ダンスインザダーク
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性別 | 牡 |
---|---|
毛色 | 鹿毛 |
品種 | サラブレッド |
生誕 | 1993年6月5日 |
死没 | (現役種牡馬) |
父 | サンデーサイレンス |
母 | ダンシングキイ |
生産 | 社台ファーム千歳 |
生国 | 日本(北海道千歳市) |
馬主 | 社台レースホース |
調教師 | 橋口弘次郎(栗東) |
競走成績 | 8戦5勝 |
獲得賞金 | 3億7955万1000円 |
ダンスインザダーク(英語表記Dance In The Dark、香港表記夜舞)は、日本の種牡馬、元競走馬。武豊がデビューから引退までのすべてのレースで騎乗した。馬名の由来は母ダンシングキイとサンデーサイレンス産駒特有の漆黒の毛色からの連想。
目次 |
[編集] 競走馬時代
デビュー戦は1995年12月3日、阪神競馬芝1600mの新馬戦でデビュー。血統的背景や前評判などもあって圧倒的支持を得て1番人気に推され、見事期待に応えて勝利した。2戦目にはすぐさま重賞のラジオたんぱ杯3歳ステークスに出走したが、同じサンデーサイレンス産駒のロイヤルタッチ、イシノサンデーに次ぐ3着に敗れている。
明けて1996年、初戦はGIIIきさらぎ賞に出走してロイヤルタッチの2着。しかし2番人気に推された次走のGII弥生賞で、息の長い末脚をつかって1番人気のイシノサンデーを破る。良血馬であることと奥の深いレースぶりを見せていたことで、敗戦続きながらも評価の高かったダンスインザダークは、この勝利で一躍皐月賞の本命と目されるようになった。ところが、皐月賞の週の月曜日に発熱し、皐月賞を回避することになる。このとき同厩舎のロゼカラーも熱発で桜花賞を回避しており橋口厩舎にとっては痛いダブルパンチとなった。 その後陣営が体調を立て直し、東京優駿(日本ダービー)のトライアルであるプリンシパルステークスに間に合わせて快勝、主役として東京優駿(日本ダービー)に出走する。鞍上の武豊の東京優駿(ダービー)初制覇もかかっていたが、カーリアンの仔でデビューわずか3戦目のフサイチコンコルドの末脚の前にクビ差2着と屈した。武豊はこのときの騎乗を「直線で抜け出した際にどこかに油断があった」と発言している。
夏場は放牧に出され、秋初戦のGII京都新聞杯を完勝し、最後の一冠、菊花賞に臨む。フサイチコンコルドがカシオペアステークスで2着と敗れていたこともあり、同馬を抑えて1番人気に支持されたが、勝てなければ1981年クラシックで惜敗続きだったサンエイソロンの二の舞になると周囲では言われていた。レースでは、最後の第4コーナーで前が壁になり、直線に入ったときには12番手という絶望的な位置取りにまで下げられてしまう。しかし武豊は焦ることもなく馬群の隙間を見つけ、ダンスインザダークもそれに応えるかのように上がり3ハロン33秒8という長距離レースでは規格外の脚を繰り出して、ロイヤルタッチ、フサイチコンコルドを鮮やかに差しきり最後の一冠を手にした。この際の末脚はフサイチコンコルドの「音速の末脚」を上回るものとして「光速の末脚」と呼ばれ、実況した関西テレビの杉本清アナウンサーも「すんごい脚~~!!」と叫ぶほどであった。しかし、その激走の代償は大きく、菊花賞の数日後に屈腱炎を発症してそのまま引退となった。同年のJRA賞最優秀4歳牡馬(旧齢)を受賞。
[編集] 競走成績
年/月/日 | 競馬場 | レース名 | 格 | 距離 | 騎手 | 重量 | 着 順 |
人気/ 頭数 |
タイム | 馬 場 |
1着馬(2着馬) | タイム 差 |
1995/12/03 | 阪神 | 新馬 | 芝1600 | 武豊 | 54 | 1 | 1/11 | 1:35.3 | 良 | (マチカネヒガノボル) | -0.1 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
12/23 | 阪神 | ラジオたんぱ杯3歳S | GIII | 芝2000 | 武豊 | 54 | 3 | 2/15 | 2:03.3 | 良 | ロイヤルタッチ | 0.6 |
1996/02/04 | 京都 | きさらぎ賞 | GIII | 芝1800 | 武豊 | 55 | 2 | 2/10 | 1:48.2 | 良 | ロイヤルタッチ | 0.0 |
03/03 | 中山 | 弥生賞 | GII | 芝2000 | 武豊 | 55 | 1 | 2/13 | 2:02.7 | 良 | (ツクバシンフォニー) | -0.2 |
