朝日杯フューチュリティステークス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
朝日杯フューチュリティステークス | |
---|---|
距離 | 芝・外1600m |
開催地 | 中山競馬場 |
グレード | GI |
条件 | 2歳牡・牝(混合)(指定) |
1着賞金 | 6,000万円 |
負担重量 | 馬齢重量(55kg,牝馬2kg減) |
創設 | 1949年12月3日 |
朝日杯フューチュリティステークス(あさひはいふゅーちゅりてぃすてーくす)は、日本中央競馬会(JRA)が中山競馬場の芝1600mで施行する中央競馬の重賞(GI)競走である。
競走名のフューチュリティ(Futurity)とは、未来・将来・前途という意味。
目次 |
[編集] 概要
1949年に関東所属の2歳(旧3歳)競走馬のチャンピオン決定戦朝日杯3歳ステークスとして創設、第1回は中山競馬場の芝1100mで施行された。
1991年に栗東所属(関西)の2歳(旧3歳)競走馬のチャンピオン決定戦の阪神3歳ステークスが2歳牝馬限定戦の阪神3歳牝馬ステークスに変更されるのに合わせて出走条件を2歳(旧3歳)牡馬・騸馬に変更され2歳牡馬チャンプ決定戦の位置付けてとして施行されるようになった。
更に2001年に競走馬の年齢表記を国際基準に合わせたことに伴い、競走名が「朝日杯フューチュリティステークス」となった。
2004年からは、3歳のクラシックと出走条件を合わせる目的から、出走条件が牡馬・牝馬になり騸馬の出走ができなくなった。
中央競馬の2歳馬限定のGI競走は2つ(地方競馬の全日本2歳優駿を合わせても3競走)のみで、内1競走が牝馬限定であるので、基本的にこの競走の優勝馬がJRA賞の最優秀2歳牡馬に選出される傾向がある。
ただ、最近では施行距離の芝1600mではクラシックを走らせるには短すぎるという見方も一部にある。そのためクラシックを目指す競走馬は、阪神競馬場の芝2000mで施行するラジオNIKKEI杯2歳ステークスや有馬記念当日に行われるホープフルステークス(2000m)に出走させる傾向もあり、1993年のナリタブライアン以降、この競走の出走馬からクラシック競走の優勝馬が輩出されていない。
また、武豊は1度も勝ったことがない(他にはマイルチャンピオンシップ、ヴィクトリアマイルがある)。「関東開催(年によっては香港国際競走遠征)」、「有力なお手馬はラジオNIKKEI杯2歳ステークスへ」という事情も影響しているといわれている。
出走条件はサラ系2歳(旧3歳)のJRA所属の牡馬・牝馬の競走馬及びJRAに認定された地方所属の競走馬(5頭まで)で、負担重量条件は馬齢重量で牡馬は55キロ、牝馬は54キロと定められている。
総額賞金は1億1400万円で、1着賞金6000万円、2着賞金2400万円、3着賞金1500万円、4着賞金900万円、5着賞金600万円と定められている。
[編集] 主な前走
競走名 | 格付 | 団体 | 施行競馬場 | 施行距離 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | デイリー杯2歳ステークス | GII | 中央 | 京都競馬場 | 芝1600m |
2 | 京王杯2歳ステークス | GII | 中央 | 東京競馬場 | 芝1400m |
3 | 東京スポーツ杯2歳ステークス | GIII | 中央 | 東京競馬場 | 芝1800m |
[編集] 歴史
- 1949年 中山競馬場の芝1100mの2歳(旧3歳)限定の混合別定重量の重賞競走、「朝日杯3歳ステークス」として創設。
- 1950年 出走条件が別定重量51キロから別定重量52キロに変更。
- 1956年
- 1957年 出走条件が別定重量、牡馬52キロ・牝馬51キロに変更。
- 1959年
- 施行コースを芝1200mに変更。
- この年の9月1日から日本競馬の時計表示が変更になったのに伴い、時計が1/5秒表示から1/10秒表示に変更。
- 1962年 施行コースを芝1600mに変更。
- 1967年 出走条件が別定重量、牡馬51キロ・牝馬50キロに変更。
- 1968年 出走条件が別定重量、牡馬52キロ・牝馬51キロに戻す。
- 1970年 出走条件が別定重量、牡馬53キロ・牝馬52キロに変更。
- 1971年 出走条件が別定重量から馬齢重量、牡馬54キロ・牝馬53キロに変更。
- 1984年 グレード制施行によりGIに格付け。
- 1988年
- 1991年 出走条件が2歳(旧3歳)から2歳(旧3歳)の牡馬・騸馬に変更。
- 1993年 南井克巳が騎手として史上3人目の連覇。
- 1995年 特別指定競走に指定。
- 2001年
