DRAGON QUEST -ダイの大冒険-
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
DRAGON QUEST -ダイの大冒険- | |
---|---|
漫画 | |
原作 | 三条陸 |
作画 | 稲田浩司 |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊少年ジャンプ |
レーベル | ジャンプコミックス |
連載期間 | 1989年第45号 - 1996年第52号 |
巻数 | 37 |
話数 | 344 |
テレビアニメ | |
キャラクターデザイン | 長岡康史 |
製作 | 東映動画、TBS |
放送局 | TBS系列 |
放送期間 | 1991年10月17日 - 1992年9月24日 |
話数 | 46 |
ウィキポータル |
日本の漫画作品 |
日本の漫画家 |
漫画原作者 |
漫画雑誌 |
カテゴリ |
漫画作品 |
漫画 - 漫画家 |
プロジェクト |
漫画作品 - 漫画家 |
『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』(ドラゴンクエスト ダイのだいぼうけん)は、三条陸(原作)と稲田浩司(作画)による冒険ファンタジー漫画、およびそれに基づいたアニメ作品。
- 登場人物についてはDRAGON QUEST -ダイの大冒険-の登場人物を参照。
- 本作に登場する呪文(魔法)と必殺技については、DRAGON QUEST -ダイの大冒険- の呪文・技を参照。
目次 |
[編集] 概要
テレビゲームのドラゴンクエストシリーズの世界観を元にした漫画作品で、ストーリーは本作オリジナルである。
まず1989年に読切作品『デルパ!イルイル!』(全2話)と『ダイ爆発!!!』(全3話)が週刊少年ジャンプ(集英社)に掲載され、その後、それらとストーリーとしての連続性を持った形で1989年から1996年まで『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』として同誌にて連載された(全344話)。単行本は全37巻。2003年から2004年にかけて文庫化もされた(全22巻)。また、『JUMP COMICS PERFECT BOOK 1』と題するパーフェクトブックも1995年に刊行されているが、連載中の刊行のため全ての内容を網羅しているわけではない。アニメ化(テレビシリーズ、および劇場版3本)もされた。
タイトルロゴは、連載開始当初は『DRAGON QUEST』の方が強調されていたが、アニメ版のロゴがサブタイトルであった『ダイの大冒険』を強調したものになったことに合わせて、原作側もアニメ版と同じものに変更した。ただし、単行本・文庫版のロゴは旧来のままである。
ドラゴンクエストシリーズのゲームで登場する呪文のほか、ゲームに登場しないオリジナルの技や呪文も登場し、その中には「メドローア」など後のゲーム作品で採用された呪文・技も存在する(呪文・技の項を参照)。
[編集] 作品の魅力
[編集] 高い完成度
本作は単行本にして全37巻に及ぶ壮大な物語である。一話完結のエピソードは連載前の読み切り分やアバンの外伝的エピソードを除いてほとんど存在せず、いわゆる横道やパロディを混ぜることもなく、最初から最後までがひとつの物語として数珠繋ぎになっており、まさしくオリジナルであるテレビゲーム版の同タイトルをプレイするかのごとくである。 ただオリジナル性が強いため、ドラクエの呪文などの設定をそのまま横流ししただけのドラクエとは全く関係の無い娯楽作品ととらえることも可能。ネガティヴな意見ではあるが、ドラクエの一作品としての評価は「ロトの紋章」にはとても及ばないことは事実である。こうすると初動人気を確保するためにドラクエの名を使ったとも言えそうであるが、それはなさそうである。
