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過年度生

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過年度生(かねんどせい)とは、下級学校卒業後、1年度以上過ぎてから新入学しようとする志願者のこと。「過年度」とは過去の年度のことを意味する。過年度卒業生過年度卒業者などともいう。既卒者(きそつしゃ)ともいうが、これは下級学校卒業生のみならず、「既卒者の再入学」などの文脈で、同等学校卒業生をさす場合もある。対義語は「現役生」・「卒業予定者」・「卒業見込者」または「飛び入学者」である。

同様な概念に、小学校就学を標準よりも遅らせる「就学猶予」、学校在学中に年度の変わり目に進級しない「原級留置」がある。

本記事では、過年度生のみならず、原級留置就学猶予などを経験したために所属可能な最高学年よりも低い学年に所属している生徒(高年齢生徒)についても扱うこちらで適切な記事名・分割案を募集中です)

(注)本記事で「高年齢」という場合は、その学年に所属できる最低年齢よりも高いという意味である。

目次

[編集] 用語

過年度生とは、以下の様な理由で、下級学校卒業後に1年度以上経過して新入学しようとする人の総称である。類型によっては、特有の呼称が広く使われている。

  1. 以前に志望校の入学試験で不合格となったため進学せず、これから入学しようとする人
    例えば、すべての受験校の入学試験に不合格となったり、志望校以外の入学試験に合格したが志望校に落ちたりしたために進学せず、これから入学しようとする人の場合である。ポピュラーな類型であり、通常は武士の浪人になぞらえて「浪人生(ろうにんせい)」、「浪人(ろうにん)」といわれ、その行為を「浪人する」という。「再受験」ともいわれる。予備校に在籍している場合は「予備校生」といわれ、在籍せずに自宅で学習する場合は「自宅浪人」(宅浪)といわれる場合も多い。浪人した回数は「一浪、二浪、・・・」と数え、三浪以上の場合は「多浪」という。中学校卒業後、高等学校高等専門学校などへの進学をする際の浪人のことは「中学浪人」と呼ぶ場合もある(中学校を卒業した上での浪人であるため)が、「高校浪人」と呼ぶ場合もある。高校卒業後、大学への進学をする際の浪人のことは「大学浪人」と呼ぶ場合が多いが、「高校浪人」と呼ぶ場合もある。「高校浪人」という言葉は、中学浪人という意味にも、大学浪人という意味にも使われ、曖昧である。
  2. 以前に進学し、これから入学しようとする人
    例えば、志望校に落ちたため滑り止め校に入学したが、その学校では満足できなかったという場合や、在学中に進路を変えたくなった場合などで、在学中または卒業後や退学後などに、志望校に新入学しようとする人の場合である。「再受験」や「再入学」といわれる。在学中でない場合は「浪人生」ともいわれ、在学中の場合は「仮面浪人」や「潜在浪人」ともいわれる。ただし、高校以下では、同等学校卒業後の再入学ができない場合もある。
  3. 以前に入学試験での不合格以外の理由で進学せず、これから入学しようとする人
    例えば、病気怪我や心理的な不調などがあったために、卒業後にすぐ進学せずに療養していた人の場合や、上級学校で学ぶ意欲がなかったり、学ぶ意欲はあったが学費が不足していたりしたために、卒業後にすぐ進学しなかった人の場合である(就職した場合は4になる)。特有の呼称はなく、普通に「過年度生」といわれる。
  4. 卒業後に進学せず、就職経験があり、これから入学しようとする人
    おもに「社会人入学者」といわれる。なお、一般受験生と別枠の場合もあるため、募集要項の過年度生の部分に当てはまらない場合もある。

例えば、高校の募集要項に「○○年3月に中学校を卒業する見込みの者」としか書かれていない場合は現役生にしか受験資格がないが、「中学校を卒業した者」とも書かれていれば過年度生にも、卒業時期が日本と違う学校を卒業した帰国子女にも受験資格がある。ただし、「○○年3月に中学校を卒業する見込みの者」と書かれていた場合でも、学校によっては(非公式な)年齢の上限がある場合もあるので、現役生であっても高年齢だと受験できない場合もある。

