甲子園駅
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甲子園駅(こうしえんえき)は、兵庫県西宮市にある阪神電気鉄道本線の駅。
プロ野球球団・阪神タイガースの本拠地である阪神甲子園球場の最寄り駅。
平日の直通特急及び特急は早朝と夕ラッシュ以降のみ停車する(それ以外の種別は全て停車)。土曜・休日は全列車が停車する。準急の大半、土曜、休日夜の急行はこの駅で折り返しとなる。平日朝の区間急行(梅田行きのみ運転)はこの駅始発となる。
また、阪神甲子園球場にて阪神タイガースの試合開催中及び春の選抜高等学校野球大会と夏の全国高等学校野球選手権大会の2大高校野球大会が開催中には、上記時間帯以外にも直通特急・特急が臨時停車する。
梅田から甲子園までのノンストップ臨時特急が運行されることもある。中間の停車駅がないが、先行列車に邪魔されて定期の特急列車より時間がかかることが多い。
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[編集] 周辺の街並み
甲子園球場があまりにも有名なため、近畿地方以外の人間からは「甲子園というと、トラキチのオッサンが昼間から酔っ払って盛り上がっている街」のように誤解を受けることも多い。しかし実際には大正期に私鉄によって開発された、典型的な阪神間モダニズム文化圏の高級邸宅街で、関西においては西宮七園の一つであるブランド住宅地として知られている。甲子園球場自体が大正期の傑作近代建築であるほか、大正末~昭和初期にかけての邸宅建築が多く現存し、武庫川女子大学の甲子園会館(旧甲子園ホテル)も、日本建築史上に名高い名品である。
[編集] 駅構造
島式・相対式の4面4線による待避可能駅。参考
通常は内側の島式2面(1, 2番線が大阪方面行き、3, 4番線が西宮・神戸・姫路方面行き)のみの使用となっている。外側のホーム2面は、1番線及び4番線に到着する列車の降車専用ホームとなっており、混雑時のみ使用される。
通常使用される島式のホームは幅が十分ではなく、特に階段部分では線路との間の幅が1m程度しかないため、本線の通過列車には65km/hの速度制限がかかる。
- 特にプロ野球開催日など、甲子園球場でのイベント当日は駅構内が大変混雑する。特にイベント終了直後は狭いホームに人が溢れて大変危険なため、駅構内への入場が制限(改札制限)されることがある。
- 震災前まではホーム下に乗車位置を示したプレートが貼られていたが、狭いホームで特定の位置に乗客が集中すると危険なため、震災後しばらくしてそのプレートが撤去された。
改札口は、駅の直下を通る道路(甲子園筋)を挟んで東口と西口があり、駅長室などの主要施設は東口にある。また、1番線(大阪方面行き)の降車専用ホームからは、東口にのみ出ることができる。この通路は、改札口の手前までは乗車用の通路とは別で、かつての甲子園線浜甲子園方面行きホームの跡である(参考)。
また、4番線(神戸方面行き)の降車専用ホームからは東口へ出られるほか、甲子園球場へ近い西口方面へ出られる臨時出口の「球場出口」があり、これは主に甲子園球場でのイベント開催時に使用される。梅田・野田・尼崎などから6両編成の特急や急行に乗車する際は、神戸寄りの2両目付近に乗ると「球場出口」付近へスムースに降りることができる。ここは出口専用であり、入ることはできない。4番線降車専用ホームから西口方面へ出られるのはこの球場出口だけで、また西口の通常改札内通路へ出ることもできない。
西口は通路が東口より狭く、甲子園球場でのイベントが終了した直後、押し寄せる多数の乗車客のため、降車客が改札口へ進めないことがある。このような場合に備えて、西口にのみ、駅の北側へ出られる臨時出口が存在する(ふだんは完全に閉鎖されていて、その存在を知ることはできない)。参考一方、東口でも、東口改札口の西側に2つだけ改札機が設置されている小改札口を出場専用として、降車ホームからの降客を誘導している(乗客とは柵で交わらないようにしてある)。
駅西方(神戸方)には、上下本線の間に引上線が1本あり、梅田方面からの折り返し列車が使用する。早朝に尼崎車庫から出庫し武庫川線に入る2両編成も、いったん武庫川駅を通過して当駅まで回送、この引上線を使用して折り返し、武庫川線へ回送する。
かつては、駅の北側に甲子園線との連絡線(元は旧枝川の河床への引込線)があり、1番線の降車専用ホームの下には、この連絡線の橋を支えていた橋台が現存する(駅の北側からのみ観察できる)。参考
上下の各降車専用ホームには、阪神線では珍しい「自立式」の駅名標が現役で残っている。参考
また、阪神では唯一、反転フラップ式案内表示機が現在も使われている駅である。ただ、この表示機はホームに合わせてやや小ぶりのものが使われているため、姫路行き直通特急の一部列車では停車駅が多すぎて、停車駅が枠内で全て表示しきれていない。
[編集] 利用状況
一日平均乗車人員は阪神本線の中間駅としては三宮駅に次ぐ46,813人。
