第4次スーパーロボット大戦
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第4次スーパーロボット大戦 第4次スーパーロボット大戦S |
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ジャンル | シミュレーションRPG |
対応機種 | スーパーファミコン(第4次) プレイステーション(第4次S) |
開発元 | ウィンキーソフト |
発売元 | バンプレスト |
人数 | 1人 |
メディア | カセットカートリッジ(第4次) CD-ROM(第4次S) |
発売日 | 1995年3月17日(第4次) 1996年1月26日(第4次S) |
価格 | 12800円(第4次) 6800円(第4次S) |
対象年齢 | なし |
デバイス | ターボファイルツイン(第4次) |
『第4次スーパーロボット大戦』、『第4次スーパーロボット大戦S』、(以後『第4次』、『第4次S』)は、バンプレストから発売された『スーパーロボット大戦シリーズ』の一つ。
目次 |
[編集] 概要
1995年にスーパーファミコン用ソフトとして発売。1996年には『第4次スーパーロボット大戦S』と題し、音声や新シナリオが追加されプレイステーションに移植された。なおスーパーロボット大戦シリーズに音声が付いたのはこれが初めてである。また1997年には本作の大幅リメイク作である『スーパーロボット大戦F』(以後『F』)が、1998年には『スーパーロボット大戦F完結編』(以後『F完結編』)がセガサターンにて発売された。これらは1998年には『F』が、1999年には『F完結編』がプレイステーションに移植されている。
『第2次スーパーロボット大戦』から連綿と続く第○次シリーズの最終作である。ただし『魔装機神』のキャラクターに関しては、本作のその後を描いた『魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』がリリースされている。
『第4次』はターボファイルツインに対応しており、多数のセーブデータを残す事が可能である。
『第4次』の箱の装幀はケイブンシャの大百科シリーズを模している。
『第4次S』の「S」は『SCRAMBLE』の頭文字である。
[編集] 参戦作品
[編集] 一覧
[編集] 解説
初参戦作品は『無敵超人ザンボット3』、『重戦機エルガイム』、『闘将ダイモス』、『超獣機神ダンクーガ』、『真ゲッターロボ(原作漫画版)』の5作品。『スーパーロボット大戦EX』(以後『EX』)には登場しなかった『超電磁ロボ コン・バトラーV』、『勇者ライディーン』、『無敵鋼人ダイターン3』の3作品が復帰となった。
漫画からの登場となった『真ゲッターロボ』は真・ゲッター2の下半身、真・ゲッター3の全身といった、足りないデザインを描き起こしての登場とあって話題を呼んだ。以後ほとんどの作品で真ゲッターが登場することとなり、ゲッターロボの新作アニメシリーズの製作にも影響した。ただし「漫画・真ゲッターロボ」は後発の『新スーパーロボット大戦』(以後『新』)の発売以降に発表されたものであるため、本作では登場作品『真ゲッターロボ(原作漫画版)』という表記は厳密には正しくない。本作の真ゲッターロボは『ゲッターロボ號(漫画版)』からの登場であり、設定がオリジナルである事からロボット大図鑑での登場作品は「オリジナル」となっている。詳しくは真ゲッターロボのページを参照。
登場作品には明記されていないが、隠しユニットとして『ガンダムセンチネル』のSガンダムや『New Story of Aura Battler DUNBINE』のサーバイン、ズワウスが登場している。ただしSガンダムに関しては権利関係のトラブルが発生したようである。詳細は後述。
[編集] システム
ゲームシステムは今作で一応の完成を見る。敵ターン時の行動を選べるマニュアルモードや、一気に増えた精神コマンドなど数々の要素が後のシリーズに受け継がれている。名前の変更が可能な主人公キャラクターが登場し、選択できるようになったのも今作からである。
- パイロット面
今作から攻撃力の概念が近距離・遠距離に分かれ、それが後のシリーズの格闘・射撃の概念に受け継がれていく。
パイロットに特殊技能が追加。「底力」・「ニュータイプ」(「強化人間」)・「聖戦士」・「切り払い」・「シールド防御」といった技能が加わってパイロット運用に幅が出てきた。『EX』まではそれらの技能を所持していなくても、ファンネルなどのサイコミュ兵器・オーラ斬りを使用可能であったが、今作からは使用できなくなっている。ただし本作の時点では能力上昇の要素は存在しないので、『F』に比べて特殊技能の有無で露骨に能力差が開くわけではなかった。それでも聖戦士技能のないオーラバトラー乗りは正直かなり辛い。