また、公式文書では卒業生の進路の表記で、上級学校進学者に対して「現役生」と「過年度生」の二つの用語で分類する場合が多いが、一般の受験関連書誌では、過年度生を「浪人」と書き換えている場合がある。

[編集] 用語の歴史

「浪人生」という用語は、明治中期ごろから使われ始めた。

昔は、旧制高等学校卒業者のうち、大学に進学できなかった人を、旧制高校の制帽に白い線が入っていたことにちなんで、「白線浪人」といっていた。

[編集] 学校制度

日本の学校制度では、飛び級経験者などの例外を除き、全ての過年度生はストレートの生徒(就学猶予、原級留置、過年度進学などを経験しなかった生徒)より、学齢で1歳以上高年齢であるが、高年齢生徒には留年・以前の入学時の浪人の経験者なども存在するため、高年齢の生徒の全てが過年度生であるとは限らない。例えば、下級学校卒業以前に原級留置(留年)や就学猶予を経験していたり、下級学校の入学時点で過年度生であったり、外国の学校に在学していたりしたために他の生徒より年齢が高い状態で、卒業後すぐに(現役で)入学しようとする場合は「高年齢の現役生」に分類され、過年度生には含まれない。ただし、高年齢の現役生は実質的に多くの面で過年度生と類似しているため、とりあえずこの記事でも一緒に扱うことにした。

幼稚園小学校中学校など、中学校以下の学校では、下の学年を履修していなくても、所属できる最高学年(いわゆる年齢相当学年)に編入学できる。こういった、高年齢児童生徒の飛び級ができる事が、学齢期(15歳以下)の学校に共通する特徴である。しかし、高等学校高等専門学校大学など、高校以上の学校では、年齢が高くても、以前に同等学校などで履修したことがない限り、1年生から履修しなければならない。

学校教育法などでは、諸学校の入学年齢/卒業年齢には上限は設けていない(ただし、幼稚園は法的上限があるとも解釈できる)。日本では中等教育までは、就学猶予・原級留置・過年度進学などが数少ないため、外見上上限があるように見えるだけである。しかしながら、ほとんどの学齢児童が6歳から就学し、15歳で中学校を卒業するということが常識の様になっており、学齢を過ぎた人の入学・在学は通常の小中学校や関係機関などの現場ではほとんど想定されていない。また、4月1日時点で16歳以上である人の高校入学も高校や関係機関や受験産業などの現場ではあまり想定されておらず、情報も少ない。また、4月1日時点で18歳以上である人の高校在学も同様にあまり想定されていない。

[編集] 生活上の現役生との相違点

過年度生に代表される高年齢の生徒は、必ずしも一般の生徒と同様な学校生活を過ごせるわけではない。特に甲子園や小中高生体育大会などでは、年齢が上がると一般的に体格が向上して有利になることから、過年度生などの高年齢生徒の参加を規制している場合が多い。実際に、帰国子女で高年齢のため甲子園出場を取り消された野球選手も複数いる(明徳義塾の森岡エーデル次郎など、特例で許可された19歳の選手も複数いる)。当初は年齢の上限はなかったが、1920年の第6回大会(当時は中学野球)で、法政大学在学中の小方二十世選手が豊国学園の選手として登場したため、1922年からは年齢の上限が設けられるようになった。参考リンクなお一部の体育大会では、中国などからの帰国子女の年齢上限を、「○○年以降に入学した者」との条件を付けた上で緩和している場合がある。

