日産・エルグランド
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エルグランド(ELGRAND)は、日産自動車が販売する高級乗用車、ワンボックス型のミニバン。製造は日産車体湘南工場などで行われている。また同クラスの車で唯一、縦置きV6エンジンを搭載している。
目次 |
[編集] 歴史
エルグランド | |
---|---|
製造期間 | 1997年 – 2002年 |
ボディタイプ | 5ドア ミニバン |
エンジン(デビュー当時) | VG33E(V6 3.3l 170PS)QD32ETi(直4OHV・150PS・3200ccディーゼル・インタークーラーターボ) |
全長 | 4740mm |
全幅 | 1775mm |
全高 | 1940mm |
車両重量 | 2000kg(2WD)2180kg(4WD) |
先代 | なし |
後継 | なし |
姉妹車、OEM | いすゞ・フィリー |
車台が共通の車種 | 日産・テラノ |
同クラスの車種 | トヨタ・グランビアなど |
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[編集] 初代 (E50型 1997-2002年)
- 1997年5月 キャラバンとホーミーのミニバンタイプとして登場した。
- 当初は、モーター系(ローレル販売会社)が「キャラバン・エルグランド(CARAVAN ELGRAND)」、プリンス系(スカイライン販売会社)が「ホーミー・エルグランド(HOMY ELGRAND)」と車名が分けられていた。
- グレードは、最上級から7人乗り「X」、8人乗り「V」、最廉価「J」という構成。
- 「X」のシートには本革・サプラーレコンビシートがオプション設定された。
- 「J」を除いた全グレードにはツインモニターTV・ナビゲーションシステムがオプション設定された。
- エルグランドのエンブレムは、「キャラバン・エルグランド」が赤、「ホーミー・エルグランド」が青となっている。
- 1997年7月 いすゞへのOEM供給を開始(ファーゴ・フィリーとして販売、のちにフィリーに車名変更、2002年4月で終了)。
- 1998年1月 ラルゴやセレナで人気を博したスポーティーグレード「ハイウェイスター」が設定される。
- 1998年10月 「X」「V」「ハイウェイスター」の3グレードに、「ラウンジ・パッケージ」を設定した。
- 「ラウンジ・パッケージ」は、パックオプションとしてフロント回転対座シート、リッド付のカップホルダーを備えたセカンドシートバックテーブル、セカンド回転横向きシート、電動ピュアクリーンカーテンなどを装備した
- 「X」に8人乗りモデルが追加された。
- 同時にオーテックジャパンからはアメリカンテイスト溢れるドレスアップ車「ライダー」が発売されている。
- 1998年11月 1997年4月の生産開始より約19か月で国内生産累計が10万台を突破。
- 1999年8月 マイナーチェンジに合わせ、車名を「エルグランド」に統一。
- ディーゼルエンジンをZD30DDTi(直4DOHC・170PS・3000cc直噴インタークーラー付ターボ)に変更。これにより約25%の燃費向上と、静粛性の向上が図られた。
- また、オーテックジャパンによる特別仕様車「ライダー」、「ロイヤルライン」、「フィールドベース」も合わせて変更された。
- エルグランドのエンブレムはこれを機に赤と青から白に変更された。
- 2000年4月 オーテックジャパンの手によるエルグランド「ジャンボタクシー」が登場。運転席より後ろを専用ボディとし、搭載エンジンはVG33E型およびZD30DDTi型。
- 2000年8月 マイナーチェンジにより最康価「J」が廃止され、新しく本皮・サプラーレコンビシート、コンフォタブルキャプテンシートを装備した最上級グレード「Xリミテッド」が加わる。この時にガソリンエンジンがVQ35DEに変わっている。
- 2001年8月 国内登録累計20万台達成記念特別仕様車を設定。
