スーパーロボット大戦R
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スーパーロボット大戦R | |
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ジャンル | シミュレーションRPG |
対応機種 | ゲームボーイアドバンス[GBA] |
開発元 | バンプレソフト |
発売元 | バンプレスト |
人数 | 1人 |
メディア | ROMカセット |
発売日 | 2002年8月2日 |
価格 | 5800円(税抜き) |
対象年齢 | CERO:全年齢 |
売上本数 | 約28万本 |
『スーパーロボット大戦R』(すーぱーろぼっとたいせんあーる)は、バンプレストのシミュレーションRPG。スーパーロボット大戦シリーズの一つで、ゲームボーイアドバンスでは第二弾に当たる。全37話(分岐を入れると全51話)。
本作の男主人公ラウルと副主人公2名、および主人公機エクサランスが2006年発売予定の『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONS』に登場することが決定している。女主人公フィオナも登場予定だが、パイロットとして参戦するかは今のところ未定である。 『R』は『Reversal』の頭文字。
目次 |
[編集] 概要
本作では、特徴として1990年代のロボットアニメが数多く参戦していることが挙げられる。特に、ファンから「御三家」と言われる内の一つであるゲッターシリーズが、OVA版に交代したのは本作が初めてであり、御三家の世代交代を印象づけたと言える。
『A』に登場した作品の音楽や顔グラフィックはそのまま流用されている(ボルテスVなど、一部変更されたキャラもいる)。
本作は、他のシリーズと比べ難易度が低いと言われている。2週目以降、改造段階や撃墜数は引き継がれるため、攻略はさらに簡単になる。
[編集] 参戦作品
- GEAR戦士電童
- 機動戦士Ζガンダム
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
- 機動武闘伝Gガンダム
- 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
- 機動新世紀ガンダムX
- 無敵鋼人ダイターン3
- 無敵超人ザンボット3
- 機動戦艦ナデシコ
- 劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-
- マジンガーZ
- グレートマジンガー
- 劇場版マジンガーシリーズ
- 真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ
- 超電磁ロボ コン・バトラーV
- 超電磁マシーンボルテスV
- バンプレストオリジナル
初参戦作品は『劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』『GEAR戦士電童』の3作。また、『スーパーロボット大戦α外伝』以来から1年5ヶ月ぶりに復活した、『機動新世紀ガンダムX』が、携帯ゲーム機初参戦である。
[編集] キャラクター
主人公は
- 男性主人公(デフォルト名:ラウル・グレーデン)
- 女性主人公(デフォルト名:フィオナ・グレーデン)
から1名選択、これに
- 男性副主人公(デフォルト名:ラージ・モントーヤ)
- 女性副主人公(デフォルト名:ミズホ・サイキ)
の副主人公2名が付随する。ただし、副主人公は選ぶことが出来ない。
主人公機は1機固定であるが、その最終形態が男女で別々になっている。
[編集] システム
今作から精神コマンド”愛”が強力な攻撃コマンドに変更された。その関係で、”奇跡”が無くなっている。
- ユーザビリティの改善
- 本作では、ゲームボーイアドバンスの特性に合わせて、携帯機向けのシステムに変更されている。前作『スーパーロボット大戦A』には存在しなかった、戦闘デモのスキップや、会話デモ中、さらには敵フェイズでもセーブが出来るようになり、より携帯機向けになっている。
- 援護システム
- また、『COMPACT2』以来搭載されている援護システムにも改善が加えられ、援護に入るユニットの優先順位や使用武器等の細かな設定がプレイヤーによって行えるようになった。また、合体攻撃にも援護攻撃ができるようになったが、反面合体攻撃で援護防御を無効化することはできなくなった。