- ユニット面
本作では新たに「運動性」と「強化パーツ」が加わった。運動性はパイロットの命中と回避の数値に補正され、強化パーツは各ユニットに装備させる事により様々な効果が得られる。なお本作と『新』では強化パーツはマップ上に隠されており、そこで入手する形になる。そのため強化パーツを見つける「探索」という精神コマンドがあった。
- モード面
新たに「キャラクター辞典」・「ロボット図鑑」・「カラオケモード」の3種が加わった。「キャラクター辞典」は作品に登場した人物の、「ロボット図鑑」では登場したロボットの原作での設定を見る事ができる。カラオケモードはBGMとして使われている主題歌のカラオケが楽しめる。
[編集] 問題点
『第4次』ではメモリの関係で、コン・バトラーVとダンクーガのどちらかを仲間から外す選択肢を選ぶイベントがある。またブルーガーやガルバーFX-IIのパイロットを一人だけに選択する必要もある。これらの問題は『第4次S』では解消されている。
『第4次』に置いてはダンクーガは弱く設定されている。これは特殊技能『野生化』を付ける予定で弱く設定してあったものの、その後のバランス調整において『野生化』が削除されたことによるものである。PS版ではダンクーガは数値の見直しが行われ強力なユニットへと変化している。
『第4次』の初期ロット版では、MAP兵器で味方機だけを撃墜しても経験値と資金が手に入るため、簡単にレベルが上げや資金稼ぎが出来た。
『魔装機神』のマサキが仲間になるシナリオで、彼が増援で現れる前にシナリオをクリアしてしまうと、以後マサキを使用不能になってしまう。
『第4次S』は後に発売されたプレイステーション2との互換性に問題があり、画面がスローモーションになってしまう。
[編集] 『第4次S』への変更点
『第4次S』発売前に『第2次スーパーロボット大戦G』が発売されたため、解説書が改稿され『第4次S』は『第2次スーパーロボット大戦G』から続くストーリーとされた。
3DCGで描かれたオープニングムービーとグルンガストの変形デモが追加。
ダンクーガやマジンガー系のユニット、ファンネル搭載MS、F91、ヘビーメタル、オーラバトラーなど味方ユニットの性能見直し。殆どが攻撃力が底上げされているが、オーラバトラーに関してはバリアにEN消費が加わり、さらにオーラ斬り系統の必殺技にもEN消費が伴うようになるなど弱体化している。
『グレートマジンガー』と『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の専用BGM追加、及び一部BGMの使用箇所変更。
味方の主役級キャラクターに声優が付いた。但し『UFOロボグレンタイザー』のデューク・フリード(声優の富山敬が当時入院中であったため)と『無敵鋼人ザンボット3』の神勝平(声優の大山のぶ代の仕事上の方針によるもの)を除く。また『重戦機エルガイム』、『戦国魔神ゴーショーグン』の味方キャラクターは他作品との声優の重複が多いためか、例外的にほぼ全ての味方パイロットに声優が付いている。但し声優が同じ場合でも声が付いていないキャラも多い(例:チャムは声付きだが、リリスは声なし)。また、オリジナル主人公たちにも声は付かなかった。敵キャラは、プレイヤーの選択次第で味方になるレッシィ、ガトー及びリューネ、シュウ、サフィーネを除き、全て声なしである。
シナリオを3つ追加。それに合わせ最終話などの総ターン数による分岐の条件ターンも増えている。
ダンクーガとコン・バトラーVの二者択一イベントの廃止。
マップ上に隠された強化パーツの一部変更。
いくつかのシナリオで、SFC版には無かった敵増援が追加されている。
主人公の精神コマンドが変更。「魂」・「奇跡」を習得できる者が増え、「気合」を二度習得してしまうバグも改善された。
[編集] スタッフ
[編集] オリジナルキャラクター
詳しくはバンプレストオリジナルのキャラクター一覧を参考されたし。
[編集] 主人公
本作の主人公は湖川友謙デザインである。リメイク作の『F』でも同様に登場するが、河野さち子によってリファインされたデザインとの選択性となっている。
