PiTaPa
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PiTaPa(ピタパ)は、関西圏・東海四県・岡山県の鉄・軌道・地下鉄・バス事業者が加盟するスルッとKANSAI協議会が導入した非接触型ICカードによるストアードフェアシステムとショッピングなどの決済サービスに対応したカードの名称である。PiTaPaは「Postpay IC for "Touch and Pay"」の略で、キャッチフレーズは「ピッとタッチしてパッと乗る」。
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[編集] 概要
Suica・ICOCAの様なプリペイド(前払い)方式ではなく、世界初のポストペイ(後払い)方式を採用している。
買い物に使える電子マネーと同等のIC決済機能も盛り込まれており、事業者によっては自社系列などのクレジットカードと提携したPiTaPaカードを発行(もしくは発行予定)している。電子マネーとしては東京都や沖縄県、富山県、広島県でも利用可能な店舗が存在する。
神姫バスや岡山地区のバス・鉄道事業者(岡山電気軌道・下津井電鉄・両備バス)の様に「スルッとKANSAI」のプリペイド磁気カードは導入せずにPiTaPaのみを導入しながらPiTaPa対応カードを製作せず、独自のICカード (神姫バスはNicoPa・岡山地区はHareca) を出す事業者もいる。
技術的には、SuicaやICOCAなどと同様にソニーが開発したICカードFeliCaを採用している。このFelicaのメモリ分割機能を用いて、プライベート領域に個人認証機能を搭載した入・退館管理機能付きPiTaPaが大阪府の池田市役所で導入されている。
クレジットカードと似た後払い式のため、PiTaPaの発行には与信審査があり、信用情報などの参照の結果、カードが発行されない場合もある(これはクレジット機能を持たないPiTaPa対応カードでも同様である)。これら審査や請求などの業務やシステム開発は三井住友カードに委託されている。
利用限度額は、交通サービスでの利用が1ヶ月150,000円まで(割引を適用する前の運賃合計額)、ショッピングや施設での利用が1日30,000円/1ヶ月50,000円までとなっており、それぞれ1ヶ月の限度額は本会員・家族会員の合算額での算出となる。利用代金は毎月1日から月末までの実績を集計し、翌月25日頃に請求書が郵送され(提携カードによっては手数料105円が掛かる。PiTaPa倶楽部で解除可能。)、翌々月10日に指定の口座から引き落とされる。また、1年間全く利用がない場合は維持管理料として1,050円が請求される。クレジット機能に関わる手数料や限度額についてはカード会社が別途設定した額となり、その利用代金はPiTaPaの利用代金とは別の請求となる。
なお、20歳以上の人を対象に、所定の保証金を預ける事により通常のPiTaPa発行に必要な審査を受けずにPiTaPa交通サービスを利用できる「保証金預託制PiTaPa」がある。保証金の金額は4万円から20万円までの4万円刻みで、それぞれ保証金の4分の1の額が1ヶ月間の交通利用額となる。保証金預託制PiTaPaでは、PiTaPaショッピングサービス及びPiTaPa定期サービスは利用できない。
また、2006年10月現在、PiTaPaエリアにおいてプリペイド方式のサービスは規約上可能であるにもかかわらず、提供されていない。
鉄道を利用した場合、PiTaPaとICOCAで自動改札機の音が変わる。
PiTaPaの名称は登録商標である。
[編集] 相互利用
2006年1月21日からJR西日本のICOCAと相互利用を開始した。今後はJR東日本などのSuicaや関東圏の私鉄・地下鉄・バスのPASMOとも相互利用が可能となる予定。但しICOCAエリアで使用する場合はポストペイ機能の適用外となり、あらかじめチャージ(入金)が必要となるが、開始に併せてオートチャージ機能(登録が必要)を搭載している。これはPiTaPaエリアの自動改札機にタッチした時点で残高が1,000円以下であれば2,000円が自動的にチャージ(子供用はそれぞれ半額)されるもので、この料金は他のPiTaPaの利用と同様に請求される。またICOCAエリアではICOCAと同様にチャージ(入金)できる。