また、構図に関しても、初期から安定した画力で読みやすい。特に稲田浩司の作品は、緻密な完成度で定評がある。主にシナリオを担当する三条陸と、漫画を担当する稲田浩司の息の合ったコンビに、堀井雄二の監修が成せる業と言える。
作品全般を俯瞰して見た場合でも伏線や謎解きの要素も十分にあり、近年の冒険漫画作品としては指折りの完成度を誇る。また、アニメが早期打ち切りになっても、漫画では『週刊少年ジャンプ』で当時連載されていた『DRAGON BALL』と二分する人気があったりと珍しい作品である。
[編集] ポップの存在
主人公はダイであるが、読む者それぞれが様々な登場人物に特別な思い入れを持てるほど、キャラクターとその成長が濃密に描ききられている。中でも特に三条が描きたかったのはポップと言われている。三条はポップを設定して彼に「読者視点でダイを見守る役割」と「ダイでは果たせないより強い成長」を演じさせて「勇者ではないただの人間でも戦える」事を表現しようとした。
ところが連載初期においてポップの弱さと情けなさは読者の反感を買い、担当編集すらも「ポップを殺しましょうよ」と進言してしまう始末。三条は慌ててポップの作品の中での重要性を説き、担当編集を必死に説得し、ポップをかばったというエピソードがある。事実、作品内の最終決戦ではポップが「ダイに勇気を与える」意味で対大魔王戦の大きなキーパーソンとなっている。詳細はDRAGON QUEST -ダイの大冒険-の登場人物のポップの項を参照。
[編集] 設定の逆輸入
この作品に登場する「グランドクルス」「ギガブレイク」「メドローア」などの必殺技は、本家のドラゴンクエストシリーズ(『モンスターズ2』『VIII』)にも採用された。
[編集] 奇跡のインフレ
本作は他のジャンプ作品と違い比較的すっきりとした終わり方になっている。そのため、辻褄が合わない部分や伏線の未消化といったことはかなり少ない。しかし、一部の点については現在でもネットで話題になる事がある。これは、大魔王を倒した後に通称「魔界編」として物語が続く予定だった名残りである。それがJUMP REMIXの三条に対するインタビューで明らかになった為、魔界編を望む声もあるが、現在月刊誌で連載中の『冒険王ビィト』がかなりの長期連載を見据えた構成になっている事もあり、実現は難しいと見られている。
ただ、この作品には奇跡が数え切れないくらい起きていて(特に最終戦)、「奇跡が起こりすぎてもう奇跡でなくなっている」という評も一部にある。また、ダイたちがデルムリン島を出発してから最終戦までの期間、これがわずか3ヶ月間であったことに対して疑問を抱くファンも少なくない。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
勇者ダイが、アバンの使徒としてポップやマァムら仲間たちと共に魔王打倒の旅に出、大魔王バーンの手下たちと戦っていくというストーリーである。
怪物の島デルムリン島で、鬼面道士ブラス老に育てられながら勇者を目指す主人公の少年ダイ。ある日、かつて魔王ハドラーを倒した伝説の勇者アバンが弟子ポップを連れてデルムリン島を訪れた。ダイはアバンと出会い、束の間ではあるが弟子入りしてその能力を開花させる。
しかし、そこに復活した魔王ハドラーが襲撃し、アバンは弟子を護るために散った。しかし、ダイの額に奇妙な紋様が浮かび、謎の力が解放されて、超絶のパワーでハドラーを撃退した。ダイは実は伝説の戦士、「竜の騎士」であることが明かされる。
アバンに倒された魔王ハドラーは、実はさらに恐るべき力を持つ大魔王バーンの力で蘇り、地上を制圧するために新たな魔王軍が編成されたという。ダイはポップとともにデルムリン島を出て、大魔王を倒すことを決意し、船出した。大陸でダイ、ポップはマァム、レオナらと出会い、魔王軍のクロコダイン・ヒュンケルを仲間に加え、時には戦い、長い冒険へと旅立つ。
