ゴリラ・警視庁捜査第8班
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「ゴリラ・警視庁捜査第8班」(ごりら・けいしちょうそうさだい8はん)はテレビ朝日系列で放送された刑事ドラマ。1989年(平成元年)4月2日から1990年(平成2年)4月8日まで放送。製作は石原プロモーション。車両協力は三菱自動車。
第1話の海外ロケ・2時間スペシャルに見られるように西部警察PART-Ⅳ的な位置付けを狙って製作されたが、実際の視聴率は期待を大きく下回る結果となった。そのため、番組途中で一部の設定が加えられたが、放映は1年で終了(野球中継などの影響で、話数は全46話)。第1話のオープニングで、古舘伊知郎による西部警察の紹介がなされていることからも、明らかに西部警察の続編又は続編的な番組として意識がされていたことが分かる。 サブタイトルも、当初はハードな「傭兵」イメージを彷彿とさせる横文字風であったが、間もなくそのパターンは崩れた。次第に人情路線へと変化してゆき、第36話より脚本監修に倉本聰を起用、シリアスなストーリー中心の作風となった。しかし、作品のコンセプトは苦しい試行錯誤の繰り返しとなり、結果的に迷走してしまったものと思われる。
車両協力については、先代社長の石原裕次郎時代に製作された「栄光への5000キロ」「大都会」「西部警察」では日産自動車が車両協力していたが、裕次郎亡き後に製作された「ゴリラ・警視庁捜査第8班」からは三菱自動車が車両協力している。
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[編集] 本体
第8班(通称:ゴリラ)は凶悪化し警察権力では対処できなくなった犯罪に対処するため警視庁上層部が極秘に設置した部署で各所轄署の署長クラスのみにしか存在が知らされていない。警視庁捜査一課に属するが、仕事の依頼は刑事部長から届く。また、班員は殺しのライセンス(通称:グリーンカード)を持つ。
初期の設定では警察内部の特殊部隊であり、迷彩服を多用するなど、「傭兵」をイメージし、あくまでも「刑事」とは異なる位置づけの彼らだったが(初期エピソードでの伊達の台詞に(自分達の組織を指して)「デカではなく、デカのようなもの」といったコメントがある)、途中から(特に説明もなく、なし崩し的に)単なる「刑事」組織の一部との設定に変化したもよう。服装も、迷彩服を多用することはなくなり、後期オープニングに見られるように、当時バブルの時代を背景に流行した、ダブルのスーツを揃って着用することが多くなる。スーツの色は色違いであることが多く、主に倉本:濃いグレー、伊達:黒系、風間:薄いグレー又は白色系、谷川:紺色系を着用しているが、法則性は無い。舘が長らく提携しているTETE HOMMEブランドのものが多いようだ。
[編集] 登場人物
- 倉本省(渡哲也)
- 班長。愛称は『倉本さん』。一人称は(西部警察同様)『自分』。もとは捜査一課の刑事だったが、警察組織と暴力団との癒着を暴き、本庁内部で孤立化し彼の唯一の理解者であった小暮警視(石原裕次郎)の他界とともに辞職。漁村で漁師生活を送っていたが、第1話にて宿敵のテロリストに先輩漁師が殺害されたため、8班へ加入。所轄時代に伊達と仕事をしていたことがある。携帯銃はコルト ガバメント。愛車は銀の三菱・ギャラン2.0 DOHC TURBO VR-4。
- 伊達健(舘ひろし)
