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生態学

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アポロ17号からみた青い地球
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アポロ17号からみた青い地球

生態学(せいたいがく、ecology)とは、生物環境の間の相互作用を扱う学問分野である。

生物は環境に影響を与え、環境は生物に影響を与える。 生態学研究の主要な関心は、生物個体の分布や数に、そしてこれらがいかに環境に影響されるかにある。ここでの「環境」とは、気候や地質など非生物的な環境と生物的環境を含んでいる。わかりやすく言い換えるならば、生物界における"歴史学"が進化論なら、"経済学"にあたるのが生態学である。

なお、生物群の名前を付けて「○○の生態」という場合、その生物に関する生態学的特徴を意味する場合もあるが、単に「生きた姿」の意味で使われる場合もある。

目次

[編集] 語源

英語の "ecology" は、1866年に ドイツのダーウィン主義生物学エルンスト・ヘッケルにより作られた。oikos(= 家 "house")と、logos(= 科学 "science")とを組み合わせたものである。


[編集] 生態学の定義

非常に頻繁になされる定義、とくに人類生態学で用いられる定義では、 以下の三角関係についての研究が生態学とされている。

  • 内の個体間の関係 --- 例: 1匹のウサギは他のウサギとどのように関係しているか。繁殖率が高ければ、ウサギの個体数は増加する。
  • 種の組織的な活動 --- 例: ウサギの食物消費量の増加が環境に与える影響はどのようなものだろうか。食物を大量に消費すれば、結果として食物不足が起こり、個体群が維持できなくなるだろう。
  • この活動の環境 --- 例: ウサギにとっての環境の変化の結果、ウサギたちは上に述べた状況により死に絶えてしまう。従って、環境はこの活動の(すなわち、ウサギの生存の)生産物であると同時に、この活動を取り巻く状況でもある。

ecology (生態学、エコロジー)という語は、誰がその語を用いているかによって意味するところが異なる。多くの科学者にとって、ecology は基本的な生物科学に属しており、生物個体やそれ以上の生物の集団、およびその環境を研究対象とする。

たとえば、いわゆる生物濃縮の現象は、生態学の理論によってのみ説明が可能な現象である。

科学者でない多くの人にとって、「エコロジー」とは、科学の一分野ではなく、何よりもまず、人間およびその活動から自然と環境を保護することであるが、これは人間対自然という二項対立の見地によるものである。

必ずしも一般的ではないが、生態学を科学としての生物学以上のものとして見る見方もある。その考えによると、生態学とは、自分たち以外の生物と調和して存在し、また我々を取り巻く他の生物群を単なる物として利用すべきではなく、むしろより大きな一貫したシステムに属するそれぞれの要員ととらえ、ひとつの組織であると考える、ある種の世界観である。

[編集] 生態学の歴史

生態学は、野外における生物を扱う部分も多く、その点で、いわゆる博物学は生態学の大きな源流である。最初の生態学者は、多くの動物の種に興味のあったアリストテレスだろう。 彼の後にはビュフォンやリンネなど数多くのナチュラリストが続き、現代の生態学の始祖と目されている。


[編集] 植物地理学とフンボルト

18世紀を通して、また19世紀初頭に、フランスドイツといった大きな海事力をもつ国々は、他国との海洋商業確立、新しい自然資源の発見と目録作成を目的に、多くの遠征に出帆した。 18世紀初頭には、およそ2,000種の植物れていたが、19世紀初頭になるとその数は4,000種に増え、現在では400,000種に達している。

これらの遠征には多くの科学者が参加し、中には植物学者も含まれていた。ドイツの探検家アレキサンダー・フォン・フンボルトもその一人であり、生物-環境 間の関係に初めて着目したという点から、しばしば生態学の真の父と考えられている。 彼は観察された植物種と気候、緯度・経度を用いて記述された植生区分との間に関連があることを明らかにした。このような領域は、現在では植物地理学として知られている。

In 1804, for example, he reported an impressive number of species, particularly plants, for which he sought to explain their geographic distribution with respect to geological data. One of Humboldt's famous works was "Idea for a Plant Geography" (1805).

Other important botanists include Aimé Bonpland and Eugenius Warming.