[編集] 世界
本作はゲームとは全く無関係の世界が舞台である。世界は地上界、魔界、天界の三つで構成され、バランスを保っている。地上界に存在する四つの大陸および島のモデルは日本列島であると思われる。
[編集] 地上界
- ラインリバー大陸
- 地上界の南西部を占める大陸。モデルは九州と思われる。
- ロモス王国:日本地図では熊本県あたりに位置する国。武力は低いが、国民の団結心は強い。
- ネイル村:ロモス王国近辺にある農村。マァムの故郷。
- 魔の森:侵入者を迷わせる森。百獣魔団のテリトリー。
- ポルトスの町:ロモス北西に位置する町。ピラァ・オブ・バーンを投下され消滅した。
- ソフィアの港:劇場版『起ちあがれ!!アバンの使徒』の舞台となった港。
- ホルキア大陸
- 地上界の南東部を占める大陸。モデルは四国と思われる。ただ、地底魔城崩壊後に打ち上げた花火が見えることや、ポップが魔の森からルーラ(マトリフに弟子入りした時)した時、パプニカの町からマトリフの洞窟まで歩いた事などを考えると、大陸はおろか四国より小さい島と思われる。
-
- パプニカ王国:世界有数の美しい町並みを誇る国。不死騎団によって滅ぼされたがダイ一行の活躍により魔王軍を駆逐して復興、後に王女レオナの呼びかけでサミットが開催された。
- 地底魔城:かつてのハドラーの居城。後に不死騎団のアジトとなった。
- バルジ島:ホルキア大陸の北東部に浮かぶ島。モデルはおそらく淡路島。中央部にパプニカ王国の拠点となるバルジの塔、大陸との間の海峡にはバルジの大渦(鳴門海峡の渦潮がモデルか)が存在する。
- ベルナの森:パプニカ西部の森。劇場版『ぶちやぶれ!!新生6大将軍』において、最終決戦の舞台となった。原作においてもピラァ・オブ・バーンを投下され消滅した地域として、名前のみ登場した。
- ギルドメイン大陸
- 地上界の中心に位置する最大の大陸。モデルは本州と思われる。
- 中央部
- ベンガーナ王国:世界最大の貿易大国。日本地図では大阪府あたりに位置する。武力、経済力とも世界トップクラスで、世界で唯一デパートが存在する。
- テラン王国:竜の神をあがめる小国。日本地図では京都府あたりに位置する。徹底した平和主義、自然主義の国であるが、そのために国民が数十名にまで減少するなど国力は衰退していった。
- ランカークス村:ベンガーナ、テランからやや東方に位置する村。ポップの故郷。
- アルゴ岬:ベンガーナ南端の岬。代々竜の騎士が体力の回復を行う「奇跡の泉」が存在する。
- アルキード王国:かつてギルドメイン大陸南端の半島(日本地図では紀伊半島辺りに該当)に存在した国。竜の騎士バランの怒りに触れ、半島ごと消滅した。
- 西部
- カール王国:世界最強の騎士団を擁する国。日本地図では広島県あたりに位置する。超竜軍団の攻撃で壊滅した。アバンの故郷。
- サババ:カール王国の北部に位置する漁港。
- 破邪の洞窟:数々の呪文が秘められた伝説の洞窟。『トルネコの大冒険』のダンジョンがモデル。
- ロロイの谷:カール北部山脈地帯における唯一の平野。最終決戦の舞台となった。
- 東部
- リンガイア王国:かつては城塞王国と呼ばれた国。日本地図では青森県あたりに存在する。超竜軍団によって壊滅し、後にピラァ・オブ・バーンまで投下された。
- ギルドメイン山脈:鬼岩城が隠されていた山脈。
- マルノーラ大陸
- 地上界北部を占める大陸。モデルは北海道と思われる。
- オーザム王国:世界最北の国。氷炎魔団によって壊滅し、復興の目処は立っていない。
- 死の大地
- 世界最北に位置する島。生物の気配が全く無い不毛の大地。大魔宮バーンパレスが隠されていた。
[編集] その他の世界
- 魔界
