清水隆行
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清水 隆行(しみず たかゆき, 1973年10月23日 -タレントのはしのえみと生年月日が同じ。 )は、読売ジャイアンツに所属するプロ野球選手。右投げ左打ち、ポジションは左翼手(現在は右翼手も守る)。背番号は9。球界トップレベルのスイングスピードと独特の足を高く上げた構えからのダウンスイングで3割前後のアベレージ(早打ちのため四球はやや少ない)を安定して残し、ときには外野席の観客が逃げてしまうほどの「スタンドに突き刺さる」弾丸ライナーも放つ。盗塁は積極的な方ではないが、俊足で併殺打が非常に少ないため1番2番を打つ場合が多い。
非常に魅力的な打撃とは対照的に、長年矯正されなかったスローイング(「弱肩」というよりは「悪肩」といえる)を拡大解釈され守備面をなにかと割り引かれて評価されることの多い選手である。しかし、前述のように俊足のために守備範囲は平均以上であり、プロ入り当時は中堅手を守っていた時期もある。クッションボールの処理なども良くも悪くも平均レベルの選手といえるだろう。長年の課題だったスローイングも精度も2006年高めることに成功し(後述)、現在の定位置は左翼だけでなく右翼手も守っている。
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[編集] 来歴・人物
1995年のドラフト3位で東洋大学から読売ジャイアンツ入団。ルーキーイヤーから安定した打率をたたき出し、外野手のレギュラーに定着(当初のポジションは左翼、中堅を兼任。松井秀喜のコンバートに従い左翼に定着)。不動の2番だった川相昌弘の出場機会の減少に準じ長嶋茂雄監督に「バントと併殺が少ない2番打者」として起用されることになる。こうして同期入団の仁志敏久と不動の1番・2番コンビ、中堅の松井、右翼高橋由伸と不動の外野陣を形成することになる。ただし「左打ちということで左投手が苦手(→左右病)」とされ、左投手が先発する日やワンポイント投手に交替すると「2番・左翼」は右打者が出場していた(実際は通算で.270以上打っており、松井・高橋の主軸やFA移籍選手の存在の大きさと二岡智宏・元木大介等の出場機会を増やす都合と想像される)。そのため2001年まで高打率を残し1年間1軍ベンチにレギュラーとして留まりながら既定打席に到達しない年を複数回経験している。
2002年、背番号を9に変更。就任した原辰徳新監督の構想で不動の1番打者という大役に抜擢され、当然のように最多安打のタイトルを獲得する。しかし翌2003年はメジャーリーグ移籍した松井無き後の中堅手の守備練習や故障などが重なり0.240、14本塁打の成績に終り、原監督も辞任。2004年、就任した堀内恒夫監督は中堅手に当時成長著しかった斉藤宜之の起用を明言、清水の出場機会を増やすために一塁手の練習を提案する(事実上の控えの外野手兼一塁手への格下げである)。結局斉藤の故障などもありスタメン復帰したものの、2005年にはセンターラインの強化にゲーブ・キャプラー外野手を獲得、清水は1塁手の練習に本格的に取り組むことになるが、選手層の厚さから代打に回される。しかしキャプラーは打撃はもとより守備にも精彩を欠き、4月後半にはキャプラーと左翼を併用され5月には定位置に復帰している(キャプラーは途中退団)。
2006年、原辰徳が監督に復帰。移籍した大西崇之・小関竜也や前年のシーズン途中より台頭した矢野謙次・鈴木尚広などの外野のポジション争いが熾烈を極めていたが、監督は「清水・由伸(高橋由伸)は格が違う」と発言、左翼のスタメンを確約される。清水自身も秋季キャンプで広岡達朗の指導で課題のスローイングの修正に取り組み(シーズン後半には右翼手も数試合問題なく守るほどに)改善。万全の体制でシーズンを開幕したかに思われたが、持ち味である打撃が低迷し続け、打率2割近辺を上下するほどの打撃不振から抜け出せなくなってしまう。7月26日にはプロ入り11年目にして初めての2軍での調整試合を経験し、1軍復帰後も不動のレギュラーには復帰できずこの年は0.216、6本塁打という過去最低の打撃成績となる。