[編集] 生物群集の概念 - ダーウィンとウォレス

1850年ごろ、チャールズ・ダーウィンの「種の起源」出版に伴う革新が起こった。また、ダーウィンは生物個体間や種間、環境との関係を重視して、そのしくみに基づいて進化論を主張したが、その内容は生態学的と言って良いものである。

生態学は、反復のある機械的なモデルを、生物学的・有機的な、そしてそれゆえに進化的なモデルへと受け渡した。

同じ時代にダーウィンの競合者であったアルフレッド・ラッセル・ウォレスは、初めて動物種の"地理"について提案をした。当時の何人かの科学者は、種は互いに独立したものではないということを認識し、生物を植物、動物、後には生物群集に分類した。この生物群集(biocenose)という語は、1877年にカール・メビウスによって作られたものである。

[編集] 生物圏 - ジュースとベルナドスキー

19世紀までに、ラボアジェと テオドール・ド・ソシュール による、とりわけ窒素循環に関する化学上の新発見によって、生態学は花開いた。

地球の大気圏、水圏、岩石圏を作り上げるそれぞれの区画の厳しい限界の中でのみ生物が発展しているという事実から、1875年オーストリアの地理学者エドアルト・ジュースは生物圏(biosphere)という語を提案した。 これは、地球上で生物の活動を促進するフロラ、ファウナ、ミネラル、物質循環というような状況を考慮したものである。

1920年代、フランスに亡命したロシアの地質学者ウラジミール・I・ベルナドスキーは、 著書「生物圏」(1926年)の中で、生物圏の発想について詳述した。 また、ここには生物地球化学的循環の基本原理が述べられており、 生物圏を"全ての生態系の総和"と再定義した。

史上初めて報告された生態学的な損傷は、18世紀における植民地の増加による森林破壊である。 産業革命に伴い、19世紀に入ってからは、人間の活動が環境に与える影響について差し迫った関心が寄せられた。生態学者という用語は、19世紀の終わりから使われはじめた。

[編集] 生態系の概念とタンズレイ

19世紀を越え、生物地理学の基礎となるべく、植物地理学と動物地理学が結びついた。 種の生息地・生育地を扱う生物地理学は、しばしば生態学と混同される。 生物地理学は、ある種が特定の生息地・生育地になぜ存在するか、その理由を説明する試みである。

1935年、イギリスの生態学者アーサー・タンズレイは、 生物群集(biocenose)と生息空間(biotope)との間に成り立つ 相互作用の系を生態系(ecosystem)と名付けた。 こうして生態学は、"生態系の科学"になったのである。

[編集] ラブロックのガイア仮説

第二次世界大戦後、地球上での人間の役割と立場に関する人間生態学の一分野では、核エネルギーや工業化、人口の社会的意義、工業国による天然資源の濫用、第三世界の国々で起こっている指数関数的な人口増加などの新しい課題に取り組んでいる。

ジェイムズ・ラブロックによって提唱された「ガイア」(Gaïa)という世界観は、まさに時代が産んだものであり、彼の業績によると地球は生きている、つまり地球はひとつの生きた巨視的な組織に喩えられる。議論になるところではあるが、ガイア仮説は一般人の生態学への興味を増加させた。母なる大地であるガイアが「人間と人間の活動のせいで病気になりつつある」ととらえる者もいた。科学的視点では、この仮説は生物圏と多様性を世界規模の観点からとらえる新しい生態学とつじつまがあっている。

[編集] 人類生態学

人類生態学はシカゴにおける植生遷移変化の研究を通して1920年代に始まり、1970年代にひとつの研究分野として確立した。人類生態学では「地球上に広く生息する人間も主要な生態学的な要因(ecological factor)である」という認識に注目した。生息地の開発(特に都市計画)、集約的な漁業、あるいは農業工業活動を通じて人類は大きく環境に手を加えるからである。

人類生態学は、人類学者、建築家、生物学者、人口統計学者、生態学者、人間工学研究者、民族学者、都市計画研究者、医師 といった研究者が参画する分野として始まった。

人類生態学は生態学の支流であり、人間、その組織的な活動、人間をとりまく環境についての研究を行う。加えて、環境保護運動?(environmentalism) -- 生態学から生まれ、人間社会に適用し得る哲学 -- が発展した。やがて、生態学における知見を政策や都市経営に適用しようとする政治生態学?(political ecology)も1920年代に興った。