- 元城南署刑事。退職後はマニラでブラブラしていたところ、倉本の要請で8班へ加入。中盤以降、悪性骨腫瘍を患い、死を迎えようとする中、最終話で敵の銃弾を全身に浴びて殉職する。この点から、風間の項で後述するように、西部警察における沖田刑事的なポジションとも言えるが、最終話では瀬戸内海に浮かぶ小島にある要塞を背景に殉職するなど、西部警察での大門団長を意識した面も。英語が得意。長野県出身、父親の職業は医者で、りんご農家でもある実家には母と兄がいるが、家出同然の形で東京に出てきており、それ以来帰郷していなかった(第39話で最後の帰郷を果たす)。「自分のケツは自分で拭け」という価値観を持った厳しい個人主義者だが、倉本に対しては崇拝に近い心情を抱いている。愛銃はスマイソン、西部警察の鳩村刑事同様チーフ・スペシャルも携帯する。また、ホルスターはもっとあぶない刑事の大下刑事(演:柴田恭兵)のものを意識したのか予備の銃弾も収められるタイプになっている。愛車は黒の三菱・スタリオン2600 GSR-VR(特注のガルウイングドア仕様)。
- 風間有悟(神田正輝)
- 元警視庁刑事。退職後、第1話では現地(海外)のために雇われており、倉本たちに協力。北京語が得意で、財テクが趣味。捜査中であっても証券会社のディーラーに株の発注をしてしまうほど。当時はバブル期でもあり、相当儲けたものと思われる。犯人を尾行する際のタクシー代を伊達に貸したことで8班に加入。当初は伊達とは反りが合わない面を見せる。二枚目の伊達に対してやや二枚目半的な位置付けである。ストーリー終盤には、死期の近い伊達と固い友情を築くことになる(この展開は、西部警察において、死期の近い沖田五郎刑事(三浦友和)と友情を交わす鳩村英次刑事(舘ひろし)の間の関係をリメークしたものとも解釈できる)。愛銃はベレッタ(初期はシルバーのガバメントやS&W M59)。中盤でトレードマークのひげを剃っている。愛車は白の三菱・デボネアV3000 ロイヤル AMG。
- 谷川竜太郎(谷川竜)
- 元八坂署刑事。若手ながら減俸などの処分が多数。あまりの落ちこぼれさに塩田(谷啓)から『先が思いやられるヤツ・・・』と紹介されてしまう事から、初登場の時点では現役の警官である事が分かる。ところがそんな心配をよそに、さっさと台湾に出かけて行った様子から、たった数分の間に退職してしまったらしい(なぜなら刑事部長は、あくまで民間人が個人のレベルで捜査させたがっていたので、谷川も公務員から民間人になった可能性が高いからだ)。愛銃はコルト・ローマン4インチ。愛車は三菱・パジェロメタルトップワゴンV6 3000 スーパーXL。
- 中田透(仲村トオル)
- 神奈川県警刑事。8班と表の警察組織をつなぐ連絡員。伊達が所轄時代に勤務していた頃の後輩。本編で登場する伊達の経歴には港署に勤務していたことはないが、当時の一部の資料では「港署から上がった」と記されているものもあり、明らかに「あぶない刑事」を意識したキャスティング。キャラクター的にも、舘にいじられる間抜けな青年といった姿で、「あぶない刑事」に登場する町田刑事と全く変わらない。初期のエピソードでは、番組に車両を提供もしていたスポンサー・三菱自動車のディーラー店舗に伊達と共に捜査で訪れた際、「あぶない刑事」に真山薫役で出演していた浅野温子(同社製ミニカの宣伝キャラクターを務めていた)の姿を店内のポスターの中に中田が発見、「先輩、この人・・・!」と、伊達を呼び止め二人で驚く、というネタ的シーンが見られる。他にも、中田が「ボク達がいなくなってから、港署に優秀な刑事は残っていない(自分のことを言おうとした)。」とのコメントに対し、伊達が「言えてる言えてる・・・。」と切り返すシーンも。中田は毎回登場する訳ではない「準レギュラー」的位置付けのキャラクターであったが、第16話を最後に、何の説明も無くストーリーから姿を消す。その後もオープニングには姿を見せているが、のちオープニング(テーマ・構成共)変更の際にどさくさに紛れて完全に消えている。8班を支援する為に、押収品の軽機関銃で武装して現場に駆けつけた事などもあったが(結局、支援の必要はなかった)、全般的にはあまり役に立たなかったようで、この点も「あぶ刑事」そのままである。