誕生日や血液型で精神コマンドが決定され、スーパーロボット系・リアルロボット系のどちらかを選択することになる。スーパー系は「底力」、リアル系は「ニュータイプ」の技能を所持している。性格はスーパー系だと「超強気」、リアル系だと「強気」となる。またどちらを選んでもモビルスーツに乗り換えが可能である。性別でも男性パイロットの方が精神ポイントが若干多め、女性パイロットの方が技量・回避に優れるといった細かい差異が見られる。シナリオ的にはリアル系だけの特典として、超絶な射程と威力を誇る隠しMAP兵器「アトミックバズーカ」の存在が挙げられる。入手までの手順の煩雑さは半端ではなくハードだが、苦労に見合うだけの価値はある。その他、リアル系の場合はクェス・パラヤ(機体はヤクト・ドーガ)、Sガンダム(ExSガンダムにパワーアップする可能性がある)、サラ・ザビアロフ(機体はガブスレイ)、ギャブレット・ギャブレー(機体はアシュラテンプル)らが仲間になる可能性があるが、対するスーパー系はダイモスに「必殺烈風正拳突き改」などの追加武器が手に入るくらいしか優遇点がない(しかも、ダイモスは宇宙では必殺技が放てない)ので明らかにリアル系の方が優遇されていると言える。
最初の乗機はゲシュペンストであり、このゲシュペンストの性能もスーパー系・リアル系で性能や武装がそれぞれ変化する。物語が進行するとスーパー系はグルンガスト、リアル系はヒュッケバインに乗り換えることになる。これらの機体は入手時にカラーリングと名前を変更可能で、武装の「グルンガストビーム」の名前も変更した名前に対応してくれる。
ゲーム開始時には恋人キャラクターの「いる」・「いない」を選択する。これによりシナリオが一つ分岐し、恋人キャラの加入するタイミングも変化する。「いる」場合は恋人はティターンズの新人パイロットとして登場し、後のシナリオで説得して仲間にすることになる。「いない」場合はすぐにロンド・ベルの新人として編入してくる。恋人もモビルスーツに乗ることが出来る他、主人公が乗らなくなったゲシュペンストにも搭乗可能。
主人公はテスラ・ライヒ研究の研究者の子供であり、ナイメーヘンの士官学校を欠席(次席の誤字と思われる)で卒業。首席は主人公に対応する恋人キャラクターである。スーパー系の場合は光子力研究所、リアル系の場合はロンドベルに新しく加入してくることになる。『第4次S』ではロフと出会うシナリオが追加されており、彼を説得して戦死を回避することが可能になった。
- レナンジェス・スターロード(愛称:ジェス)
- 真面目で優しい熱血漢
- イルムガルト・カザハラ(愛称:イルム)
- 理論家だけど異性好き
- ヘクトール・マディソン(愛称:ヘクトール)
- ちょっとヘンな性格
- アーウィン・ドースティン(愛称:ウィン)
- クールでニヒル
- パトリシア・ハックマン(愛称:パット)
- 真面目で優しい熱血漢
- グレース・ウリジン(愛称:グレース)
- 理論家だけど異性好き
- ミーナ・ライクリング(愛称:ミーナ)
- ちょっとヘンな性格
- リン・マオ(愛称:リン)
- クールでニヒル
[編集] ゲスト
正式な名称は「ゾヴォーク」であり、「ゲスト」という名称は地球側がつけたものである。『第3次スーパーロボット大戦』で登場した「インスペクター」と同じ政治組織に所属している。南極事件や技術提供などで地球圏に混乱をもたらすきっかけとなっており、第○次シリーズの戦いを引き起こした黒幕とも言える存在。なお作中ではセティが「ゲスト」と発言しているが、納得はしていなかったようである。
- グロフィス=ラクレイン
- 通称はロフ。ゲスト指揮官で傭兵である。セティとは婚約関係であったが、ロフの家出により解消されている。
- ゼブリーズ=フルシュワ
- 通称ゼブ。ゲスト指揮官。語尾を変に伸ばす癖がある。顔は不細工だが仲間思い。
- ジュスティス=シャフラワース
- 通称セティ。ゲスト指揮官。モノクルらしきものを顔に装着している女性。
- ティニクェット=ゼゼーナン
- ゲストの総司令官。極めて傲慢な人物で、地球人を完全に見下している。
[編集] Sガンダムについて
本作では『ガンダムセンチネル』より隠しユニットとしてSガンダム及びEx-Sガンダムが、強化パーツの一つとしてALICEが登場しているが、後に発売された第○次シリーズのデータベースソフト『全スーパーロボット大戦 電視大百科』ではSガンダム関連の情報が一切収録されていない。 これはセンチネルの大半の版権を所持しているモデルグラフィックスの了承無くSガンダムを登場させたことで、トラブルになったからと言われている。当時バンプレストの親会社であるバンダイとモデルグラフィックスが険悪な状態であった事も影響していると思われる(この件についてはセンチネルその後を参照の事)。後にこの件で寺田プロデューサーは「相当のお叱りを受けた」と語っている。