10ナンバーズ・からっと
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10ナンバーズ・からっと | ||
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サザンオールスターズ の アルバム | ||
リリース | 1979年4月5日 1989年6月25日(再発) 1998年4月22日(再発) |
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録音 | 1979年1月21日~3月11日 VICTOR STUDIO ONKIO HAUS |
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ジャンル | ロック | |
時間 | 37分56秒 | |
レーベル | ビクター音楽産業 | |
プロデュース | 高垣健 Burning Publishers |
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チャート順位 | ||
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ゴールド等認定 | ||
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売上枚数 | ||
サザンオールスターズ 年表 | ||
熱い胸さわぎ (1978年) |
10ナンバーズ・からっと (1979年) |
ベスト・オブ・サザンオールスターズ (1979年) |
10(TEN)ナンバーズ・からっと(テン-)はサザンオールスターズの2ndアルバム。1979年4月5日発売。発売元はビクター音楽産業。
目次 |
[編集] 解説
デビューシングル「勝手にシンドバッド」に続き「気分しだいで責めないで」が発売。その後発売された「いとしのエリー」発売直後に発売された。同曲は当時コミックバンドとの評価を受けていたサザンのイメージをガラッと変えた代表曲である。シングルカットとなる「思い過ごしも恋のうち」も収録。
このアルバムの歌詞カードには何曲か歌詞が正しく載っておらず「☆◎♂」などの記号で埋められている作品がある。サザンはオケを録り終えてから歌詞を考えるという順番で楽曲を作っているが、当時はとにかく忙しく締め切りに間に合わなかった結果、シングルになった以外の曲は桑田の下書き段階のものをそのまま掲載し、全く歌詞ができてなかった3曲は記号になった。1998年の再発盤でその3曲以外は極力直しているが、記号のものは原版をそのまま写し、 公式サイトでも未だに正しい歌詞は公表されていない。ただし歌詞集「ただの歌詩じゃねえか、こんなもん」や中国でリリースされた企画盤アルバム(あくまでも海賊版などではなく、公式に発売されたもの)では記載されているものもある。因みに第一興商の通信カラオケDAMなどでは歌唱時に歌詞が表示されるが、曲の終了時に“本社聞き取りによるオリジナルです”などと表示される。
桑田自身「駄作」としている作品である。当時曲やレコーディングが思うようにいかず、ノイローゼ状態であったため満足の行く作品作りが出来なかったためとされる。また、多忙・ノイローゼと相まってか、ジャケットの撮影時は桑田がスタッフとケンカをした直後で、場が非常に険悪な雰囲気のまま撮影したらしく、桑田自身もこのジャケットは怒ってる状態で写っている事を振り返っており、それも原因の一つと考えられる。が、ファンからの人気は高い。
この作品から、サザンのアルバムのラスト曲はバラードで締めくくられるパターンがはじまっている。ただサザンオールスターズ名義の作品として、シングル曲で締められるのはこの作品のみである。4作目である『ステレオ太陽族』も、シングルとしてリリースされている「栞のテーマ」で締められているが、この曲は先行リリースされたものではなくアルバム発売後のシングルカットである。このバラードで締める流れは、ベストアルバムや自身のライブでも使われることが多い。
サザンの初期の楽曲はバーニングが権利を持っており、本作もプロデュースはバーニングプロダクションによるものである。
[編集] 収録曲
シングル収録曲は各シングルで説明しているため、ここでは説明を省略する。
タイトルの後ろに※の表示がされているものは、上記の通り歌詞が記号となっているもの。
- お願いD.J.