- 高峰淳子(加納みゆき)
- 8班の無線・OA係。自らはゴリラの実働部隊の1人であると考えたかったようであるが、倉本班長はあくまでも彼女を後方支援のスタッフとして位置づけており、一度迷彩服で実戦に出動しようとした彼女を騙して置いてきぼりにしてしまう。でも別の事件では倉本と共にヘリに同乗し、メンバーをサポートする事もあった。時折現場にも参加するが基本的に後方スタッフとして活躍。第30話で突然異動となる。
- 田中美奈子(田中美奈子)
- 高峰の後輩で、元西署交通課勤務。自ら志願し、高峰に代わって8班へ加入。高峰とは異なり、積極的に実戦にも出る実働部隊として活躍するが、まだゴリラのメンバーとしては見習い的ポジション。高峰の後継というよりはむしろ中田の後継的な色彩の強いキャラである。当初は陽性のキャラクターとして登場。しかし、やがて、死期の迫った伊達にそれと知らずに恋心を抱くようになって・・・。愛車は赤の三菱・エクリプスGSR-4。(特注のガルウイングドア仕様)。
- 冬木武(秋山武史)
- 8班専属ヘリコプター「G-8」のパイロット。
- 塩田直次郎(谷啓)
- 8班の管理官。8班は警視総監始め極一部の高級幹部にしか存在を知られていない独立採算制のため、常に経費のことで頭を悩ませている。現役刑事時代は粘り強い捜査から「スッポンの塩さん」という異名を持っていた。
- 麻生公義(鈴木瑞穂)
- 警視庁刑事部長。8班の創設者。8班の班長である倉本を信頼している。
- 倉本静江(柏木由紀子)
- 倉本の妻。実子を轢き殺してしまった過去があり、そのため進行性痴呆症を患い一時は失語症にもなる。後に事故の件は倉本に恨みを抱く犯人が仕組んだものであることが発覚し、倉本の介護により回復する。
- 小暮警視(石原裕次郎)
- 倉本の理解者。第1話で遺影のみの登場。西部警察の木暮課長とは瓜二つだが、別人の設定。木暮課長同様、裕次郎の他界とともに他界した設定。
[編集] サブタイトル
- 第1話-ポリス・アドベンチャー(初回2時間スペシャル、台湾・フィリピンロケ)
脚本:峯尾基三、演出:小澤啓一
ゲスト:原田芳雄、山本ゆか里、佐野浅夫、亀石征一郎、佐原健二ほか
(あらすじ)台湾のゴルフ場で財界人夫妻の誘拐事件が発生した。背後には日本の犯罪組織がいるらしい。夫妻を救出すべく第8班は犯人を追い、フィリピンのジャングルへ。
- 第2話-ファースト・ターゲット 脚本:新井光、演出:吉田啓一郎
- 第3話-ソルジャー・イン・グリーン 脚本:日暮裕一、演出:長谷部安春
ゲスト:石山雄大、浜田晃
- 第4話-ルパン・ザ・ポリス 脚本:平野靖士、演出:吉田啓一郎
ゲスト:麻丘めぐみ、小野武彦
(あらすじ)警戒厳重な高層ホテルの宝石店から時価5億円の宝石が盗まれ、警備中の警部補が射殺死体で発見された。背後には大がかりな故買組織と警察内部の共犯者の存在が考えられたため事件の捜査が第8班に回ってきた。倉本たちは警備訓練のために押し入った宝石店から偽物を盗むという約束を破り、2億円相当の本物を強奪した。これをおとりに組織に接近する。
- 第5話-ニトロ・トラック 脚本:新井光、演出:鈴木一平
ゲスト:中田譲治、長谷部香苗
(あらすじ)倉本らは麻生刑事部長からニトログリセリンをたくさん積み込んだタンクローリーの輸送を命じられた。若村みどりという10歳の少女が誘拐されており、犯人たちは少女の命と引き換えにニトログリセリンを要求していたのだ。
ゲスト:又野誠治、市川好郎
- 第7話-キッドナップ・カンパニー-戦慄・誘拐会社- 脚本:日暮祐一、演出:小澤啓一
- 第8話-ベイサイド・ウォーズ-失われた刑事 脚本:永原秀一、演出:小澤啓一
- 第9話-ゲッタウェイ-逃げて、逃げて!! 脚本:峯尾基三、演出:吉田啓一郎
ゲスト:成瀬正孝
ゲスト:伊吹徹
