毛利元就 (NHK大河ドラマ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『毛利元就』(もうりもとなり)は、NHKの1997年の大河ドラマ。放送期間は1997年1月5日 - 12月14日。
目次 |
[編集] 作品内容と反響
毛利元就生誕500周年記念として製作。残された自筆の文章や書状の内容を元に謀略家のイメージが強い元就を愚痴っぽいが家族思いの男性として描いた。ホームドラマ的な作品で女性からの評価が高かった。一揆という語で一向一揆等の百姓一揆しか思い浮かばなくなっている多くの現代人に理解しにくい「国人一揆」を元就が盟主となって結ぶ場面で、国人一揆を「国人領主連合」なる現代語訳を用いてお茶の間の一般視聴者に対する配慮を行っていた。渡辺俊幸・作曲のテーマ音楽は「水戸黄門」を彷彿させる「ボレロ調」のメロディーであるが、後年担当した「利家とまつ~加賀百万石物語~」(2002年大河ドラマ)と比べ、技巧に走らない素直で聞きやすい曲だと言える。
[編集] あらすじ
安芸国の小領主・毛利弘元の次男として産まれた松寿丸(後の元就)は幼いときに実母・祥の方を亡くし、すさんだ少年時代を過ごす。一方父・弘元は有力大名の大内義興と尼子経久との板ばさみに悩み、さらに松寿丸の素行やまとまりのない家臣達に心労をつのらせ、そして長年の酒毒により死去する。そんな父の寂しい死をきっかけに、元就は生まれ変わり、戦国乱世の中でいかに毛利家を存続させるかに命を燃やすようになる。だがそんな元就に、本来毛利家とほとんど同格の国人領主で、盟約によって家臣になっているに過ぎなかった家臣達の容赦ない反乱や策謀が降りかかった。
[編集] スタッフ
- 脚本・・・内舘牧子
- 原作・・・永井路子(『山霧』『元就、そして女たち』より)
- 音楽・・・渡辺俊幸
- テーマ音楽演奏・・・NHK交響楽団
- 指揮・・・外山雄三
- 演奏・・・コンセール・レニエ
- 題字・・・・・毛利元就(自筆書状より)
- 語り・・・・平野啓子
- 時代考証・・・岸田裕之、米原正義
- 風俗考証・・・二木謙一
- 建築考証・・・平井 聖
- 衣裳考証・・・小泉清子
- 所作指導・・・猿若清三郎
- 殺陣武術指導・・・林邦史朗
- 馬術指導・・・日馬 伸
- 茶道指導・・・鈴木宗卓
- 演出・・・・・松岡孝治、吉川邦夫ほか
- 制作統括・・・木田幸紀
[編集] 配役
[編集] 毛利家
- 毛利元就(中村橋之助 (3代目))
- 松寿丸(元就の幼年期)(岩渕幸弘)
- 松寿丸(元就の少年期)(森田剛)
- 毛利輝元(元就の孫、毛利家当主):(中村国生→森田剛)
- 美伊の方(富田靖子):元就の正室
- 毛利弘元(西郷輝彦)元就の父、毛利家当主
- 祥の方(竹下景子):元就の母、弘元の正室
- 杉の方(松坂慶子):弘元の側室。元就の育ての親
- 相合の方(松原千明):弘元の側室。元綱の母
- 毛利興元(後藤拓也→芦田昌太郎→渡部篤郎):元就の兄、毛利家当主
- 雪の方(一路真輝):興元の妻
- 毛利幸松丸(伊達力哉→深川雄太→北尾亘):興元の長男
- 相合元綱(月夜丸)(伊勢裕樹→いしいすぐる→西島秀俊):元就の異母弟
- 藤野(加賀まりこ):美伊の方の付人
- 松姫(松の方)(安積玲奈→梓真悠子):元就の異母妹、吉川興経の母
- 芳姫(田島穂奈美):元就の異母妹
- 毛利隆元(金澤匠→上川隆也):元就の長男、毛利家当主
- 吉川元春(安藤一志→松重豊):元就の次男、安芸国人吉川氏当主
- 小早川隆景(富田樹央→恵俊彰):元就の三男、安芸国人小早川氏当主
- 可愛(五龍姫)(えの)(伊藤明日香→高橋由美子):元就の長女。宍戸隆家の妻
- 宍戸隆家(加勢大周):元就の娘婿。安芸国人宍戸氏当主。のち毛利家家臣
- 寿の方(大塚寧々):隆元の妻
- 美々(仁科扶紀):元春の妻
- 阿古姫(阿古の方)(三船美佳→藤吉久美子):隆景の妻
- 妙(中の丸)(宮本信子):阿古の方の付き人、のちに元就の後妻
- 香(三吉隆亮妹)(秋本奈緒美):元就の側室
- さよ(乃美隆興娘、乃美の大方)(田中広子):元就の側室
- 堀立直正(原田芳雄):商人、赤間関代官
- 桂広澄(草刈正雄):毛利家家臣、外交担当(尼子派)
- 井上元兼(片岡鶴太郎):毛利家家臣、経済担当(大内派)
- 渡辺勝(榎木孝明):毛利家家臣、軍事担当(尼子派)
- 志道広良(中村梅雀):毛利家家臣、元就の腹心
- 福原広俊(笹野高史):毛利家家臣、元就の外祖父