[編集] 生態学の基本法則

[編集] 生態学の研究分野

生態学は、生物にかかわる研究をするので、大方は生物学に属するものと考えられる。生物学では、その扱う対象に様々な階層があり、それはたとえば、(核酸を含む)分子を扱う分子生物学細胞を対象にする細胞生物学、(組織や個体そのものの意味での)生物体を対象とする生物学、個体群を対象とする研究、群集の研究、生態系生物圏に体する研究などである。最後の3つ(あるいは4つ)がほぼ生態学の範囲にあたる。

生態学では、 生物とそれをとりまく環境間の相互の関係に焦点を当て、 生物について俯瞰的に説明を行おうとする。 そのため、地質学生化学地理学・土壌学・物理学気象学などの他の学問分野とも深い関連をもち、 綜合的な(=非還元主義的な)科学であるとされる。

以下に、生態学における諸分野を、スケールの小さなものから列挙する。

  • 生態生理学 (あるいは個体生態学):生物の型と環境要素との関連を研究する。
  • 個体群生態学:個体群と環境との間の関係の研究
  • 群生態学:生物群集、あるいは複数種の個体群と環境との関連を研究する。
  • 生態系の研究
  • 地球規模の生態学:生態圏・生物圏というスケールでの生態学。

[編集] 生物圏と生物多様性

現代の生態学者にとっては、

といった幾つかのレベルで研究がなされ得る。

個体レベルで生態学的な視点と言えば、古くは生理生態学的なアプローチ、と言うことになろう。たとえばある種の海岸生物の分布域を、個体の耐塩性と関連づける、といったものである。近年では、行動生態学の進歩によって、行動や生活史の上での特徴までもが個体を単位に考える必要が示されている。

個体群レベルでは、対象は個々の生物の種、あるいはその一部である。ただしその個体を取り上げ、研究室内でその機能と構造を調べるのではなく、その生物が生存している場に於いて、さまざまな特性について考える。当然ながら対象とする地域は狭く、その生物の活動圏がひとつのまとまりである。


生物圏レベルの視点に立った場合、地球は水圏・岩石圏・大気圏といった構成要素から成っている。ときに第四の要素として扱われる生物圏は、惑星上で生命が発展できる部分である。

生物の大多数は-100~+100mの間に位置する区間に生息しているが、 生物圏は深さ11,000m、海抜15,000mまでの非常に薄い表層である。

生物は、はじめ太陽光線の届く浅い水辺で発達し、 そのうち多細胞生物が現われ、集合し、底生生物となった。 また、紫外線から生物を守るオゾン層が生まれたことで、陸上で生活する生物が発展を遂げた。 地上の生物の多様性は、大陸が分離・衝突することによって増大したと考えられている。

生物圏と生物多様性は、地球の特徴として不可分なものである。 生物圏は、生物が存在する領域として定義されるが、 生物多様性は、その多様さを指す概念である。 たとえて言えば、生物圏が容れ物であるならば、多様性はその内容物の状態を表している。 多様性は、生態系レベル、個体群レベル(種内の多様性・遺伝的多様性)、 種間レベル(種多様性)といった異なる枠組みでとらえることができる。

生物圏は、炭素窒素酸素といった、 多くの生物にとって必要な元素を非常に多量に含む。 リン硫黄カルシウムなどのその他の元素も、生物には不可欠である。 生態系・生物圏レベルでは、 これらの要素は無機・有機の状態間で変化しながら、常に循環している。

生態系が機能するための主要なエネルギー源は、太陽光である。 植物は光合成により、光を化学エネルギーに変換する。 この過程でが生成され、生態系を動かす第二のエネルギー源となる。 糖のうちいくつかは、エネルギー源として他の生物に利用され、 その他の糖もアミノ酸などの高分子を形成する材料となる。 植物は糖から蜜を作り送粉者を誘うことで、繁殖を可能にしている。

Cellular respiration is the process by which organisms (like mammals) recycle the sugar back to its constituants, water and carbon dioxide, gaining back the stored energy the sun originally gave to the plants. The proportion of photosynthetic activity of plants to the respiration of other organisms determines the specific composition of the Earth's atmosphere, particularly its oxygen level. Global air currents mix the atmosphere and maintain nearly the same balance in areas of intense biological activity and areas of slight biolgical activity.

Water is also exchanged between the hydrosphere, the lithosphere, the atmosphere and the biosphere in regular cycles. The oceans are large tanks, which store water, ensure a thermal and climatic stability, as well as the transport of the chemical elements thanks to large oceanic currents.

For better understanding of how the biosphere works, and the dysfunctions related to human activity, American scientists carried out, under greenhouses, a small-scale model of the biosphere, called Biosphere II.

