エアグルーヴ
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性別 | 牝 |
---|---|
毛色 | 鹿毛 |
品種 | サラブレッド |
生誕 | 1993年4月6日 |
死没 | (現役繁殖牝馬) |
父 | トニービン |
母 | ダイナカール |
生産 | 社台ファーム早来 |
生国 | 日本(北海道早来町) |
馬主 | (株)ラッキーフィールド |
調教師 | 伊藤雄二(栗東) |
競走成績 | 19戦9勝 |
獲得賞金 | 8億2196万6000円 |
エアグルーヴは日本の競走馬。1997年には牝馬として26年ぶりの年度代表馬に選出された。母ダイナカールも優駿牝馬(オークス)を制しており、母子2代での優駿牝馬の制覇を成し遂げた。なお、馬齢は旧標記で統一する。
目次 |
[編集] 戦績
1995年に札幌競馬場でデビュー。初戦は2着に敗れるが、2戦目の新馬戦で快勝。続くオープンのいちょうステークスでは、前をカットされ武豊が立ち上がるほどの致命的な不利を受けながらも追い込んで快勝。能力の違いを見せ付ける。しかし、続く阪神3歳牝馬ステークスではビワハイジに逃げ切られ2着。
1996年は春緒戦のチューリップ賞を快勝し桜花賞の最有力候補に挙げられたが、目前にして熱発で回避。しかし優駿牝馬では熱発休養明けをものともせず、桜花賞優勝馬ファイトガリバーらを抑え快勝。この時期、翌年の凱旋門賞遠征が検討されていた。秋はトライアルを挟まず、ぶっつけで秋華賞に出走。しかしパドックでカメラのフラッシュを大量に浴びたことで激しいイレ込みを見せ、さらにレース中に骨折し、ファビラスラフインの10着に敗れた。これ以降、京都競馬場のパドックには「フラッシュ撮影禁止」の看板が設置された。ファビラスラフインが秋華賞優勝・ジャパンカップ2着の成績を残したことで、最優秀4歳牝馬のタイトルを逃した。
1997年、6月のマーメイドステークスで復帰して勝利。続いて、この年からGIIに昇格した牡馬混合の札幌記念ではGI2勝のジェニュイン相手に快勝、大目標である牡馬相手の天皇賞(秋)に挑むこととなった。そして本番の天皇賞、2番人気に支持されたが単勝1.5倍のバブルガムフェローが人気していた。しかしレースではバブルガムフェローとの叩き合いを制して勝利した。牝馬の優勝は1980年にプリテイキャストが制して以来、17年ぶりで、かつ2000mに短縮されてからは史上初のことであった。続くジャパンカップでは当時古馬の世界最強クラスといわれていたピルサドスキーの2着。年末の有馬記念ではオリビエ・ペリエへ乗り替わりがあったもののシルクジャスティス、マーベラスサンデー(武豊騎乗)に次ぐ3着。華々しい結果を残し、同年、牝馬としてはトウメイ以来の年度代表馬に選出された。
翌1998年も現役を続行、大阪杯でメジロドーベル以下に勝利。続く鳴尾記念では道悪が堪えて2着。宝塚記念では調整遅れが懸念されたがサイレンススズカの3着に入る。その後、グレード制導入以後は初となる連覇で札幌記念を勝った。その年は調整の遅れやサイレンススズカと鞍上・武豊騎手の兼ね合いがあり、天皇賞(秋)へ向かわずエリザベス女王杯からジャパンカップというローテーションが組まれた。そのエリザベス女王杯の1週前には主戦騎手の武豊が騎乗停止となってしまい、横山典弘への乗り替わりになった。レースでは、中1週でジャパンカップを見据えていたためと内ラチ沿いのグリーンベルトを利して強襲したメジロドーベルに屈し3着に敗れる。続くジャパンカップでは引き続き横山典弘が手綱を取り、エルコンドルパサーには屈したもののダービー馬スペシャルウィークを抑え2着に食い込み、実力の一端は見せた。ラストランとなった有馬記念では武豊が騎乗停止明けで再び手綱をとるが、レース中の落鉄の影響もあってグラスワンダーの5着に終わった
[編集] 競走成績
年/月/日 | 競馬場 | レース名 | 格 | 距離 | 騎手 | 重量 | 着 順 |
人気/ 頭数 |
タイム | 馬 場 |
1着馬(2着馬) | タイム 差 |
1995/07/08 | 札幌 | 新馬 | 芝1200 | 武豊 | 53 | 2 | 1/09 | 1:12.1 | 良 | マイネルランサム | 0.5 | |
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07/30 | 札幌 | 新馬 | 芝1200 | 武豊 | 53 | 1 | 1/07 | 1:12.0 | 稍 | (ダイワテキサス) | -0.8 | |
10/29 | 東京 | いちょうS | 芝1600 | 武豊 | 53 | 1 | 1/11 | 1:35.8 | 良 | (マウンテンストーン) | -0.2 | |
12/03 | 阪神 | 阪神3歳牝馬S | GI | 芝1600 | キネーン | 53 | 2 | 3/11 | 1:35.4 | 良 | ビワハイジ | 0.1 |
1996/03/02 | 阪神 | チューリップ賞 | GIII | 芝1600 | ペリエ | 54 | 1 | 2/14 | 1:34.2 | 稍 | (ビワハイジ) | -0.8 |
05/26 | 東京 | 優駿牝馬 | GI | 芝2400 | 武豊 | 55 | 1 | 1/18 | 2:29.1 | 良 | (ファイトガリバー) | -0.2 |