2007年は一足早く自主トレに入り春季キャンプからチームに合流する(鈴木や移籍した谷佳知とともに「現在1番候補の一人」)。昨年の生え抜き野手最年長であった仁志の移籍により、現在の生え抜き野手最年長となった。
- プロ入り11年で2割9分以上を8回記録しているアベレージヒッターだが、中堅手(2003年)、右翼手(2006年)とコンバートに本格的に取り組んだ年に極端な打撃不振に陥る傾向がある。
- 上記のように悪評の高い守備力は客観的には平均レベルの選手であり、例えば公式戦での指名打者での出場は2006年シーズン終了時点では1試合である(2006年6月11日)。
- 仁志が横浜に移籍した昨今彼もトレード要員の噂が耐えないが、彼の場合その知名度と起用法ゆえか毎年のように「清水トレード説」が新聞を賑わしている。
- 打席に入るときのBGMは、『GO WEST』(ペット・ショップ・ボーイズ)。曲に合わせてファンが合唱することで有名。
- リトルリーグ時代には、全国大会でマウンドに立つ清水少年の姿がオンエアされたことがある。
- 暇潰しに駄洒落を連発するという変わった面もある(例:「淡口コーチがコンコルド打法ならオレじゃコンドル打法だね」など)。
- 低迷する選手が使われ続ける事に対し、出場機会を失ったかつてのレギュラー江藤、清原や元木、後藤孝志らと共に「いつか自分が必要な時がくるので、それまでは我慢です」と表情を動かさずコメントしていた。
- 西口文也や石井一久などいわゆる「大物」に強いことでも人気を博している。
[編集] 略歴
- 身長・体重:183cm/83kg
- 投打:右投/左打
- 出身地:東京都足立区
- 血液型:A
- 球歴・入団経緯:浦和学院高等学校-東洋大学-読売ジャイアンツ(1996~)
- プロ入り年度・ドラフト:1995年(3位)
[編集] 年度別成績(2006年シーズン終了時)
年度 | 所属 | 試合数 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 塁打 | 打点 | 盗塁 | 三振 | 四球 | 死球 | 犠打 | 犠飛 | 併殺 | 失策 | 打率 |
1996年 | 巨 人 | 107 | 287 | 37 | 84 | 14 | 4 | 11 | 139 | 38 | 9 | 41 | 13 | 6 | 1 | 0 | 2 | 3 | .293 |
1997年 | 巨 人 | 118 | 381 | 50 | 116 | 12 | 3 | 12 | 170 | 36 | 7 | 48 | 28 | 7 | 2 | 4 | 2 | 2 | .304 |
1998年 | 巨 人 | 129 | 492 | 79 | 148 | 17 | 2 | 13 | 208 | 52 | 16 | 64 | 22 | 8 | 9 | 4 | 9 | 2 | .301 |
1999年 | 巨 人 | 116 | 424 | 71 | 125 | 23 | 1 | 8 | 174 | 32 | 15 | 49 | 24 | 4 | 11 | 2 | 7 | 1 | .295 |
2000年 | 巨 人 | 115 | 388 | 65 | 105 | 25 | 1 | 11 | 165 | 46 | 11 | 52 | 21 | 2 | 18 | 2 | 0 | 2 | .271 |
2001年 | 巨 人 | 126 | 333 | 49 | 108 | 10 | 1 | 7 | 141 | 29 | 8 | 39 | 33 | 3 | 13 | 2 | 4 | 1 | .324 |
2002年 | 巨 人 | 139 | 609 | 92 | 191 | 26 | 5 | 14 | 269 | 58 | 12 | 69 | 31 | 1 | 2 | 3 | 3 | 1 | .314 |
2003年 | 巨 人 | 101 | 366 | 48 | 88 | 17 | 0 | 14 | 147 | 44 | 1 | 34 | 9 | 2 | 1 | 1 | 2 | 2 | .240 |