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦管編曲:新田一郎)
間奏中にはDJの故ウルフマン・ジャックの物まねをした桑田の語りが収録されている。ライブでは長らくフルバージョンでの演奏がされていないため、披露が待ち望まれる人気曲になっている。 - 奥歯を食いしばれ ※
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
本作にのみ収録。パーカッションが前面に打ち出された曲である。 - ラチエン通りのシスター
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
ラチエン通りは茅ヶ崎に実在する通りの名前で、シスターは桑田が恋心、もしくは憧れを抱いていた女性のことという説、或いは「いとしのエリー」というタイトル元とも言われる実姉(タイトル通りシスター)とする2説がある。 - 思い過ごしも恋のうち
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦管編曲:新田一郎)
4thシングルとしてシングルカット。シングルバージョンは本アルバム収録バージョンとコーラスやホーンセクションアレンジが違い、この後のコンピレーション版などにはこのアルバムバージョンで収録されている。 - アブダ・カ・ダブラ (TYPE 1)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
この曲のラストには飛行機の飛行音が収録されており、この音がTYPE 2に繋がるようになっている。 - アブダ・カ・ダブラ (TYPE 2) ※
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
この2曲の別歌詞バージョンが日清食品「UFO」のCMソングになっている。ちなみにTYPE 3はシングル「いとしのエリー」にのみ収録されているためTYPE 3が一番先に世に出ていることになる。歌詞はTYPE 1、3ともに同じであるが、前曲からのつながりのためイントロとアウトロが別テイクになっている。 - 気分しだいで責めないで
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 管編曲:新田一郎)
2ndシングル。イントロをはじめアレンジはかなり違ったものになっており、別テイクによる新録になっている。この後のコンピレーション版などは全て本作でのアルバムバージョンが収録されている。 - Let It Boogie
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦管編曲:兼崎ドンペイ)
LION「ザクトライオン」のCMソングになった。 - ブルースへようこそ ※
(作詞・作曲・編曲:サザンオールスターズ)
「思い過ごしも恋のうち」のc/wとして同曲と同様にシングルカット。歌詞は男の同性愛らしき事を歌っている箇所があり、本作の中でも特に際どい内容となっている。そのため、この曲に関しては歌詞の過激さで自粛されたために歌詞カードに載っていないのではないかとする説もある。 - いとしのエリー
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:新田一郎)
3rdシングル。一般的に非常に人気が高い曲であり、後にレイ・チャールズも全英語詞でカバーした。
[編集] 参加ミュージシャン
- 桑田佳祐:Lead Vocals, Guitars, Chorus(#1~10)
- 大森隆志:Lead Guitars, Chorus(#1~10)
- 原由子:Keyboards, Chorus(#1~10)
- 関口和之:Bass, Chorus(#1~10)
- 松田弘:Drums, Chorus(#1~10)
- 野沢秀行:Percussion, Chorus(#1~10)
- Horns:Horn Spectrum
- 兼崎ドンペイ:Trumpet, Flugel Horn
- 新田イチロー:Trumpet, Flugel Horn, Trombone
- 吉田ヨシユキ:Trombone
[編集] Special Guests
- ラチエン通りのシスター
- 妹尾隆一郎:Harmonica
- アブダ・カ・ダブラ (TYPE 1)
- 薗田憲一&ディキシー・キングス:Horn
- アブダ・カ・ダブラ (TYPE 2)
- 薗田憲一&ディキシー・キングス:Horn
前作 | サザンオールスターズのオリジナルアルバム | 次作 |
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熱い胸さわぎ | タイニイ・バブルス |
日本レコード大賞アルバム大賞受賞作品 | ||
- | 1979年 第21回 アリス『栄光への脱出~武道館ライブ』 サザンオールスターズ『10ナンバーズ・からっと』 さだまさし『夢供養』 |
次年度 1980年 第22回 長渕剛『逆流』 YMO『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』 山下達郎『ムーン・グロウ』 |
[編集] 外部リンク
サザンオールスターズのアルバム |
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オリジナルアルバム |
熱い胸さわぎ (1978) | 10ナンバーズ・からっと (1979) | タイニイ・バブルス (1980) | ステレオ太陽族 (1981) | NUDE MAN (1982) | 綺麗 (1983) | 人気者で行こう (1984) | KAMAKURA (1985) | Southern All Stars (1990) | 世に万葉の花が咲くなり (1992) | Young Love (1996) | さくら (1998) | キラーストリート (2005) |
ベストアルバム |
バラッド '77~'82 (1982) | バラッド2 '83~'86 (1987) | すいか SOUTHERN ALL STARS SPECIAL 61SONGS (1989) | HAPPY! (1995) | 海のYeah!! (1998)| バラッド3 ~the album of LOVE~ (2000) |
企画盤アルバム |
稲村ジェーン (1990) | 江ノ島 ~Southern All Stars Golden Hits Medley (1993) |
廃盤アルバム |
ベスト・オブ・サザンオールスターズ (1979) | Kick Off! (1980) | アーリー・サザンオールスターズ (1980) | SOUTHERN ALL STARS BEST ONE '82 (1981) | Shout! (1982) | 原由子 with サザンオールスターズ (1983) |
シングル |