横山光輝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウィキポータル |
日本の漫画作品 |
日本の漫画家 |
漫画原作者 |
漫画雑誌 |
カテゴリ |
漫画作品 |
漫画 - 漫画家 |
プロジェクト |
漫画作品 - 漫画家 |
横山 光輝(よこやま みつてる、男性、1934年6月18日 - 2004年4月15日)は、兵庫県神戸市須磨区出身の漫画家。本名は、横山 光照。血液型はO型。
代表作に『鉄人28号』、『伊賀の影丸』、『魔法使いサリー』、『バビル2世』、『三国志』等がある。
目次 |
[編集] 人物
その多くの分野を彩る技量から、全盛期は手塚治虫に並ぶとまでされていた。手塚治虫が生きていた頃、世間からそう謳われた人物は、白土三平と横山光輝、石ノ森章太郎の3人。白土は、劇画という(当時の)新地を開拓するほどの絵の技量から、横山は、多くの分野に進出できるほどの話の技量から、石ノ森は、絵の技量も話の技量も持ち合わせていたことからである。
『殷周伝説』を連載していた雑誌「トムプラス」の巻末の近況では、「私が今まで感銘を受けた本は、山岡荘八さんの小説『徳川家康』全26巻でしたね」と語っている。
自作品の映像化に関しては原作からのストーリーの大幅な逸脱を嫌う漫画家が多い中、横山はその点については現実的かつ寛容であったと言われる。実際、『マーズ』の最初のアニメ化(『六神合体ゴッドマーズ』)に際しては、アニメ側のスタッフによる、当時のアニメとして興行的に成立させるために必要なキャラクター造形にまで至る作品の大幅な改変を了承し、実際に成功を収めた。他の作品でも映像化に際してはストーリー・演出面に於いて時代に対応した変化を行い、成功している例が多い。しかし、『超電動ロボ 鉄人28号FX』については鉄人28号の特色の一つであるリモコンで善悪が変わるという設定が薄れたために「あんなものは私から見れば、『ガンダム』だ」と非難したという話もある。
無類の競馬好きで、それが高じて茨城県美浦村のとある牧場で自分の競走馬を飼っていたと言う。
[編集] 経歴
[編集] 生い立ち
少年時代は鳥取県に家族と疎開していたという。
神戸市立太田中学校、神戸市立須磨高等学校を卒業。銀行に入社するが漫画を描く時間が取れず退社。映画会社宣伝部員としてチラシを描く合間、貸本漫画に携わりながら漫画家を目指す。当時は手塚治虫の『メトロポリス』を読んで、その影響を濃く受け、実際に手塚を訪ねた事もある(『水滸伝』の連載時まで手塚の影響が見られた)。
[編集] 活躍
1954年、貸本漫画会社大阪東光堂の注文で描いた単行本『音無しの剣』で漫画家デビュー。1956年、映画会社を退社後『鉄人28号』を発表して人気を博し、以後、映画会社勤務時に映画を多数見た経験を生かして、名作漫画を次々と生み出した。
基本的には連続物語(ストーリー漫画)のみを描き、笑いの要素は存在させなかった。笑いの無い世界でひたすら物語の引力で読者の心を掴みつつ、グイグイと「続き・・・、続き・・・」と連載の最終回まで読者を引き込み、しばしの間、虚構の世界に遊ばせる。連続物語を描く為に必要な、盛り上がり・緊迫感・娯楽性・絵の魅力・次回への引き等々の手法は彼によって洗練された。あくまで少年の娯楽としての、連続物語の一つの完成形とされる。
アニメ化された作品も多く、『鉄人28号』で巨大ロボットアニメの歴史が始まり、『魔法使いサリー』で魔法少女アニメの歴史が始まったと言われている。『三国志』も1991年に『横山光輝 三国志』としてテレビ東京で放送された。
1991年、『三国志』により第20回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。受賞作『三国志』は、1971年から1986年までの15年の時間を要し、全60巻(文庫版は全30巻)で劉備登場から蜀漢の滅亡までを描かれた大作である。『水滸伝』『三国志』以降、横山は日本や中国の歴史漫画中心に力を注ぐ事になる。それ以降から、手塚治虫が「漫画の神様」と呼ばれたのに対して、歴史漫画に全力を注いだ横山は同業者と読者から自著の「鉄人28号」にちなんで、『漫画の鉄人』と呼ばれるようになったという。
[編集] 晩年
晩年は病気を患い療養していた。2004年に文部科学大臣賞を受賞した。同年4月7日『鉄人28号』(第4作)が放送開始。同年4月11日 東京都古書籍協同組合が組合員を対象として14~15日に開く全古書連大市会にて横山の未発表作品が入札にかけられると報道され、これに対し「売りに出されるのは不愉快」と発言していた(未発表の横山漫画が入札に 落札額注目、本人「不愉快」)。
同年4月15日朝方、自宅の火災で全身火傷により意識不明の重体となり、同日22時に死去した。横山は生前ヘビースモーカーとして知られ、出火原因も寝煙草の不始末であった。出火当時避難出来なかったのは、数年前に足を骨折した後遺症のためである。享年69歳。遺作は2005年1月に完結した『殷周伝説』。
[編集] 死没後
遺産は長男の横山輝利(てるき、光プロダクション代表取締役の一人)と長女が相続したという。後に輝利は光プロのパーティで亡父の昔の単行本の再発行版決定に関してのスピーチの際に「大変読み易く、亡父が見ても納得してくれると思う」と述べている。
横山の生前時、「私の納得できる最善の出来ではない」という理由で、単行本化されない作品が多数あり、多くのファンを焦らせた。横山の死後は『ジャイアントロボ』等々、これらの作品が相次いで単行本化されている。
[編集] 作品リスト
[編集] 少年向け
[編集] ロボットもの
[編集] 忍者もの
[編集] SFもの
- レッドマスク
- バビル2世
- その名は101(ワンゼロワン)
- 『バビル2世』の続編
- 宇宙船レッドシャーク
- 短編作品
- マーズ
- ダイモス
- 時の行者
- 魔界衆
- 地球ナンバーV7
- 昆虫惑星(短編)
[編集] 時代もの
- 闇の土鬼
- 音無しの剣
- 風盗伝
- 恋と十手とお銀ちゃん
- 短編作品
[編集] その他
- あばれ天童
- コマンドJ
- グランプリ野郎
- 邪神グローネ
- 白髪鬼
[編集] 少女向け
[編集] 大人向け
[編集] 歴史もの
[編集] 中国
- 『史記列伝』も含む
- 長征
- 戦国獅子伝
- 狼の星座
- ウイグル無頼
[編集] モンゴル
- チンギス・ハーンの生涯を記したモンゴル語史書元朝秘史がモチーフ
[編集] 日本
- 以上4作品の原作は山岡荘八
原作・新田次郎
- 原作・新田次郎。『武田信玄』の続編)
[編集] 関連項目
- 太陽の使者 鉄人28号
- 超電動ロボ 鉄人28号FX
- 六神合体ゴッドマーズ
- 神世紀伝マーズ
- 横山光輝 三国志
- 三国志大戦2SEGAのアーケードゲーム。LE(レジェンド)カードとして、劉備、諸葛亮、関羽、張飛、趙雲が登場する。
[編集] 外部リンク
- 横山光輝の世界(ファンサイト)
- 神戸新聞Web News 行け! 鉄人 横山光輝の50年