三大怪獣 地球最大の決戦
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『三大怪獣 地球最大の決戦』(さんだいかいじゅう ちきゅうさいだいのけっせん)は、1964年12月20日に公開された東宝の特撮映画で、ゴジラ作品第5作目。
映画『モスラ対ゴジラ』の直接的な続編で、ゴジラが正義の味方になるきっかけとなった。
当初は同上映期間は、黒澤明監督の『赤ひげ』が公開予定であったが製作が遅れ、本作が製作される運びとなった。その為1964年は、2本のゴジラシリーズが製作された事になる。
『ゴジラ・モスラ・キングギドラ地球最大の決戦』と改題され、1971年12月12日公開の東宝チャンピオンまつりで再上映された。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
異常気象に見舞われた地球。流星群が地球に飛来し一つの巨大な隕石が黒部ダム近くに落下した。時同じくして警視庁の進藤刑事は極秘で来日するセルジナ公国のサルノ王女の護衛を命じられていた。しかし、サルノ王女を乗せた飛行機は暗殺者の仕掛けた爆弾により爆発墜落。その後地球の危機を訴える金星人と名乗る男装した女性が東京に現れ、阿蘇山からラドンが復活すると予言する。また、出港しようとする船に出港中止を求めて、暗にゴジラの出現を予言する。それらの予言は誰も信じないが、進藤は彼女が死亡したはずのサルノ王女と確信、単独で捜査を開始する。また、その頃日本に来ていた小美人たちは、金星人の予言を信じて船に乗るのを避ける。そして新藤の妹の直子は金星人と名乗る女性を保護して横浜市内のホテルに宿泊した。だが、セルジナから来た、王女暗殺を企てる一味も彼女がサルノ王女と見抜き、直子らの宿泊するホテルを襲撃した。そこへ、彼女の予言通り阿蘇山から出現したラドンと、船を襲って海から現われたゴジラが横浜に上陸して戦いを始め、小美人たちの機転もあって暗殺者たちの計画は失敗する。
新藤たちは、金星人ことサルノ王女を富士山麓の、精神医学の権威塚本博士の研究所に連れて行く。彼女が精神に変調をきたして金星人と名乗っているのかと疑ったのだ。王女暗殺団も後を追う。ゴジラとラドンはなおも激しい戦いを繰り広げていた。
塚本博士はサルノ王女を診察するが、彼女は正常であった。実は王女の先祖に、地球に逃れてきた金星人の血が流れており、それがよみがえって予知能力を発揮し、自分の乗った飛行機の爆発や怪獣の出現を予知したのだった。彼女は、5000年前に高度な文明を誇った金星を滅ぼした宇宙最強の怪獣キングギドラが地球に来ており、まもなく姿を現すと言う。その言葉通り、黒部ダム近くに落下した隕石からキングギドラが誕生、東京はじめ、日本各地を荒らし回る。対抗するため、小美人はインファント島の守護神モスラを呼ぶ。しかしモスラ単独では勝ち目は無い。ゴジラとラドンが協力すれば、あるいは勝てるかもしれない。モスラは2頭の地球怪獣に共に戦うよう説得を始める。しかしゴジラ、ラドンは「いつも我々をいじめてきた人類を守る必要はない」と拒否する。やむをえず単身キングギドラに戦いを挑むモスラの悲壮な姿を見て、2頭の怪獣に変化がおきた。彼らもモスラと共にキングギドラを攻撃する。ラドンが空から体当たり攻撃、ゴジラの猛烈なタックル、そしてモスラの糸でがんじがらめにされたキングギドラは、ついに空の彼方に逃げ去ったのである。暗殺者たちもこの戦いの巻き添えを食って全滅し、金星人を名乗っていた王女も元に戻った。
全てが終わってセルジナへ帰国する時、王女は新藤に抱いた淡い恋心を明かし、静かに去ってゆく。
[編集] スタッフ
[編集] キャスト
- 進藤刑事:夏木陽介
- 村井助教授:小泉博
- 進藤直子:星由里子
- 小美人:ザ・ピーナッツ
- サルノ王女/金星人:若林映子
- 塚本博士:志村喬
- 沖田刑事課長:平田昭彦
- 金巻班長:佐原健二
- マルメス:伊藤久哉
- 暗殺団員:黒部進
カテゴリ: ゴジラシリーズ | 本多猪四郎の監督映画 | 1964年の映画