- 地上界の地下深くに存在し、魔族と竜が支配する世界。地上界の太陽の光が届かず(魔力で作られた光源用の魔界の太陽は存在)、見渡す限りの不毛の大地が続く。
- 天界
- 神々と精霊の住まう世界。どこに存在するのかは明かされていない。
[編集] アイテム
[編集] 武器・防具
- パプニカのナイフ(ダイ、レオナ)
- パプニカ王家に伝わる三振りの短剣。堅い殻をもつ魔のサソリも斬ることができるかなりの業物。三振りのうち太陽のナイフをレオナがダイに贈ったが、「竜の騎士」の力に目覚めたダイの闘気に耐え切れず消滅してしまう。その後もう一振りの風のナイフを贈られ、サブウエポンとして装備するが、最終決戦ではレオナに返却され、彼女が使用した。なお3本目の海のナイフは行方不明のレオナの父であるパプニカ国王が持っていた為所在不明。
- 魔弾銃(マダンガン)(マァム)
- アバン作の銃。弾丸に魔法を充填して発射する。攻撃魔法だけでなく回復・補助系魔法等も充填し離れた相手に効果を打ち込むことができ、その活用範囲は広い。フレイザード戦の際氷漬けにされたレオナを救うために二発分の閃熱呪文(もともとギラが入っていたところに、ベギラマを追加した)を込めた弾丸を撃った結果、壊れてしまった。この銃の破損が、マァムが武道家を志すキッカケとなる。
- 真空の斧(クロコダイン)
- 真空系呪文の力を持った斧。一度バラン戦で破壊された後、バダックじいさんにより修復されて名前が「帰ってきた真空の斧MARK-II」となる。その後、バーン戦で再び破壊された。
- 鎧の魔剣(ヒュンケル、ダイ)
- ロン・ベルク作の剣にして、刀身が消滅しない限り何度傷ついても再生する「不滅の武具」。刀身に比べてかなり大きい鞘は「鎧化(アムド)」の声に反応して装着者を覆う鎧と化す。性質上鎧化した状態だと鞘がなくなるが、兜に装着する事によって刀身が鎖状になって持ち歩く事が出来る(この鎖状になった刀身を攻撃に使用した事もあった)。火炎・真空・閃熱・氷系といった大半の攻撃呪文が通用しない材質で作られている為、魔法使い相手でも多大な戦闘力を発揮できる。ただし電撃系呪文(金属という材質上)・メドローア・補助呪文(マヌーサなど)は例外。対バラン戦でダイが刀身を使用したが、竜闘気を込めた全力の一撃で刀身が消滅してしまい、再生できなくなった。鎧の魔槍と比較して防御力が優れているものと思われる。
- 「鎧化」の声による反応や鎧の装着のされ方は稲田の師匠筋に当たる桂正和や黒岩よしひろの影響を色濃く受けているものと思われる。
- どたまかなづち(なし)
- 鉄兜の上に大きな鎚頭がついており、頭突きの要領で攻撃する。フレイザード戦後のパプニカの武器屋では最も強力だったが(店主談)、余りの格好悪さにダイは遠慮した。ジャンクの店でも入荷している。
- へんなベルト(ポップ)
- 正式名称不明。ポップがマトリフのお下がりでもらった、バックルにマトリフ(というよりドクターマシリト)の顔が彫ってあるダサいベルト。一度装着すると簡単には外れない。どうやって外したかは不明。
- 輝きの杖(ポップ)
- へんなベルトとともに、マトリフから貰った魔法使い用の杖。
- 騎士の鎧(ダイ)
- ベンガーナのデパートで3800Gにて購入した鎧。防御力は高かったが、ダイの体格にはあまりのも不釣り合いであったため動きづらく、結局分解していくつかのパーツのみを装備し直した。
- 真魔剛竜剣(バラン、ダイ)
- 神々が鍛えしオリハルコン製の剣。正当なる竜の騎士の武器。再生能力を持ち、折れたとしても時を経て再生することができる。最後はダイを真の竜の騎士と認め、ダイの元に飛んでくる。力尽きたダイは真魔剛竜剣の刃に当った太陽の光に母の姿を見た。
- 鎧の魔槍(ヒュンケル、ラーハルト、アバン)