数学オリンピックもスポーツと同様に20歳未満までとの制限があり、国際化学オリンピックの前哨戦である全国高校化学グランプリも同様に20歳未満までとの制限がある。

いわゆる一流企業の新卒者募集や、一部の公務員試験では、年齢が高いほど条件に合わなくなる場合がある。これについては就職浪人も参照。

[編集] 過年度生経験者

  • 盛田賢司
    漫画家。高校浪人を扱った漫画『チューロウ』(1995)の作者。中学校卒業後に浪人をして予備校に入り、大分県立佐伯豊南高等学校に進学した実体験から『チューロウ』を描いた。
  • 八木下浩一
    1941年生まれ。脳性麻痺のため9歳まで寝たきりの生活を続け、12歳の時と16歳の時に、地元の小学校に入学するために知能検査などを受けにいったが、言語障害肢体不自由を理由に断られた。そのあとクリーニング工場に低賃金で就労し、そして養護学校を見学するも、生徒の目に活気がないと感じた。そのあと自分で就学猶予規定などの教育に関する法令を調べ始めた。27歳の時、川口教育委員会に出向いて就学希望を述べると、初めは相談者(浩一)の子供(いない)の入学についての相談だと思い込まれたが、しばらくして相談者本人のことだと分かったので教委側がとても驚いた。教委は小学校入学をかなり渋り、「すでに就学免除願いを出されているが、書類は火事で消失した」などと虚偽の報告を行なったりしたが、障害者団体らとともに複数回訪問をするうちに徐々に譲歩を受け、やっと川口市立芝小学校への入学を許可された。しかし、週3回のみの登校で、最初から6年生に入ることが条件だった。そして28歳の時、普通より1ヶ月程度遅れた5月になって小学6年生に入学したのだが、そのうち、古い教科書を渡されるなど、色々な違和感から自分に学籍がないことに気づいた。これを校長に問いただすと「君は聴講生だ」と説明されたので疑問に思った。八木下は、いきなり6年に編入学したので学力が付いていけず、また学籍がないため通知表も出ず、再度交渉したのち、29歳でやっと3年生に編入学することができた。そのあとは6年まで進級し、その学年末に長期欠席のため原級留置を求めて、3度目の6年次の履修をした。八木下は合計6年間を小学校に在学したことになる。考えがあって中学校には進学しなかった。(参考文献 『街に生きる』八木下浩一著、現代書館刊、入手困難)

[編集] 年齢基準の統計

後期中等教育以上の学校では文部科学省による卒業年度基準の過年度生統計が存在するが、前期中等教育以下の学校では存在しないため、この段落ではやむを得ず国勢調査による年齢基準の学齢超過在学生統計を使用して数値を表記している。なお、後期中等教育以上の卒業年度基準の統計は#学校種ごとの実態と統計に表記してある。

これは2000年9月30日時点の国勢調査を基にした統計である。原典はこちら(エクセル)だが、エクセル形式であるため、内容をs:2000年国勢調査第14表に掲載した。表内の太字部分が今回引用する数字である。

回答は自己申告のため、正確でない部分もある。また表示されている年齢は9月30日時点の年齢であるため、4月1日時点の入学基準年齢と一致しないため、特に低年齢生徒と高年齢生徒の境界部分では分かりにくくなっている。また、これは過年度生かどうかの統計ではなく、小学校中学校とその同等学校については学齢超過生徒かどうかの統計であり、高等学校とその同等学校については「3年制高等学校の卒業可能最低年齢」超過生徒かどうかの統計であるが、前述の理由で前期中等教育以下の学校では純粋な過年度生統計がなく掲載できないため、判断の一助とするために掲載した。また、この統計では第何学年に所属しているかが不明であるため、原級留置就学猶予などによって高年齢となった学齢・卒業可能最低年齢以下の高年齢児童生徒を把握できない。よって高年齢児童生徒はこの統計の数字よりもかなり多く存在すると考えるべきである。

