JR北海道ナハ29000形客車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

ナハ29000形客車（ナハ29000がたきゃくしゃ）は、北海道旅客鉄道（JR北海道）が2000年・2002年に製作した雑形客車である。

[編集] 概要

ナハ29000形29001（苗穂駅にて2006年11月撮影）

ナハ29000形29002（苗穂駅にて2006年11月撮影）

JR北海道が各地で運行するトロッコ列車「ノロッコ号」の編成増強、各地でのイベント列車への充当のため、座席にバーベキュー用の調理設備を設けた車両「バーベキューカー」として企画され、2000年と2002年に各1両が苗穂工場で製作された。

いずれも、道内で「カートレイン」に使用されていた高速貨車ワキ10000形からの改造である。

なお、形式番号の29000はバーベキューの主材料である肉にかけた語呂合わせである。

[編集] 構造

車体は貨車時代の側面構造をすべて撤去し、ノロッコ号用の車両に準じた形状のポリカーボネート製簡易窓を取り付けている。妻面はカートレイン時代の大型扉を撤去し、旅客車用の貫通路と窓を設けている。ナハ29002では50系客車と同様の1m幅片開き式客用扉を設けた。

車内は電気式ホットプレート付のテーブルをはさんだ4人掛けのボックスシートを設ける。当初は炭火の使用も検討されたが、防火上の見地から電気式のホットプレートとされた。このほか、冷蔵ショーケースや手洗い設備の他、電源装置や非常口も設けられた。各種設備の配置はナハ29001とナハ29002で異なり、外観には大きな差異がある。

車体には"BARBECUE CAR"のロゴと、食材や調理用具をあしらったパターンが描かれている。