[編集] 生態系の概念

生態学の第一の原理は、各々の生物は、それを取り巻く環境を作りあげる他のあらゆる要素との間に、進行的・継続的な関係をもつということである。 「生態系」とは、「生物・環境間の相互作用の存在するあらゆる状況」として定義することができる。

生態系は、 生物(生物群集)と、その生物が存在するための媒介(生育地・生息地)という、 2つの構成要素から成る。 生態系内では、種は食物連鎖において互いに関係し、依存し合っている。 また、生物同士や環境との間で、エネルギーと物質をやりとりする。

生態系という概念は、さまざまなスケールの単位 --- 1つの池、1つの草地、あるいは1個の木片といった --- に適用できる。 A unit of smaller size is called a microecosystem. For example, an ecosystem can be a stone and all the life under it. A mesoecosystem could be a forest, and a macroecosystem a whole ecoregion, with its watershed.

Ecosystems are often classified by reference to the biotopes concerned. The following ecosystems may be defined :

  • as continental ecosystems (or terrestrial), such as forest ecosystems, meadow ecosystems (meadows, steppes, savannas), or agro-ecosystems (agricultural systems).
  • as ecosystems of inland waters, such as lentic ecosystems (lakes, ponds) or lotic ecosystems (rivers, rivers)
  • as oceanic ecosystems (seas, oceans).

Another classification can be done by reference to its communities (for example a human ecosystem).


[編集] 恒常性

生息空間は、地質、地理気候といった非生物的な環境要因によって、その範囲が規定される。非生物的な環境要因としては、以下のものが挙げられる。

  • -- 生物にとって不可欠なものである。陸上においては、供給される水の量(降雨量など)と季節変動が重要な環境要因である。
  • 空気 -- 生物に酸素二酸化炭素を供給する。また、花粉胞子を散布する。
  • -- 養分供給源として成長を支える。土は岩石の破砕物と有機物が混じったもので、有機物は生物起源の、いわゆるデトリタスである。基盤となる岩石の成分があまりに特殊な場合、土壌成分が偏り、成立する生物群集が制限される場合がある。
  • 温度 -- 高温すぎても低温すぎても生物の活動は制約される。生物種によっては温度に対する耐性は様々である。地球上では、おおむね低温の程度によって生物多様性が制限される。
  • -- 光合成に必要である。光の当たらない環境(地下や深海など)では、一般には生産者が欠損する。

ただし、このような非生物的要因に、生物が全く関与できないかと言えば、、そうではない。一般の見方としては、気候的要因などは緯度や標高などによって決定されるものと思われるが、そのようなものであっても、生物の存在によってある程度の変化は生じる。例えば過度の伐採によって砂漠化している地域があるが、一旦砂漠化すると回復は難しい。しかし、それではなぜ以前には樹木があったのだろう?これは、樹木が過度の攪乱を受けなければ、砂漠にならなかった、つまり砂漠の気候になるのを植物が止めていたことを意味する。一般的に、植物がよく生育していた環境を、過度の攪乱によって裸地化した場合、気温の変動幅が大きくなり、乾燥化する傾向がある。このように、非生物要因によって生物群集が影響を受けることを作用、逆に生物群集が非生物要因に影響を与えることを反作用という。


[編集] 生態学的な危機

1986年チェルノブイリ原子力発電所のメルトダウン(事故)により 多くの人々と動物がによって死に、また多くの動物と人間の奇形児が生まれた。 現場周辺の土地は、事故により生じた多量の放射能のため、現在では廃棄されている。

[編集] 政治的生態学

Political ecology


Main articles : Political ecology, environmentalism

In recent years, as a result of the deteriorating environment, there has been an emergence of ecological movements such as the Green Party. It is important to understand the fundamental differences between politics, ideology, and the science of ecology.

[編集] 生態学の関係分野


Ecology also plays important roles in the inter-disciplinary fields of

[編集] 関連記事

Wikibooks
ウィキブックスエコロジー関連の教科書や解説書があります。
Wikibooks
ウィキブックス生態学関連の教科書や解説書があります。

[編集] 参考文献

  • 生態学事典 巌佐 庸・松本 忠夫・菊沢 喜八郎・日本生態学会 編 2005 共立出版.
  • 生態学辞典−増補改訂版 沼田真編 1983 築地書館.

[編集] 外部リンク

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