2月1日からは神姫バスと神姫ゾーンバスが順次導入するNicoPaとの片利用が可能になった。さらに10月1日からは岡山電気軌道・両備バス・下津井電鉄が導入するHarecaと片利用が可能になるほか、2007年春からは静岡鉄道としずてつジャストラインが導入するLuLuCaとも片利用が可能になる。(この関係で2005年末に東日本の事業者としては初めてスルッとKANSAI協議会に加盟した)。後にANA(全日本空輸)とも提携している。
ここでは便宜上片利用という表現になっているが、これらは各社が独自のICカードシステムとは別にPiTaPaを重複して導入するからであり、実際の所は各社とも「PiTaPa交通利用エリア」である。
[編集] 歴史
- 2001年7月4日 スルッとKANSAI協議会が2003年度以降のICカード導入を発表。
- 2002年4月18日 ICカードの業務委託先が日立製作所及びJCBに決定したと発表。
- 2003年2月25日 ICカードの名称が「PiTaPa(ピタパ)」に決定。
- 2003年3月 天神橋筋商店街などで電子マネー実験を実施。
- 2003年7月10日 PiTaPaの業務委託先を日立製作所及びJCBから日本総合研究所及び三井住友カードに変更したと発表。
- 2004年1月 関係者限定によるテスト運用を開始。
- 2004年3月27日 先行会員によるモニター試験開始。
- 2004年8月1日 本サービス開始。阪急電鉄・能勢電鉄・京阪電気鉄道で利用が可能。PiTaPaグーパスのサービス開始。
- 2004年10月1日 ショッピング(電子マネー)機能のサービスを200店舗で開始。
- 2004年11月9日 近畿コカ・コーラボトリングと提携し、PiTaPa対応の飲料自動販売機の設置開始。
- 2005年4月11日 会員数が10万人突破と発表。
- 2005年9月1日 あんしんグーパスのモニター試験開始。
- 2005年11月17日 入退館管理機能付きPiTaPaカードを大阪府池田市役所向けに発行。
- 2006年1月10日 あんしんグーパスの本格サービス開始。
- 2006年1月21日 JR西日本のICOCAと相互利用開始、ICOCAエリアで利用が可能。
- 2006年2月1日 大阪市交通局・阪神電気鉄道・大阪モノレール・北大阪急行電鉄・阪急バス(猪名川営業所・清和台営業所)が追加導入。神姫バス(NicoPaエリア)と片利用サービス開始。
- 2006年7月1日 南海電気鉄道・大阪府都市開発(泉北高速鉄道)・山陽電気鉄道・神戸高速鉄道・神戸新交通が追加導入。保証金預託制PiTaPa導入。阪急電鉄・能勢電鉄・阪神電気鉄道・北大阪急行電鉄でIC定期券サービス開始。
- 2006年9月7日 サントリー・サントリーフーズと提携し、PiTaPa対応の飲料自動販売機の設置開始。
- 2006年9月25日 会員数が50万人突破と発表。
- 2006年10月1日 関西エリアの神戸市交通局(地下鉄のみ)・北神急行電鉄・大阪空港交通(路線毎に順次)が追加導入。岡山エリアの岡山電気軌道・両備バス・下津井電鉄(Harecaエリア)と片利用サービス開始。
- 2006年10月20日神姫バス一部を除く全線・神姫ゾーンバスで使用可能に。
- 2007年春 関西エリアでは近畿日本鉄道(一部路線を除く)・京都市交通局(地下鉄のみ)・京阪電気鉄道の大津線・神戸電鉄・奈良交通(路線・営業所毎に順次)・エヌシーバスが、静岡エリアでは静岡鉄道・しずてつジャストライン(共に路線・営業所毎に順次)が導入予定。
- 2007年~2008年 2007年には京阪バス、2008年3月には京阪京都交通が路線・営業所ごとに順次導入予定。
[編集] 利用可能エリア
[編集] ポストペイでの利用路線
- 阪急電鉄(全路線)
- 能勢電鉄(ケーブル線・リフトを除く)
