浪岡町
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浪岡町（なみおかまち）は、青森県西部、青森市と弘前市のほぼ中間に位置した津軽地方の町である。2005年4月1日に青森市と合併した。
合併を推進してきた加藤新吉元浪岡町長に対するリコール運動が行われている最中の2004年10月26日、青森・浪岡両議会で合併議案可決された。浪岡町議会は、議員二十人中、議長と退席した一議員を除く十八人で起立採決し、賛成一二、反対六で可決した。しかし同町は合併関連議案を可決した後、合併特例法に定められている告示行為をしなかったことが後に判明している。青森県議会の合併議決前である2004年10月30日浪岡町長に対するリコールの本請求が起きた。町長のリコール住民投票を十日後に控えた2004年12月16日、リコール投票の結果が出るまで鹿内博県議などが合併議決を延期するように三村青森県知事に求めたが、合併推進派の要請を受け、その結果を待たずに、県議会が合併を議決した。2004年12月26日の住民投票によってリコールが成立。2005年2月13日実施の町長選挙で、合併に反対する候補が当選したことにより、再度分離する動きが見られたが叶わなかった。また、青森市との合併の是非を問う浪岡町の住民投票が2005年3月27日に実施され、合併反対が6845票で、合併賛成の1097票を大きく上回った。最終投票率は46.99％であった。しかし、住民投票に法的拘束力はなく2005年4月1日に青森市と合併し、浪岡町は静かに歴史を閉じることになった。
尚、旧浪岡町長のリコールに絡む買収事件やその他の贈収賄事件で、加藤新吉元町長と合併推進派の議員九人が逮捕・起訴されている。
分離するためには、新しい青森市議会での議決および青森県議会での議決が必要となる。 尚、再び旧浪岡町の地区を独立させようという「分町運動」は続いている。
目次 |
[編集] 地理
津軽平野の中東部に位置し、南津軽郡の北端。西南部へ向け平野が開け、北部は津軽山地の南端、東部は奥羽山脈となる。町内の真ん中を岩木川水系の浪岡川が流れる。
[編集] 隣接している自治体
[編集] 歴史
- 1889年（明治22年） - 町村制により浪岡村誕生。
- 1940年（昭和15年） - 浪岡村から、浪岡町に。
- 1954年（昭和29年） - 浪岡町、五郷村、大杉村、野沢村、女鹿沢村が合併し、浪岡町となる。
- 1956年（昭和31年） - 北津軽郡七和村下石川を編入。
- 2003年（平成15年）12月 - 議員提出（6人） 青森市との合併の是非を問う住民投票条例案否決（1回目）賛成7 反対12。
- 2004年（平成16年）5月17日 - 臨時議会 住民の署名活動による直接請求の住民投票条例案否決（2回目）賛成6 反対13。
- 2004年（平成16年）8月15日 - 青森市との合併を推進してきた加藤新吉浪岡町長に対するリコールの署名収集開始。
- 2004年（平成16年）10月9日 - 町選管は有効署名を7112人分と告示。（リコールに必要な有権者数5743人）
- 2004年（平成16年）10月13日 - 青森市・浪岡町合併協定調印式。加藤町長と佐々木市長が署名。立会人は副知事・蝦名武、青森市議長・大矢保、浪岡町議長・福士銀一。
- 2004年（平成16年）10月17日 - 町長がリコール署名に異議申し立てをしたため再審査。 無効署名申し立て数2,592人分。
- 2004年（平成16年）10月26日 - 青森・浪岡両議会で合併議案可決。浪岡町議会 賛成12 反対6。
- 2004年（平成16年）10月27日 - 両市町長連名で県知事に合併申請。
- 2004年（平成16年）10月30日 - 町選管は有効署名を7072人分と告示、加藤新吉浪岡町長に対するリコールの本請求。
