同性愛
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同性愛(どうせいあい)とは、男性同士または女性同士の間で親愛や性愛をもつ性的指向のこと。また、特に同性に対して性愛を抱く人のことをも指す。
同性愛の性質を持っている人のことを同性愛者という。ホモセクシュアルあるいは略してホモともいう。ホモという略語には歴史的に侮蔑のニュアンスも含まれるので、これを嫌う人もいる。なお、これに対して異性愛を「ヘテロ・セクシュアル」、両性愛を「バイ・セクシュアル」と言う。
男性同性愛者をゲイ、女性同性愛者をレズビアンとも呼ぶことが多いが、ゲイという単語は男性だけでなく女性の同性愛者やそれ以外の性的少数者全てのを指すことも多くなってきた。(詳しくは下記用語参照)
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[編集] 用語
[編集] ゲイ
男性同性愛者のことを特にゲイと呼ぶ。広義には性別を問わず同性愛者すべてを含むが、世界的に見ても単にゲイという場合は、後述のレズビアンと区別し、男性同性愛者のみを指すことが多い。
英単語の「gay」に由来する。この単語は「陽気な」「派手な」などの意味を持つ。この単語が同性愛者を意味するようになったのは少なくとも19世紀以降で、おそらく実際にはそれ以前からだと考えられている。ヴィクトリア朝のイギリスでは、売春婦・男娼が「gay」と呼ばれていた(これは彼らがgaily、つまり「派手に」「華やかに」着飾っていたからである)。それが語源となり、全ての男性の同性愛者を指して用いられるようになった。
また最近では、日本のマンガ文化が広く世界に紹介されるにつれ、「やおい」(yaoi)や「ボーイズラブ」(boys' love)など和製コミック用語が、男性同性愛を指す言葉として普及しつつある。
[編集] レズビアン
女性同性愛者のことをレズビアンと呼ぶ。
日本では「レズ」という略語も用いられるが、歴史的に含まれてしまった侮蔑的ニュアンスを嫌い、意図的に「ビアン」と略す者もいる。日本ではゲイを差別する一方でレズビアンは容認するという奇妙な偏見も時として見られる。これは「ゲイは人格に根ざした本質的なものだが、レズビアンは一過性のものである」という偏見に基づいている。また、「レズビアンは綺麗だがゲイは汚い」、「ガールズラブは好きだが現実のレズビアンを想像すると気持ち悪い」などといった主観的かつ身勝手な視覚判断で差別を正当化しようとする一部の者もいる。一方日本でレズビアンを題材としたものは男性向けに描かれた物が圧倒的に多く、レズビアン容認論は女性同性愛を単なる男性の慰み物として描き、偏見を増大するものであるという指摘もある。
語源はギリシアのレスボス島に因む。古代ギリシア時代にこの島に住んでいたとされる女流詩人のサッフォーが、女性同士で愛し合うような耽美作品を多く著したことからこの用語が誕生した。また、「サッフォニズム」という別称もある。
[編集] 定義
同性愛者の定義は、場面によって様々に与えられる。この定義の差異によって人口に占める同性愛者の割合は大きく変化する。
[編集] 同性愛感情の素因を持っている人
「生育環境が同性愛感情を育む要因を持っておりよい出会いに恵まれたならば、同性愛感情を抱いた可能性がある人」を同性愛者と定義する考え方がある。言い換えるなら、「生物学的にどうしても同性愛感情を抱き得ないというわけではない人」である。
フロイトの考えによれば全ての人間はこの意味での同性愛者である。これは、彼が「先天的にはいかなる対象とも不可逆的に結びついているわけではない幼児性欲が、後天的にいかなる対象に結びつけられるか」が同性愛/異性愛を決定すると考えていたことによる。 ただし、フロイト自身はこの意味で同性愛者という言葉を使ったことはない。
より穏当な意見の人々からも、同性愛に抑圧的でない文化においては同性愛感情を経験したことがある人が多く見られることから、この意味での同性愛者の割合は極めて高いと見積もられている。
ただし、この定義における「同性愛者(ホモセクシャル)」は「異性愛者(ヘテロセクシャル)」と背反な概念ではないため、その大部分は「両性愛者(バイセクシャル)」とみなすこともできる。「両性愛者」を除く狭い意味での「同性愛者」、すなわち「生物学的にどうしても同性以外に恋愛感情を抱き得ない人」はより少ない。厳密なパーセンテージについては諸説あるが、人口の10パーセントを超えるとする報告は最近では見られない。
