地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン
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『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』(ちきゅうこうげきめいれい ゴジラたいガイガン)は1972年3月12日公開の日本映画で、ゴジラシリーズの第12作。登場する怪獣はゴジラ、アンギラス、ガイガン、キングギドラ。
ライブフィルムとしてカマキラス、クモンガ、ゴロザウルス、ラドン、モスラ(幼虫)がM宇宙ハンター星雲人がゴジラについて会議しているときの資料で登場した。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] ストーリー
売れない劇画家の小高源吾は、知り合い・友井トモ子の紹介で、現在建設中の「世界子供ランド」の仕事にありつく。だがそこの会長はまだ少年であり、事務局長の久保田と共に何やら不思議な人物であった。
そんな中、「子供ランド」のオフィスの前で、小高は久保田たちに追われていた一人の女が落とした奇妙なテープを拾う。後に追われていた女・志摩マチ子と知り合った小高は、子供ランドにマチ子の兄・志摩武が監禁されているのではないか、との話を聞く。不審に思った小高は、マチ子が子供ランドから奪ったテープを再生してみた。しかしそのテープからは奇妙な電子音のみが流れ、一体何なのかはわからぬままだった。
実は、子供ランドの職員は、地球制服を狙うM宇宙ハンター星雲人の面々で、テープの内容は宇宙怪獣・ガイガンを呼び寄せるためのものだった。それに応え、宇宙から飛来するガイガンとキングギドラ。テープの電子音に気付いたゴジラは異常を感じ、アンギラスを偵察に向かわせる。しかし、相模湾に上陸したところで防衛隊の攻撃に追い返されてしまった。
その隙に、キングギドラとガイガンは東京に飛来。防衛隊の攻撃をものともせず、東京から月の瀬海岸のコンビナートを徹底的に破壊した。そこに遂にゴジラがアンギラスと共に上陸する。かくして、ゴジラ・アンギラス対ガイガン・キングギドラの壮絶な流血戦が開始された。
[編集] 見所
第二次怪獣ブームの真っ只中に製作された作品だが、全盛期に比べて予算が削られ、作品における特撮シーンには、過去製作された『三大怪獣 地球最大の決戦』や『怪獣総進撃』、『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』などの作品から大量にライブフィルムが流用されている。また、音楽もこれまでのように新録音ではなく、全編に渡って伊福部昭作曲の曲が流用されている。
故にファンからの評判は近年に至ってもあまり芳しくは無いが、宇宙人の正体が実はゴキブリであった、などという意表を突くストーリーや、新怪獣ガイガンのデザイン、人気怪獣アンギラスの活躍が見られる、圧倒的に不利な状況に陥りながらも最後には逆転勝利するゴジラ & アンギラスなど見所は多く、この作品のファンも多い。
科学万能主義に対するアンチテーゼがあり、「何故だ……圧倒的な科学力を誇っていた我々が……何故だ……」と言い残し絶命する宇宙人に対して、「素朴の勝利」と作品では断言される。更には「科学が発達しすぎると平和は遠のいて行くかもしれない」という名セリフを残した。
また、第1作『ゴジラ』から一貫してゴジラを演じ続けてきた中島春雄の最後のゴジラ作品でもある。
[編集] ゴジラのフキダシによる会話シーン
この作品、最大の見所と言っていいのがゴジラとアンギラスによるフキダシによる会話シーンである。
内容はいたってシンプルで、
- ゴジラ「おい、アンギラス」
- アンギラス「なんだい?」
- ゴジラ「すぐていさつにゆけ」
- アンギラス「OK」
- ゴジラ「いそげよ」
といったものや、
- ゴジラ「いそげ」
- ゴジラ「いそげ」
- ゴジラ「いそげよ」
- アンギラス「OK」
といったものがある(ちなみに劇中での表示は『OK』を除いて全て平仮名)。
あまりに年少向けの演出ということで、いわゆる「オールドファン」への受けは良くはないが、当時の子供たちの反響はなかなかのものだったらしい。なお、海外版はフキダシではなく、吹き替えでの演出が成された。つまり、海外にはゴジラとアンギラスの声を担当した声優が存在する。
[編集] スタッフ
[編集] キャスト
- 小高源吾:石川博
- 高杉正作:高島稔
- 志摩マチコ:梅田智子
- 志摩武士:村井国夫
- 友江トモ子:菱見百合子
- 少年(世界子供ランド会長):藤田漸
- クボタ(事務局長):西沢利明
- ゴジラ:中島春雄
- アンギラス:大宮幸悦
- キングギドラ:伊奈貫太
- ガイガン:中山剣吾