- 2004年（平成16年）12月6日 - リコール投票告示。
- 2004年（平成16年）12月16日 - 合併特例法で規定されている告示が浪岡町では行われていないまま青森県議会が青森市との合併を議決。
- 2004年（平成16年）12月26日 - 住民投票によって加藤新吉町長のリコールが成立。
- 2005年（平成17年）1月5日 - 住民投票を求める会が総務省を訪れ、青森市との合併を官報で告示することを、出直し町長選後に行うよう要請し総務省は拒否。「県知事が処分した案件なので官報に出す」と表明。
- 2005年（平成17年）1月18日 - 総務省告示第62号。
- 2005年（平成17年）2月13日 - 町長選挙で、合併に反対する候補・古村一雄氏が当選。
- 2005年（平成17年）2月18日 - 第1回臨時議会 議員発議による住民投票条例案否決（3回目）。
- 2005年（平成17年）3月4日 - 第2回臨時議会 古村町長が提案した住民投票条例案否決（4回目）、町長信任動議可決。
- 2005年（平成17年）3月16日 - 3月定例議会最終日に住民投票条例案否決（5回目）、賛成8 反対8 議長裁決で否決。
- 2005年（平成17年）3月18日 - 古村町長が定例議会が閉会したことから、住民投票条例制定を専決処分。
- 2005年（平成17年）3月27日 - 青森市との合併の是非を問う浪岡町の住民投票が実施され、合併反対が6845票で、合併賛成の1097票を大きく上回る。
- 2005年（平成17年）4月1日 - 青森市と合併（新設合併）。
[編集] 主な事件
- 2005年3月6日 - 町長解職投票をめぐる買収容疑で合併推進派2町議を逮捕。
- 2005年3月12日 - 合併推進派町議がさらに1人逮捕（3人目）。
- 2005年3月23日 - 合併推進派町議さらに2人逮捕（5人目）。
- 2005年4月5日 - 合併推進派旧浪岡町議さらに3人逮捕（8人目）。
- 2005年4月27日 - 買収容疑で合併推進派・加藤新吉元浪岡町長逮捕。
- 2005年6月11日 - 加藤新吉元浪岡町長が町長当時の同町消防職員の採用に絡む収賄の疑いで再逮捕（加藤氏逮捕2回目）。
- 2005年7月21日 - 公共工事を巡る贈収賄事件で加藤元浪岡町長と合併推進派旧浪岡町議がさらに1人逮捕（加藤氏逮捕3回目、合併推進派議員9人目）。
- 2005年9月16日 - 加藤元町長が、合併議決後に合併特例法で規定されている告示行為をしなかった問題に対し、「住民投票を求める会」の海老名徳太郎代表ら139人が住民監査請求を起こす。
- 2005年10月14日 - 「住民投票を求める会」の海老名徳太郎代表らの浪岡の合併不告示問題への住民監査請求について青森市監査委員らにより棄却される。
- 2005年11月13日 - 浪岡地区の住民団体「住民投票を求める会」の84人が告示の欠落問題で佐々木新青森市長を提訴。
- 2006年6月23日 - 青森市議会が旧浪岡町との合併協定書を無視し、まだ一度も選挙が行われてないなかで議員定数削減案を定例議会で強行採決。
- 2006年7月14日 - 青森地裁は「法定の告示は欠いているが、告示は在任特例の要件とは言えないとして在任特例協議の効力は有効」として、原告（住民投票を求める会）の請求を棄却。
- 2006年8月1日 - 原告側は、原告の請求を棄却した青森地裁の判決を不当判決であるとして、仙台高裁に控訴。
[編集] 行政
[編集] 歴代町長
- 長谷川信平 (浪岡地域自治区長 長谷川行惇の父)
- 平野良一 (任期 1975年1月 - 1983年、2期、核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会委員長・核燃サイクル阻止一万人訴訟原告団運営委員)