[編集] 同性愛感情を経験した人
同性愛感情を有している、もしくは有していた人のことを同性愛者と定義する考え方もある。
上で述べたようにこの定義における同性愛者の割合は文化依存性が高い(スタブ)。 しかし、同性愛に抑圧的な文化においては、調査の回答者が同性愛感情の経験を隠そうとする可能性も高い。この意味での同性愛者の割合は実は安定しており、それを公にする人の割合が異なるだけではないかという指摘もある。
確実だと見なされている唯一のことは、この定義における同性愛者が人口の100パーセントを占める文化や0パーセントの文化は知られていないということである。
Wellingsが1994年のイギリスで行った調査によれば、この意味での同性愛者は人口の約6パーセントであった。両性愛者を除く狭い意味での同性愛者は男性の約1パーセント、女性の約0.5パーセントであった。
[編集] 同性間の性行為を経験した人
同性間の性行為、すなわち同性同士での性器的な接触を取り上げて、その経験の有無によってHomosexualityを定義しようとする考え方もある。この場合日本語においては同性「愛」となっているので言語上の問題がある。
この定義を、感情経験といった主観的なものに比べて科学的な優れた尺度であると考える人もいる。しかし、幾つかの点で問題もある。
- 同性間の性交行為は文化・制度的に強く規制されることも多く、感情という内面的なものに比べて文化・制度が影響しやすい
- 同性間の性行為に及ぶに必要とされるパートナーは、人口密度の低い地域では全く見つけられない可能性がある。
そのため、同性愛の生物学的な側面を検討する上ではこの定義は役に立たないと考える人もいる。
また、同性愛感情が無くても同性間の性交行為をすることは可能であるので、このことが統計的なズレをもたらしている可能性もあると指摘される。単なる興味本位や、制度的な強制、売春、強姦、刑務所や寄宿舎などで異性と接する機会がない場合など、そのような事態は実際に知られている。
この定義における同性愛者の割合については様々な報告がある。
- ニューギニアのサンビア族では、男性同士の性交行為が通過儀礼として制度化されている。しかしこれをもって、男性の100パーセントが同性愛者であるとするのは間違いである。
- 上のイギリスにおける調査では、男性の3.6パーセント、女性の1.7パーセントであった。両性愛者を除くと、男性の1パーセント、女性の0.5パーセントであった。
- 1992年のアメリカ国家世論調査センターによる調査では、男性の2.8パーセント、女性の1.4パーセントであった。
- 1995年のハーバード大学によるアメリカにおける調査では、男性の6.2パーセント、女性の3.6パーセントであった。
[編集] 偏見と実像
[編集] 同性愛は身近な存在
日本においては、同性愛はあたかも、遠い異国か別世界のことように「そんな人がいるわけがない」と思われている節さえある。 しかしながら、10人から20人に1人が性的少数者といわれ、普段、何気なく一緒に過ごしている友人、同僚や上司、家族の誰かが同性愛者である可能性も決して低いものではないのである。
性的マイノリティーという言葉は、おおよそ概念上で少数者とされているものであり、実数は決して少数ではないと考えられる。概念上マイノリティーとなる最大の理由は、多くの同性愛傾向を持つ人々が、その偏見から、社会的に及ぼす影響や自身が被る不利を考慮し、同性が好きであることはあってはならない、普通に言い出せる現状にはない、と個人的レベルで判断し、隠すための努力をする、隠すために最善を尽くすことを選択しているからなのである。
[編集] 同性愛は習癖なのか
同性愛をただその方向に習癖として流れたのだと考える向きは未だ根強いが、同性愛はそうあろうとしてあったり、認知するからあるものではなく、傾向として無意識的にあるものだということがわかっている。つまり、流れようと考えて流れたのではなく、もともとそうした傾向(性的指向)を備えていたということになる。
しかし、なぜそうした傾向を備えるかについては、脳説(下記参照)、ホルモンシャワー説など諸説、多くの推測や研究があるものの、未だ断定に至るような同性愛になる原因はわかっていない。
