ドラムセット
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ドラムセットは、大小様々なドラムやシンバル等の打楽器を一人の奏者が演奏可能な配置にまとめたもの。通常椅子に腰掛けて演奏する。主にポピュラー音楽で使用される。ドラムキット、ドラムス、ドラムセットの楽器パートや演奏者(ドラマー)を表す言葉としてドラムスとも呼ぶ。
ドラムセットに組み込まれる打楽器類の種類や数は、奏者の好み・音楽的方向性・経済的事情等により多種多様である。
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[編集] 一般的なドラムセット
- バスドラム(写真1) - Bass Drumと表記することから「ベースドラム」「ベードラ」 「バスドラ」と呼ぶ場合もある(欧米ではむしろ「ベースドラム」と呼ぶ方が一般的)。いわゆる大太鼓。他に「キック」(Kick)と呼ぶこともある。右利きの場合、奏者の右足側の床に横倒しに設置し、ペダルを踏んで演奏する。
- フロアタム(写真2) - 床に直接置くので「フロア(floor)・タム」と呼ばれる。右利きの場合、奏者の右側に設置するのが一般的。大口径のタムタムで代用する場合もある。並び順はタムタムと同様。
- スネアドラム(写真3) - 奏者の目の前、膝の高さに専用のスタンドで設置する。「サイドドラム」と呼ぶ場合もある。いわゆる小太鼓。スネアサイド(スネアドラムの裏面のヘッド)にスネアと呼ばれるスチールないしブラスなどの金属製の響線が装着されている事が最大の特徴である。
- タムタム(写真4) - 「タム」と呼ぶ場合もある。バスドラムやシンバルスタンドに取り付けたホルダーまたは専用のスタンドを使い、バスドラムの上付近に設置する。複数設置する場合は右利きの場合主に左から右へ小さい順に並べるのが一般的。
- ハイハットシンバル(写真5) - 右利きの場合、奏者の左足側、スネアドラムの直近に専用のスタンドで設置する。またワイヤーを使って奏者の右側や自由な位置に設置するリモートハットもある。また、ツーバス演奏時に左足を使用できない状態で、クローズ音が欲しい場合や、常時ハーフ・オープンの音が欲しい場合に使用するクローズド・ハットといったものもある。
- シンバル(写真6) - 設置にはスタンドを用いる。ライドシンバル(トップシンバルとも)やクラッシュシンバル(サイドシンバル)、エフェクトシンバル(チャイナ、スプラッシュ、ベル、ゴング、カップチャイム、重ねシンバル)などがあり、ライドシンバルはフロアタムの上付近に設置するのが一般的。その他のシンバルの配置は奏者の好みによる。一般的にライドシンバルはリズムをキープする目的で使われ大口径(主に20インチ~22インチ)でサスティンが長いものが多い。クラッシュシンバルは曲中でアクセントを付けるときに使用される。一般的にライドシンバルより小口径(主に16インチ~18インチ)でサスティンは短い。
- ドラムスティック - ドラムはパフォーマンスの延長として手で叩く場合もあるが、主にスティックといわれる撥(ばち)を用いる事が多い。一般的にはヒッコリーで出来たものが多く、メイプルやオークで出来たものもある。少数派としてアルミを削りだしたスティックやプラスチック製のもので、内部に発光体を入れたものも存在する。その他、ファイバー製のものも存在する。スティックの先端(チップ)には木製のもの、またはナイロン製のものが多い。スティックに似たものでブラシやロッズと呼ばれる細い棒を束ねたもので演奏する場合もある。ブラシやロッズを用いる事により、より優しい表現をする事が可能になる。
[編集] 歴史
欧米の軍楽隊にて、体に付けたバスドラム(大太鼓)の上にシンバルをセットする発想が生まれた。そして1894年、小太鼓奏者ディー・ディー・チャンドラーによって、足でバスドラムを打つペダルが考案された。
