日産・ホーミー
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ホーミー (Homy) は、日産自動車が製造していたバン型の乗用・商用車。
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[編集] 概要
1966年8月から日産自動車で販売されていた1BOX型の自動車。 ただし元来「ホーミー」は日産と合併したプリンス自動車工業の持ち駒であり、厳密には1965年10月からホーミーは存在する。
1976年から1999年の終売まではキャラバンの姉妹車であり、基本的に同一構造であった。
キャラバンとは販売チャネルが異なっていた。キャラバンは日産モーター店で扱っていたが、ホーミーは日産プリンス店で扱っていた。ただし、沖縄県においては、「ホーミー」が琉球方言で女性器を表す単語「ホーミ」(宝味)に通じるため販売されず、日産プリンス店でもキャラバンが販売されていた。
のちに派生車種のホーミー・エルグランドも登場したが、1999年にキャラバンに一本化された。
構造などの詳細についてはキャラバンの項を、ホーミー・エルグランドについてはエルグランドの項を参考のこと。
[編集] 歴史
[編集] 初代 B640・T20型(1965年-1976年)
1965年10月、前年より発売されていた小型トラックであるT640型ホーマーベースのV640型ホーマー・バンの乗用版として、15人乗りマイクロバスであるB640型ホーミーが、日産に吸収合併前のプリンス自動車工業より発売される。
1966年8月、プリンス自工の日産への吸収合併に伴い、車名を「ニッサン・プリンス・ホーミー」へと改められ、1970年にはプリンスの名も消え「ニッサン・ホーミー」となる。
1970年8月に道路交通法が改正され、定員11名以上の自動車が普通乗用車扱いの大型自動車免許適用と改められたため、15人乗りマイクロバスは2ナンバー扱いとなる。(9人乗りは従来通り5ナンバーのまま)
1972年8月、マイナーチェンジを機に、ベースである商用車のホーマーと共に型式をT20型と改められる。
[編集] 2代目 E20型(1976年-1980年)
1976年1月、E20型ホーミー発売開始。ホーマーの派生車種から一転、1973年から発売開始されていたE20型初代キャラバンとの姉妹車となる。T20型時代の様に乗用タイプのみのラインアップではなく、キャラバンに準じホーミーとしては初めて商用バンをバリエーションに加えた。
[編集] 3代目 E23型(1980年-1986年)
1980年8月、キャラバンと同時にE23型にフルモデルチェンジし発売開始。キャラバンとの違いはラジエーターグリルが格子状になっている点である。搭載するエンジンはキャラバンと同様、直列4気筒OHC Z20型およびLD20T型ディーゼルターボの2機種。バンにはZ18型およびSD23型も設定された。
1985年5月、8人乗りに「SGLアビィロード」を追加設定。キャラバンの「SGLシルクロードリミテッド」に相当する。
[編集] 4代目 E24型(1986年-1999年)
1986年9月、キャラバンと同時にE24型にフルモデルチェンジし発売開始。キャラバンとほぼ同形状である。
1994年11月、コーチを一部変更。「GTクルーズSリミテッド」を追加し、オーテックジャパンの手による特別仕様車「フウライボウ」のベース車を「GTクルーズS」へ変更した。
1995年8月、コーチを一部変更。ラジエータグリルの意匠変更のほか、ディーゼルターボエンジンをTD27Ti型に替わりTD27ETi型へ変更。「GTクルーズSプラネタルーフ」を追加し、「フウライボウ」のベース車を「GTクルーズSプラネタルーフ」へ変更。同月にはいすゞ自動車へのOEM供給を開始した。いすゞでは「ファーゴワゴン」として発表された。搭載するエンジンはTD27ETi型(LS)、およびTD27型(LDロングボディー)の2機種。ホーミー/キャラバンとの外観の違いはラジエータグリルが異なる程度である。
1997年5月、本車種の派生車種として、ミニバンタイプの乗用専用モデルであるホーミー・エルグランドが登場した。E24型乗用モデル(コーチ)は継続生産となったが、グレードの大幅縮小が行われた。
1999年6月、E24型マイナーチェンジの際、キャラバンに統合され販売終了。同年7月にはホーミー・エルグランドと姉妹車のキャラバン・エルグランドの車名をエルグランドに統一し、ホーミーの名は消滅した。
[編集] 車名の由来
「Homy」という名称はかつてのプリンス自動車のトラック、ホーマーと英語の「my」の合成語である。「私のホーマー」という意味で、ホーマーのルートバンを15人乗りのマイクロバスとした際に与えられた名称であった。
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