当時福岡市内で開催されていた、アジア太平洋博覧会・通称「よかトピア」会場を舞台とした福岡ロケ
- 第11話-兄妹の叫び 脚本:田部俊行、演出:吉田啓一郎
- 第12話-危険地帯(茨城ロケ)-特殊車両20台大爆破 脚本:日暮裕一、演出:小澤啓一
ゲスト:鹿内孝、塚本信夫、北村総一郎
(あらすじ)茨城県つくば学園都市の研究所からボツリヌス菌が盗まれた。水中での繁殖力は異常なものであり、強奪された量だと数千万人を発症(発症=死)させられる量と言う。 ボツリヌス菌の確保と犯人の抹殺。これが第8班への命令。 捜査中、警察官の殺害事件が県内で発生する。体内から強奪されたボツリヌス菌、遺留品の中に砂が発見される。 遺留品を参考として砕石施設を捜査するが、結果とある採石場が施設ごとジャックされてることがわかる。後にわかるが、警官殺しは砕石施設の代表の目の前で、アジトとして使用する事の要求と施設従業員への口止めのための見せしめとして行われたのだった。 そんな折、犯人側から県内の警察活動中止を要求する電話がかかる。要求をのまなければボツリヌス菌をばらまく、と。 ボツリヌス菌強奪の目的は、犯罪組織のメインビジネスである銃器密輸をスムーズに行い、真近に県内で行われる武器密輸の障害となる警察活動を止めるため、とわかる。実際、武器取引は行われ、船内捜索もすでに「もぬけのから」。 倉本はボツリヌス菌をばらまく場所として、県内の水道水のほとんどを供給してる場所ということで霞ヶ浦を思いつく。 風間と淳子は組織がチャーターしっぱなしにしてる船の探索とボツリヌス菌の確保、伊達(と茨城県警)は確保後行われる砕石施設への強行突入へ向かう。
- 第14話-傭兵狩り-不幸を絵に描いた男の秘密 脚本:平野靖士、演出:小澤啓一
ゲスト:大門正明、早川雄三
- 第15話-裏切りの報酬-女を愛しすぎた純情男 脚本:田部俊行、演出:長谷部安春
ゲスト:中村れい子、片岡五郎
- 第16話-無法の街に愛を-トオル刑事、若さの暴走!? 脚本:平野靖士、演出:長谷部安春
- 第17話-謎の女-青春を奪われた美貌の被疑者 脚本:日暮裕一、演出:鈴木一平
ゲスト:小野みゆき、小池雄介
- 第18話-ゴリラの熱い一日-異常な兄弟愛の果てに・・・ 脚本:いとう斗士八、演出:鈴木一平
ゲスト:遠藤憲一、堀広道
- 第19話-刑事チェンの涙-妻と子を殺された香港警察はぐれ刑事 脚本:佐治乾、演出:吉田啓一郎
ゲスト:阿藤海、石山雄大、長谷部香苗
- 第20話-奪われた手術-悪女が手引きした異常な犯罪 脚本:峯尾基三、演出:吉田啓一郎
ゲスト:長谷川明男、山本紀彦
- 第21話-一発の銃弾-仲間を撃つか自分が死ぬか伊達刑事一瞬の決断 脚本:宮下隼一、演出:小澤啓一
ゲスト:金子研三、原口剛
- 第22話-ある戦場-愛妻を亡くした男の孤独な復讐劇! 脚本:斉藤猛、演出:小澤啓一
ゲスト:山下洵一郎、宇梶剛士
- 第24話-愛の逃避行(広島県福山ロケ)-刑事が惚れた不良少女
脚本:平野靖士・永原秀一、演出:吉田啓一郎
ゲスト:結城めぐみ、早川雄三、松田優
- 第25話-悲しい街角-六本木の夜に泣く非行娘 脚本:日暮裕一、演出:村川透
ゲスト:荒井玉青、池田秀一、中康治
- 第26話-昨日を忘れた刑事-ゴリラ分裂!?同士討ちの危機!! 脚本:宮下隼一、演出:長谷部安春
ゲスト:横光克彦、西田良
- 第27話-瀬戸内冒険団(広島県福山ロケ)-略奪された美人プロデューサーと200万ドル 脚本:峯尾基三、演出:吉田啓一郎
ゲスト:清水健太郎、浅見美那
強奪された映画フィルムを追って、8班のメンバーは広島県福山市へ向かった。
- 第28話-ある少女の疑惑-行方不明の兄を追う妹 脚本:峯尾基三、演出:長谷部安春
- 第29話-明日に向かって走れ-更正した少年を守って死んだ元刑事 脚本:宮下隼一、演出:辻理