現在、同性愛は国際医学会やWHO(世界保健機関)、日本精神神経医学会といった専門医による見解(下記項参照)によって、治療の対象外であり疾病ではないというのが有力となっている。
しかしながら、一部でこれを治療が極めて困難な精神的な病だと考えている人もいる。一部の心理学の分野では、男性同性愛者のケースにおいて、妊娠時における母親方のストレスや幼少期における長期にわたる父性方の愛情欠如、あるいは父性そのものの存在の無知、コミュニケーション不足、暴力、それらから受ける心的ショックなどによって同性愛になるという説がある。この説は、男性同性愛者当事者の幼少期における経験談などから、多くの一致を見ることができるとする当事者は少なくないという。
ただ、仮にこの説のように男性の愛情のない環境によって同性愛の傾向性が形成されていったにしても、胎児や幼少期の子供に、自分が同性を好むべきかどうかなどといったような意識的な選択の余地はないことから、習癖に流れたのではなく、環境によって可逆性の低い傾向性を無意識に備えたのであり、そうした意味においても性的指向という部分では変わりはないといえる。また、近年はそれは原因と結果が逆なのであって、同性愛者であるからそのような状況になったのではないかという意見も強い。
同性愛に関し、多方面からさまざまな研究が成されている今日において、性的指向理論自体を合理的に覆すのは困難になっているのは現状としてあるといえる。
[編集] 同性愛は脳の機能に原因があるのか
同性愛など人間の性的な傾向は、自律神経をつかさどる脳の機能に規定されている可能性が有力であり、さかんに研究がなされている。特に有名なものとしてはスウェーデンの研究がある。 Brain response to putative pheromones in homosexual men
[編集] 同性愛者は異性装をするのか
同性愛者は異性装をすると信じていたり、異性装者は同性愛者であると信じていたりする人がいる。
大部分のゲイは女装をしない。身体的に男性の性同一性障害者(MtF-GID)とは異なり彼らは心理的にも男性であるのだから、もともと女性の服をわざわざ着る性的傾向にはないのである。
ただし、ゲイ・タウンの文化の中には、ドラァグ・クイーンのように故意に奇異な女装をしてショーとして見せ、面白がるという習慣も含まれている。すなわち、極少数のゲイが見せ物として女装をするのである。そのほか、ノンケ(異性愛者)好みのゲイが、パートナーの違和感を和らげるためにするということもあるようだ。
また、MtF-GIDとゲイを混同している人から見れば、やはりゲイのうち一定数は女装をすると見える可能性はある。
男装をするレズビアンもまた、多いというわけではない。しかしながら、現在の日本の文化ではかなり「ボーイッシュ」な服装であっても女性の服装として認知されている(「ガーリッシュ」という言葉に市民権がなく、男性の服装と認められていない事実とは対照的である)。「ボーイッシュ」という程度を含めるのであれば、男性的な服装を好むレズビアンは一定数存在する。
身体的に女性の性同一性障害者(FtM-GID)はレズビアンの中にかなりとけ込んでいるので、FtM-GIDの存在がレズビアンの服装傾向をより男性的に見せている可能性はある。
[編集] 露出度の高い恰好をする男性はゲイなのか
実際には露出度の高い恰好をする男性が必ずしもゲイだなどということはまずあり得ないであろう。ゲイにも(他の男性に性欲を感じる、与える為に)露出度の高い恰好をする人は少なくないが、露出度の多い服装の人が全てゲイである訳ではないし、ゲイが全て露出度の高い恰好を好む訳ではない。単にその様な恰好が好きな異性愛者の男性は決して少なくないであろう。
こうしたイメージは、女性は見られる・触られることに性欲を感じ、男性は見る・触る側になることに性欲を感じることが多いとされるために、また露出度の高い男性向けファッションが日本ではそれほど一般的でない為、そのような偏見があるのではないかという説が有力になっているようである。(性欲より一部引用)
[編集] ゲイは女性的傾向か
ゲイならば必ずしも女性的というわけではない。大部分のゲイは異性愛者の男性に見える。ある一個人を先入観なく見たとして、女性的と感じる例はそれほど多くはない。むしろ行動において男らしさを過剰なほど強調するゲイも少なくないし、外見においては異性愛者の男性よりもいかつい男性的な要素を強調するゲイが多い。(短髪・髭・筋肉を強調して男臭く決めたゲイ男性のことをさして「いかにもホモらしい」という意味で、イカホモと呼ぶことがある。)