[編集] 小学校・小学部・中学校・中学部

小学校と中学校と盲学校聾学校養護学校の小学部/中学部の児童生徒についての統計である。小学校/小学部と、中学校/中学部は一緒に統計されているため分離できない。

国勢調査にある、16歳以上の児童生徒を合計すると4万9254人である。これに追加して、調査時点で15歳であり直前の4月1日の時点でも15歳である生徒も、一歳上の年齢の人数の半分以上存在すると判断されることを考慮し、7208人を追加すると、小学校・中学校とその同等学校に在学中の学齢超過児童生徒の総数は5万6462人よりやや多いことになる。国勢調査のデータでは、これらの学校の児童生徒数は1151万2169人であるため、学齢超過の児童生徒は全児童生徒の0.49%よりやや多く存在することになる。ただし実際には大部分が中学校・中学部の生徒であると思われるので、それらの生徒数412万4000人(2000年・文部科学省)と比較した場合は、学齢超過の児童生徒は全生徒の1.37%よりやや多く存在することになる。

同様にして20歳以上の児童生徒(年度内に20歳になる場合を含む)を推計すると、1万3827人よりやや多く存在することになる。同様にして30歳以上の児童生徒(年度内に30歳になる場合を含む)を推計すると、1582人よりやや多く存在することになる。ただし、30歳の単独データがないので、便宜的に29歳の105人を折半した。

学齢超過の生徒といえば夜間中学校に通っているというイメージもあるが、夜間中学校の生徒数は約3000人であるため、94%以上は全日制の中学校・中学部(または小学校・小学部)の生徒である。

[編集] 高等学校・高等部

高等学校と盲学校/聾学校/養護学校の高等部の生徒についての統計である。高等専門学校は入っていない。専修学校も入っていないとも思えるが不明である。また、4年制高校の4年生が約1万6千人存在するが、今回はすべて「3年制高等学校の卒業可能最低年齢」超過生徒として扱った。

国勢調査にある、19歳以上の生徒を合計すると12万9450人である。これに追加して、調査時点で18歳であり直前の4月1日の時点でも18歳である生徒も、一歳上の年齢の人数の半分以上存在すると判断されることを考慮し、2万8345人を追加すると、高校とその同等学校に在学中の「3年制高等学校の卒業可能最低年齢」超過生徒の総数は15万7795人よりやや多いことになる。国勢調査のデータでは、これらの学校の生徒数は434万1657人であるため、「3年制高等学校の卒業可能最低年齢」超過生徒は全生徒の3.63%よりやや多く存在することになる。

[編集] 学校種ごとの実態と統計

特記なき場合は本科のみ。


[編集] 小学校

公立小学校は、小学校の学齢期の人(学齢児童)であれば、所属できる最高学年に容易に編入学できるが、学齢を超えた人は教育委員会の特別な許可が無ければ新入学・編入学できない(継続在学は許可不要)。諸外国では年齢が高い人の入学も多いが、日本では小学校の就学年齢(6歳)を超えてからの新入学、小学校の学齢(12歳)を超えてからの新入学・編入学は、帰国子女などの場合を含めても不可能な場合が多い。

日本では公立小学校に対しては厳格な年齢主義を取っており、就学猶予者、帰国子女、病気療養者などの場合には、所属できる最高学年より下の学年に所属する場合もあるが、そういった事情が無い限り、原則的に、所属できる最高学年に所属することになる。

なお八木下浩一氏の例では、脳性麻痺の障害があったために就学を長い間断られていたが、入学運動によって1970年に29歳で入学した。

私立小学校国立小学校についてもほぼ同等であると思われる。ただし、学齢超過者でも教育委員会の許可は不要である。


[編集] 中学校

[編集] 全日制(昼間)中学校

公立中学校は、中学校の学齢期の人(学齢生徒)であれば、所属できる最高学年に容易に編入学できるが、学齢を超えた人は教育委員会の特別な許可が無ければ新入学・編入学できない(継続在学は許可不要)。帰国子女、就学猶予者、病気療養者などの、国内や海外の下級学校卒業して現役で入学する高年齢の現役生は少数ながら存在するが、そういった事情が無い学齢を超えた人の新入学・編入学は、一部に例外的な受け入れがあるのみで門戸は狭い。下記の表のように、帰国子女ですらも、学齢を超過していると、都道府県によっては入学できない場合がある。