このモデルは、当時経営不振に陥っていた日産を救った会心のヒット作であった。 その理由として、シボレー・アストロ似の押し出しの強いダイナミックかつ堂々としたフォルム、大人がゆったりと乗ることができる当時の国産ミニバンでは最大級の広い室内空間と、セカンドシート&サードシートのロングスライド(スーパーマルチシート)などの高い室内ユーティリティや豪華な装備群などに加え、「走り」を得意とする日産らしく、走行性能やハンドリングは同クラスの車種の中ではパワフルかつよりセダンに近いものであったのがヒットの要因といえる。 さすがのトヨタも太刀打ちできず、逆に同クラスのミニバンであったグランビアを、マイナーチェンジでエルグランドを意識した顔立ちにしたほどであった。
現在は、中古車市場で高い人気を維持しているだけでなく、ドレスアップ車の素材としても人気がある。
[編集] 2代目 (E51型 2002-)
- 2002年5月 E51型にモデルチェンジ。
- 2002年10月 先代で好評だったオーテックジャパンによる特別仕様車「ライダー」が登場。
- 2002年12月 オーテックジャパンの手による4人乗りの「VIP仕様車」を設定。受注生産とし、オーダーメイドに対応する。
- 同月 国内販売累計25万台達成記念車を設定。
- 2003年8月 「ハイウェイスター」を一部改良。
- 2003年10月 オーテックジャパンによる特別仕様車「ライダーS」追加。既存の「ライダー」に対し、内装色を黒にコーディネートしている。
- 2004年8月 マイナーチェンジにより、フロントマスクやハザードランプの仕様を変更。堂々とした印象を残しつつもより洗練された、受け入れやすいデザインとなった。
- 3.5VG4ドアモデルを廃止。内装には木目調パネルが追加されインパネデザインも変わり、質感が向上している。
- また、オーディオシステムもグレードアップが計られ、エルグランドスーパーサウンドシステムの全車標準装備、BOSEサウンドシステム(XLに標準装備)がオプション設定された。
- 2004年12月 VQ25DE(V6・2500cc・186ps・レギュラーガソリン仕様)搭載モデルを追加。
- これは排気量による税金の高いモデルしかラインアップされていなかった事で、他社のミニバンに販売台数で差を付けられており、以前より要望されていたためである。
- この際に、11スピーカーやスーパーウーファーを採用した5.1chサラウンド・カ―シアターシステムが全車にオプション設定され、オーディオシステムはより充実した。
[編集] CMソング
[編集] 初代
[編集] 2代目
- 03年~04年
- 04年~06年 ジャーニー『ドント・ストップ・ビリーヴィン』
- 06年~ ヴィレッジ・ピープル『ゴー・ウエスト』
- ペット・ショップ・ボーイズのカバーが有名だが、CMではエリス・ホールがカバーし、原曲とは打って変わったジャズアレンジとなっている。
これらの曲はいずれも比較的洗練されているといわれるロック・バンドのものであり、車の独特のルックスとあいまって「センスのある車」というイメージをもたれる一因である。
[編集] キャッチコピー
[編集] 初代
- 97年~99年 「THE BIG DREAM」サブキャッチコピー「でっかく行こうぜ、人生は。」
- 99年~00年 「コイツと感動無限大」「誰よりも贅沢な夢を」サブキャッチコピー「THE BIG DREAM」
- 00年~02年 「ダイナミックを駆り立てる」サブキャッチコピー「夢で終わらせるな。」
[編集] 2代目
- 02年~03年「Dramatic Scale」「ようこそファーストクラスへ FIRST CLASS ON THE GROUND」
- 英語で行われる機長のアナウンスなど、飛行機のファーストクラスをイメージさせる独特の雰囲気が話題を呼んだ。
- 03年~04年「ファーストクラスでいこう。‐The First class ELGRAND‐」
- 04年~06年「Driving 1st class」
- CMの完成度も高く、長期に渡って放送されたことで、CM曲はリバイバルヒットした。
- 06年~「ダイナミックに行こうじゃないか。」
[編集] 車名の由来
車名の由来は、英語の定冠詞「THE」にあたるスペイン語「EL」に“偉大な”を意味する「GRAND」を組み合わせた造語。
[編集] その他
- 日産が発売する(特装はオーテックジャパン)高規格救急車「パラメディック」のフロント部分の部品の一部を初代エルグランドから流用している。
- 横浜F・マリノスの練習用ユニフォームは日産車体がスポンサーのため、ユニフォームに「ELGRAND」のロゴが表示されている。