- ロン・ベルク作の槍にして「不滅の武具」。本体以外の部分は「鎧化(アムド)」の声に反応して装着者を覆う鎧と化す。鎧の魔剣に比べると軽装になった分攻撃性を追及されており、両手や胸などにいくつか隠し武器が仕込まれており(左手・ブーメラン、右手・アバンが使用した剣、胸・短剣など)、あらゆる体勢から攻撃できるようになっている。鎧の魔剣より軽装だが同じ材質であるため、上手く使用すれば同様に大半の呪文を無効化することが出来る(作中、呪文で攻撃される事はあまりなかったが)。
- 覇者の剣(ハドラー)
- ロモス王国武術大会で優勝賞品として出されたオリハルコン製の剣。同大会を発案して利用しようとしたザボエラの息子ザムザの手によってハドラーに献上され、超魔生物以後の彼の武器となる。優勝賞品として出された剣はザムザによってすりかえられた偽物であったが、それでもダイが竜闘気を込めた攻撃でザムザを倒すほどの威力はあった。(パプニカのナイフは敵にダメージを与えることも出来ずに消滅した)本物の覇者の剣はハドラーとダイの最後の戦いの際に破壊された。
- ダイの剣(ダイ)
- ロン・ベルク作の、オリハルコン製の剣。命が宿っており、剣自体が使われるべき時だと判断するまで鞘から抜く事もできない。かつてロモス国王がダイに贈ったオリハルコン製の「覇者の冠」が材料に使われた(元が冠の割には大きいが…)。バーンとの最初の対決で損傷するが、ロン・ベルクが修復。修復後は、魔法剣使用の際に刀身に呪文を纏わせた後、一度収める事で纏わせた呪文の威力を最上級クラスにまで増幅させる特別な鞘が追加された。ダイ専用の武器でダイ以外の者には扱えない。剣に埋め込まれた魔法玉はダイの闘気に反応して輝く。なお、ダイが死ぬと魔法玉の輝きも消えて剣の命も失われる。
- 死神の笛(キルバーン)
- 笛にもなる大鎌。回転させることで敵の五感を一時的に麻痺させる音波を発生させる。
- 光魔の杖(バーン)
- ロン・ベルク作の杖。装備者の魔力を吸収し光の刃と変えて先端より噴き出す。基本的にはゲームのドラゴンクエストシリーズでお馴染みの「理力の杖」と同じ。理力の杖の場合は誰が使っても同じだが、この光魔の杖は威力に上限が無いため、装備者の魔力を無尽蔵に吸い取るリスクを持つが、使用者の保持魔力が高ければ高いほど攻撃力が増す。バーンが振るった場合は最硬金属オリハルコンの剣を叩き切れるほどの威力を見せ、ロン・ベルクをして「最強・最悪の武具」となってしまう。武器というよりも魔法力を攻撃力に変える装置であり、武器としての性能は低いのでロン・ベルクはこの武器が「最高の武器」とバーンに評されたことが不満でならなかった。
- ブラックロッド(ポップ)
- ロン・ベルク作の伸縮自在の杖。魔法力を吸収して破壊力に変える。基本的に光魔の杖と同じものであるが、魔法力を攻撃力に変換する効率はこちらの方がはるかに高い。
- 魔甲拳(マァム)
- ロン・ベルク作の手甲。「鎧化(アムド)」の声に反応して装着者の装備した側の半身を覆う鎧と化す。魔剣・魔槍同様の材質で出来ているので大半の呪文が鎧には通用しないため、マァムは助言どおり防御に適する左手につけた。鎧の肩部の一部がメタルフィスト(メリケンサック)となっており、それを右手に装備して戦う。
- グレイトアックス(クロコダイン)
- ロン・ベルク作の大戦斧。爆裂・閃熱・真空の3種の呪文の力を持つ。呪文発動の掛け声は「唸れ!○○(よ)!」。ちょっとしたアバンストラッシュ気分らしい。
- ○○:「轟火」<閃熱系>、「爆音」<爆裂系>。真空系は未使用の為不明。
- ズタズタヌンチャク(チウ)
- バダックがチウに作ってあげた、棘や刃が多数付いたヌンチャク。その刃は使い手自身を負傷させる代物だったが、チウはバダックの心遣いを酌んで敢えて使用した。
- シャハルの鏡(シグマ、ポップ)
- あらゆる攻撃呪文を跳ね返す伝説の武具(盾)。
- 星皇剣(ロン・ベルク)