- 京阪電気鉄道(大津線(京津線・石山坂本線)・ケーブル線を除く)
- 大阪市交通局(地下鉄・ニュートラム・バスの全線で利用可能)
- 北大阪急行電鉄(全線)
- 大阪高速鉄道(大阪モノレール)(全線)
- 阪神電気鉄道(鉄道のみ)
- 南海電気鉄道(全線)
- 泉北高速鉄道
- 山陽電気鉄道(鉄道のみ)
- 神戸高速鉄道(全線)
- 神戸新交通(ポートライナー・六甲ライナー)
- 神戸市交通局(地下鉄のみ)
- 北神急行電鉄
- 阪急バス(猪名川営業所・清和台営業所(川西市北部・猪名川町域)・西宮営業所・芦屋浜営業所(西宮市中南部・芦屋市域)管内のバス路線)
- 大阪空港交通(蛍池駅~大阪空港~関西空港を除く、大阪空港発着の自社運行便)
- 神姫バス※1(路線バス全線)
- 神姫ゾーンバス※1(全線)
- 岡山電気軌道※2(路面電車・岡山空港リムジンバスと岡南営業所担当のバス路線のみ利用可能)
- 両備バス※2(桑野営業所・西大寺営業所担当のバス路線と玉野営業所・霞橋営業所担当の一部のバス路線のみ利用可能)
- 下津井電鉄※2(興除営業所担当のバス路線のみ利用可能)
※1:神姫バス・神姫ゾーンバスが発行するNicoPaは他のPiTaPaエリアでは利用不可。
※2:岡山電気軌道・両備バス・下津井電鉄が発行するHarecaは他のPiTaPaエリアでは利用不可。
[編集] チャージでの利用路線
[編集] 利用割引
[編集] 交通料金割引
PiTaPaはポストペイ(後払い式)のため、利用実績により割引額を決める事が可能である。これを利用して下記の様に各社でいろいろな割引サービスを実施している。注意しなければならないのは、これらの割引が利用した交通機関によって決まり、使用したカードの種類には関係ない事である。例えば、「HANA PLUSカード」で大阪市営地下鉄を利用した時は、大阪市交通局の利用額割引が適用される。当然ながら、PiTaPaと相互利用しているだけの「ICOCAカード」を使用した場合には、これらの割引サービスは適用されない。
当初設定された割引サービスは割引率が中途半端で、利用頻度が低い時は回数券(平日昼間用や土休日用などは特に割引率が高い)の方が、頻度が高い時は定期券の方がお得になってしまっていてPiTaPaの利用者が伸び悩んでいる一因と言われていたが、IC定期券の登場でひとまず後者は解決しつつある。
- 利用額割引(事前登録不要)
- 1ヶ月の利用額に応じて自動的に割引が適用されるサービス。例えば大阪市交通局では1,000円を超えた利用額から割引が適用されるので、利用頻度がそれ程高くなくても割引の恩恵が受けられる。利用額割引は社局ごとの利用額に対して、各社局の割引率により割引が行われる※。なお、Harecaエリアは一つの社局とみなされ、Hareca導入各社の利用額の合算に対して割引が適用される。
- 大阪市交通局は学生向けに一般の利用額割引よりも割引率の高い「学生割引」サービスを用意している。
- ※利用額割引が使用できる全社局の合計利用額ではなく、社局ごとの利用額に対して社局ごとの割引が適用される。
- 利用回数割引(事前登録不要)
- 同一運賃区間の乗車回数により自動的に割引が適用されるサービス。割引率などは交通機関によって異なるが、11回目から10%割引になる交通機関が多い。
- 区間指定割引(事前登録必要)
- 事前にある1区間を登録しておくと、その区間内を1ヶ月間に何回乗り降りしても1ヶ月定期旅客運賃を超えないサービス。その1ヶ月間の利用料金が1か月定期旅客運賃未満の時は適用されないので、利用回数が少ない時は運賃が節約される。
- また、1ヶ月定期券を買うよりも3ヶ月定期券を買う方が割安になるのと同様に、このサービスには「連続適用割引」というサービスも同時に適用される。区間指定割引が2ヶ月以上連続して適用された場合は、適用期間に応じて1ヶ月あたりの基準額が割引されるというものである。
- IC定期券(事前申込必要)
