番組内で、「モスラはみんな生きている」というコーナーが存在していた。
- 井川慶:阪神タイガースの投手。ポスティングシステムでニューヨーク・ヤンキースが彼を落札したとき、ゴジラの愛称で知られる松井秀喜に因み「モスラ井川」「だっぺモスラ」とメディア内でいわれるようになった。