- 第30話-奪われた女子大生-仇敵に包囲された倉本。絶体絶命の危機!! 脚本:平野靖士、演出:辻理
ゲスト:関川慎二、伴直弥
- 第31話-瞳キラキラ!美人刑事登場-美奈子、初出動で大金星 脚本:峯尾基三、演出:辻理
ゲスト:ふとがね金太
(あらすじ)ゴリラ本部に威勢のいい美人がメンバーに入れてくれと押し掛けてきた。高峰の後輩で警視庁西署交通課の田中美奈子巡査で、凶悪犯相手の仕事をバリバリやりたいという。伊達と風間が追い返そうとすると、銃砲店襲撃計画を聞き込んだと言い出した。
- 第32話-洞爺湖の女(北海道札幌ロケ)-脅迫におびえた看護婦の北海道逃避行 脚本:永原秀一、演出:吉田啓一郎
ゲスト:七瀬なつみ、御木裕、市川好郎
(あらすじ)深夜にひき逃げ事件が発生。目撃者の看護婦2人の証言でナンバーから大手スーパーの経営者松宮(北川陽一郎)の車と分かった。お抱え運転手が自首してきたが看護婦たちは松宮の息子・清(小泉雄司)が犯人と主張した。やがて看護婦の1人が水死体で発見され、もう1人の理恵(七瀬なつみ)もホームから突き落とされそうになる。松宮親子が殺し屋を雇って口封じをたくらんでいる可能性が強く、谷川と田中は理恵の警護に当たるが、隙をつかれて逃げられてしまう。調べると理恵の恋人が北海道で花火職人をしていると解り理恵も北海道へ逃げたのではと、8班のメンバーも理恵を追って北海道札幌市へ向かう。
- 第33話-傷だらけのメロディ-夢に溺れた美貌の歌手 脚本:宮下隼一・斉藤猛、演出:辻理
ゲスト:MIE、三上真一郎
(あらすじ)風間(神田)がニューヨーク帰りのジャズ歌手・藤野礼子(MIE)に熱を上げている。そんな時、偽ドル事件を追っていた刑事が殺された。刑事は印刷所を突き止めたという連絡を最後に入れていた。風間は刑事の遺品の警察手帳に「フジノレイコ」というメモを見つけて驚く。偽ドル一味のメンバーを装った風間は礼子に近づく。
- 第34話-小さな目撃者-兇悪犯に拉致されたいじめられっ子 脚本:峯尾基三、演出:辻理
ゲスト:遠藤憲一
(あらすじ)パトロール中の警官が襲われ、銃や制服・パトカーまで奪われた。犯人は警官になりすまして現金輸送車を襲撃して逃走。追跡した伊達(舘)は廃工場で制服やパトカーを発見。近くにはランドセルも落ちていた。ヒロシという少年で、名札から学校に問い合わせたところ早退しているという。犯人を目撃、誘拐された可能性が強まったころ、ランドセルから前科者の指紋が見つかった。
- 第35話-美奈子、君の瞳に乾杯!(北海道札幌ロケ)-罪を犯した夫を支える妻 脚本:峯尾基三、演出:吉田啓一郎
- 第36話-スイートメモリー(山梨石和温泉ロケ)-愛をください・・・言葉を失った倉本の妻
脚本:相葉芳久、脚本監修:倉本聰、演出:小澤啓一
ゲスト:永井秀明、田中明夫、北村総一郎
(あらすじ)倉本(渡)は妻・静江(柏木由紀子)の入院している山梨県石和温泉にある病院の院長(永井秀明)に呼び出され、3か月ぶりに妻を見舞った。静江は数年前、自分が運転する車の事故で息子を死なせたショックから重度の心身症になり、言葉を失っていた。見舞ったその夜、院長の他殺体が発見された。翌日、最近病院に地上げ屋が頻繁に出入りしていたと知った倉本は、院長の死と関係があるのではと、独自の捜査を始める。
- 第37話-ビコーズ-その理由-伊達刑事、不治の病。余命半年の宣告
脚本:石井信之、脚本監修:倉本聰、演出:小澤啓一
ゲスト:星瑤子、中田浩二、江角英明、金井大
- 第38話-シンデレラ・ガール-犯人の妻を愛した風間刑事
脚本:吉田紀子、脚本監修:倉本聰、演出:辻理
ゲスト:小牧彩里、大谷朗、渥美国泰、黒部進
- 第39話-家路-母さん!先に逝きます・・・涙の伊達刑事、無言の別れ
脚本:石井信之、演出:小澤啓一
ゲスト:木村理恵、伴直弥、武藤章生、金井大
- 第40話-追憶-妻よ、楽しかったあの日々をもう一度・・・