- 磁気定期券と同等の割引が適用。1・3・6ヶ月の各期間で設定。磁気定期券ではできなかった紛失時の再発行が可能。現時点で連絡定期券は阪急と能勢電の間のみ利用可能。券面表示が必要になるため、HANA PLUSなどのクレジットカード一体型の場合は裏面に印字するため取り替えが必要(無料)となるが、単独型や分離型の場合は表面に定期券情報を印字する。
- 各交通機関と主な割引サービス
-
事業者名 利用額割引 利用回数割引 区間指定割引 IC定期券 阪急電鉄 × ○ ○ ○ 能勢電鉄 × ○ ○ ○ 京阪電気鉄道 × ○ ○ × 大阪市交通局 ○ × × × 阪神電気鉄道 × ○ × ○ 大阪モノレール × ○ ○ × 北大阪急行電鉄 × × × ○ 阪急バス ○ × × × 南海電気鉄道 × ○ × 2007年春~ 泉北高速鉄道 × ○ × 2007年春~ 山陽電気鉄道 × ○ × 2007年春~ 神戸高速鉄道 × ○ × 2007年春~ 神戸新交通 ○ × × 2007年春~ 神戸市交通局 ○ × × 2007年中 岡山電気軌道※1 ○ × × ※2 両備バス※1 ○ × × ※2 下津井電鉄※1 ○ × × ※2
※1:3社の利用額の合算で利用額割引を適用。
※2:2007年秋頃にHareca対応のIC定期券を導入予定。
[編集] ショッピング割引
PiTaPaでショッピングを行うと、ショップdeポイントが貯まる。100円につき1ポイント貯まるのが基本だが、100ポイントで10円の割引なので割引率は0.1%となり、通常のクレジットカードのポイントより割引率が悪い。但し利用店によっては5倍(100円で5ポイント)のところがあったり、期間限定の10倍キャンペーンを実施したりしている。
[編集] 利用状況
[編集] 発行枚数
カード名 | 発行枚数 | 備考 |
---|---|---|
PiTaPa全体 | 500,000 | 2006年9月25日現在 |
PiTaPaベーシックカード | 13,000 | 2005年4月11日現在 |
HANA PLUSカード | 143,000 | 2006年2月中旬現在 |
e-kenet PiTaPaカード | 145,000 | 2006年2月中旬現在 |
KOBE PiTaPaカード | 15,000 | 2006年9月下旬現在 |
OSAKA PiTaPaカード | 44,000 | 2006年4月末現在 |
CoCoNet PiTaPaカード | 3,000 | 2006年1月末現在 |
[編集] 利用率
- PiTaPa利用者数(平日)
- 約60万人/日(2006年8月24日現在)
- 改札通過人数に対する利用比率
- 阪急電鉄…約3.8%(2006年1月30日現在)
[編集] 問題点・今後の課題
- スルッとKANSAI対応カードやJR西日本のICOCAに比べると利用者が少ない[要出典]。以下の様な理由が考えられる。
- 後払い式のため、券売機などで即購入が可能なスルッとKANSAI対応カードやSuica、ICOCAなどのプリペイドカード(前払い式)と異なり、クレジットカードと同様に申込・審査が必要で発行に2~3週間程度を要する。
- 開始当初はIC定期券制度がなく(2006年7月1日から阪急、阪神など一部の社が導入したが)、区間指定制度は1ヶ月定期を基準にしているため、3ヶ月もしくは6ヶ月定期と比較すると結果的に割高となる事が多く、定期券利用者の取り込みに失敗していた。
- 開始当初は対応エリアが上記の通り少なく、未対応社局での利用はスルッとKANSAI対応カードが結局手放せないなど、申し込む動機に乏しかった。
- 発行元によっては提携クレジットカードと抱き合わせである事を敬遠するケースがある。純粋にPiTaPa機能オンリーのベーシックカードも用意されているが、広報が少なくあまり知られていない。
- 1年間一度も使用しなかった場合は、PiTaPa維持管理料が1人(1枚)1,050円徴収されるため、取りあえず派は敬遠する傾向[要出典]がある。
- 子供・学生一人だけの利用が出来ない。子供・学生が利用するには満18歳以上の本会員が利用登録する必要がある。なお、未成年者が本会員として利用するには親権者の同意が必要である。