しかしながら、内面的、文化的に男性的とされる性質がやや薄い傾向が全体的に見てあるという説がある。一部のゲイの間で使われる独特の、極端化され強調された女性言葉の存在がある。これが一般にもっともよく知られる俗にオネエ言葉と呼ばれるもので、「……だわ」「……よね」といった、現代日本にあってはむしろ女性は使うことが少ない極端な女性言葉である。当人が必ずしもそれを女性的な言葉と意識して使っているとは限らないが、端から見てゲイの女性性を裏付けるように見えるのは事実である。必ずしもすべてのゲイに顕著ではないオネエ言葉であるが、わかりやすくインパクトも強いためか、メディアなどを通じ一般にゲイのプロトタイプ的な傾向として認知されている。またオネエ言葉ほどではないが、語尾やイントネーションの女性性、話し方だけではなく、仕草や何気ない日常動作の体の動き方などの女性性などがゲイの特徴として判断されやすい。
大部分のゲイは、ゲイに対する社会の差別意識が根強いため、自分が同性愛者であることを公に知られることを恐れている。不当な差別から身を守るために自分の女性性は見せないようにすることが多い。そう考えた場合に男らしさを過剰なほど強調するのもこうした差別への防御反応であるという見方もできる。ただ実際に無意識的に女性性が薄いゲイも割合存在しているため一概にはまとめることはできない。主にオネエ言葉を使い、仕草が女性的なゲイがゲイとして一般社会に認知されやすい傾向にある中、同性愛のこうした繊細さには、しばしば同性愛者同士でさえ盲目になってしまうことさえあるほどである。
このようにゲイは男らしさから女らしさまでをさまざまな割合と形で内包しており、その幅広さはポジションによってはマイノリティー(性的少数者)の中のマイノリティーといったところに位置してしまうこともある。しかしながらどんな当事者にとっても自分本来の恋愛感や性に対する傾向は意識的には周りと違うと判ってはいても、異性愛者にとっての通念と同じく無意識なものであることには変わりはない。
[編集] レズビアンは男性的傾向か
レズビアンに関してもほぼ同様である。
服装に関するのと同様、文化的な許容範囲の問題から、男性的なレズビアンは一定数存在すると見ることもできる。
また、「異性装」ではないにしても「ボーイッシュ」という程度の男性的な服装が女性全体に比べて有意に多いと言う指摘もある。しかしレズビアンの中にはFTMの性同一性障害者が紛れ込んでいる(ゲイとMTFは比較的はっきりと区分されている)ため、「レズビアンは男性的傾向の強い人が多い」という印象が増幅されている可能性がある。
[編集] 同性愛者は異性恐怖症か
特にレズビアンに対し、男性恐怖症ではないかという誤解が見受けられる。この誤解にもとづいて、男性恐怖症が治れば男性と付き合えるという「助言」をする異性愛者もいる。実際には男性の友人を持っているレズビアンは少なくないのであり、男性嫌悪を抱き女性のみのつきあいを望むレズビアン(セパレイティストと呼ばれる)はかなり限られた存在である。また、過去に男性との交際も経験し、しっくりこなかったなどの理由で自分がレズビアンであるという自覚を持った人も多い。
女性恐怖症のゲイもまた、多いというわけではない(逆にゲイであれば女性と良い友だちになれると思い込むのも早計である)。『ゲイ 新しき隣人たち』(モートン・ハント著、窪田高明訳、河出書房新社)では、男性同性愛者の場合、約半数はいずれかの時点で女性との性交を経験しており、女性に関心も性的感情もまったく抱いたことのない男性のゲイは、全体の四分の一にすぎないとしている。
[編集] 同性愛カップルには男役と女役がいるのか
この言説については、一般的な異性愛者の「男役」「女役」の性役割の概念を同性愛者に適用していえば、そのような状態に近いカップルとそうでないカップルが存在するということになる。
同性愛カップルにおいて、両人の文化的な男性性の度合い・女性性の度合いが完全に一致するということは当然のことながら希であり、多くの場合は、一方は他方に比べてやや男性的であり、あるいは女性的であるが、こうした異性性がはっきりしているカップルとそうでないカップルとがあり、そのバランスはさまざまである。兄弟のようなカップルや異性性が曖昧な中にもお互いに惹かれあうポイントがあればそれで成り立ってしまうこともある。
