尼崎駅 (JR西日本)
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尼崎駅(あまがさきえき)は、兵庫県尼崎市潮江一丁目1番1号にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅。 神戸・宝塚・大阪・京都方面を相互で結ぶ重要な駅である。ただし、尼崎市の商工業の中心駅は阪神電鉄尼崎駅で、尼崎市役所は立花駅に近く、当駅は複数路線の集まる結節点としての機能がある。大阪や神戸と交通至便な土地柄で、大規模工場の閉鎖もあって都市再開発事業が活発で高層マンション、大規模商業施設の集積が進む。 尼崎市内でも格段、利便的に良く、将来性のある地域で人口は依然増加中。
目次 |
[編集] 利用可能な鉄道路線
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- 東海道本線(JR神戸線)
- 福知山線(JR宝塚線)(全列車大阪駅以遠発着または東西線直通であるが、基点駅は当駅となる)
- JR東西線(列車により上記各線に直通)
[編集] 駅構造
- 島式4面8線の地上駅で、各線方向別配線で分類されている。8番線の北隣にはホームのない9番線がある。橋上駅舎を有する。
- 自動改札機はJスルーカード・ICOCA・JR東日本のSuicaおよびスルッとKANSAIのPiTaPa対応
- 駅改札内にJR西日本の子会社が経営する書店がある。
- 朝ラッシュ時を除いて
- JR東西線~JR宝塚線快速とJR神戸線快速
- JR東西線~JR神戸線普通(三ノ宮方面)とJR神戸・京都線普通(大阪方面)~JR宝塚線普通
という組み合わせの列車が同じホーム上(3・4番、5・6番)にて乗換えが出来るダイヤが組まれている。また朝ラッシュ時には
- JR東西線~JR神戸線普通(三ノ宮方面)とJR神戸線尼崎折返し普通
という接続が見られる。
1 | ■JR神戸線(新快速・ラッシュ時の快速) | 三ノ宮・明石・姫路方面 |
---|---|---|
2 | ■JR宝塚線(主に大阪始発列車) | 伊丹・宝塚・三田・篠山口方面 |
■福知山線(特急「北近畿」など) | 福知山・城崎温泉・天橋立方面 | |
3 | ■JR宝塚線(普通及び東西線からの直通) | 伊丹・宝塚・三田方面 |
■JR神戸線(ラッシュ時の普通) | 三ノ宮・明石・姫路方面 | |
4 | ■JR神戸線(快速・普通) | 三ノ宮・明石・姫路方面 |
5 | ■JR京都線(快速・普通) | 大阪・新大阪・高槻・京都方面 |
■JR東西線(主に神戸方面からの直通) | 北新地・京橋・四条畷方面 | |
6 | ■JR京都線(普通、主に宝塚線からの直通) | 大阪・新大阪・高槻・京都方面 |
■JR東西線(主に宝塚線からの直通) | 北新地・京橋・四条畷方面 | |
7 | ■JR東西線(ラッシュ時のみ) | 北新地・京橋・四条畷方面 |
■JR宝塚線 | 大阪行き(塚本通過) | |
■福知山線(特急「北近畿」など) | 大阪・新大阪方面 | |
8 | ■JR京都線(新快速・ラッシュ時の快速) | 大阪・新大阪・高槻・京都方面 |
なお、大阪駅改良工事のために夜行列車が大阪駅に停車できない時はこの駅に停車し、北方貨物線を経由する。
[編集] 利用状況
2004年度の1日あたりの平均利用者数(乗車人員)は33,078人である。また、乗降人員は66,100人である。(2004年度1日平均)
[編集] 駅周辺
- 駅周辺は北側の潮江地区と南側の長洲地区に分かれている。
- 阪神電気鉄道にも同じ駅名の尼崎駅があり、直線距離で約2km程離れているが、市営バスで連絡している。
- 一番近い他社線駅は阪神杭瀬駅で、南東へ徒歩30分かかるが市営バスも運行されている。
[編集] 駅北側
- 北側は近年尼崎市の再開発による「アミング潮江」が形成され、キリンビール直営のホテル「ホップイン」・ボーリング場(ラウンドワン)・阪急オアシスを含むショッピングモール・高層マンション群・救急病院が配置されている。ビルとはペデストリアンデッキで直結している。
- 駅北口のキリンビール工場跡に建設中の「キリンガーデンシティ」(2007年秋開業予定)には、阪神百貨店、平和堂と、松竹系のシネマコンプレックスが進出する予定である。
- 駅北側から大阪方面へ15分歩いた所に、温泉スーパー銭湯「極楽湯尼崎店」がある(送迎バスあり)。
- 北東方向約1.5km先に大型ショッピングセンター「カルフール尼崎」がある。当駅から送迎バスも運行されている。