- 割引に関して、現在各社が発売している回数券などと比較すると劣る。
- IC定期券機能については4社が2006年7月1日から導入している。但し連絡定期券は阪急・能勢電間のみで、他社間は準備中という事ではあるが、JR西日本に関しては不明である。
- 相互利用に関してICOCA電子マネーサービスなど一部非対応部分(その逆も然り)が存在する。
- 利用限度額が交通利用には高い設定であるにも関わらず、紛失時の補償などが薄い点に不安がある。
- 既に一般のクレジットカードが使える店舗に積極的に導入するなど、加盟店開拓に疑問点が残る。これらの多くはPiTaPaの業務を請け負っている三井住友カードが、自社が推進するiDと並行して売り込んでいる影響である。ちなみに先述の経緯から決済端末は共用となっている。なおiD加盟店全てがPiTaPaにも加盟しているわけではない。
- JR西日本の利用においてはプリペイド扱いとなり、あらかじめチャージが必要だが、これを理解していないユーザーが少なくなく、JR西日本の駅で良くトラブルを起こしている。また、「SuicaとICOCAが相互利用できる」「ICOCAとPiTaPaが相互利用できる」事から、現状では利用できないJR東日本のSuicaエリアでも相互利用できると誤解してトラブルになる例も起きている。いずれもPiTaPa側の周知が不十分な事が原因であり、JRの現場からは評判が悪い様である。
- プリペイド仕様PiTaPaも規約上は発行可能なので、発行を望む声もあるが、現状ICOCAで代用できるため、あまりニーズは大きくない(メリットがあるとすれば、IC定期券、ショッピングサービスの利用、交通料金割引の登録・適用ぐらいか?)。
- 2006年10月現在、おサイフケータイには対応していない。
- PiTaPaのおサイフケータイ対応に関しては、スルッとKANSAIの関係者から
- Felicaと携帯電話を連動させたチャージや残金確認の機能はPiTaPaに必要ないため、おサイフケータイ対応する動機に乏しい。
- 公共交通機関利用を促進するサービスを提供する手段として PiTaPa がおサイフケータイに対応する可能性はある。
- とのコメントが発表されている[1]。
- 利用エリアが随時拡大しているが、現状ではかつてのスルッとKANSAI対応の磁気カードでも発生していた「3社連続乗車の壁」が一部の場合で発生している。(例:能勢電鉄→阪急電鉄→神戸高速鉄道と途中下車無く利用した場合は、神戸高速鉄道の改札を通れない)
現在でもスルッとKANSAI対応カードの方が利用者が多いが、エリア拡大によって申し込みが加速しているとの報道もあり、各種課題を解消して利便性を向上する事によって利用者が増える事が予想される。しかしスルッとKANSAI加入している鉄道・バス会社の中でも採算の厳しい所も多く、これ以上の拡大(既に導入が決定された会社は除く)は極めて難しいと考えられる。特に、発足当初は「とりあえず自動改札機だけ対応すればよいので、導入コストがプリペイド式ICカードに比べて安い。」というのがPiTaPaの特徴であったが、プリペイド式のICOCAが相互利用できるようになったことで最低でもICカードに対応した精算機、または簡易チャージ機の設置が必要となった。このことが結果的に導入コストを上げてしまう要因になっている。
[編集] 今後の拡大予定
- 2007年2月1日
- 2007年春
- 2007年春以降
- 静岡鉄道・しずてつジャストライン(*)
- 2007年度中
- 京阪バス(高槻営業所より順次導入)
- 2008年春
- (*):路線・営業所毎に順次拡大
- (**):一部路線を除く
- ※奈良交通・エヌシーバス・静岡鉄道・しずてつジャストラインはスルッとKANSAI未導入で且つPiTaPaのみ導入の事業者である。
[編集] 導入事業者・発行カード一覧
以下の事業者がスルッとKANSAI協議会と共同で発行している他、協議会単体でPiTaPaベーシックカードを発行している。
[編集] 鉄道
