三角数
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三角数(さんかくすう)(Triangular number)とは、三角形の形にものを並べた時に、そこに並ぶ総数に合致する数のこと。1からn番目までの自然数の和に等しい。
10 は一つの辺に四つ並べた時に、該当するので、「三角数」の一つである。
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
三角数はピタゴラス(学派)が考え出したものである。
例:1, 3, 6, 10, 15, 21, 28, 36, 45, 55, 66, 78, 91, 105, 120, 136, 153 ...
n 番目の三角数 N は、式 N = n(n+1)/2 で表すことができる。あらゆる自然数は高々 3 つの三角数の和で表されるという定理があり、ガウスによって1796年(彼の日誌によれば7月10日)に証明された。この定理は全ての自然数が高々 n 個の n 角数の和によって表されるとするフェルマーの多角数定理の中に含まれている。
連続する三角数の和は
となり、平方数となる。
平方数はまた,四角数ともいわれる。四角数(しかくすうとは、正方形の形にものを並べた時に、そこに並ぶ総数に合致する数のこと。1からn番目までの奇数の和に等しい。
三角数の2倍の数を矩形数という。矩形数(くけいすうとは、たてと横が1つ違いの長方形の形にものを並べた時に、そこに並ぶ総数に合致する数のこと。すなわち,連続する2整数の積である。2からn番目までの偶数の和に等しい。矩形とは長方形のことで,長方形数ということもある。
N番目の四角数とN番目の矩形数の和は2N番目の3角数である。
n番目の三角数は組み合わせの記号を使って と表わすこともできる。
三角数でもあり、平方数でもある数は平方三角数とよばれ、1, 36, 1225 などがある。
n番目の三角数の二乗は1からn番目までの立方数の和に等しい。つまり、
三角数は必ず3で割り切れる数か、もしくは9で割ると1余る数のどちらかである。
[編集] 三角錐数(四面体数)
三角数と同じように、ものを三角錐(四面体)状に配置したとき、その総数を三角錐数(四面体数)という。第 n 三角錐数(四面体数)は、第 1 三角数から第 n 三角数までの総和であるが、その値 N は N = n(n+1)(n+2)/6 と書くことが出来る。また、同様に三角錐数(四面体数)の総和として、4 次元空間での三角数、五胞体数を定義することが出来る。以下、一般次元の空間(ここでは r 次元)まで概念の拡張を行ったとき、第 n 番目のその数 Tr(n) は、
と書くことが出来る。
三角錐数(四面体数)の始めのいくつかを挙げると、
となる。
パスカルの三角形における数列は,
モナド(単数)の数列 例: 1,1,1,1,1,1,1,1,1,・・・・・
自然数の数列 例:1,2,3,4,5,6,7,8,9,・・・・・・
三角数の数列 例:1, 3, 6, 10, 15, 21, 28, 36, 45, 55, 66, 78, 91, 105, 120, 136, 153 ...
三角錐数の数列 例:1, 4, 10, 20, 35, 56, 84, 120, 165, 220, 286, 364, 455, 560, 680, 816, 969,・・・・・・
・・・・・・
のようになっている。 すなわち,後の数列は前の数列のの累加になっている。 裏返して言うと,前の数列はあとの数列の階差数列になっている。