ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド Dragon Warrior Monsters |
|
---|---|
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | ゲームボーイ |
開発元 | トーセ |
発売元 | エニックス |
人数 | 1人、2人(対戦・データ交換) |
メディア | ロムカセット |
発売日 | 【日本】 1998年9月25日 【北米】 2000年1月 |
価格 | 【日本】 4,900円(税抜) |
対象年齢 | ESRB:Everyone(6歳以上) |
売上本数 | 【日本】 約235万本 |
『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』は、エニックス(現スクウェア・エニックス)から発売されたゲームソフト。ジャンルはRPG。北米版のタイトルは "Dragon Warrior Monsters"。
目次 |
[編集] 概要
ゲーム中に登場するモンスターを育成するRPGであるドラゴンクエストモンスターズシリーズの第1作。ドラゴンクエストシリーズ初のゲームボーイ用ソフトであり、日本では1998年9月25日に、北米では2000年に発売された。『ドラゴンクエストVI 幻の大地』(以下『VI』)の登場人物「テリー」の幼少時代の外伝である。
この作品はゲームボーイカラー(以下GBC)本体に先駆けて発売された初のゲームボーイ&カラー共通ソフトとなった。そのためGBC発売前と発売後の出荷分ではロムカセットの色および箱のデザインが異なる。GBC発売後のロムカセットは従来の灰色からゲームボーイ&カラー共通ソフトを示す黒色に、箱はすべてのゲームボーイカラーソフトで使用される共通デザインに沿うよう変更された。
登場モンスターはドラゴンクエスト第1作~VI からの抜粋と今作オリジナルのもの。逆に、本作オリジナルのモンスターの一部は後に発売された『VII』以降にも採用されている(ドラゴスライムなど)。
なお、本作は外伝的な作品であるためドラゴンクエストシリーズの常識である「世界を支配しようとする魔王との戦い」というものはない。魔王クラスのモンスターとの戦いは存在するが、あくまでも本編で登場した魔王(竜王、デスタムーアなど)が通常のモンスターとして登場するだけでラストボスではない。
[編集] システム
「モンスターマスター」であるテリーは初めに一匹のモンスターを貰い、そのモンスターと他のモンスターを戦わせて鍛えていく。倒したモンスターを仲間にするシステムや、雄と雌のモンスターを「配合」して新しいモンスターを作るシステムが取り入れられた。
戦闘は「さくせん」を与えることによって味方モンスターが行動するAI戦闘システムである。
[編集] 仲間モンスターシステム
戦闘中、相手のモンスターの強さに見合った肉を与え、かつ倒せば、そのモンスターが仲間になる(主人公のパーティに加わる)可能性がある。経験値は仲間にするしないにかかわらず手に入る。戦闘が終了するまで仲間にできたかできなかったかがわからないというギャンブル性もある。さらに、野生のものだけでなく、他のモンスターマスターが連れているモンスターをも奪うことができる。
本作のモンスターがドラゴンクエストシリーズ本編(V、VI)と異なる点は、各々のモンスターに雄雌の「性別」と、モンスターの種別を表す「系統」が設定されているという点である。
[編集] 配合
仲間にしたモンスターの中から雄と雌のモンスターを1匹ずつ選び、「配合」(はいごう)をさせることができる。配合させるとモンスターが卵を産み、卵からは新しい別のモンスターが生まれる。配合すると親であるモンスターはいなくなってしまうが、生まれたモンスターには両親の呪文・特技が受け継がれる。「配合」を行わないと手に入らないモンスターも存在する。
また、自分の仲間モンスター同士だけではなく、ゲームボーイの通信ケーブルを用いて他のプレイヤーの持っている仲間モンスターと自分のモンスターを「配合」させることもできる(これを「お見合い」(おみあい)と言う)。お見合いによって生まれたモンスターは、通常の配合に比べてやや能力が高い。
[編集] 旅の扉
ゲームの舞台となる「タイジュの国」には30を超える旅の扉があり、旅の扉の先は訪れるごとに形状が異なる自動生成ダンジョンとなっている。これらのダンジョンは、階層移動が一方通行になっているのが特徴である。一度入ると、最下層まで行くか、脱出アイテム(本作には脱出の呪文「リレミト」はないので、アイテムに頼るしかない)を使うかしない限り脱出することができない。
ダンジョンの最後では、ドラゴンクエスト第1作~VI までに登場した名シーンが再現されている。BGMは、通常のフロアは本作オリジナルだが、ボスモンスターのいるラストフロアとその1つ前のフロアでは、(最初に行く扉を除いて)そのダンジョンのボスモンスターが登場する作品のフィールドBGMのアレンジとなっている。
[編集] 格闘場
自分の持つモンスターを、ゲーム中に登場するほかのモンスターマスターのモンスターたちと対戦させることができる。この対戦で3回勝ち抜くことができれば、テリーの「クラス」が上昇し、新たな旅の扉を使うことができるようになる。
また、通信ケーブルを用いて、他のプレイヤーのパーティと対戦を行うこともできる。この対戦で勝ったプレイヤーは、負けたプレイヤーからモンスターを貰うことができる。
[編集] 性格
『スーパーファミコン ドラゴンクエストIII』のように、モンスターには個々に性格が存在する。「好戦的」「思慮深い」「思いやり」の3つの性格のバランスによって、モンスター自身の性格が決定される。性格は本を読ませたり、特定の作戦を選択したりすることで変えることができる。『III』と違って能力の上昇には関連しないが、性格によっては戦闘中にモンスターが特殊な行動に出ることがある。なお、通常の配合の際は問題ないが、通信ケーブルを介してのお見合いの場合、「性格が合わなかった」と表示されてお見合いができないことがある。また、「努力値」という隠しステータスがあり、これがゼロになると性格を変えることが出来なくなる。努力値は下がることはあっても上がることはない。
[編集] 登場キャラクター
- テリー
- 主人公。名前は変更可能。『VI』で仲間キャラクターのひとりとして登場した剣士で、本作ではその少年時代。連れ去られた姉ミレーユを助けるため、わたぼうに導かれて異世界「タイジュの国」を訪れる。勝てば願いが叶うといわれる星降りの夜に行われる試合に勝ってミレーユに会うために、最強のモンスターマスターを目指す。
- ミレーユ
- 『VI』で仲間キャラクターとして登場したテリーの姉。本作ではワルぼうによってマルタの国に連れ去られる。
- タイジュ国王
- タイジュの国の王。テリーに星降りの大会で優勝してくれと頼んだ。普段は玉座に居ない。
- モンスターじいさん
- テリーがタイジュの国に来た際、最初に出会った老人。普段はタイジュの国の最下層にいる。タイジュの国で唯一配合を行える人物。
- わたぼう
- タイジュの国の精霊。外見は獣風だが植物系。扉(ダンジョン)をクリアした際、テリーをタイジュの国に戻してくれる。
[編集] 外部リンク
- ドラゴンクエストモンスターズ 旧公式サイト (エニックス) -- Internet Archive、2002年2月10日現在