ラドン (架空の怪獣)
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ラドン (Rodan) は、映画『空の大怪獣ラドン』をはじめとする東宝製作の怪獣映画に登場する架空の怪獣である。
『空の大怪獣ラドン』で登場した巨大な鳥型(もしくは翼竜型)の怪獣ラドンは、その後も多くの作品で活躍し、ゴジラ、モスラと共に東宝三大怪獣と称される。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 特徴
ラドンはプテラノドンが名の由来であり、巨大な翼はソニックブームを巻き起こし飛ぶだけで町を破壊してしまう。初代は自衛隊のロケット弾攻撃によって誘発された阿蘇山の噴火によって流失した溶岩によって焼死したが、『三大怪獣 地球最大の決戦』ではゴジラと互角に戦うなど強くなっている。又、『ゴジラvsメカゴジラ』に再登場したラドンはゴジラの熱線を受けファイヤーラドンとなり、ウラニウム熱線を吐く事が出来るようになっている。
ラドンの声には、コントラバスの音と人の声を素材として加工を施したものが効果音として使われた。
[編集] ラドンが登場する映画リスト
公開順。右は各作品に登場する怪獣。
- 『空の大怪獣ラドン』(1956) - ラドン、メガヌロン
- 『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964) - ゴジラ、ラドン、モスラ(幼虫)、キングギドラ
- 『怪獣大戦争』(1965) - ゴジラ、ラドン、キングギドラ
- 『怪獣総進撃』(1968) - ゴジラ、ミニラ、ラドン、モスラ(幼虫)、アンギラス、バラゴン、ゴロザウルス、マンダ、バラン、クモンガ、キングギドラ
- 『ゴジラvsメカゴジラ』(1993) - ゴジラ、ラドン、ベビーゴジラ、メカゴジラ、ガルーダ、スーパーメカゴジラ
- 『GODZILLA FINAL WARS』(2004) - ゴジラ、ラドン、モスラ、ミニラ、カマキラス、クモンガ、ガイガン、マンダ、エビラ、アンギラス、キングシーサー、ヘドラ、モンスターX
その他、『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』、『ゴジラ対メガロ』、『メカゴジラの逆襲』ではライブフィルムで登場した。
[編集] 『空の大怪獣ラドン』のラドン
翼竜プテラノドンが放射能や火山ガスの影響で巨大化した怪獣。阿蘇の炭坑の奥で復活、卵から誕生し、古代トンボの幼虫メガヌロンを食べて成長した。一頭が阿蘇山から出現したあと、航空自衛隊のF-86戦闘機と大規模な空中戦を展開。戦闘機の追撃を振り切った後、福岡に降り立ち、(熱線をはいたように見えるがタンクローリーが爆発しただけ)福岡で大暴れした。陸空両自衛隊からの猛攻により、危機に陥った時もう一頭が出現した。最後は帰巣本能で阿蘇山に帰ってきた所を自衛隊のミサイル攻撃を受け、その衝撃で阿蘇山が噴火し2頭のラドンはマグマの噴出に巻き込まれて火口へ落下、真っ赤な溶岩の中に消えた。ちなみに、ファンの間ではこの2頭のラドンはつがいであり、後のシリーズに出演するラドンの親ではないかという説が有力である。
- 身長:50メートル
- 翼長:120メートル
- 体重:1万5千トン
[編集] ゴジラシリーズ(昭和)のラドン
昭和期のゴジラシリーズに登場したラドンは、各作品のストーリー上の矛盾はあるもののすべて同一のものとされており、便宜上二代目ラドンと呼ばれることが多い。
(各作品共通)
- 身長:50メートル
- 翼長:120メートル
- 体重:1万5千トン
[編集] 三大怪獣 地球最大の決戦
阿蘇山から登場した初代の同族(2頭の子供という説もある)。口から熱線を吐くことはなかったが、顔面にゴジラの放射能火炎を受けても微動だにせず、ゴジラを持ち上げて叩き落すなど互角に戦ったが、モスラが仲裁に入り、戦いは引き分けに終わる。モスラに宇宙怪獣キンクギドラと戦おうと言われるが(いつも我々をいじめてきた人類を守る必要はない)とゴジラと共に拒否した。しかし、モスラの戦いを見ているうちにゴジラ、モスラとキングギドラを倒すために共闘。キングギドラとの戦闘中に空中で急旋回し体当たりをする、モスラを背中に乗せて飛ぶなどして、キングギドラを宇宙に追い返した。
[編集] 怪獣大戦争
ゴジラと共にX星人に宇宙に連れて行かれ、キングギドラと戦った.