[編集] 駅周辺
特記がないものは、すべて駅南方に所在。
[編集] 東口方面
- 阪神タクシーのりば
- アンスリー甲子園東口店(コンビニエンスストア)
- アルカス甲子園(飲食店、フィットネスクラブ)
- マンシュ・マンシュ(阪神系列)
- ケンタッキーフライドチキン甲子園店
- 白木屋甲子園駅前店
- 阪神タイガースフィットネス ラフィット(阪神系列)
- 三井住友銀行甲子園支店
- アイビー書房甲子園店
- マクドナルド甲子園球場前店
- ECC甲子園校
- 兵庫県警察・甲子園警察署
- ららぽーと甲子園(阪神電鉄が2003年3月30日の閉園まで運営していた遊園地・甲子園阪神パーク跡地)
- ツタヤ甲子園店(駅北側)
- 甲子園郵便局(駅北側)
- いかりスーパーマーケット甲子園店(駅北側)
[編集] 西口方面
- 阪神甲子園球場
- 甲子園テニスクラブ
- アンスリー甲子園西口店
- 住友信託銀行 i-Station甲子園(梅田支店甲子園出張所)
- 三菱東京UFJ銀行甲子園支店阪神甲子園出張所
- ダイエー甲子園店
- ノボテル甲子園(旧・甲子園都ホテル)
- NOVA甲子園校(駅北側)
- am/pm甲子園浦風町店(駅北側)
- 甲子園会館(当駅からは距離がある。下記阪神電鉄バスJR甲子園口行きで約10分の「戸崎町」停留所下車、徒歩約3分)
[編集] 発着バス路線
バスのりばは、南行が東口側、北行が西口側と分かれている。案内所などの主要機能は東口側にある。
[編集] 東口側
- 浜甲子園線(4番のりば)
- 浜甲子園方面 行
- 武庫川団地線(7番のりば)
- 甲子園八番町または阪神鳴尾経由武庫川団地南 行
- 高須東線(7番のりば)
- 甲子園八番町または阪神鳴尾経由高須東方面 行
- 鳴尾浜線(7番のりば)
- 甲子園八番町または阪神鳴尾経由鳴尾浜方面 行
- 宝塚甲子園線(7番のりば)
- 甲子園八番町経由鳴尾浜方面 行
- 誠成公倫線(6番のりば)
- 誠成公倫会館 行(ノンストップ)
- 西宮団地線(3番のりば)
- 浜甲子園団地方面 行
- 西宮尼崎線(4番のりば)※阪神尼崎方面は、極めて運行本数が少ない。2006年10月現在、1日3往復。
- 甲子園八番町経由 阪神尼崎行/浜甲子園経由 阪神西宮 行
空港リムジンバス(5番のりば/阪神電鉄・大阪空港交通の共同運行)
- 大阪空港線 大阪(伊丹)空港 行
高速バス(2番のりば)
- トワイライト神戸・トロピカルライナー号(九州産交バス運行)
- 熊本交通センター・人吉インターチェンジ・鹿児島中央駅経由 鹿児島いづろバスターミナル 行
[編集] 西口側
阪神電鉄バス
- 浜甲子園線/武庫川団地線/高須東線/鳴尾浜線(8番のりば)
- 上甲子園経由JR甲子園口 行
- 宝塚甲子園線(10番のりば)
- 西大島・宝塚市民病院前経由宝塚 行
- 大阪ローカル線(11番のりば)※甲子園折り返し路線で、おりばは東口側の6番・7番のりばを使う。
阪神バス
[編集] その他
- 西宮市南東部の最主要駅であり、路線バスのほかに近隣のスパ施設(「リゾ鳴尾浜」や「熊野の郷」)や自動車教習所などへの無料送迎バス、特に鳴尾浜地区の工場(フジッコ、協同食品センター等)の従業員専用送迎バス(各企業が自家用バスで運行)などが多く発着する。なお、駅前は阪神電鉄バス・阪神バスが占有使用しているため、これらの送迎バスは西口側の本線高架下で乗降を扱うことが多い。
- 阪神電鉄バスの大阪ローカル線は、かつては東口側(現在の5番のりばの位置)から発車していた。甲子園筋の交通量が少なかった時代は、のりばから直接Uターンして北方へ向かい、交通量が多くなってからは現在のおりば→のりば(6番・7番→11番)回送ルートと同じ、甲子園警察署前から国道43号線の高架下を回って北へ向かうコースを走っていた。後に、のりばが西口側の11番に移動し、現在の形態となっている。
- リゾ鳴尾浜の送迎シャトルバスは、以前は阪神電鉄バスを借りて運行されていた。660号が専用塗装となり主に充当され、6番のりばに発着していたが、これは2002年3月で運行を終了し(参考)、以後はリゾ鳴尾浜が自家用の中型ノンステップバスにより運行している。
[編集] 歴史
- 1924年(大正13年)8月1日 開業。
- 1926年(大正15年)7月1日 甲子園線(軌道線)が甲子園~浜甲子園間で開業。
- 1928年(昭和3年)6月25日 甲子園線の上甲子園~甲子園間が延長開業。
- 1975年(昭和50年)5月6日 甲子園線廃止。
- 1995年(平成7年)1月17日 阪神・淡路大震災発生により阪神本線運休。翌日梅田~甲子園間は運転再開となるが、甲子園以西は運休のまま。
- 1995年(平成7年)1月26日 甲子園~青木間運転再開。
- 1995年(平成7年)6月26日 阪神本線全線復旧。
[編集] その他
第1回近畿の駅百選に選定されている。
[編集] 隣の駅
- 阪神電気鉄道
- 本線