第二高等学校 (旧制)

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第二高等学校 （二高）
創立	1886年
所在地	仙台市
初代校長	吉村寅太郎
廃止	1950年
後身校	東北大学
同窓会	第二高等学校 尚志同窓会

旧制第二高等学校（きゅうせいだいにこうとうがっこう）は、1887年（明治20年）4月仙台市に設立された旧制高等学校。略称は「二高」（にこう）。

目次 1 概要 2 沿革 3 歴代校長 4 校地の変遷と継承 5 主要な出身者 6 関連項目 7 外部リンク

[編集] 概要

• 帝国大学令に基づき全国で5校のナンバースクールの高等中学校の一つとして設立された。1886年設立の東京の旧制一高、京都の旧制三高に次ぐものである。
• 文科・理科よりなる修業年限3年の高等科を設置したが理科生の比率が高かった。また、東北帝国大学のお膝元にあったが、特に東北帝大設立まで東京帝国大学にも一高に次ぐ合格者数を送り出していたこともあった。
• 現在の東北大学の前身校の一つであり、新制移行後同大学第一教養部の構成母体となった（現在は廃止）。
• 卒業生により第二高等学校尚志同窓会が結成されている。

[編集] 沿革

• 1887年4月：第二高等中学校として仙台市に設立。
  • 本科・予科・予科補充科のほか医学部を設置した。
• 1891年10月：開校式挙行。
• 1893年：本科生と教官の校友会組織として「尚志会」結成。
• 1894年6月：高等学校令により第二高等学校と改称。大学予科および医学部を設置。
• 1897年3月：厳格主義の校長を排斥するストライキ。吉村寅太郎校長転任。
• 1901年4月：医学部を分離し仙台医学専門学校として独立。
  • 仙台医専は1912年東北帝国大学（東北大の前身）に併合されて附属医専になり、同帝大医科大学への昇格（1915年）を経て医学部に再編された。
• 1927年：校長排斥ストライキ。岡野義三郎校長転任。
• 1934年12月：松島湾で練習中のボート部が遭難し10名死亡。
• 1945年7月：米軍による空襲で校舎が焼失。
• 1949年5月：新制東北大学設立にともない包括される。
• 1950年3月：廃校。

[編集] 歴代校長

• 初代：吉村寅太郎（1887年4月 - 1897年4月）
• 第2代：沢柳政太郎（1897年4月 - 1898年7月）
• 第3代：菊池謙二郎（1898年7月 - 1900年4月）
• 第4代：中川 元（1900年4月 - 1911年1月）
• 第5代：三次愛吉（1911年1月 - 1915年4月）
• 第6代：武藤虎太（1915年4月 - 1922年11月）
• 第7代：岡野義三郎（1922年11月 - 1928年9月）
• 第8代：玉虫一郎一（1928年9月 - 1932年3月）
• 第9代：阿刀田令造（1932年3月 - 1943年9月）
• 第10代：野口 新（1943年9月 - 1949年5月）
• 第11代：萩庭三寿（1949年5月 - 1950年3月）

[編集] 校地の変遷と継承

• 1889年青葉城址麓に位置する片平丁の旧陸軍省用地に校舎が完成（片平校舎）。のち東北帝大法文学部設置にあたって校地を提供、1925年北六番丁に移転した（北六校舎）。1945年7月の空襲で校舎が焼失した後は仙台市南部の旧陸軍幼年学校の校舎として使用されていた三神峯校舎に移転。新制東北大学への包括後、三神峯校舎は第一教養部富沢分校として引き継がれ、1958年まで使用されたのち市内川内地区への統合移転により廃止された（現在は三神峯公園となっている）。
• 旧北六校地は新制東北大農学部のキャンパス（雨宮キャンパス）として継承され現在に至っている。同構内には旧二高以来の守衛所が現在も使用されており、旧制二高関連のモニュメントが多数建立されている。設立当初の旧片平校地もまた東北大片平キャンパスとして継承され、構内には書庫および旧物理学教室など二高時代の建造物が残り、当時の位置に移設された二高時代の校門などやはり多くのモニュメントが建立されている。

[編集] 主要な出身者

政官界

• 児玉秀雄 - 政治家。児玉源太郎の子息。
• 結城豊太郎 - 大蔵大臣、日本銀行総裁
• 愛知揆一 - 政治家
• 永井亨 - 鉄道省経理局長、日本人口学会長
• 堀田貢 - 内務次官
• 平塚広義 - 東京府知事、内務官僚
• 中西清一 - 逓信次官、内務官僚。満鉄副総裁
• 若宮貞夫 - 逓信次官、衆議院議員
• 田所美治 - 文部次官、貴族院議員
• 相川勝六 - 厚生次官、内務官僚。厚生大臣
• 萱場軍蔵 - 内務次官
• 三浦一雄 - 農林次官、法制局長官
• 青木周三 - 鉄道次官、逓信官僚
• 中川正左 - 鉄道次官、逓信官僚
• 和田正彦 - 大蔵省銀行局長、台湾銀行副頭取
• 宮本武夫 - 郵政事務次官、逓信官僚
• 四条隆英 - 初代商工次官。
• 椎名悦三郎 - 自民党副総裁。「椎名裁定」で有名。
• 奥田新三 - 商工次官、セントラル硝子社長・会長。
• 小島新一 - 商工次官、日本製鉄社長。
• 唐沢俊樹 - 内務次官。
• 大金益次郎 - 宮内次官。
• 阪谷希一 - 満州国総務庁長代理、国務院次長、日銀出身。
• 渋沢敬三 - 日本銀行総裁。
• 岡原昌男 - 最高裁判所長官。

文化

• 河東碧梧桐 - 俳人（中退）
• 高浜虚子 - 俳人（中退）
• 高山樗牛 - 文芸評論家
• 土井晩翠 - 詩人（第3回卒業）。のち二高英語教授となり校歌を作詞。
• 富永太郎 - 詩人（中退）

[編集] 関連項目

• ナンバースクール
• 明倫養賢堂－二高医学部の源流
• 仙台医学専門学校 (旧制) - 二高医学部の後身。東北帝大→東北大医学部の前身校。
• 東北帝国大学・仙台高等工業学校・宮城県女子専門学校 - 新制東北大学の前身諸校。

[編集] 外部リンク

• 東北大学史料館
• 同上・デジタル展示室「第二高等学校」
• 華麗なる旧制高校巡礼 - 旧制第二高等学校 - 旧二高校地の現状