- 撃ち落とし
- さらに、「切り払い」「シールド」に加え「撃ち落とし」という新たな防御技能が追加された。銃を持ったユニットが実行可能で、ミサイルやファンネルなどの実弾系射撃武器を撃ち落とし、ダメージを受けないというものである。本作では、実行可能なパイロットは「ニュータイプ」技能があるキャラに限られたが、『スーパーロボット大戦D』ではニュータイプでなくても撃ち落としが実行可能になっている。
[編集] スタッフ
- プロデューサー
- 菊池博
- 寺田貴信
- じっぱひとからげ
- 森住惣一郎
- ディレクター
- 赤羽仁
- シナリオ
- 一二三四郎
- オリジナルキャラクターデザイン
- 白川紋子
- オリジナルロボットデザイン
- 大輪充
- 藤井大誠
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 評価
[編集] シナリオ
参戦作品に劇場版ナデシコと逆襲のシャアが参戦とあるものの、シナリオ上の出番は序盤のわずか3話ほど。最後にはナデシコCがハッキング能力で圧倒された挙句、オリジナルのボスに撃沈(うち一人は直接殺害される)されてしまう。また、逆襲のシャアのほうも同様にラー・カイラムを撃沈されてしまうという結果になっており、作品のファンを中心として大いに不満の声があがった。それ以降も劇場版のユニットだけは登場するものの、TV版のキャラが劇場版のマシンに搭乗する(特に復讐者になる以前のアキトがブラックサレナに搭乗する)違和感は拭えなかった。 しかし、今までのシリーズとは被らない原作のエピソードのセレクトや、星見町を拠点とした一話完結に近いスタイルは評価されている。
[編集] 副主人公について
主人公達は未来から事故で時間を逆行して来たタイムトラベラーという設定である。その姿勢は歴史を変えないために過去への干渉を控えるであり、さらに元の時代に帰り、自分たちが考案した技術を世間に認知させ広めることにある(特に副主人公であるラージにもっとも強くあらわれている)。しかしそのために、作中での行動は『仲間と距離を置き』『自分たちが手がけるプロジェクトを最優先』するといったキャラクターとなっている。他にも
- シナリオ全体的に仲間との交流や結びつきが少なく、ほとんどの会話は身内で完結している。
- 超電磁エネルギーに興味を持ち、コン・バトラーVを分解しようとしたうえ、それが問題行為だと理解できない(ラージ)
- 十分な救助用マシンがないために事故で両親を失い、それゆえ救助マシンとしてのエクサランスを作ろうと決意した設定がありながら、第1話では事故で全滅した連邦兵には一言もなく、フレームの安否を気にする矛盾した描写(ミズホ)
という例のように常識から乖離した振る舞いが目立ち、これら一連の言動がプレイヤーの好感を呼ばないという問題点がある (ただし、悪印象が特に目立つキャラだったためか、ラージは仕出かした所業以上の非難をされている感もある。また主人公も中盤からは仲間意識を感じ、戦おうとする場面もあった)
こうしたキャラクター造形は違う作品同士のストーリーが交錯し、キャラが共闘することに醍醐味があるスーパーロボット大戦においては不向きなタイプであり、いささか配慮を欠いたキャラクターだったといえる。可能であればこういった短所をもキャラクターの個性として転換できればよかったのだが、Rのシナリオがそういった域へ達しているとは言いがたく、本作のオリジナル・キャラクターの人気は他のスパロボ作品に比べ水を空けられている感がある(余談だが、次作の『D』では主人公はオリジナルの敵との関連を中盤まで隠しているものの、積極的に仲間達に接する面倒見の良い人物となっている)。
[編集] CM
本作では初参戦の「GEAR戦士電童」のベガ役で出演している三石琴乃が担当している。
[編集] バグ
隣接していているユニットがカウンター技能を持つパイロットの場合カウンターが発動するとそのユニットに重なってしまい操作不能になるバグがある。比較的発生しやすいバグなので要注意。
もう一つの重大なバグは通称「エニルバグ」と呼ばれているもので、説得可能な敵キャラとして登場するエニル・エルの搭乗するジェニス(エニルカスタム)の改造値が周回を重ねる毎に(改造限界値を越えて)際限無く上がっていってしまうというもの。これにより最終的にはエニル機の登場するルートの攻略は不可能となる。