トヨタ・グランビア
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グランビア (Granvia) はトヨタ自動車の3ナンバーサイズのワンボックス型ミニバンで旧トヨタオート店(現ネッツ店)で販売されていた。
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[編集] 概要
1995年8月に発売。当時のトヨタの最上級ミニバンであった。3ナンバー専用ボディーを持つ広大な室内が特徴であったが、300万円以上もする車種であるにも関わらず内装がチープだったことや、多くの部分を欧州向けハイエースと共用していたため、旧来のワンボックスカーたる商用車風の雰囲気を色濃く残していた。
その後1997年4月には、グランビアとドアパネルなどを共用し、5ナンバー枠に収めたレジアスが登場した。同年9月にグランビアもマイナーチェンジを実施し、3.4リッターV6エンジン搭載車の追加や本革シートの装備など、豪華さを前面に押し出すようになる。
しかし同年5月には日産・エルグランドが同クラスの車種としてデビューし、押し出し感のあるダイナミックなフロントマスクや、豪華で広大な室内などが人気を集めたことでグランビアを遥かに凌ぐ売り上げを見せており、セールス面で苦戦していた。
セールス面での苦戦に焦ったトヨタは、1999年8月のマイナーチェンジで姉妹車のレジアス共々、フロントマスクを欧州車風のスッキリしたものから、エルグランドを強く意識した押し出しの強い顔立ちとし、ステアリングの形状変更やナビゲーションにDVD方式を採用するなどして商品力を向上させ、商用車風の雰囲気を完全に払拭した。
またこの時に、グランビアと基本部分を共通としながら内外装をより豪華に仕立てたグランドハイエースと、レジアスをよりスポーティーな仕様としたツーリングハイエースを登場させ、この4車種でエルグランドに対抗したが、売り上げの増加に貢献することはなく、モデル末期までエルグランドに差をつけられたまま、2002年に4車種共に生産を終了した。
現在は2代目エスティマと基本部分を共用し、4車種を統合したアルファードが後継車種となっている。但し、一部地域への輸出向け(「ハイエース」として販売)および救急車等の特装車向けとしては現在も生産が続けられている。
[編集] グレード
発売当初は、7人乗りの「Q」と8人乗りの「G」のみでスタートした。後に本革シートや国産ミニバン初の両側スライドドアが装備された「Q プレステージセレクション」「Q エクセレントセレクション」や、エアロパーツなどが装備された「G クルージングセレクション」などが追加された。ウィンドウガラスは上級グレードが濃色ブロンズガラス、下級グレードがグリーンガラスとなっていた。
[編集] キャッチコピー
- 「これからの1BOXのために、トヨタがしたこと」「これからの1BOXは、こうなる。」(初期)
- 「1BOXが最高級を身につけると。」「グランワゴン、グランビア」(97年のマイナーチェンジ時)
- 「その1BOXは、大空に似ている。」「最高の1BOXに乗りたかった。」(99年のマイナーチェンジ時)
[編集] エンジン
搭載エンジンはガソリンエンジンが発売当初は直列4気筒の2700ccだったが、97年8月のマイナーチェンジでV型6気筒DOHCの3400ccに切り替えられ、3000ccOHCディーゼルターボもガソリンエンジンの変更と同時にインタークーラーが装着されパワーアップした物になる。
トヨタ自動車製のワンボックスカーでは初めてのフロントエンジン車で、ボンネットにエンジンを積んでいる。これにより、ワンボックスカーの低床化が急加速した。
低床化に伴い室内高は140cmと、広い車幅とあいまって車内にゆとりを持たせている。
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