猫耳
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猫耳(ねこみみ)
- 猫の耳を頭につけた人型の架空の生物。本項で詳述。
- 黒澤潤監督の1994年製作の長編実験映画。
- 耳垢がやわらかく、少し臭う状態の耳。
- 新幹線E954形電車、新幹線E955形電車の空力ブレーキ(空気抵抗増加装置)の通称。1.に由来する。
猫耳(ねこみみ)は猫の耳、あるいは猫の耳状のものを頭につけた(猫の耳状のものが頭についている)人型の架空の生物(キャラクター)。その形態を実際に演劇・コスプレで演じる場合もある。ネコミミと表記される場合もある。
猫そのものや猫を擬人化したものと捉えられる場合と、何らかの要因で人間に猫の耳が備わったものと捉えられる場合とがある。猫耳そのものではなく、猫耳風の髪型をしている場合や、猫耳に見える帽子をかぶっている場合もある。帽子やヘッドドレスといった着脱可能な猫耳を着用している場合、「音に反応して動く」「風呂に入るときですら外さない」「人間の耳の位置に本来の耳がない」といった、本物の猫耳であることを示唆する演出がなされることがある。猫耳だが頭部が完全に猫の場合、猫耳というより単なる獣人に分類されることが多い。
特に猫耳を装備した若い女性を、猫娘と呼ぶことがある。
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[編集] 歴史
演劇の世界では古くから用いられてきた。特に化け猫など、人間が猫に扮するとき用いられてきたとも言える。 化け猫については文政10年(1827年)市村座で初演されている鶴屋南北の『独道中五十三次』に登場している。恐らく、演技する者を猫に見せかけるためかなり以前からとり入れられてきたのではないかとも見える。またミュージカルの世界でも、『キャッツ』などでも取り入れられている。 擬人化した猫で言えば、映画『長靴をはいた猫』など人語を喋る猫が登場し、映画『銀河鉄道の夜』などでも擬人化した猫を登場させている。反対に、人間が猫化した物は、『猫の恩返し』などに見ることが出来る。また、文学の世界では『綿の国星』などが猫を擬人化している。
[編集] 生態・具体的描写
耳と同時に猫の尻尾を伴う描写が多く見受けられる。発言の語尾に「~にゃ」などと付ける・目(キャッツアイ)や歯(八重歯、牙)・ヒゲの描写が猫風である・鈴の付いた首輪を身に付けている・手足に肉球や猫の爪を伴うなど、猫らしさをアピールしたりする事もある。猫耳が描写される時、長髪の場合は人間の耳はどうなっているかは明らかにされない事が多いが、ショートヘアや眼鏡をかけている場合もあるため、猫の耳と同時に人間の耳を重複して持つ描写も見られる。
[編集] サブカルチャーにおける猫耳
[編集] イマジネーション的な連想
1970年代から1980年代に掛けて漫画、アニメなどに登場する猫耳は、猫の習性をもった様な人物像を強調する意味で使用することが多かった。この為、雑誌に於いては子供向けの男性誌、女性誌に多用されていた。また、童話などの絵本でも多く見受けられ、これは現在でもよく登場している。特に、子供というイメージ、子供とお母さんというイメージで多用されている。例えば実在の人物を漫画に描く際に猫耳を描き、猫の習性を持った者の様に描くなどギャグ的な使用や、猫に近い種族というような使用法が目立った。
[編集] 性的な連想
1990年代以降、男性(主におたく)向けの漫画・アニメ・ゲーム・同人誌・アダルトビデオにおいて、猫耳のキャラクター(若い女性像で描かれることが多い)が多く登場するようになり、萌えの対象とされる事もある。男性の想像力が生み出した架空で理想(?)の女性像(あるいは妄想)。この場合、猫の丸みのあるしなやかな体つきが、女性の肢体の性的な魅力を連想させるという事があり、その象徴としての猫耳ということであり、「ネコリータ」という言葉も存在する。その上で、猫耳と対になるモノに、八重歯(牙)も描写されたりする。 猫の前足を模した手袋や、猫の後ろ足をイメージした靴、ボアやポンポンの縁取りのついた衣服を着用している場合もあるが、あくまで「手」「足」といったパーツ単位での着用にとどまり、全身を猫の毛皮風のもので覆っている場合は着ぐるみに属する。
ただし、2000年代以降、女性(特に腐女子)向けメディアでも猫耳のキャラクターが萌えの対象とされることが増えている。
- こうした表現が主流になって以降も、前項の要素もまたキャラクター構成やストーリーの要素として用いられることが多い。また、猫とは反対に、理性的、物静かなキャラクターに対してデザインを用い、そのギャップをストーリーの要素として使う手法も出現している。
[編集] 実装
実際の人が猫耳グッズを装着する事も決して少なくないが、絵・イラストで描かれることが多い。
参照→仮装・コスチュームプレイ(コスプレ)
[編集] 猫耳の広がり
また、猫耳以外にも、犬・兎・虎・狸・狐・豚・ハムスターなどの他の哺乳動物の耳や、角と牙を持った少女像、うる星やつらのラムなども、さらにその類型と挙げられる。アンテナのような機械的な耳(『To Heart』のマルチ)、エルフの尖った耳など、日本におけるこのようなメディアでは、耳という器官が別の記号に置き換えられるという表現が度々用いられる。
[編集] 猫耳のコスチュームをしたことがある有名人
- 相川七瀬-ライブで『Cat on the Street』を猫耳・尻尾のコスチュームで歌った。
- 椎名林檎-東京事変のライブ「Domestic! Virgin LINE」で「サービス」を演奏中に、パフォーマンスで猫耳を付けた。
- 宇多田ヒカル-DVDシングル『Easy Breezy』のジャケット写真で猫耳のカチューシャを付けた。
- 田中れいな-「モーニング娘。」のメンバーである彼女は、テレビ東京系列の番組『ハロー! モーニング。の、回文をラップに乗せて読み上げるコーナー「ターン鳥チキン」で、猫耳を装着している姿がかわいいと評判。
- 杏さゆり-パチンコタイキのCMでネコミミコスプレをしている。黒猫風でかわいい。'06年4月現在放送中
- レイチェル・リー・クック、タラ・リード、ロザリオ・ドーソン - 映画『プッシーキャッツ』内の架空のバンドの衣装。
[編集] その他獣耳のコスチュームをしたことがある有名人
[編集] 猫耳が登場する主な作品
- 円盤皇女ワるきゅーレ
- ファイナルファンタジーIII
- ヴァンパイア
- D.C. ~ダ・カーポ~
- スターオーシャン
- 月姫
- 月詠 -MOON PHASE-
- デ・ジ・キャラット
- 東京ミュウミュウ
- 猫の恩返し
- バットマン(キャットウーマン)
- HELLSING
- 魔法少女猫たると
- 悠久幻想曲
- LOVELESS
- 綿の国星
- ねこきっさ
- はいぱーぽりす
- 魔法騎士レイアース
- 魔法先生ネギま!
- 究極超人あ~る
- ブラック・ジャック(一話のみ猫耳が登場する回が存在)
- 夢で逢えたら(えびふらい)
- 猫でごめん!