日本では全日制(昼間)課程の公立中学校に対しては厳格な年齢主義を取っており、就学猶予者、帰国子女、病気療養者などの場合には、所属できる最高学年より下の学年に所属する場合もあるが、そういった事情が無い限り、原則的に、所属できる最高学年に所属することになる。

私立中学校は、大部分の学校では過年度生には受験資格が無いため、これを根拠として「中学受験での浪人は不可能である」との記述が見られる場合があるが、一部の学校では1年度超過の過年度生の受験を認めている。しかし2年度以上超過の過年度生が受験できる学校はまれである。過年度生が新入学試験に合格して入学する場合は、編入学試験ではないので、当然ながら所属できる最高学年への編入学ではなく、1年生に新入学することになる(それまで公立中などに在籍していた場合は、一時的に仮面浪人していたと見ることもできる)。学齢超過者でも教育委員会の許可は不要である。

国立中学校は、私立校と同様に中学受験の対象となるが、募集要項で過年度生受験や高年齢生徒受験を禁止している場合が多い。ただし帰国子女の場合は年齢制限に1年程度幅を持たせている場合がある。学齢超過者でも教育委員会の許可は不要である。

一般的な中学受験案内書には、過年度生の受験可否はまず載っていない。ただし国立中学校については、過年度生あるいは高年齢志願者の制限について募集要項の通りに記載している本もある。

[編集] 夜間中学校通信制中学校

現在は学齢超過者が主対象のため、例外を除き全員が過年度生である。在日韓国・朝鮮人のハルモニ(おばあさん)、オモニ(おばさん)や、戦争の影響で小中学校に行けなかった人など、50代から80代の生徒も多いが、一方で元不登校者の受け皿として、10代や20代の生徒も増加している。ただし、形式的であってもすでに中学校を卒業している場合は入学できない場合もある。


[編集] 中等教育学校

前期課程は中学校と同様であり、後期課程は高等学校と同様である。ただし、数が少ないため中等教育学校特有の傾向があるかは不明である。


[編集] 盲学校聾学校養護学校

1979年に養護学校が義務教育となったが、それ以前には就学免除となる障害児が多かった。そういった理由があるため、義務化以前に学齢期を過ごした重度障害者は未就学のままである例も多い。それらの人に対して「学びの取り戻し」として入学を許可する例が増えてきている。

また、学齢を超過した在宅の重度障害者に対しても、訪問教育を行なっている場合がある。


[編集] 高等学校

[編集] 全日制高校

[編集] 傾向

公立高校は、基本的には都道府県ごとに募集要項が発表されるが、過年度生に対する入学規制は見られない。しかし建前では過年度生も入学可だが、実際は生徒指導上の理由などで受験後に入学不可になる場合もある。ただし単位制の学校では、過年度生にも幾分開放的な傾向があるようである。中学校卒業後の経過期間によっては内申書などの取り扱いが現役生と違う。

私立高校は、過年度生も入学可の学校も一部あるが、1年度ないし2年度の経過の場合のみ入学可の学校や、入学不可の学校も多い。傾向的には、入学偏差値が高いほど過年度生の入学が不可能な学校が多い。またそれらのいわゆる名門校の中には、高校募集がない「完全中高一貫校」も多い(この場合は過年度生のみならず中卒現役生でも入学できない)。

国立高校は、私立校と同様に入学可の学校と入学不可の学校がある。また受験可否を現浪ではなく生年月日で指定している場合もある。

上記の様に過年度生が入学できない場合があるため、そういった人を対象にして、高校への過年度生入学について扱っている書籍が発行されている(以下を参照)。

  • 総ガイド高校新入学・転編入 全国版(オクムラ書店) ISBN 4860530268
    日本全域の国公私立高校へのアンケートの結果をまとめている。過年度生受け入れ可否も記載。5000校へアンケートしたと書かれているが、実際に書かれているのは1000校程度である。
  • 中学卒・高校中退からの進学総ガイド(オクムラ書店)ISBN 4860530357
    高校以外の進路も書いてある。個別学校の過年度生受け入れ可否はない。
  • 親子で選ぶ志望校高校受験学校生活ガイド 首都圏(清泉図書)ISBN 490144610X
    この書籍には、首都圏のほとんどの私立高校の過年度生の受け入れ可否や、運転免許の取得可否などが記載されている。
  • 高校受験案内 旺文社版 東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・山梨 2005年入試用(旺文社)ISBN 4010090928
    各私立高校の一部に一浪受け入れの可否が掲載されている。

