竜雷太
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竜 雷太(りゅう らいた、1940年1月21日 - )は、日本の俳優。本名、長谷川 龍男。
大阪府箕面市出身。三船プロ、田中プロモーションを経て、現在は大手芸能プロダクションアクターズプロモーションの社長である。
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[編集] 概要
日本大学芸術学部中退後、芝居の勉強のため単身アメリカへ渡る。帰国後に青春ドラマ『これが青春だ』の主人公に抜擢され、一躍スターダムにのし上がった。ちなみに『これが青春だ』は後の「太陽にほえろ!』で、才能ある新人俳優をいきなり主役に抜擢して番組で成長する姿を映し、それとともにその新人俳優をスターにしていくという手法の先駆けであり、その後同番組でこの手法を使うことにより多くの新人俳優がスターになっていった。
- 芸名は、新人を売り出すのに本名の「長谷川龍夫」ではインパクトが足りないということで『これが青春だ』の主人公の役名、大岩雷太にしようとプロデューサーの間で決めたが、本人が「親に貰った名前を変えるのは嫌だ」と強く抵抗。結局、本名から「龍」の字を取り、「竜雷太」で納得してもらったという。しかし、本人はドラマ終了後は本名に戻すつもりだったらしい。(岡田晋吉著『青春ドラマ夢伝説』日本テレビ、2003年9月に拠る)
1972年にスタートした『太陽にほえろ!』では、ゴリさんこと石塚刑事役を10年間務めた。撮影現場では、ゴリさんの役柄そのままに新人教育係を務めていたという。
- 後年、フジテレビ系列「ハッピーボーイズアワー爆笑おすピー問題!」にゲスト出演した渡辺徹が、竜はかなり熱血漢的な演技指導であった(竜本人も「太陽に~」スタッフも認めている)が故に「『太陽にほえろ!』共演時、まず自分の出番よりも竜と一緒の撮影シーンがあるか無いかをチェックしていた」と告白する。竜もVTRコメントで「(渡辺)徹が太れなかったのは、どうも俺のせいだったらしい」と苦笑いで懐古していた。
1982年に『太陽にほえろ!』で殉職のため降板、そしてその僅か四ヵ月後に『金曜日の妻たちへ』に村越隆正役で出演。このドラマは当時『太陽にほえろ!』が終了してわずか1時間後からオンエアされており、大半の人はこのドラマを見るときにはまだ『太陽にほえろ!』の余韻が強く残っていた上、“竜雷太=ゴリさん”というイメージが全く払拭されていなかったためか当時の視聴者からは「死んだはずのゴリさんがなぜ若い女性と浮気してるの?」という意見もあったという。また、第1話でモデルの女性(石田えり)と浮気をしていたのはゴリさんが銃撃されたのと同じ倉庫やコンテナがある港であったため、「ゴリさんが浮気をしている」というイメージを更に増長させてしまった。金妻のスタッフがゴリさんの殉職した地ということを意識して浮気のシーンを港に設定したという説があるが、その真意は定かではない。
近年は島田洋七への土地売却を巡るトラブル(竜が洋七に「いい土地だから」と紹介した土地が、水道も電気も通ってなかったなど)があり、「原野商法じゃないか!」と非難の眼を向けられた。
ちなみに京都府舞鶴市出身という噂があるが事実ではない。戦時中、叔父のいる舞鶴市に疎開していたことがあり、舞鶴に滞在経験があるというのが真相。
尚、ドラマで共演したこともある俳優の峰竜太と名前が似ていることから、ファンの間でも勘違いされることが多い。また竜雷太という芸名柄、中日ドラゴンズのファンと思われがちだが、芸名の“竜”は本名の“龍男”からとったものであり、中日ドラゴンズとは全く関係ない。そして竜自身も中日ファンではない。
2006年9月18日に放映された『アンテナ22特別版 特別ドラマスペシャル 総理大臣 小泉純一郎』で亀井静香役を好演。自民党総裁選挙直前で麻生太郎、安倍晋三と共にゲスト出演していた谷垣禎一に「似てますねぇ」と言わしめた。
[編集] 出演
[編集] テレビドラマ
- これが青春だ(1966年 - 1967年、NTV) - 大岩雷太 役
- でっかい青春(1967年 - 1968年、NTV) - 巌雷太 役
- 東京バイパス指令(1968年 - 1969年、NTV)- 槙竜次警部補
- 太陽にほえろ!(1972年 - 1982年、NTV) - 石塚誠 役
- 荒野の用心棒(1973年、NET) - 雷の旦那 役
- 虹のエアポート(1975年‐1976年、TBS)- 武村キャプテン 役
- 姿三四郎(1978年、NTV) - 真崎東天 役
- 金曜日の妻たちへ(1983年、TBS) - 村越隆正 役
- 徳川家康(1983年、NHK) - 随風 / 天海 役
- 金曜日の妻たちへII・男たちよ、元気かい?(1984年、TBS) - 川久保弘 役