- 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格が「3歳牡馬・騸馬」から「2歳牡馬・騸馬」に変更。
- 名称を朝日杯フューチュリティステークスに変更。
- 出走条件が馬齢重量54キロから定重量55キロに変更。
- 2003年 出走条件が定重量55キロから馬齢重量55キロに変更。
- 2004年
- 出走条件が2歳(旧3歳)の牡馬・騸馬から2歳(旧3歳)の牡馬・牝馬に変更。
[編集] 歴代優勝馬
回数 | 施行日 | 優勝馬 | 性齢 | 勝時計 | 優勝騎手 | 管理調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1回 | 1949年12月3日 | アヅマホマレ | 牡2 | 1:07 3/5 | 八木沢勝美 | 尾形藤吉 |
第2回 | 1950年12月10日 | トキノミノル | 牡2 | 1:06 3/5 | 岩下密政 | 田中和一郎 |
第3回 | 1951年12月9日 | タカハタ | 牝2 | 1:06 1/5 | 八木沢勝美 | 尾形藤吉 |
第4回 | 1952年12月21日 | サンゲツ | 牝2 | 1:07 0/5 | 古山良司 | 望月与一郎 |
第5回 | 1953年12月13日 | タカオー | 牡2 | 1:07 4/5 | 高橋英夫 | 上村大治郎 |
第6回 | 1954年12月12日 | メイヂヒカリ | 牡2 | 1:07 3/5 | 蛯名武五郎 | 藤本冨良 |
第7回 | 1955年12月11日 | キタノオー | 牡2 | 1:05 4/5 | 勝尾竹男 | 久保田金造 |
第8回 | 1956年12月23日 | キタノヒカリ | 牝2 | 1:06 2/5 | 勝尾竹男 | 久保田金造 |
第9回 | 1957年12月15日 | カツラシユウホウ | 牡2 | 1:09 0/5 | 蛯名武五郎 | 藤本冨良 |
第10回 | 1958年12月14日 | ウネビヒカリ | 牡2 | 1:07 0/5 | 野平祐二 | 野平省三 |
第11回 | 1959年12月13日 | マツカゼオー | 牡2 | 1:12.3 | 蛯名武五郎 | 藤本冨良 |
第12回 | 1960年12月11日 | ハクシヨウ | 牡2 | 1:11.2 | 保田隆芳 | 尾形藤吉 |
第13回 | 1961年12月17日 | カネツセーキ | 牡2 | 1:10.9 | 伊藤竹男 | 久保田金造 |
第14回 | 1962年12月16日 | グレートヨルカ | 牡2 | 1:38.7 | 保田隆芳 | 尾形藤吉 |
第15回 | 1963年12月15日 | ウメノチカラ | 牡2 | 1:38.9 | 古賀一隆 | 古賀嘉蔵 |
第16回 | 1964年12月20日 | リユウゲキ | 牡2 | 1:38.8 | 油木宣夫 | 矢倉玉男 |
第17回 | 1965年12月19日 | メジロボサツ | 牝2 | 1:39.5 | 矢野一博 | 大久保末吉 |
第18回 | 1966年12月18日 | モンタサン | 牡2 | 1:37.4 | 油木宣夫 | 矢野幸夫 |
第19回 | 1967年12月17日 | タケシバオー | 牡2 | 1:38.4 | 中野渡清一 | 三井末太郎 |
第20回 | 1968年12月15日 | ミノル | 牡2 | 1:40.8 | 保田隆芳 | 尾形藤吉 |
第21回 | 1969年12月14日 | アローエクスプレス | 牡2 | 1:36.2 | 加賀武見 | 高松三太 |
第22回 | 1970年12月13日 | オンワードガイ | 牡2 | 1:39.8 | 蓑田早人 | 森末之助 |
第23回 | 1971年12月12日 | トクザクラ | 牝2 | 1:36.2 | 田村正光 | 梶与四松 |
第24回 | 1972年12月10日 | レッドイーグル | 牡2 | 1:38.3 | 岡部幸雄 | 鈴木清 |
第25回 | 1973年12月9日 | ミホランザン | 牡2 | 1:35.5 | 柴田政人 | 高松三太 |
第26回 | 1974年12月8日 | マツフジエース | 牝2 | 1:37.1 | 松田久 | 山岡寿恵次 |
第27回 | 1975年12月7日 | ボールドシンボリ | 牡2 | 1:38.6 | 柴田政人 | 高松三太 |
第28回 | 1976年12月12日 | マルゼンスキー | 牡2 | 1:34.4 | 中野渡清一 | 本郷重彦 |
第29回 | 1977年12月11日 | ギャラントダンサー | 牡2 | 1:35.7 | 吉永正人 | 松山康久 |
第30回 | 1978年12月10日 | ビンゴガルー | 牡2 | 1:36.0 | 嶋田功 | 久保田彦之 |