一般の高校受験案内書では、過年度生の入学可否が載っていないことも多い。載っていてもごく一部のみだったり(学研など)、一浪のみの記載だったり(上記の旺文社など)することもある。

[編集] 実情
  • 出身大学名よりも出身高校名が重視される地方では、進学校に不合格になった場合に浪人する生徒が多い。
    特に、福島県いわき地方などでは、学力評価の高い進学校の数が少ないため、弊害が指摘されている。[1]
  • 一方で、出身高校名が重視される地方でありながら、内申書の配点比率が高いため浪人生が少ない愛知県静岡県福岡県のような県もある。
    特に愛知県では、首都圏や京阪神圏以上に国立大学への入学志向が高いが、これは高校入試での失敗をロンダリングするため、伝統の浅い高校の受験生が難易度の低い地方の国立大学を受験する傾向があるからで、名古屋圏の私立大学が育たない要因の一つとなっている。又、福岡都市圏では公立高校の権威が極端に高く、西南学院高等学校の様なハイレベルの私立高校でさえ「私立」の一言で片付けられる程である。
  • 宮崎県の私立えびの高原国際高等学校では、過年度生しか入学を認めていない。同校は中退者を主対象にしているためである。

過年度生の受験に当たっては、医師による健康診断書の提出を求める場合も多い。

2003年4月入学者123万4747人のうち、過年度の中学校卒業者、過年度の中等教育学校前期課程修了者は3415人である。すなわち過年度生は0.28%(+中学部など)存在する。大部分の学校では、過年度生は存在しないか少数である。

[編集] 定時制高校

2003年4月入学者3万3280人のうち、過年度の中学校卒業者、過年度の中等教育学校前期課程修了者は7893人である。すなわち過年度生は24%(+中学部など)存在する。現役生よりもむしろ過年度生の方が多い学校も多く、学校によっては成人特例入試として20歳以上の出願者に学科試験無しでの入学を認めている場合がある。ただし中央大学高等学校のように、現役生が多い場合もある。

[編集] 通信制高校

生涯学習などの観点から、基本的に年齢の上限はない。

[編集] 専攻科

工業高校の専攻科(短大・専門学校と同等)では、高校既卒の技術者を対象にした教育が行われており、40代ぐらいの生徒も多い。


[編集] 高等専門学校

基本的には全日制高校と同様である。

2003年4月入学者1万1335人のうち、2003年3月の中学校卒業者は1万1279人である。すなわち過年度生・中等教育学校前期課程修了者・中検生などは0.49%存在する。(元統計では、入学者には5月1日時点の非在籍者は含まれていない)


[編集] 専修学校

[編集] 高等課程

2003年4月入学者2万2929人のうち、2003年3月の中学校卒業者及び中等教育学校前期課程修了者は9894人である。すなわち過年度生・中検生などは57%存在する。

[編集] 専門課程

2003年4月入学者33万8264人のうち、2003年3月の高等学校及び中等教育学校(後期課程)卒業者は24万0792人である。すなわち過年度生・大検生などは29%存在する。


[編集] 大学

[編集] 短期大学

2003年4月入学者11万3029人のうち、2003年3月の高等学校及び中等教育学校(後期課程)卒業者は10万3358人である。すなわち過年度生・大検生・外国学校卒業者などは8.5%存在する。過年度生の存在はかなり少数派ながら、ある程度一般的である。