- ロン・ベルクが自分専用に鍛えた一対の剣。未完成の試作品だった為、星皇十字剣使用後に砕け散った。
- 闇の衣(ミストバーン)
- ミストバーンが力と正体を隠すために着用していた衣。首飾り状のものを破壊すると真の姿が現れる。
- 魔王軍最強の鎧(アーマーフレイ)
- 鎧の魔剣、魔槍と同じ材質で出来た鎧。正式名称は不明。ダイたちに敗れたフレイザードに与えられたが、アバン流刀殺法の三要素を極め完成したアバンストラッシュの前に敗れ去った。後に鬼岩城襲撃の際にミストバーンによって魂が入れられ複数体投入されたが、ヒュンケルのアバン流槍殺法によって破壊された。
[編集] 道具
- 薬草
- 傷や体力を回復する薬。作中ポップが使用しているが、そのときはむしゃむしゃと食べるように服用した。ゲームのドラゴンクエストシリーズにも登場。
- 魔法の聖水
- 魔力を回復する水。ゲームのドラゴンクエストシリーズにも登場。
- 魔法の筒
- 大サイズであっても、中に物を入れることのできる小さな筒。先端を対象に向け「イルイル」の掛け声で対象を筒の中に封じ込め、「デルパ」の掛け声で中身を解放する。主にモンスターを封じ込めて持ち歩き、いざという時に解放して戦力とするのに使われる。基本的に許容量は一本につき一体だが、複数のモンスターを封じられる特別製も存在する。
- 魔法の玉(ザボエラ)
- 魔法の筒の改良型である巨大な玉。魔法の筒より遥かに上の許容量を誇る。最終決戦時にザボエラが中に魔界のモンスターを大量に封じ込めたものを複数隠しておき、フローラ達レジスタンスを罠に嵌めるのに使用した。ドラゴンクエストIIIに同名のアイテムが登場するが全くの別物。
- アバンのしるし(ダイ、ポップ、マァム、ヒュンケル、レオナ、(フローラ))
- アバンが修行を終えた弟子に卒業証書代わりに贈るペンダント(但し、レオナは修行を経ずにフローラから贈られ、後にアバンが追認した)。アバンが精製した「輝聖石」と呼ばれる貴重な石にチェーンを付けた物で、少しだけ戦闘時のダメージなどを軽減する。また、所有者の精神を高めると心の性質に応じた色の光を発する(レオナの「正義」の心に反応して白く光る、等)。輝聖石は、製法がアバンの家系にしか伝わっておらず、彼以外に作ることができない。ヒュンケルはこれのチェーンでラーハルトのハーケンディストールを受け止めた事がある。
- かつて魔王ハドラーに挑まんとしたアバンは、当時王女のフローラから貰った「カールの守り」の交換品として彼女に輝聖石のペンダントを贈っていた。
- 魂の貝殻(バルトス)
- 死に行く者の魂のメッセージを込められる巻貝の殻。バルトスはその死に際、地底魔城の隠し部屋に用意したこの貝にヒュンケルへの遺言(アバンとの約束や死の真相など)を込めた。それは15年後のダイとヒュンケルの戦いの最中、マァムによって見つけられ伝えられる事になる。
- ダサい爆弾
- 氷炎結界呪法を形成する炎魔塔・氷魔塔を破壊するためにバダックが2つ作った爆弾。「デザインがダサい」と一度マトリフにボツを食らったが、フレイザードに凍らされたレオナの生命力切れが迫ったため止む無く使用となる。それでも両塔を破壊するには十分な威力を持つ強力な代物であったが、ハドラー達の妨害に遭い、結局2つとも塔を破壊することはできなかった。
- 神の涙
- ゴメちゃんの正体。所有者の願いを叶えるという伝説の道具。破壊されると、それまで願いを叶え続けていた時間と同じだけの時間をかけなければ復元できない。デルムリン島でこれを発見したダイの「トモダチになってほしい」という願いを受け、以後ゴメちゃんとしてダイのそばにいた。
- ゴールドフェザー(アバン、レオナ)
- アバンが破邪の洞窟で作成した二種の羽の一つ。羽先が輝聖石の材料の一つ「輝石」で出来ており、呪文の威力を増幅させる力を持ち、アバンが破邪の秘法を行う時に使用する。他の用途として、敵に刺すことで動きを一時的に封じたり、遠距離からの牽制攻撃に使用する。