しかしそれまでは専らバスドラムとスネアドラムによって演奏されるような、マーチング・バンドの延長でしかなかった。そのドラムセットが劇的に変化するきっかけになった最大の発明がハイハットであると言えよう。これは元々、ベイビー・ドッズいうジャズドラマーが演奏中、左足を規則的に動かしていたのを見た観客が「せっかくならその動きを利用できないか」と考えた結果生まれた、左足で二枚のシンバルを叩き合わせるペダル付の楽器「ソック・シンバル(別名:ロー・ボーイ)」という楽器を改良したものである。 これにより現代的なドラムセット並びにビートのスタイルが生まれ出たとされている。
[編集] ドラムセットに組み込まれることがあるその他の主な打楽器
- カウベル
- バーチャイム(ウィンドチャイム)
- トライアングル
- タンバリン
- トムトム
- ゴング(銅鑼)
- ロートタム
- キャノンタム(オクタバン)
- ゴングバス(ゴングドラム)
- ティンバレス
- ジャンベ
- ティンパニ
- エレクトリックドラム
- ウッドブロック
- グラナイトブロック
- ボンゴ
- メロディックタム(エイトタム、ティンプトム)
[編集] バリエーション
- ツーバス
- ツインペダル
- 特殊なペダルを使用し、バスドラム1個でツーバスとほぼ同様の演奏を可能にする。
- バスタム
- 通常のフロアタムを使わず、大口径のタムタムを使用する。
- 左利き用セッティング
- 打楽器類を全て左右逆に配置する。ツインペダルも左利き用のものが市販されている。(Ex:イアン・ペイス)
- ドラムラック
- シンバルやタムタム等をスタンドを用いず、パイプや角棒を組み合わせたラックに取り付けたホルダーで設置する(スタンドと同時に使用する場合もある)。ドラムセットを移動しても同じセッティングを維持できる、特に打楽器の数が多い場合スタンドの足の配置に困らない等のメリットがあるが、一般にスタンドより高価である。
- リモートハイハット
- ワイヤーケーブルでハイハットを遠隔操作するペダルを持つ、特殊なハイハット。自由なセッティングが可能となったラックの普及に伴い、同じく自由なセッティングを可能としたもの。
- 重ねシンバル
- 通常、シンバルは余韻を残すようにフェルトで挟み1枚で使用するのだが、直接かぶせるようにシンバルをセッティングする。これにより、余韻を意図的に止めアタック音を出す目的などで使用する。
- サブスネア
- 1つだけのスネアでは楽曲の表現に不足する場合に用意するもの。大抵はメインスネアと比較して口径の異なるものか胴の深さを変えたものを用意し使用する。
- エレクトリックドラム
[編集] ドラムセットの楽譜
ドラム
左から、バスドラム、スネアドラム、フロアタム、ミドルタム、ハイタム。
シンバル
左から、ハイハットをペダルのみで演奏する場合、ハイハットをスティックで叩く場合、ライド、ベル、クラッシュ、チャイナまたはスプラッシュ(それぞれのシンバルについては、ドラムセットにおけるシンバルの種類を参照)。
また、ハイハットをスティックで叩く場合、指定が無い限りは閉じたまま叩いて演奏するが、開く時は譜の上に「○」が付き、閉じるときに「+」が付けられる。
[編集] 主要ドラムメーカー
- Brady(オーストラリア)
- Canopus(日本)
- Craviotto(アメリカ)
- DIXON(台湾)
- Dunnett(カナダ)
- dw(アメリカ)
- Fibes
- GRETSCH(アメリカ)
- Kitano(日本)
- Ludwig(アメリカ)
- MAPEX(カナダ)
- NEGI(日本)
- NOBLE&COOLEY (アメリカ)
- OrangeCountydrum&Percussion(アメリカ)
- Pearl(日本)
- PREMiER(イギリス)
- REMO(アメリカ)
- Rocketshells
- Rogers
- Simmons
- Slingerland
- Sonor(ドイツ)
- SPAWN
- T&M
- TAMA(日本)
- YAMAHA(日本)
- Zildjian(ジルジャン) - シンバルメーカー
[編集] 関連項目
- ドラマー
- ドラムスティック
- ビート (ドラム・ビート)
- drummania ドラムを題材にしたコナミデジタルエンタテインメントによるアーケードゲーム。