- 赤川元保(永島敏行):毛利家家臣、隆元の腹心
- 児玉就忠(益岡徹):毛利家家臣
- 桂元澄(鶴見辰吾):広澄の子、毛利家家臣
- 渡辺通(勝村政信):勝の子、毛利家家臣
- 国司元相(坂本あきら):毛利家家臣
- 福原貞俊(石濱朗):毛利家家臣
- 平佐就有(佐藤B作):毛利家家臣
- 粟屋元隆(塩野谷正幸):毛利家家臣
- 大庭賢兼(中島久之):毛利家家臣
- 熊谷信直(綿引勝彦):元春の舅、安芸国人熊谷氏当主、のち毛利家家臣
- 井上春忠(生瀬勝久):毛利家家臣
- 平佐就有(佐藤B作):毛利家家臣
- 兵助(ラッキィ池田):毛利家家臣
- 小三太(奈佐健臣):毛利家の忍び
- 寺畑(松井範雄):井上元兼の配下
- 風間(中原和宏):井上元兼の配下
- 品川狼之介(品川大膳)(林邦史朗):毛利家家臣
- ひさ(松金よね子):杉の方の付人
- きよ(柴田理恵):寿の方の付人
- なつ(元就の初恋の少女)&玉姫(輝元の妻、宍戸隆家娘):(松本恵)
[編集] 大内家
- 大内義興(細川俊之):大内家当主
- 綾の方(内藤弘矩娘)(東ちづる):義興の妻
- 大内義隆(風間トオル):義興の子、大内家当主
- 貞子(万里小路秀房娘)(佐藤恵利):義隆の正室
- おさい(初瀬かおる):義隆の側室、亀童丸の母
- 亀童丸(中原和宏→蓮池貴人):義隆の子
- 内藤興盛(小野寺昭):大内家重臣、毛利隆元の舅
- 陶興房(夏八木勲):大内家重臣
- 陶晴賢(隆房)(陣内孝則):興房の子。大内家重臣
- 相良武任(白井晃):大内家家臣(義隆派)
- 冷泉隆豊(春田純一):大内家家臣(義隆派)
- 江良房栄(高岡健二):大内家家臣(晴賢派)
- 弘中隆兼(佐川満男):大内家家臣(晴賢派)
- 大内義長(三井智英):大友宗麟の弟で義隆の養子、大内家当主
[編集] 尼子家
※当初萬屋錦之介が演じる予定であったが病気のため降板、緒方が代役を務めた。
- 萩の方(吉川経基娘)(高畑淳子):経久の妻
- 尼子晴久(高嶋政宏):経久の孫、尼子家当主
- みつ(岩崎ひろみ):晴久の妻、国久の娘
- 尼子国久(清水綋治):一門衆(新宮党)、晴久の叔父で岳父
- 尼子義久(中村獅童 (2代目)):晴久とみつの子、尼子家当主
- 亀井秀綱(河原さぶ):尼子家家臣、経久の側近
- 宇山久兼(磯部勉):尼子家家臣、経久の側近
- 河副久信(上杉祥三):尼子家家臣、晴久の側近
- 立原幸隆(門田俊):尼子家家臣、晴久の側近
- 本城常光(武岡淳一):尼子家家臣
- 山中鹿介(山田純大):尼子家家臣
[編集] その他
- 野田次郎(山崎裕太→的場浩司):元就の幼なじみ、村上水軍の将
- 村上虎吉(藤原喜明):村上水軍の将
- 加芽(葉月里緒奈):虎吉の娘
- 足利義稙(田口トモロヲ):室町幕府第10代将軍
- 細川隆是(久富惟晴):足利氏家臣
- 吉川国経(草薙幸二郎):安芸国人吉川氏当主、美伊の父
- 吉川元経(ダンカン):国経の子、安芸国人吉川氏当主
- 吉川興経(京本政樹):元経の子で元春の養父、安芸国人吉川氏当主
- 吉川経世(大森ヒロシ):国経の子、元経の弟
- 吉川元資(仁科拓海→清水伸):元春の長男
- 大塩右衛門尉(エド山口):吉川氏家臣
- 武田元繁(宍戸開):旧守護家、安芸武田氏当主
- 熊谷元直(石田登星):安芸国人熊谷氏当主、信直の父
- 蔵田房信(大鷹明良):安芸国人蔵田氏当主、鏡山城守将
- 蔵田直信(沼田爆):安芸国人、房信の叔父
- 高橋元光(堀勝之佑):安芸国人高橋氏当主、雪の方の父
- 高橋興光(鷲生功):安芸国人高橋氏当主
- 高橋盛光(諏訪部仁):安芸国人、元光の従兄弟
- 宍戸元源(石田太郎):隆家の祖父、安芸国人宍戸氏当主
- 小早川繁平(高橋譲):安芸国人沼田小早川氏当主、阿古姫の兄
- 椋梨景勝(舟木一夫):沼田小早川氏家臣
- 田坂全慶(石山雄大):沼田小早川氏家臣
- 和智誠春(せんだ光雄):備後国人和智氏当主
- 天野興次(岡本信人):安芸国人
- 天野興定(山本密):安芸国人、興次の子
- 榮秀(大滝秀治):僧侶
- 品田上野介(蛍雪次朗)
- さだ(尾小平志津香)
- 維光(斉藤暁)
- 薬師(酒井敏也)
[編集] 放送日程
放送回 | 放送日 | 題 | 演出 | 視聴率(ビデオリサーチ調べ) |
第1回 | 1997年1月5日 | 「妻たちの言い分」 | 25.3% | |
第2回 | 1997年1月12日 | 「若君ご乱心」 | 28.6% | |