脚本:相葉芳久、演出:小澤啓一
ゲスト:高野浩幸、北村総一郎
- 第42話-ある少女の反乱-富豪の父親と非行娘の異常愛 脚本:田部俊行、演出:村川透
ゲスト:若林志穂、睦五郎
(あらすじ)谷川は以前補導したことのある由加(若林志穂)を見かけて声を掛けた。更正を誓って高校に進んだはずだが、関係ないと言い張るばかり。心配になった谷川は父親で大企業の社長・大和田(睦五郎)の元に連れて行く。言い争う父娘の会話と彼女の腕に注射の痕があったことが気になり、翌日、大和田を訪ねる。大和田は会おうとしないが、秘書の啓子(君塚尚美)から由加が誘拐され、身代金5000万円が要求されていることを知らされる。
ゲスト:小牧彩里、大谷朗、渥美国泰、長谷川明夫
- 第44話-出発(たびだち)-倉本、涙の告白・・・妻よ、君とやり直したい 脚本:相葉芳久、演出:小澤啓一
ゲスト:藤木孝、北村総一郎
- 第45話-ベスト・フレンド-友情とは何だ!? 脚本:石井信之、演出:小澤啓一
- 第46話-命、燃えつきても(最終回2時間スペシャル・岡山、福島ロケ)
伊達刑事、暁に死す!母、友、恋人へ衝撃の遺書
脚本:石井信之、演出:吉田啓一郎、ゲスト:浅田美代子・竹中直人ほか
(あらすじ)福島県猪苗代に不時着した軽飛行機の操縦士・皆川(竹中直人)の死体周辺から大量のヘロインが発見された。皆川は数年前、岡山県倉敷市から上京してシーンズ店で働いていた。ガンに冒され余命幾ばくもない伊達は、風間から強引に倉敷市での捜査の役目を取り上げ、倉敷の実家へ帰省していた美奈子と合流し岡山での捜査を始め、8班のメンバーも岡山へ向かう。
[編集] 登場車両
[編集] 特殊車両
- E39Aギャラン2000VR-4 MT(シルバー)
- 通称G1。倉本専用車。後に、ランサーエボリューション(ランエボ)への搭載でブレイクし、「三菱の名機」・「最強ラリーエンジン」と謳われる事になる、高性能2リッターターボエンジン「4G63」を搭載しているが、劇中でカーアクションに用いられる頻度は低い。また、ランエボを含めた4G63エンジン搭載モデルとしては、初の劇中車両となる。
- A187Aスタリオン2600GSR-VR MT(ブラック)
- 通称G2。伊達専用車。西部警察のフェアレディZ(スーパーZ)同様に市販モデルには無いガルウイング仕様車。後部座席は無い。また他にも影武者のスタント用が2台存在し、こちらには市販モデル同様のノーマルドア、後部座席付やAT車もあったり、またホイール形状も若干異なっている。撮影中のアクシデントで白パトにフロントフェンダーが接触し、凹ませていた時期があった。ボディー剛性が極めて低く、追突されると全損になる。影武者の車両はエキストラ車として活躍したり、後に代表取締役刑事でも登場した。
- また、ゴリラフェアと称して東京三菱自動車からガルウイング仕様が5台限定で市販された。
- S12AGデボネアVV6-3000ロイヤルAMG AT(ホワイト)
- 通称G3。風間専用車。劇中ではカーアクションに用いられる頻度が高く、リアドアやサイドプロテクターを凹ませていた時期があった。前期型であるが、マイナーチェンジ直前であった為、ホイールだけは後期型をはいている。三菱がドイツAMG社との契約により生産した車。後に「代表取締役刑事」、「愛しの刑事」でも覆面車として使用した。「愛しの刑事」第10話で狙撃され、サイドウィンド破壊された。
- L141GWパジェロV6-3000メタルトップワゴン・スーパーXL(ダークブルー2トーン)
- 通称G4。谷川専用車。多目的ワゴン車。劇中では特殊装備を使用する頻度がG1~G3より多く、赤色灯を出しての走行も前記の3台より多かった。後半からマイナーチェンジ後のオーバーフェンダー車に交代。
- C83Aミラージュ1600ハッチバックサイボーグ MT(ダークグレー)