- シルバーフェザー(アバン、レオナ)
- アバンが破邪の洞窟で作成したもう一種の羽。羽先は輝聖石の材料の一つ「聖石」で出来ており、魔法力を蓄積させておくことができる。これに魔法力を溜めて対象者に刺す事で魔法力 (MP) を回復させることが出来る。アバンはこれに並の魔法使い2~3人完全回復できるほどの魔法力を溜めておいた。後にゴールドフェザーと共に持ち数の半分をレオナに渡す。
- アバンの書
- アバンが自ら編み出したアバン流の武術や呪法の知識などを記した手書きの本。1冊しか存在しない貴重品で、カール王国図書館の焼け跡からマトリフが見つけ出してダイ達に渡した。武術の「地の章」、呪文などの知識「海の章」、心の「空の章」の三構成。
- カールの守り
- アバンが魔王ハドラーと戦っていた頃、当時王女だったフローラより賜った一種の身代わりアイテムでカール王国の宝。メガンテが使われた時、所有者の命の代わりに砕ける。
- 獣王の笛
- チウがクロコダインの特訓を手伝った礼として貰った笛。吹くとモンスターが現れ戦闘になり、勝てば仲間にすることが出来る(「ドラゴンクエストV」の仲間モンスターシステムをアイテム化したもの)。クロコダインは獣王になるまで使用していた。チウはこれで獣王遊撃隊のメンバー(ゴメちゃん、ビーストくん、ヒム、入隊予定のバアラック2体を除く)を集めた。
- 黒の核晶
- 禁呪法を平気で扱う者でさえ恐れる、魔界の超強力爆弾。魔界の奥地にある魔法力を無尽蔵に吸収する「黒魔晶(こくましょう)」という物質を呪術で加工して作られる。手のひらサイズの小型爆弾一発で大陸一つが軽く消し飛ぶ程の威力を持つが、バーンは直径1メートルクラスの物を用意し、さらにそれを六発使って六芒星魔法陣を併用し威力を増幅させることにより地上そのものの消滅を狙った。かつてヴェルザーもバランと対峙したときに1回だけ使用したが、その一発で自分の勢力圏である大陸を失い、以後使用することはなかった。
- 起爆させる方法は原則として製作者の魔法力による指示だけだが、基本的に普通の爆弾と同じなので火力を使った呪文等で誘爆させる事も可能。ダイとバランは対ハドラー戦では誘爆を避ける為手加減して戦わざるを得なかった。また、ヒャド系の呪文であれば表層で凍るため爆発を阻止することが出来る。ハドラーの黒の核晶を爆発させたのはミストバーンだが、これは製作者のバーンの肉体を使ったため。
- 夢見の実
- ダイが最終決戦前夜にメルルから貰った、就寝前に食べると熟睡できる上にいい夢が見られるという木の実。ダイがこれを食べて眠ると、母ソアラと戯れた後に父バランが現れ、二人に見送られて戦場に向かう夢を見た(顔を知らないはずのソアラの夢を見られたのは、バランの記憶が竜の紋章と共にダイに受け継がれていたためと双竜紋発現時に判明)。
- 涙のどんぐり
- 文字通り雀の涙ほどの体力を回復することができる実。
[編集] アニメ
[編集] テレビ
1991年10月17日から1992年9月24日まで木曜日19:00~19:30、TBS系列で放映。全46話。
※2年目以降の放送も想定されていたが、TBSによる『ムーブ』の番組枠確保のため、打ち切りとなっている。
TBS放送の東映アニメ作品は本作以降作られていない。
[編集] スタッフ
- 原作:三条陸、稲田浩司(連載 週刊少年ジャンプ)
- プロデューサー:高見義雄、木戸睦、井上博(TBS)
- キャラクターデザイン:長岡康史
- 美術デザイン:坂本信人
- 音楽制作:スギヤマ工房
- チーフディレクター:西沢信孝
- 音楽:すぎやまこういち
- 編曲:松尾早人、武内基朗
- 制作担当:松下健吉、末永雄一
- 製作:東映、TBS
- 協力:青二プロダクション
[編集] サブタイトル
- オレは小さな勇者ダイ!!
