カキ (植物)
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カキ | ||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||
Diospyros kaki L. | ||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||
Persimmon Sharon Fruit® |
柿(カキ、学名: Diospyros kaki L.、英名: Persimmon、Diospyros とは「神の食物」という意味)は、カキノキ科の落葉樹。東アジアの固有種で、特に長江流域に自生している。雌雄同株であり、6月ごろに白黄色の地味な花をつける。果実は秋に橙色に熟す。幹は家具に加工でき、実は食用となり、葉は茶の代わりとして加工され飲まれることがある。未熟の果実はタンニンを多く含み、柿渋は防腐剤として用いられる。現在では世界中の温暖な地域で果樹として栽培されている。
成熟した果実のヘタを乾燥したものは、柿蒂(シテイ。「柿蔕」とも)という生薬でしゃっくり・鎮咳・鎮吐に用いられる。
果実は古くから水菓子として親しまれ、「柿の花」は夏、「柿」は秋の季語である。以下の俳句は、あまりにも有名。
日本から南蛮貿易を通じてヨーロッパに伝わったことから学名にもKAKIの名が使われる。
英語で柿を表す「Persimmon」の語源は、アメリカ合衆国東部の先住民のアルゴンキアン語族(Algonquian languages)の言葉で「干し果物」を意味する名詞「ペッサミン」であり、先住民がアメリカガキ(Diospyros virginiana L.)の実を干して保存食としていた事実に基づく。近年欧米ではイスラエル産の柿(渋抜きした「Triumph」種)が「シャロンフルーツ(Sharon Fruit®)」という名称で流通するようになったため、柿は「Persimmon」よりも「Sharon Fruit」として市販されていることが多い。なお、「シャロンフルーツ」は登録商標であり、イスラエル産以外の柿を「シャロンフルーツ」として販売することは違法である。
目次 |
[編集] 生産
国際連合食糧農業機関 (FAO) の統計データ(2005年)によると、全世界におけるカキの生産量は、256万1732トンである。このうち、72%を中国一国が生産(183万7000トン)している。次いで、韓国(25万トン)、日本(23万トン)、ブラジル(15万トン)、イタリア(5万1000トン)、イスラエル(4万トン)である。以上6カ国で生産量の99.8%を占める。他にニュージーランド(1300トン)、イラン(1000トン)、オーストラリア(650トン)、メキシコ(450トン)などの諸国でも生産されている。地域別ではアジア州が92%、南アメリカ州(ブラジルのみ)が6%、ヨーロッパ州(イタリアのみ)が2%という比率である。
柿は、北海道と沖縄県を除く日本の全県で栽培がされており、柿の栽培面積が多い県は和歌山県、奈良県、福岡県の順である。
[編集] 日本国内の収穫量
平成17年度
[編集] 品種
品種数は多く、1,000を超えるとも言われているが、大まかには、渋柿と甘柿とに分かれる。
渋柿は実が熟しても果肉が固いうちは渋が残る柿である。代表的な品種は、平核無と刀根早生である。平核無は新潟県が発祥である。刀根早生は奈良県天理市の刀根淑民の農園で栽培されていた平核無が突然変異し、1980年に品種登録された。
甘柿は渋柿の突然変異種と考えられており、日本特産の品種である。未熟時は渋いが、熟すに従い渋が抜け、甘みが強くなっていく。
甘柿は熟すと常に甘みを持つ完全甘柿と種の有無・多少により成熟時に渋が残ることがある不完全甘柿に分類できる。渋が残ることがあることから、不完全甘柿を渋柿の一種に含めることもある。完全甘柿の代表的な品種は、富有と次郎。富有は岐阜県瑞穂市居倉が発祥で原木がある。次郎は静岡県森町に住んでいた松本次郎吉に由来する。不完全甘柿の代表的な品種は、愛知県が発祥の筆柿や神奈川県が発祥の禅寺丸などがある。
甘柿の果肉ではタンニンが不溶性となっているため生食するが、渋柿の果肉ではタンニンが水溶性で渋みが強いため生食できず、渋柿を食用にするには、果肉が軟らかくなった熟柿(じゅくし)になるのを待つか、タンニンを不溶性にする「渋抜き」の加工をする必要がある。
[編集] 渋抜きの方法
- アルコール漬けにする(樽柿)。
- アルコールを掛ける。35度のアルコールを少量振りかける。入れ物は何でもよい。20kg~30kgに湯飲み1杯程度。密封して1週間置く。
- 乾燥させる(干し柿)。
- 湯抜き(35℃~45℃の湯に浸ける)。
- 米・米ぬかにつける。
- 炭酸ガス脱渋(大量の渋柿を加工する業務用の方法。家庭でもドライアイスを使えば可能)。
[編集] 柿の実の利用
生食、干し柿の他に、次のような製品に加工されている。
朝鮮半島では、干し柿、生姜、肉桂からスジョングァ(水正果)という飲み物を作る。
[編集] 柿の葉の利用
ビタミンC、KやB類、といったミネラル分フラボノイドなどを多く含み、血管を強化する作用や止血作用を持つとされるため、飲用するなどで民間療法に古くから用いられてきた。また近年では花粉症予防に有効とされ、従来の茶葉としてだけではなく成分をサプリメント等に加工され商品化されたものも流通している。飲用方法としては、5-6月頃に収穫した葉を天日で乾燥させ粉末化し煎じることが一般的である。
またその殺菌効果から押し寿司を葉で巻いたり(柿の葉寿司)、和菓子などの添え物にされることもある。
柔らかい初春の若葉は天ぷらにして食用に出来る。
[編集] 柿の木の利用
木質は堅く、家具などに利用される。加工がやや難しく、割れやすいため、建築材としては装飾用以外には使われない。また、かつてのゴルフクラブ(ウッド)のヘッドには柿材(特にアメリカガキ)を使った物が多く、パーシモンの名で呼ばれていたが、現在では金属製のウッドが普及したためにあまり使われなくなった。
[編集] 柿渋の利用
和傘の紙に塗り、耐水性を上げるのに用いられた。
[編集] 画像
平核無(八珍柿) 表 |
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