事業者名 | カード名 | 発行元 | 導入日 |
---|---|---|---|
阪急電鉄 | HANA PLUSカード | 阪急カード | 2004年8月1日 |
能勢電鉄 | HANA PLUSカード | 阪急カード | 2004年8月1日 |
京阪電気鉄道 | e-kenet PiTaPaカード | 京阪カード | 2004年8月1日 |
大阪市交通局 | OSAKA PiTaPaカード | 大阪市交通局協力会 | 2006年2月1日 |
阪神電気鉄道 | CoCoNet PiTaPaカード | 阪神電気鉄道 | 2006年2月1日 |
大阪モノレール | HANA PLUSカード | 阪急カード | 2006年2月1日 |
北大阪急行電鉄 | HANA PLUSカード | 阪急カード | 2006年2月1日 |
南海電気鉄道 | minapitaカード | 南海電気鉄道 | 2006年7月1日 |
泉北高速鉄道 | minapitaカード | 南海電気鉄道 | 2006年7月1日 |
神戸高速鉄道 | KOBE PiTaPaカード | KOBEカード協議会 | 2006年7月1日 |
神戸新交通 | KOBE PiTaPaカード | KOBEカード協議会 | 2006年7月1日 |
山陽電気鉄道 | KOBE PiTaPaカード | KOBEカード協議会 | 2006年7月1日 |
岡山電気軌道※1 | (PiTaPaカードは未発行) | 2006年10月1日 | |
神戸市交通局 | KOBE PiTaPaカード | KOBEカード協議会 | 2006年10月1日 |
北神急行電鉄 | KOBE PiTaPaカード | KOBEカード協議会 | 2006年10月1日 |
近畿日本鉄道 | KIPS PiTaPaカード | KIPS協議会 | 2007年春予定 |
静岡鉄道※2 | LuLuCa(未定) | しずてつカード事務局 | 2007年春予定 |
神戸電鉄 | KOBE PiTaPaカード | KOBEカード協議会 | 2007年春以降予定 |
京都市交通局 | (未定) | 2007年春以降予定 |
※1:岡山電気軌道は、岡山電気軌道・両備バス・下津井電鉄の岡山地区の鉄道・バス事業者3社で利用可能のプリペイド式ICカードHarecaを導入。
※2:静岡鉄道はしずてつジャストラインが発行するICカードLuLuCaを導入するが、現時点ではPiTaPaカードを静岡鉄道で使用する事はできない。
[編集] バス
事業者名 | カード名 | 発行元 | 導入日 |
---|---|---|---|
大阪市交通局 | OSAKA PiTaPaカード | 大阪市交通局協力会 | 2006年2月1日 |
阪急バス | HANA PLUSカード | 阪急カード | 2006年2月1日 |
神姫バス※1 | (PiTaPaカードは未発行) | 2006年2月1日 | |
神姫ゾーンバス※1 | (PiTaPaカードは未発行) | 2006年2月1日 | |
大阪空港交通 | (PiTaPaカードは未発行) | 2006年10月1日 | |
岡山電気軌道※2 | (PiTaPaカードは未発行) | 2006年10月1日 | |
下津井電鉄※2 | (PiTaPaカードは未発行) | 2006年10月1日 | |
両備バス※2 | (PiTaPaカードは未発行) | 2006年10月1日 | |
しずてつジャストライン※3 | (未定) | しずてつカード事務局 | 2007年春予定 |
奈良交通※4 | (未定) | 2007年春予定 | |
エヌシーバス※4 | (未定) | 2007年春予定 | |
京阪バス | (未定) | 2007年予定 | |
京阪京都交通 | (未定) | 2008年予定 |
※1:神姫バス・神姫ゾーンバスは、2社のみで利用可能のプリペイド式ICカードNicoPaを導入。
※2:岡山電気軌道・下津井電鉄・両備バスは、3社のみで利用可能のプリペイド式ICカードHarecaを導入。