[編集] 四年制以上の大学

2003年4月入学者60万4785人のうち、2003年3月の高等学校及び中等教育学校(後期課程)卒業者は46万6076人である。すなわち過年度生・大検生・外国学校卒業者などは23%存在する。また2003年度大学入試センター試験の現役志願率は34.3%である。四年制大学においては、過年度生の存在は比較的少数派ながら、ある程度一般的である。

六年制大学の医学部医学科、歯学部獣医学部など、医歯系の学科は難関であるため、他学部と比べて過年度生の比率が高い。2003年度の医学部医学科合格者の66%が過年度生である。最も過年度生が少ない大学は、東京大学理科三類(ほぼ全員が医学部医学科に進学する科類)で44%、最も多い大学は、杏林大学医学部で87%である。(いずれも河合塾調べ)

また、大学をすでに卒業した人は学士入学として中途の学年に編入できる(いわゆる過年度生ではない)。例えば、卒業した大学に置かれていない、あるいは在学中に修得しなかった課程(例えば教職課程)を通じて免許・資格を取得するために、卒業後に大学へ編入するケースは少なくない。この場合、既に就職している社会人については働きながら学業を進めるために、通信制(大学通信教育)を設置する大学を選ぶことが多い。

[編集] 飛び入学

一部の大学では高校2年修了時点での飛び入学を実施しているが、年齢の上限を設けている場合がある。千葉大学名城大学では飛び入学の応募可能者を当該年度の4月1日時点で17歳の生徒に限定しているため、最年少の生徒しか応募できない。2005年から飛び入学を開始する成城大学昭和女子大学では年齢の上限は設けていない。エリザベト音楽大学は不明。


[編集] 大学校

直接的に過年度生の門戸を閉ざしているわけではないが、公立校には、入学することが就職と同じ扱いになり、入学に年齢の上限がある学校が多い。個別校の上限は大学校一覧に記載。


[編集] 大学院

大学卒業後に一旦就職し、しばらくたってから大学院に入学する人も多い。専門職学位課程の統計は人数が少ないので割愛。

[編集] 修士課程

過年度生の統計ではなく年齢の統計だが、2003年度入学者のうち5月1日時点での年齢は次の通り。21歳以下340人、22歳3万3343人、23歳1万9850人、24歳6320人、25歳2647人、26歳1537人、27歳1210人、28歳1064人、29歳982人、30歳~34歳3402人、35歳~39歳2019人、40歳~44歳1282人、45歳~49歳714人、50歳~54歳510人、55歳~60歳300人、61歳以上178人。

[編集] 博士課程

過年度生の統計ではなく年齢の統計だが、2003年度入学者のうち5月1日時点での年齢は次の通り。21歳以下1人、22歳10人、23歳109人、24歳3445人、25歳2945人、26歳1874人、27歳1441人、28歳1228人、29歳1154人、30歳~34歳3167人、35歳~39歳1258人、40歳~44歳670人、45歳~49歳410人、50歳~54歳274人、55歳~60歳157人、61歳以上89人。


[編集] 短期大学・大学・大学院の通信教育(再掲)

大学通信教育(短期大学および大学院における教育を含む)では、教員が他の教員免許状を取るために入学する場合も多い。

過年度生の統計ではなく年齢の統計だが、2003年度通信制大学(短大以外)入学者の年齢は次の通り。18~22歳20796人、23~24歳13383人、25~29歳36772人、30歳~39歳58920人、40歳~49歳29883人、50歳~59歳20294人、60歳以上10785人。

[編集] 再入学制限

一部の校種では、すでに同種の学校卒業した人の再入学を認めていない場合がある。特に小学校・中学校は同等学校既卒者の再入学が難しいとされる(年齢の問題も並行して存在している)ため、夜間中学再入学の際に問題となる。また高校でも、同じ学科に再入学することを規制するなど、制限を設けている場合がある(裁判例あり)。大学の場合は再入学規制はない場合が多い。

(スタブ)

[編集] 関連項目

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[編集] 外部リンク

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