2004年 | 巨 人 | 135 | 578 | 86 | 178 | 39 | 0 | 16 | 265 | 60 | 4 | 65 | 22 | 5 | 1 | 1 | 9 | 2 | .308 |
2005年 | 巨 人 | 127 | 490 | 76 | 147 | 24 | 3 | 15 | 222 | 50 | 4 | 44 | 32 | 1 | 5 | 3 | 5 | 1 | .300 |
2006年 | 巨 人 | 121 | 315 | 36 | 68 | 9 | 0 | 6 | 95 | 20 | 3 | 34 | 25 | 1 | 1 | 1 | 5 | 1 | .216 |
通 算 | 1334 | 4663 | 689 | 1358 | 216 | 20 | 127 | 1995 | 465 | 90 | 539 | 260 | 40 | 64 | 23 | 48 | 18 | .291 |
- 太字はリーグ最多
[編集] 主なタイトル
- 2002年
- 2002年
- ナゴヤ球場最後の本塁打
- セ・リーグ通算40,000号本塁打
- 2005年6月2日札幌ドームでの対北海道日本ハムファイターズ戦で、6回表に金村曉から打つ
[編集] 背番号
[編集] 関連項目
読売ジャイアンツ - 2007 | |
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0 木村拓也 | 2 小笠原道大 | 6 小坂誠 | 7 二岡智宏 | 8 谷佳知 | 9 清水隆行 | 10 阿部慎之助 | 11 久保裕也 | 12 鈴木尚広 | 13 林昌範 | 15 辻内崇伸 | 17 姜建銘 | 19 上原浩治 | 20 豊田清 | 21 高橋尚成 | 22 福田聡志 | 23 脇谷亮太 | 24 高橋由伸 | 25 李承燁 | 26 内海哲也 | 27 門倉健 | 28(新人) 金刃憲人 | 29 前田幸長 | 30 西村健太朗 | 31 小関竜也 | 32(新人) 円谷英俊 | 33 野間口貴彦 | 35 越智大祐 | 36 岩舘学 | 37 斉藤宜之 | 38(新人) 上野貴久 | 39 吉武真太郎 | 41 木佐貫洋 | 42 パウエル | 43 真田裕貴 | 44 大道典嘉 | 45 小田嶋正邦 | 47 工藤公康 | 48 矢野謙次 | 50 吉川元浩 | 51 古城茂幸 | 52 十川孝富 | 54 酒井順也 | 56 加藤健 | 59(新人) 深沢和帆 | 60 深田拓也 | 61(新人) 坂本勇人 | 63 会田有志 | 65 梅田浩 | 66(新人) 田中大二郎 | 67 加登脇卓真 | 69(新人) 寺内崇幸 | 90(新人) 深町亮介 | 92 木村正太 | 93 東野峻 | 96(新人) 伊集院峰弘 | 102(育成選手) 山口鉄也 | 103(育成選手) 芦沢明 | 104(育成選手) 下山学 | 105(育成選手) 松本哲也 | 106(育成選手) 林羿豪 | 107(育成選手) 隠善智也 | 108(育成選手) 作田啓一 | 109(育成選手) 鈴木誠 | 110(育成選手) 大抜亮祐 | 未定(育成選手) 山本光将 | 未定(育成選手) 佐藤弘祐 | 未定 實松一成 | 未定 星孝典 | 未定 亀井義行 | 未定 三木均 | 未定 野口茂樹 | 未定 村田善則 | 未定 三浦貴| 未定 川中基嗣 | 未定 栂野雅史 | |
88 監督 原辰徳 | 87 尾花高夫 | 78 伊原春樹 | 85 斎藤雅樹 | 81 篠塚和典 | 84 内田順三 | 71 伊勢孝夫 | 89 村田真一 | 83 西岡良洋 | 76 白坂契 | 82 木村龍治 | 77 二軍監督 吉村禎章 | 70 小谷正勝 | 72 香田勲男 | 75 岡崎郁 | 86 岸川勝也 | 79 福王昭仁 | 73 緒方耕一 | 74 西山秀二 | 未定 伊藤博 | 未定 宮本英治 |
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球団 | |
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