第3回 | 1997年1月19日 | 「城主失格」 | 28.3% | |
第4回 | 1997年1月26日 | 「女の器量」 | 28.2% | |
第5回 | 1997年2月2日 | 「謀略の城」 | 27.6% | |
第6回 | 1997年2月9日 | 「恋ごごろ」 | 26.8% | |
第7回 | 1997年2月16日 | 「われ敵前逃亡す」 | 26.6% | |
第8回 | 1997年2月23日 | 「兄嫁きたる」 | 26.3% | |
第9回 | 1997年3月2日 | 「さらば兄上」 | 27.6% | |
第10回 | 1997年3月9日 | 「初陣の奇跡」 | 28.3% | |
第11回 | 1997年3月16日 | 「花嫁怒る」 | 26.5% | |
第12回 | 1997年3月23日 | 「元就暗殺指令」 | 23.8% | |
第13回 | 1997年3月30日 | 「戦乱の子誕生」 | 24.8% | |
第14回 | 1997年4月6日 | 「巨人とひよっこ」 | 22.6% | |
第15回 | 1997年4月13日 | 「涙のうっちゃり」 | 23.4% | |
第16回 | 1997年4月20日 | 「弟の謀反」 | 24.3% | |
第17回 | 1997年4月27日 | 「凄まじき夜明け」 | 24.3% | |
第18回 | 1997年5月4日 | 「水軍の女神」 | 19.0% | |
第19回 | 1997年5月11日 | 「夫の恋」 | 23.4% | |
第20回 | 1997年5月18日 | 「隠し女」 | 25.1% | |
第21回 | 1997年5月25日 | 「百万一心」 | 22.5% | |
第22回 | 1997年6月1日 | 「三本の矢」 | 24.0% | |
第23回 | 1997年6月8日 | 「尼子襲来」 | 22.9% | |
第24回 | 1997年6月15日 | 「決戦郡山城」 | 22.0% | |
第25回 | 1997年6月22日 | 「尼子経久死す」 | 22.9% | |
第26回 | 1997年6月29日 | 「敵は亡霊」 | 22.6% | |
第27回 | 1997年7月6日 | 「逃げ道なし」 | 16.8% | |
第28回 | 1997年7月13日 | 「海がみたい」 | 21.6% | |
第29回 | 1997年7月20日 | 「子別れ」 | 20.7% | |
第30回 | 1997年7月27日 | 「さようなら、美伊」 | 20.6% | |
第31回 | 1997年8月3日 | 「杉、極楽へ行く」 | 20.6% | |
第32回 | 1997年8月10日 | 「元就、鬼と化す」 | 19.7% | |
第33回 | 1997年8月17日 | 「冴えわたる策略」 | 22.1% | |
第34回 | 1997年8月24日 | 「闇に舞う般若」 | 20.3% | |
第35回 | 1997年8月31日 | 「最後の反逆者」 | 24.1% | |
第36回 | 1997年9月7日 | 「鬼のかけひき」 | 22.0% | |
第37回 | 1997年9月14日 | 「こぼれ蛍」 | 24.1% | |
第38回 | 1997年9月21日 | 「五十九歳の決断」 | 21.7% | |
第39回 | 1997年9月28日 | 「裏のまた裏」 | 20.0% | |
第40回 | 1997年10月5日 | 「嵐こそ好機」 | 21.6% | |
第41回 | 1997年10月12日 | 「奇襲厳島」 | 23.9% | |
第42回 | 1997年10月19日 | 「最後の女」 | 21.9% | |
第43回 | 1997年10月26日 | 「三子教訓状」 | 19.8% | |
第44回 | 1997年11月2日 | 「銀に踊る」 | 22.1% | |
第45回 | 1997年11月9日 | 「男の器」 | 20.8% | |
第46回 | 1997年11月16日 | 「隆元暗殺」 | 23.4% | |
第47回 | 1997年11月23日 | 「弔い合戦」 | 21.9% | |
第48回 | 1997年11月30日 | 「輝元参上!」 | 23.0% | |
最49回 | 1997年12月7日 | 「淋しき覇者」 | 24.9% | |
最終回 | 1997年12月14日 | 「よく生き、よく死に」 | 25.1% |