※3:しずてつジャストラインは自社路線専用のICカードLuLuCaを既に導入しているが、現時点ではPiTaPaカードをしずてつジャストラインで使用する事はできない。
※4:奈良交通とエヌシーバスは2社のみで利用可能なICカードCI-CAを既に導入しているが、現時点ではPiTaPaカードを奈良交通およびエヌシーバスの路線で使用する事はできない。
[編集] その他のカード
発行元 | カード名 | 事業者名 | 備考 |
---|---|---|---|
(株)スルッとKANSAI | PiTaPaベーシックカード | スルッとKANSAI協議会 | 三井住友カードが事務代行 |
阪急カード | ペルソナ HANA PLUSカード | ペルソナ | |
タカラヅカレビュー HANA PLUSカード | 宝塚友の会 | ||
阪急第一ホテルグループ HANA PLUSカード | 阪急第一ホテル | ||
HANA PLUS+sai-caカード | 池田銀行 | (2007年春開始予定) | |
全日本空輸 | ANA PiTaPaカード | 全日本空輸 | ANAカードと紐付け |
三井住友カード | 三井住友PiTaPaカード | 三井住友カード | 三井住友VISA/Masterカードと紐付け |
南海電気鉄道 | KANKU CLUBカード | 関西国際空港 | |
関西電力 | はぴe PiTaPaカード | 関西電力 | はぴe VISAカードと紐付け |
[編集] PiTaPaショッピングサービス
[編集] 利用可能店舗
電子マネーとして、主に以下の店舗で利用可能である。(2006年9月1日現在10,000店舗以上)
- コンビニエンスストア
- 駅売店
- ivy SHOP
- SECOND POCHE(京阪売店・一部店舗未対応)
- nasco(一部店舗のみ)
- 家電量販店
- 百貨店
- スーパーマーケット
- 【5倍】 成城石井(大阪府の一部店舗のみ)
- イケチュー
- 100円ショップ
- ザ・ダイソー(一部店舗のみ)
- 飲食店
- 酔虎伝/八剣伝/居心伝
- 養老乃瀧(一部店舗のみ)
- がんこ
- 千房
- シアトルズベストコーヒー
- 神戸屋レストラン(阪神エリアの店舗のみ)
- 【5倍】 フレッズベーカリー/フレッズカフェ
- 書籍・CD
- ドラッグストア
- ドラッグセガミ(一部店舗のみ)
- 【5倍】 カラーフィールド/カラーフィールドリラックス
- クリーニング
- 白洋舎(関西の一部店舗のみ)
- ライフクリーナー
- 眼鏡
- コンタクトレンズギャラリー
- カー用品
- 駐車場
- 日本駐車場開発(京阪神地区の一部のみ)
- ホテル
- 神戸タワーサイドホテル
- アワーズイン阪急
- 商店街・地下街など
- 天神橋筋商店街
- 道頓堀極楽商店街
- ハービスエント
- 新梅田食堂街(一部店舗のみ)
- アジア太平洋トレードセンター
- メトロこうべ
- モザイク(MOSAIC)
- ミント神戸
- 富山県福光商店街
- ひろしまお好み物語 駅前ひろば
- 沖縄県北谷町飲食業組合加盟店舗
- 空港
- 文化施設
- 観光施設
- 海上交通
- 神戸・関空ベイシャトル・ジャンボフェリー(いずれもショッピング扱い)
- 自動販売機
- 近畿コカ・コーラボトリング(シーモ2の一部が対応)
- サントリー・サントリーフーズ
(注)リスト中の【5倍】は通常の5倍のショップdeポイントがもらえる。
[編集] トラブル
2004年10月1日の電子マネー機能のサービス開始日に利用対応の約200店のうち約160店で端末機が動作せずサービスを利用できないというトラブルが発生した。その影響は翌2日の午後まで続いた。
[編集] 関連項目
- オクトパス
- Suica(2006年度以降相互利用開始予定)
- ICOCA
- TOICA
- NicoPa
- CI-CA
- Hareca
- LuLuCa(2007年春相互利用開始予定)
- グーパス - PiTaPaで乗車時にEメールを受け取れるサービス
- PASMO(2007年度以降相互利用開始予定)