- 北方向には近松門左衛門の菩提寺と近松公園もある(尼崎市営バス乗車で約2km)。なお、駅北口を出たところには近松にちなんで「梅川の像」がある。
[編集] 駅南側
- 駅南側はJR西日本子会社所有のビルが2棟建設され、2002年にミドリ電化が店舗開設。阪急電鉄塚口駅前にあった本社事務所も2003年にこちらへ移転・入居している。
- 駅南側には他にも、兵庫県警尼崎東警察署や温泉健康ランド「あま湯ハウス」がある。
[編集] バス
- 尼崎市営バス
[編集] 歴史
東海道本線の尼崎駅は、1874年(明治7年)に神崎駅(かんざきえき)として開業した。1893年(明治26年)には現在の福知山線の前身にあたる摂津鉄道が尼ヶ崎駅(のちの尼崎港駅)~池田駅(現在の川西池田駅)間を開業させたが、東海道本線との交差地点には駅は造られなかった。摂津鉄道が阪鶴鉄道に合併され、有馬口駅(現在の生瀬駅)まで延伸開業した1896年(明治29年)、大阪駅乗り入れのために阪鶴鉄道の塚口駅と東海道本線の神崎駅を結ぶ連絡線が設けられた。
一方、尼ヶ崎駅~塚口駅間は盲腸線と化し、阪鶴鉄道国有化後は福知山線(国有化当初は、阪鶴線と呼称)の支線として扱われ、尼崎港線・尼港線と呼ばれることになる。1911年(明治44年)には、この支線上にも神崎駅の構内扱いで神崎仮乗降場が東海道本線との交差地点南側に設けられた(運賃上は神崎駅と同一扱い)が、東海道本線の駅とは約300m離れていた。この神崎仮乗降場は東海道本線を跨ぐ築堤の上に片面ホーム1面1線で設置されており「土手の上にある神崎」から「ドテカン」と呼ばれていた。そして1949年(昭和24年)、街の代表駅としての実状を考慮して尼崎港線の尼ヶ崎駅を尼崎港駅、神前駅を尼崎駅に改称した。
国鉄時代には、同一駅名なのに2つ別の場所にそれぞれの路線の駅が設置されている例として、宇美駅(香椎線と勝田線)・石巻駅(仙石線と石巻線)・浜川崎駅(南武線と鶴見線)がこの尼崎駅以外に存在したが、他の3つは私鉄買収によって路線が成立したのが要因であったのに対し、この尼崎は利用客の便を図ったことが要因となった。なお駅自体は同一であるが、ホームの位置が大きく離れており、一旦職員通路のような線路脇を歩かなければならず別駅に近かった清水駅(東海道本線と清水港線)のような例もある。
この尼崎駅と尼崎港線は1981年に旅客営業が廃止された後、1984年に廃止された。
本線の尼崎駅は普通電車と福知山線の快速・普通しか停車せず、ホーム間をつなぐ薄暗い地下通路と南側に小さめの駅舎があるだけの目立たない駅であったが、JR東西線の開通にあわせて大改造され現在のように賑やかな駅となった(地下通路は改造時に埋められ橋上駅となった)。
- 1874年(明治7年)6月1日 神崎駅として開業。
- 1896年(明治29年)6月8日 阪鶴鉄道の神崎~塚口間が開業。現在の福知山線。
- 1907年(明治40年)8月1日 阪鶴鉄道が国有化。
- 1911年(明治44年)9月6日 尼ヶ崎(のちの尼崎港)~塚口間に神崎仮乗降場を開設(運賃計算や時刻表上では神前駅と同一扱い)。
- 1949年(昭和24年)1月1日 尼崎駅に改称。神崎乗降場も尼崎仮乗降場に改称。
- 1981年(昭和56年)4月1日 尼崎港線の旅客営業廃止により尼崎仮乗降場廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道に承継。
- 1995年(平成7年)11月25日 橋上駅化。
- 1997年(平成9年)3月8日 JR東西線が開業。新快速・快速の終日停車駅となる。特急「北近畿」も停車するようになる。
- 2005年(平成17年)4月25日 JR福知山線脱線事故発生。死者107名の大惨事に。このため、福知山線尼崎~宝塚間が不通となる。
- 2005年(平成17年)6月19日 福知山線尼崎~宝塚間、脱線事故以来55日ぶりに開通。
- 2006年(平成18年)4月1日 貨物営業を廃止(予定:数年前より輸送実績なし)
[編集] その他
第4回近畿の駅百選に選定されている。
[編集] 隣の駅
- 西日本旅客鉄道
- ■東海道本線(JR神戸線)
- ■福知山線(JR宝塚線)
- ■JR東西線
- 快速
- 加島駅 - 尼崎駅 (- 伊丹駅)
- 区間快速・普通(区間快速は当駅以西普通)
- 加島駅 - 尼崎駅 (- 立花駅・塚口駅)
- 快速
[編集] かつて存在した路線
- 日本国有鉄道
- 福知山線(尼崎港線)
- 金楽寺駅 - 尼崎駅 - 塚口駅