セックスの際については、同性愛における「男役」「女役」の概念があり、それぞれ「タチ」「ネコ」と呼ばれる役に分かれることがある。おおまかにいうと「タチ」は愛撫する側のことで、一般的にいういわゆる男役であり、「ネコ」は愛撫される側のことで、いわゆる女役ということになる。タチ、ネコ、どちらも可という者は「リバ」と呼ばれる。 しかし、この役割概念も人によっては、あまりはっきり持っていない者もおり、相手や気分によって役割が頻繁に入れ替わる者も少なくない。また、当然ながら、こうした「行為」の役割は、外見上のイメージ(見た目の男性性・女性性)及び、精神的な役割などと必ずしも一致するというものではない。
ところで、同性愛カップルの男役と女役を見出そうという視点は、そもそもは「恋愛に於いては両人の間に異性性が横たわっている」という異性愛者の一般的な概念上で両人の差異を咀嚼した結果、「一方が男性として他方が女性として振る舞っている」と判断するというものである。実際には、こうした一般的な男女の概念を、同性愛者に完全に当て嵌めること自体は難しい。一部の当事者においては、こうした疑問や興味自体が、一般的な男女概念上で同性愛を理解しようとした際の、誤解釈の産物である、として、性と性役割が区別されずに、カップルには「男役」と「女役」が必須という誤解の上に成り立っている、としている。また、「男役」「女役」といったものが、それぞれ何を意味しているのかは、一社会・文化に限っても個々人の解釈によって異なることは多く、曖昧なものだ、ともしている。
性別については、内面的な部分と肉体的な部分とがさまざまなバランスで内包されており、その定義が難しい。そのため、生物学的性別、性自認、性役割をそれぞれ分けて考える必要性が生じる。生物学的性別、及び性自認が「男」だからといって、必ずしも「男」の性役割を担うわけではない。
[編集] 同性愛者とホモフォビアの人口割合
[編集] 文化・宗教
同性愛に対する文化・宗教の態度は様々である。ただし、同性愛者が異性愛者に比べて非常に少数であることや、生殖による共同体維持にマイナスに働きうることから、同性愛が異性愛以上に奨励された文化は希である。
同性愛を禁じている文化・宗教は多数存在する。例えば、アブラハムの宗教の多くの宗派は同性愛を禁じている。その影響から、欧米・中東の伝統的な文化では同性愛は否定的に評価されている。
キリスト教の中でも比較的保守的な宗派においては、レビ記で男性間の性行為を死刑と定めていることなどを根拠に同性愛を禁じている場合が多い。リベラルな宗派の中には、同性愛者が存在し愛情を抱き合うことは異性愛と同様に神の意思に従った自然なことであると考えるものもある。しかしその場合でも、その愛情を性的接触として表現する同性間の性的な行為は許されないとする教派もある。 また、イスラム教についても同性愛については否定的な見解を示している。
一方、ニューギニアのサンビアなどメラネシアの幾つかの社会には通過儀礼の一環として男性同士のフェラチオや肛交が定められており、その意味では同性愛行為は一般的であると言える。しかし、そこにあるのは社会的な義務観念であって「性愛」ないし「愛情」をともなう行為とは必ずしも言えないためこれを同性愛と呼べるか否かは疑わしい。上に議論したように当事者の心情を基準として同性愛を定義するならばそこからは外れるであろう。
また、古代から中世に掛けての日本や、ギリシャ・ローマでのように同性愛行為を肯定的に評価したり積極的に利用しようとした文化も存在する。ただし、これらは一部の階級に限られていたり、武士集団の結束を強固にする目的があったり、成人男性と少年との関係に限られているなど、何らかの意味で一般的な同性愛とは異なるものだと指摘する見方もある。
これらの中間として、同性愛を取り立てて肯定も否定もせず、単なる恋愛・性愛のバリエーションの一つと見なす文化も存在する。
[編集] 同性愛者同士のコミュニケーションや運動
古来から、通過儀礼として社会的に同性愛が認められている場合を除き、自己が同性愛者であると公に知らしめる行為には、ためらう人が多い。ゆえに、同性愛者同士のコミュニケーションは時・場所が異性愛者同士のそれと比べて少なく、ウェブサイトの掲示板や、同性愛者を客層とするバーなど狭い範囲に限られている。 近年では、自己に誇りを持とうとする運動が繰り広げられ、ゲイ・パレードのような運動や、インターネット上でのコミュニケーションが活発に行われている。これにより、同性愛者への差別意識撤廃などを訴える運動がさかんである。
