史上最強打線
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史上最強打線(しじょうさいきょうだせん)とは、2004年シーズンの読売ジャイアンツの打線の名称である。命名者は長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督。
前年松井秀喜のヤンキース移籍などによってセ・リーグ連覇を達成できなかったジャイアンツは、この年新たにローズ(近鉄)、小久保裕紀(ダイエー)を獲得。2003年に獲得したペタジーニ(ヤクルト)、2000年にFA移籍した江藤智(広島)を含めた5人の歴代本塁打王をはじめ、清原和博(西武)、高橋由伸、阿部慎之助、二岡智宏など長打力を誇る選手が数多く揃うこととなった。そのため他球団ファンからは「金で四番打者を買い集めた」と批判された。
本拠地とする東京ドームは構造上ホームランが出やすく、かつては各球団を代表する「四番打者」でありホームランバッターでもあるローズ、小久保、ペタジーニ、清原が集結したこともあってシーズン前の下馬評は高かった。
最終的にシーズン138試合(球界再編問題によるストライキにより2試合が中止となったため)でチーム本塁打数259本、1試合平均1.87本とシーズン前の期待通りの長打力を見せたものの、チームはセ・リーグ3位に終わった。そのため「大砲だけでは勝てない」・「効率よく得点も出来ない」との批判を浴び、「紙上最強打線」(オーナー企業が読売新聞社であるため)などと揶揄された。
- 打線の概要
- <>内はシーズン成績。名前の太字は規定打席到達者(2004年は427)。数字の太字はチーム最高成績。
- [二]仁志敏久<打率.289、本塁打:28、打点:60>
- [左]清水隆行<打率.308、本塁打:16、打点:60>
- [中]タフィ・ローズ<打率.287、本塁打:45、打点:99>
- [右]高橋由伸<打率.317、本塁打:30、打点:79>
- [一]ロベルト・ペタジーニ<打率.290、本塁打:29、打点:84>
- [三]小久保裕紀<打率.314、本塁打:41、打点:96>
- [捕]阿部慎之助<打率.301、本塁打:33、打点:78>
- [遊]二岡智宏<打率.269、本塁打:9、打点:49>
- [投]―――――
- 小久保はこの年右打者で41HRを放ち、球団新となる「右打者での40HR」を達成した(12球団中12番目と、最も遅い達成)。それまでの最高は、長嶋茂雄の39HR。
- 五番打者はペタジーニと清原の併用だった(ペタジーニの故障により開幕スタメンは清原)。後半戦は小久保が四番に座ったため高橋由。なお清原は、40試合の出場にとどまったものの12本のHRを放っている。
- この年チームの打点数は719で、2位の広島の635に84もの差をつけた。
- 前述のように、チーム本塁打数の日本新記録を達成した重量打線ながら、100打点到達者は一人もいない。
- 本塁打数・打点数の他にも、チーム長打率.483、出塁率.339もセ・リーグ1位だった。
- この年リーグ優勝を果たした中日ドラゴンズのチーム本塁打は、12球団で一番少ない111本だった。
- 余談だが、江本孟紀はこの打線の一番打者に高橋由を推奨していた。