05/11 | 東京 | プリンシパルS | 芝2200 | 武豊 | 56 | 1 | 1/13 | 2:13.9 | 良 | (トピカルコレクター) | -0.3 | |
06/02 | 東京 | 東京優駿 | GI | 芝2400 | 武豊 | 57 | 2 | 1/17 | 2:26.1 | 良 | フサイチコンコルド | 0.0 |
10/03 | 京都 | 京都新聞杯 | GII | 芝2200 | 武豊 | 57 | 1 | 1/11 | 2:14.1 | 良 | (カシマドリーム) | -0.1 |
11/03 | 京都 | 菊花賞 | GI | 芝3000 | 武豊 | 57 | 1 | 1/17 | 3:05.1 | 良 | (ロイヤルタッチ) | -0.1 |
[編集] 種牡馬時代
引退後は社台スタリオンステーションにて種牡馬として繋養され、不完全燃焼とも言える現役時代の鬱憤を晴らすような好成績を挙げている。代表産駒にデルタブルース(2004年菊花賞、2006年メルボルンカップ)、ツルマルボーイ(2004年安田記念ほか)、ザッツザプレンティ(2003年菊花賞)、など。サンデーサイレンスの有力後継種牡馬として期待されている。 長距離を得意とする産駒が多く、特に3000mを超える距離の競走では無類の強さを誇る。
[編集] 主な産駒
[編集] 1998年生
[編集] 1999年生
- ファストタテヤマ(デイリー杯2歳ステークス、京都新聞杯、菊花賞2着)
- タガノマイバッハ(大阪杯、中京記念)
- インタータイヨウ(兵庫チャンピオンシップ)
- アズマビヨンド(阪神ジャンプステークス)
[編集] 2000年生
- ザッツザプレンティ(菊花賞、ラジオたんぱ杯2歳ステークス)
- マルブツトップ(佐賀記念)
- ウイングランツ(ダイヤモンドステークス)
- マッキーマックス(ダイヤモンドステークス)
[編集] 2001年生
[編集] 2002年生
- ダンスインザモア(スプリングステークス)
- コンラッド(ラジオたんぱ賞)
[編集] 2003年生
[編集] 血統表
ダンスインザダークの血統 (ヘイルトゥリーズン系/Almahmoud4×5=9.38%、Blue Swords・Bluehaze5×5=6.25%、Native Dancer=5×5=6.25%) | |||
父
*サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 アメリカ |
Halo 1969 黒鹿毛 アメリカ |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Wishing Well 1975 鹿毛 アメリカ |
Understanding | Promised Land | |
Pretty Ways | |||
Mountain Flower | Montparnasse | ||
Edelweiss | |||
母
*ダンシングキイ Dancing Key 1983 鹿毛 アメリカ |
Nijinsky II 1967 栗毛 カナダ |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Flaming Page | Bull Page | ||
Flaring Top | |||
Key Partner 1976 黒鹿毛 アメリカ |
Key to the Mint | Graustark | |
Key Bridge | |||
Native Partner | Raise a Native | ||
Dinner Partner F-No.7 |
- 半兄 ラップスター(JRA未勝利)、エアダブリン(青葉賞、ステイヤーズステークス、ダイヤモンドステークス、日本ダービー2着)
- 全姉 ダンスパートナー(優駿牝馬(オークス)、エリザベス女王杯、桜花賞2着)
- 全妹 ダンシングサンデー(JRA未勝利)、ダンスインザムード(桜花賞、ヴィクトリアマイル、アメリカンオークス招待ステークス米GI2着、天皇賞(秋)2着、マイルチャンピオンシップ2着2回)
- 全弟 キングフラダンス(JRA未勝利)、エアギャングスター(JRA4勝)、ダンシングオン(JRA3勝)、トーセンダンス(JRA未勝利)
[編集] 関連項目
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