- NHK新大型時代劇 真田太平記(1985年、NHK) - 加藤清正 役
- 禁じられたマリコ(1985年 - 1986年、TBS) - 杉浦元太郎 役
- 独眼竜政宗(1987年、NHK) - 伊達実元 役
- ジャングル(1987年 - 1988年、NTV) - 武田祥次 役
- ノンちゃんの夢(1988年、NHK)
- 長七郎江戸日記(1989年1月 - 9月、NTV) - 松坂鉄舟 役
- 翔ぶが如く(1990年、NHK) - 川口雪篷 役
- あばれ八州御用旅(1990年、1991年、1992年、1994年、テレビ東京) - 賞金稼ぎ・山崎哲之介 役
- 愛という名のもとに(1992年、フジテレビ) - 高月健蔵 役
- パパっ子ちゃん(1992年、読売テレビ)
- 世にも奇妙な物語 精神力(1992年、フジテレビ) - 塾長 役
- 課長島耕作(1993年 - 1998年、フジテレビ)
- 鬼平犯科帳(1994年、フジテレビ) - 岸井左馬之助 役
- 星の金貨(1995年、NTV) - 永井誠一郎 役
- 八代将軍吉宗(1995年、NHK) - 三浦為隆 役
- 将太の寿司(1996年、フジテレビ) - 鳳征五郎 役
- 成田離婚(1997年、フジテレビ) - 田中雄三 役
- さしすせそ!?(1997年、TBS)
- 素晴らしき家族旅行(1998年、テレビ東京)
- ケイゾク(1999年、TBS) - 野々村光太郎 役
- L×I×V×E(1999年、TBS) - 足柄先生 役
- 元禄繚乱(1999年、NHK) - 千坂兵部 役
- QUIZ(2000年、TBS) - 蓮見礼二 役
- 葵徳川三代(2000年、NHK) - 蒲生郷舎 役
- 菜の花の沖(2000年、NHK) - 御影屋松右衛門 役
- Gメン'75スペシャル2 東京-北海道トリック殺人事件(2001年、TBS) - カルロス寺島 役
- ロケットボーイ(2001年、フジテレビ) - 田中義宗 役
- 時空警察(2001年 - 2005年、NTV) - 山神善一郎 役
- ママの遺伝子(2002年、TBS) - 藤木昭吾 役
- こころ(2003年、NHK) - 中島一国 役
- Dr.コトー診療所(2003年、フジテレビ) - 芦田雄一郎 役
- 美女か野獣(2003年、フジテレビ) - 鷹宮秀一 役
- それは、突然、嵐のように…(2004年、TBS) - 中村光三 役
- 仔犬のワルツ(2004年、NTV) - 水無月奏太郎 役
- 結婚のカタチ(2004年、NHK) - 沢井良夫 役
- H2~君といた日々(2005年、TBS) - 柳道男 役
- アタックNo.1(2005年、テレビ朝日) - 一ノ瀬新平 役
- 理想の生活(2005年、NHK) - 角川勉 役
- ヒューマンドラマスペシャル・天国へのカレンダー (2005年、フジテレビ系) 望月洋一役
- ジェニーがやってきた(NHK)
- マチベン(2006年、NHK)- 深川保
- 結婚できない男(2006年、フジテレビ)‐ 早坂康雄 役
- アンテナ22特別版 特別ドラマスペシャル 総理大臣 小泉純一郎(2006年、日本テレビ) - 亀井静香 役
- 鉄板少女アカネ!!(2006年、TBS系) - 嵐山蒼龍 役
[編集] 映画
- 春らんまん(1968年1月14日、東宝) - 奈良 役
- 燃えろ!青春(1968年12月19日、東宝) - 江島雷太 役
- 夕日くんサラリーマン脱出作戦(1971年4月15日、東宝)
- 新幹線大爆破(1975年7月5日、東映) - 鉄道公安官 役
- 男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく(1978年8月5日、松竹) - 宮田隆 役
- 戦国自衛隊(1979年12月5日、東宝) - 木村治久 三曹 役
- 首都消失(1987年1月17日、東宝) - 堀江 役
- 大誘拐(1991年1月15日、東宝) - 佐久間 役
- 美味しんぼ(1996年4月13日、松竹) - 中川 役
- 釣りバカ日誌7(1994年12月23日、松竹)
- 釣りバカ日誌8(1996年8月10日、松竹)
- 釣りバカ日誌9(1997年9月6日、松竹)
- 釣りバカ日誌10(1998年8月8日、松竹)
- ケイゾク/映画(2000年3月4日、東宝)
[編集] その他のテレビ番組
[編集] CM
- トヨタ自動車(初代・「カローラ(KE10型)」)
- 日本ハムシャウエッセン
[編集] ゲーム
- 街 ~運命の交差点~ - 白峰忠道 役
[編集] 音楽
[編集] シングル
- あの娘と暮らしたい / 君と二人で(1967年、キングレコード BS-635)
- 愛の子守唄 / いいかい?(1967年、キングレコード BS-740)