- 通称G5。高峰や塩田が使用。高峰の異動で降板。その後は、エキストラ車として登場する。サンルーフ付。
- D27Aエクリプス2000GS AT(レッド)
- 通称G5。ミラージュサイボーグに代わる形で田中美奈子専用車として登場。ガルウイング仕様。
- スタリオン同様、東京三菱自動車から一般に発売されていた時期があった。
- ミニカウォークスルー550
- 多目的情報収集車として、室内に各種受信機や監視モニターなどが搭載されている設定だが劇中には殆ど登場しなかった。代わりに、宅配便の配達車両や一般車としてのエキストラ車として登場したことも。
[編集] パトカー(白黒パトカー)
全車両、このドラマの為に製作されて、後の石原プロ製作の刑事ドラマ代表取締役刑事や愛しの刑事にも流用されたが、西部警察SPECIALの宮崎ロケで破壊役となる。新車で提供された白パトは5台。ギャランとミラージュはメーカー装着のホイールキャップが黒く塗られている。
- E34Aギャラン2000VZ
- 新車で2台提供され、共に1.8リッターNAエンジン搭載(VR-4の4G63は2リッターターボ)。西部警察SPECIALでは、採石場で2台とも破壊。1台はジャンプしてエテルナ∑とY31セドリックに突入。もう1台はエテルナ∑の後部に激突して横転。
- C54Aミラージュセダン1500VIEサルーン
- 新車で2台提供。西部警察SPECIALで1台は宮崎シーガイアの駐車場で横転、その後壊れたパトライトをテープで補修し、牽引して爆破。劇中、シーガイアで2台破壊されたかに見えるが、実は1台。もう1台は、採石場で宙を舞って破壊された。
- E13AエテルナΣセダン1800ツーリングEXE
- すでに自家用グレードはモデル末期だったが、新車で1台登場。西部警察SPECIALでは走行シーンはなく、採石場で二度に渡り、ギャランに激突され破壊。宮崎シーガイアのシーンでは登場しておらず、すでに不動車となっていた可能性がある。
- タクシーや教習車上がりのスタント用。主に後期型の低グレード(L)が使用された。西部警察初期の230セドリックのように白パト仕様、黒・白・シルバー・赤など用途に合わせて様々な色に再塗装された車があった。一度黄緑色というものすごい色が犯人車として登場し破壊されたが、元々の教習車のままの色ではないかと思われる。前期型の上級グレードは犯人車両としての登場が多い。特にグリルが異なる上級車種のロイヤルシリーズは大事にされ、破壊されない。前期型と後期型は、リヤのプレートの付け位置が異なるので識別できる。前期はテールランプ中央、後期はバンパー部分にある。第12話「危険地帯」茨城採石場ロケで、前期型エテルナΣGSRが白パト登場し、横転している。スポーティーグレードGSRの破壊はこれ一回のみ。
[編集] 西部警察からの流用車
- 431セドリックセダン200E GL
- 山梨ロケでパトカーの台数が必要な際に登場。同じ回に同型のセドリックもしくはグロリアも登場し、そちらはスタンダード用の丸目ヘッドランプ、専用グリルにテールレンズでバンパーが2800用で実際のパトカーそっくりであった。
- R30スカイラインセダン2000ターボGT-ES
- 山梨ロケで登場。
- 910ブルーバード4ドアHT後期型1800SSS-E
- 神奈川県警のパトカーとして登場し、フロントガラスに被弾し破損する。
[編集] 一般車
- S11AデボネアVV6-2000スーパーサルーン
- ボディ色が黒とシルバーの2台ある。本庁や所轄の覆面車、はたまた犯人車として度々登場。黒は後に「愛しの刑事」で舘ひろしの専用車となり活躍する。一度リムジン仕様が悪人車登場(南原宏治乗車)した。
- E3#Aエテルナ2000
- ボディ色はシルバー。5ドアハッチバック。主に犯人車両として登場するが、数が必要なときは覆面車で登場することもある。