10/20 | 京都 | 秋華賞 | GI | 芝2000 | 武豊 | 55 | 10 | 1/18 | 1:59.8 | 良 | ファビラスラフイン | 1.7 |
1997/06/22 | 阪神 | マーメイドS | GIII | 芝2000 | 武豊 | 56 | 1 | 1/13 | 2:02.6 | 稍 | (シングライクトーク) | -0.1 |
08/17 | 札幌 | 札幌記念 | GII | 芝2000 | 武豊 | 55 | 1 | 1/13 | 2:00.2 | 良 | (エリモシック) | -0.4 |
10/26 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 芝2000 | 武豊 | 56 | 1 | 2/16 | 1:59.0 | 良 | (バブルガムフェロー) | -0.0 |
11/23 | 東京 | ジャパンC | GI | 芝2400 | 武豊 | 55 | 2 | 2/14 | 2:25.8 | 良 | ピルサドスキー | 0.0 |
12/21 | 中山 | 有馬記念 | GI | 芝2500 | ペリエ | 55 | 3 | 2/16 | 2:34.9 | 良 | シルクジャスティス | 0.1 |
1998/04/05 | 阪神 | 産経大阪杯 | GII | 芝2000 | 武豊 | 57 | 1 | 1/09 | 2:01.3 | 良 | (メジロドーベル) | -0.1 |
06/21 | 阪神 | 鳴尾記念 | GII | 芝2000 | 武豊 | 57 | 2 | 1/14 | 2:04.1 | 不 | サンライズフラッグ | 0.5 |
07/12 | 阪神 | 宝塚記念 | GI | 芝2200 | 武豊 | 56 | 3 | 3/13 | 2:12.1 | 良 | サイレンススズカ | 0.2 |
08/23 | 札幌 | 札幌記念 | GII | 芝2000 | 武豊 | 58 | 1 | 1/12 | 1:59.5 | 良 | (サイレントハンター) | -0.5 |
11/15 | 京都 | エリザベス女王杯 | GI | 芝2200 | 横山典 | 56 | 3 | 1/14 | 2:13.1 | 良 | メジロドーベル | 0.3 |
11/29 | 東京 | ジャパンC | GI | 芝2400 | 横山典 | 55 | 2 | 2/15 | 2:26.3 | 良 | エルコンドルパサー | 0.4 |
12/27 | 中山 | 有馬記念 | GI | 芝2500 | 武豊 | 54 | 5 | 2/16 | 2:32.9 | 良 | グラスワンダー | 0.8 |
[編集] 繁殖成績
生年 | 馬名 | 性 | 毛色 | 父 | 戦績 | |
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第1子 | 2000年 | アドマイヤグルーヴ | 牝 | 鹿毛 | サンデーサイレンス | 8勝 |
第2子 | 2001年 | イントゥザグルーヴ | 牝 | 鹿毛 | サンデーサイレンス | 4勝(現役) |
第3子 | 2002年 | サムライハート | 牡 | 鹿毛 | サンデーサイレンス | 3勝(現役) |
第4子 | 2003年 | エアグルーヴの2003 | 牝 | 鹿毛 | フレンチデピュティ | 引退 未出走 |
第5子 | 2004年 | ザサンデーフサイチ | 牡 | 黒鹿毛 | ダンスインザダーク | セレクトセールにおいて関口房朗が4億9000万円で落札 |
第6子 | 2005年 | エアグルーヴの2005 | 牝 | 芦毛 | クロフネ | |
第7子 | 2006年 | エアグルーヴの2006 | 牡 | 鹿毛 | ダンスインザダーク |
- 第1子のアドマイヤグルーヴがいきなりGI馬となり活躍したが、それ以降の産駒はまだ条件戦までが最高成績である。ちなみに第1子から第3子までは3年連続でデビュー戦勝利を収めている。
[編集] 血統表
エアグルーヴの血統 (ゼダーン系/Hyperion4×5=9.38%) | |||
父
*トニービン Tony Bin 1983 鹿毛 |
*カンパラ Kampala 1976 黒鹿毛 |
Kalamoun | *ゼダーン |
Khairunissa | |||
State Pension | *オンリーフォアライフ | ||
Lorelei | |||
Severn Bridge 1965 鹿毛 |
Hornbeam | Hyperion | |
Thicket | |||
Priddy Fair | Preciptic | ||
Campanette | |||
母
ダイナカール 1980 黒鹿毛 |
*ノーザンテースト Northern Taste 1971 栗毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Lady Victoria | Victoria Park | ||
Lady Angela | |||
シャダイフェザー 1973 鹿毛 |
*ガーサント Guersant |
Bubbles | |
Montagnana | |||
*パロクサイド Peroxide |
Never Say Die | ||
Feather Ball F-No.8-f |
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