第31回 | 1979年12月9日 | リンドタイヨウ | 牡2 | 1:36.7 | 横山富雄 | 見上恒芳 |
第32回 | 1980年12月7日 | テンモン | 牝2 | 1:35.5 | 嶋田功 | 稲葉幸夫 |
第33回 | 1981年12月6日 | ホクトフラッグ | 牡2 | 1:35.3 | 柴田政人 | 中野隆良 |
第34回 | 1982年12月12日 | ニシノスキー | 牡2 | 1:35.8 | 安田富男 | 元石孝昭 |
第35回 | 1983年12月11日 | ハーディービジョン | 牡2 | 1:36.3 | 的場均 | 柄崎義信 |
第36回 | 1984年12月16日 | スクラムダイナ | 牡2 | 1:35.0 | 柴田政人 | 矢野進 |
第37回 | 1985年12月15日 | ダイシンフブキ | 牡2 | 1:35.4 | 菅原泰夫 | 柴田寛 |
第38回 | 1986年12月14日 | メリーナイス | 牡2 | 1:35.6 | 根本康広 | 橋本輝雄 |
第39回 | 1987年12月20日 | サクラチヨノオー | 牡2 | 1:35.6 | 小島太 | 境勝太郎 |
第40回 | 1988年12月18日 | サクラホクトオー | 牡2 | 1:35.5 | 小島太 | 境勝太郎 |
第41回 | 1989年12月17日 | アイネスフウジン | 牡2 | 1:34.4 | 中野栄治 | 加藤修甫 |
第42回 | 1990年12月9日 | リンドシェーバー | 牡2 | 1:34.0 | 的場均 | 元石孝昭 |
第43回 | 1991年12月8日 | ミホノブルボン | 牡2 | 1:34.5 | 小島貞博 | 戸山為夫 |
第44回 | 1992年12月13日 | エルウェーウィン | 牡2 | 1:35.5 | 南井克巳 | 坪憲章 |
第45回 | 1993年12月12日 | ナリタブライアン | 牡2 | 1:34.4 | 南井克巳 | 大久保正陽 |
第46回 | 1994年12月11日 | フジキセキ | 牡2 | 1:34.7 | 角田晃一 | 渡辺栄 |
第47回 | 1995年12月10日 | バブルガムフェロー | 牡2 | 1:34.2 | 岡部幸雄 | 藤沢和雄 |
第48回 | 1996年12月8日 | マイネルマックス | 牡2 | 1:36.3 | 佐藤哲三 | 中村均 |
第49回 | 1997年12月7日 | グラスワンダー | 牡2 | 1:33.6 | 的場均 | 尾形充弘 |
第50回 | 1998年12月13日 | アドマイヤコジーン | 牡2 | 1:35.3 | M.ロバーツ | 橋田満 |
第51回 | 1999年12月12日 | エイシンプレストン | 牡2 | 1:34.7 | 福永祐一 | 北橋修二 |
第52回 | 2000年12月10日 | メジロベイリー | 牡2 | 1:34.5 | 横山典弘 | 武邦彦 |
第53回 | 2001年12月9日 | アドマイヤドン | 牡2 | 1:33.8 | 藤田伸二 | 松田博資 |
第54回 | 2002年12月8日 | エイシンチャンプ | 牡2 | 1:33.5 | 福永祐一 | 瀬戸口勉 |
第55回 | 2003年12月14日 | コスモサンビーム | 牡2 | 1:33.7 | D.バルジュー | 佐々木晶三 |
第56回 | 2004年12月12日 | マイネルレコルト | 牡2 | 1:33.4 | 後藤浩輝 | 堀井雅広 |
第57回 | 2005年12月11日 | フサイチリシャール | 牡2 | 1:33.7 | 福永祐一 | 松田国英 |
第58回 | 2006年12月10日 | ドリームジャーニー | 牡2 | 1:34.4 | 蛯名正義 | 池江泰寿 |
[編集] 朝日杯フューチュリティステークスの記録
- レースレコード - 1:33.4(第56回優勝馬マイネルレコルト)
- 2着との最大着差 - 大差(第28回優勝馬マルゼンスキー)
[編集] 関連項目
- デューハーストステークス - イギリスの2歳最強馬決定戦
- ミドルパークステークス - イギリスの2歳短距離最強馬決定戦
- レーシングポストトロフィー - イギリスの2歳マイル最強馬決定戦
- アイリッシュナショナルステークス - アイルランドの2歳最強馬決定戦
- ジャン・リュック・ラ・ガルデール賞 - フランスの2歳最強馬決定戦
- ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル - アメリカの2歳最強馬決定戦
- ゴールデンスリッパーステークス - オーストラリアの2歳短距離最強馬決定戦
カテゴリ: 競馬の競走 | 朝日新聞社のイベント