[編集] 怪獣総進撃
小笠原の怪獣ランドで保護されていた。怪獣ランドを占領したキラアク星人に操られ、モスクワを襲撃、宇宙船ファイヤードラゴンの護衛を任せられた。キラアク星人のコントロールが切れた後、バラン・バラゴン・マンダを除く怪獣と共闘し、富士のすそ野でキングギドラと戦う。飛行能力を生かし真っ先にキングギドラに攻撃をしかけるものの、援護に現れたファイヤードラゴンに追い払われてしまい、その後の戦いには参加できなかった。
[編集] 『ゴジラvsメカゴジラ』のラドン
プテラノドンが変異した怪獣。その巣にゴジラザウルスの卵を托卵された状態で中生代から眠りについていた為、ゴジラの幼体=ベビーゴジラを同族の兄弟だと思い、放射性物質の影響で怪獣化した後もその卵を護っている。ベビーゴジラの卵に反応して出現したゴジラに高速で襲いかかり、背後から襲撃したりと知略を尽くしたが、ゴジラの熱線の敵ではなく、敗れる。
翼竜との大きな違いとして、皮膜内に大きな骨のような物が見受けられるが、設定ではこれは血管であるとされている。昭和シリーズまで異なり、着ぐるみではなく人形繰演にて演じられた。
- 身長:70メートル
- 翼長:150メートル
- 体重:1万6千トン
[編集] ファイヤーラドン
ゴジラに敗れたラドンが熱線のエネルギーを吸収して変化した姿。翼からのソニックブームの他に口から熱線を吐くことも可能となった。巣に生えていた古代植物シプニオキスの波動に激しく反応する。同じ巣で生まれたため兄弟だと思いこんでいるベビーゴジラを追って仙台を襲撃、幕張のメカゴジラに襲いかかるが光線で倒されてしまう。しかし、ゴジラまでもメカゴジラに倒され瀕死になった時に、残り少ない命を振り絞って飛び立ち、メカゴジラの攻撃を受けながらもゴジラの元へ降り立ち、そこで体組織が体内の放射性物質に絶えられず風化、ゴジラにエネルギーを与え復活させた。
- 身長:70メートル
- 翼長:150メートル
- 体重:1万6千トン
[編集] 『ゴジラ FINAL WARS』のラドン
X星人の手先として登場。日本人初の国連事務総長・醍醐の乗る事務総長専用機を襲撃した後、アメリカのニューヨークで大暴れした。その後、キングシーサー、アンギラスと共に富士のすそ野でゴジラと戦う。3体の怪獣で連携攻撃を試みるも、ゴジラが尻尾で弾いたアンギラスボールにより撃墜され、さらにはアンギラス、キングシーサーが倒れているラドンの上に次々と飛んできてしまい、完全にのびてしまう。ゴジラとはアンギラス、キングシーサーと共にそれぞれ昭和の対宇宙怪獣(キングギドラ、ガイガン、メカゴジラ)相手の際の相棒ということもあり、この戦いはどちらかといえばコメディ調でまとめられている。脚本上で存在したとどめの放射熱線は省略された(この3体にはゴジラと共闘して欲しかったという声もある)。
- 体長:100メートル
- 翼長:200メートル
- 体重:3万トン
[編集] テーマ曲
ラドンのテーマは、1993年のファイヤーラドンに到るまで伊福部昭作曲のテーマ曲が使用されてきた。テーマ曲は大きく分けて2種類あり、それぞれ「初代ラドンのテーマ」、「2代目ラドンのテーマ」と呼ばれる。3代目のテーマも、2代目のものの編曲であった。
「初代のテーマ」は、アントン・ヴェーベルンの曲風の高音の弦楽器のバックに低音の金管楽器のメロディーがかぶさるという、独特のものであった。ラドンのテーマを含め、『空の大怪獣ラドン』の音楽は全体的に『ゴジラ』から続くスタンス(怪獣による破壊と恐怖、不安感、悲劇性)を踏襲した荘重なものであった。
一方、怪獣映画が子供を強く意識したより娯楽性の強い映画へと変貌した時代にスクリーンに登場した「2代目のテーマ」は、トランペットが高らかに旋律を奏でるというものに変更されていた。旋律を重視したよりインパクトの強い曲となったことは、怪獣を恐怖や不安といった漠然としたものの具象としてではなく、よりヒーロー性の強いキャラクターとして捉えるという変化が生じたことを意味するといえる(ゴジラとの差別化という点もあると思われる)。
3代目でも登場した映画の性格上この路線は継承された。「3代目のテーマ」では、2代目のものに重厚さを増した編曲がなされた。