[編集] 同性愛の自由と人権
同性愛を違法化する「ソドミー法」のようなものを掲げる国や地域も存在する。 しかし日本においては、同性愛は何ら犯罪ではない。
[編集] 国際医学会、WHOの見解
現在、国際医学会やWHO(世界保健機関)では、同性愛は「異常」「倒錯」「変態」とはみなさず、治療の対象から外されている。同性愛などの性的指向については発達障害などとは別のもので、矯正しようとするのは間違いとの見方が主流となっている。 一人一人の中で、「同性指向」と「異性指向」がある一定の割合で存在しているというのが人間という「種」の基本的性質であり、そのパーセンテージは自分の意志で簡単に変えたり選んだりできない可変性の低いものになっている。
また日本精神神経医学会は、「同性愛はいかなる意味でも治療の対象とはならない」という見解を宣言している。
[編集] 同性愛と精神疾患
1989年のアメリカ保健社会福祉省調査によれば思春期の自殺者のうち約30%が同性愛者を含めたセクシャルマイノリティである。また、ロンドン大学の調査ではイギリスの同性愛者・両性愛者の3人に2人がうつ病や他の精神疾患を抱えやすいという結果が出ている。日本でも、同性愛者の約6割が自殺を考えたことがあるという研究結果があり、同性愛者の置かれた社会状況が同性愛者の精神状況に影響を与えていることがわかる。
[編集] ゲイを売りにしているタレント
この中には既婚者もおり、明らかに異性愛者であると見なされている者も含まれる。また、テレビの世界だけで実際は異性愛者である場合もある。実際に同性愛である事を公表している者もいるが、「芸風」としてステレオタイプな同性愛者のイメージを過剰に演出したようなキャラクターが強調されがちである。また、ゲイ・レズビアンであることを公言している歌手やミュージシャンもいるが、彼らはそれをキャラクターとして売りにしているとは限らない。なお、ハードゲイなる言葉がゲイ用語として日本のゲイコミュニティの中で認知されているわけではない。
など
テレビなどのメディアでは、男性同性愛を汚いものとして、また女性同性愛を男性の慰み物として取り扱う場面が多く流され、偏見を煽っている。
[編集] 関連事項
- 性的指向
- 両性愛
- 異性愛
- 無性愛
- 非性愛
- 人間の性
- 性的少数者
- ニューハーフ
- 同窓会 (テレビドラマ)
- 男性向けホストクラブ
- 東京都青年の家事件
- 発展場
- ゲイ・タウン
- ゲイ用語
- レズビアン用語
- ゲイ雑誌
- ゲイ向けゲーム
- 性的嗜好
- ショタコン
- 少年愛 (性嗜好)
- 少年愛 (制度的少年愛)
- 女性少女愛
- ホワイトリボンキャンペーン
- 同性結婚
- 女装
- ホモフォビア
- ホモソーシャル
- 機会的同性愛
- ボーイズラブ
- ガールズラブ
- カードキャプターさくら - 同性愛の表現が含まれる作品。
[編集] 関連文献
[編集] 外部リンク
- ゲイコム男性同性愛者専用のソーシャルネットワークサイト。
- Catalo-g(語ログ)LGBTのソーシャルネットワークサイト。
- Catalo-g マガジンLGBTのソーシャルネットワークマガジン。
- LGBT-JAPANセクシュアルマイノリティの情報サイト。
- Gpress IndeXゲイ、同性愛専門の検索エンジン。
- ゲイジャパンニュースゲイ関連ニュース。サイト主催のNPO法人による活動などを紹介。
- 日刊ゲイ新聞&薔薇族総合サイト。各種情報、ゲイ関連ニュースなど。
- スタッグパス総合サイト。ゲイ関連ニュース。会員検索。グッズ販売。
- 特定非営利活動法人 動くゲイとレズビアンの会ゲイの人権活動団体。
- まじめでタメになるゲイ講座ジャーナリスト 北丸雄二氏のサイト。
- セクシャルマイノリティ.netセクシャルマイノリティ(ゲイ,レズビアン),性同一性障害(FTM,MTF)の方々への法務相談
- 2006年発行「同性婚~ゲイの権利をめぐるアメリカ現代史 世界人権問題叢書63~」同性婚に関する参考記述リンク
- 衆道 - 英語サイト
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