- 工藤善弘 (元助役)
- 阿部幡彦 (浪岡八幡宮神官)
- 加藤新吉 (木村守男氏の後援会組織 青雲会連合会の元会長)
- 古村一雄 (任期 2005年2月13日 - 2005年3月31日、住民投票を求める会事務局長)
[編集] 産業
米・リンゴを基幹とする第一次産業が発達。北部の大釈迦地区には工業団地があり、コカ・コーラや、かねさ（味噌）の工場がある。
[編集] 特産品
ほか
[編集] 姉妹都市・提携都市
[編集] 国内
[編集] 海外
[編集] 地域
[編集] 医療機関
- 国立病院機構青森病院
- 青森市立浪岡病院
[編集] 高等学校
- 青森県立浪岡高等学校 普通科と商業科を置く。
[編集] 中学校
[編集] 小学校
- 青森市立王余魚沢小学校 児童数の減少で平成16年3月31日から休校。青森市との合併後に廃校。
- 青森市立大栄小学校
- 青森市立浪岡北小学校
- 青森市立浪岡野沢小学校
- 青森市立浪岡南小学校
- 青森市立本郷小学校
- 青森市立女鹿沢小学校
[編集] 特殊学校
- 青森県立浪岡養護学校
[編集] 所管警察署
[編集] 所管郵便局
- 浪岡郵便局（集配特定局、浪岡地区を担当）
- 大釈迦郵便局
- 樽沢郵便局
- 浪岡本郷郵便局
[編集] 観光スポット
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[編集] 町内の温泉
[編集] 行事、イベント 、そのほか
[編集] 交通
[編集] 道路
町内を縦断する形で国道7号とJR奥羽本線がほぼ並行する。そのやや東方に東北自動車道が縦断し、北部の長沼地区に浪岡ICがある。国道については同じく北部の大釈迦地区で国道7号から国道101号が西方（五所川原方面）へ分岐する。国道101号の南方には東北自動車道から分岐した津軽自動車道(無料)が並行する。
[編集] 鉄道
- 東日本旅客鉄道
浪岡駅では2002年12月1日より特急「つがる」の停車駅として、久方ぶりに特急が1日4.5往復停車するようになった。
[編集] バス
[編集] 路線バス
- 黒石～青森線
- 弘前～浪岡線
- 特急弘前～青森空港線
- 高野線
- 本郷線
町中心部に浪岡待合所がある。
[編集] 高速バス
[編集] 出身有名人
- 綾浪源鋭（あやなみ げんえい・元関脇力士）
- 浪ノ音健藏（なみのおと けんぞう・元関脇力士）
- 隆の里俊英（たかのさと としひで・第59代横綱、在位期間1983年7月～1986年1月・現在、鳴戸親方）
- 浪乃花教天（なみのはな かずたか・元小結力士）
- 武州山隆士（ぶしゅうやま たかし・力士）
- 長谷川孝治（はせがわ こうじ・弘前劇場主宰、脚本・演出家）
- 倉内均（くらうち ひとし・映画監督）
- 津川武一（つがわ たけいち・作家、政治家、医師）
- 平井信作（ひらい しんさく・小説家）
- 長谷川昌史（はせがわ まさし・ライトノベル作家）
- 阿部合成（あべ ごうせい・画家）
- 常田健（つねた けん・画家）
- 山内文夫（ やまうち ふみお・画家）
- 福士励（ ふくし はげむ・画家）
- 葛西善一（かさい ぜんいち・版画家）
- 山内清城（やまうち せいじょう・書家）
- 鎌田光展（かまた みつのぶ・工芸美術作家）
- 谷口雅邦（たにぐち がほう・前衛いけばなアーティスト）
- 田中珠紀（たなか まき・アナウンサー）
- 野呂妙子（のろ たえこ・声楽家）
- 相沢良（あいざわ りょう・女性平和運動家、革命家）
[編集] その他
青森空港は町中心部から車で15分ほどの近さで、アクセス道路が国道7号から東方へ整備された。バスも運行している。
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