- C54Aミラージュセダン1500VIEサルーン
- ボディ色はシェリーピンク。地味なピンクといった感じの色だが、一般車の他にヤクザ物の車として登場したりするからおもしろい。ピンクのミラージュに怖い人って・・・。
- ランサー
- ボディ色は青。ゴリラ登場のランサーはランエボ登場前、ミラージュの姉妹車で5ドアハッチバックだった。ピンクミラージュと同様悪人がギュギュウに乗っていたりしておもしろい。
- 2代目ギャランΛ(後期型)
- ボディ色は白。第27話「瀬戸内冒険団」の福山ロケで谷川が借りたレンタカーとして登場し、破壊された。ゴリラでギャラン∑以外の三菱車が破壊されるのは極めて異例(一度トレディアが転落破壊)。
- 特に地方ロケでは、地元ディーラーの下取り車と思われる車がスタント破壊用車両として登場し、博多ロケでは犯人車としてクラウン・カリーナが破壊された。福山ロケでもラストに駐車中のカローラセダンが爆破されている。
[編集] ロケ用車両
劇中には登場しないが、三菱(現在の三菱ふそうトラック・バス)からは業務用車両の提供も受け、後の代表取締役刑事や愛しの刑事でも舞台裏で活躍した。
- ザ・グレートウイングトラック
- 大物撮影機材輸送用。後の代表取締役刑事の第1話では、劇中に登場。
- ザ・グレートキャリアカー
- 劇用車輸送用。
- ファイター4t標準キャブパネルトラック
- 機材・小道具輸送用。
- キャンター2t標準キャブロングボディーパネルトラック
- 小道具・衣装輸送用。
- スタッフ移動用。ロケ現場ではスタッフ控え室として代用されていた。
- パジェロロングディーゼルターボ
- スタッフ移動用。
- スタッフ、出演者移動用。ロケ現場では出演者控え室や打ち合わせ場所などとして代用されていた。後の西部警察SPECIAL宮崎ロケで破壊されるまで活躍。
[編集] 西部警察から活躍
- いすゞフォワードキャリアカー
- いすゞジャーニーキャンピングカー
- 出演者移動用。渡哲也、舘ひろし、神田正輝それぞれの専用車があり、内部の意匠は特注仕様に施されている。
- 日産シビリアンキャンピングカー
- 西部警察の時に作成されたが、そのうちの1台は富士樹海のロケシーンにて真っ黒に塗装され破壊役となった。
[編集] スタント車について
スタント用で多用されていたギャラン、エテルナなどは、日産だと「ブルーバード」トヨタだと「コロナ」クラスであったために、西部警察の時はスタント用も主にセドリックやスカイラインなどの5ナンバーフルサイズの車であったが、それと比べて「迫力に欠ける」との声もあった。破壊用ではないが、悪人がミラージュやランサーに分乗して登場したりもしており、当時ディアマンテすら発売前で車種の少なかった三菱自動車のお家事情をモロに受け、「ファニーに見える悪人車」が登場したのもファンを失望させる要因であった。同じようなシチュエーションはジャッキー・チェン主演の一部の香港映画にも見られた。
[編集] 主なスタッフ
- 制作:渡哲也
- 企画:小林正彦(石原プロ)
- プロデューサー:石野憲助、岩崎純、左口知克(石原プロ)、星裕夫(テレビ朝日)
- 作曲:舘ひろし、井上大輔、鈴木雄大、S.E.N.S.、Chocolate Kids Jr.(佐藤竹善)
- 音楽監督:鈴木清司
- 技斗:高倉英二
- スタント&アクション:グループ十二騎
- エキストラ:クロキプロ
- 現像・テレシネ:IMAGICA
- 協力:MGC
- 制作協力:第一企画
- 制作:テレビ朝日・石原プロモーション
[編集] 前後番組の変遷
テレビ朝日系 日曜20時台(1989年4月 - 1990年3月) | ||
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