- 死なせてたまるかレオナ姫
- 怒れダイ!輝け竜の紋章!!
- 勇者の家庭教師アバン登場
- アバン流・勇者の超特訓!!
- 魔王ハドラー出現!キメろ必殺技海波斬!!
- 卒業の証は仮免、決戦!!ハドラー対アバン
- アバン自己犠牲呪文に散る!?撃て・最高技!!
- さらばデルムリン島!大冒険への旅立ち!!
- さまよえる魔の森!獣王クロコダイン登場
- うなる真空の斧!むかえ撃てアバン流刀殺法
- 我らが師アバン、魔弾銃に残された思い出
- 妖魔司教ザボエラの罠 あ!?ニセ勇者御一行様
- 百獣魔団総進撃!!ロモス王国の危機を救え!
- なぜ?ダイを襲うブラス!!卑劣なり妖魔司教
- ふるい起こせポップ!ひとかけらの勇気を!!
- 奇跡を呼ぶ破邪呪文!!友情よいまここに‥‥
- 怒りの紋章が直撃!!ほえる獣王クロコダイン
- 海を渡れダイ!魔王軍6大軍団長集結!!
- 恐るべき敵あらわる!?魔剣戦士ヒュンケル!
- 父の敵はアバン!?憎しみの黒き最強剣!!
- 暗黒闘気!“闘魔傀儡掌”がダイを襲う!!
- マァムの危機!力を合わせて稲妻を呼べ!!
- マァムを救え!地底魔城潜入・死の迷宮!!
- 思い出を…ありがとう…真実の父の声!!
- さらば孤独の戦士ヒュンケル!!決着の魔法剣
- 空から来た味方!!ダイよ急げレオナのもとへ
- レオナはオレが守る!対決!!勇者対氷炎将軍
- 氷炎結界!!ああ!レオナが凍れる美女に…
- アバンの親友!?大魔導士マトリフの大特訓!!
- レオナ救出作戦の始まりだ!バルジ島上陸!!
- 宿敵ハドラー!!ポップよ勇気で立ち向かえ!!
- 戦士は復活した!!激突ヒュンケル対ハドラー
- いのちの輝き!最終闘気・グランドクルス!!
- フレイザード勝利への執念!嵐の弾岩爆花散
- でたっ!アバン流最後の奥義・空裂斬!!
- アバンストラッシュ!!いま…すべてを斬る…
- アバンの使徒の道…そして、マァムの決意
- すばらしき仲間マァムよ、また会う日まで…
- ベンガーナへ買い物だ!!デパートへ行こう!
- 超竜軍団上陸!ベンガーナの街を守れ!!
- 神秘の国テラン王国…伝説に眠る竜の騎士!
- 竜騎将バランは語る…竜の騎士の使命!
- 親子の絆は悲しき運命!父と子の闘い!!
- 最強の秘密は竜闘気!?オレ達のダイを守れ!
- ダイよ立ち上がれ!勇者の道は永遠に!
[編集] 主題歌
- オープニングテーマ『勇者よ急げ!!』
- エンディングテーマ『この道わが旅』
- 作詞:藤公之介、作曲・編曲:すぎやまこういち、歌:団時朗
- ゲーム『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』のエンディングテーマ曲に歌詞を付けたもの。歌詞自体は原作の開発当時からあったとも言われる。
[編集] 映画
- 『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(1991年7月20日)
- 『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 起ちあがれ!!アバンの使徒』(1992年3月7日)
- 『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 ぶちやぶれ!!新生6大将軍』(1992年7月11日)
いずれも東映アニメフェア作品。