朝倉孝景 (10代当主)
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| 時代 | 戦国時代 | |||
| 生誕 | 明応2年11月22日（1493年12月30日） | |||
| 死没 | 天文17年3月22日（1548年4月30日） | |||
| 改名 | 孫次郎、弾正左衛門尉、入道性安斎 | |||
| 戒名 | 性安寺殿大岫宗淳大居士 | |||
| 墓所 | ||||
| 官位 | ||||
| 氏族 | 朝倉氏 | |||
| 父母 | 朝倉貞景、斎藤利国女(祥山禎公) | |||
| 兄弟 | 孝景、景高、景郡、景紀(朝倉宗滴の養子へ)、 道郷（波多野家へ）、景延、大成明玉 |
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| 妻 | 武田氏女（光徳院） | |||
| 子 | 朝倉義景 | |||
朝倉 孝景（あさくら たかかげ）は戦国時代の武将で越前国の戦国大名。曽祖父（七代）孝景にあやかって、自身も「孝景」と名乗った。今日においては区別するため便宜上、法名から「宗淳孝景」(大岫孝景)と呼んで区別する。
朝倉氏十代目当主。朝倉貞景の子。朝倉義景の父。 母親は美濃守護代斎藤利国の娘。孝景妹は美濃守護土岐頼武に嫁ぎ、嫡男土岐頼純を産む。
目次 |
[編集] 略歴
一門の朝倉宗滴の補佐を受けて、当時混乱の多かった周辺国加賀国・美濃国・近江国・若狭国らにしばしば出兵・侵攻し、各国の守護家や諸勢力に軍事的優位性、政治的影響力を見せ付けた。 加賀一向一揆との和睦をも成立させたと言われている。 結果的に朝倉氏の勢力をさらに拡大するとともに、朝廷や幕府との繋がりをも深め、越前に更なる繁栄をもたらし、本拠一乗谷城に京風の文化を華開かせた。 絶え間なく中央（京都）および周辺諸国情勢に煩わされる部分もあったが、彼の当主の時代が朝倉家の全盛期であった、という見方もある。
軍事面においては、当主自らではなく一族の主なものを、名代として派遣する例が多い。 この制度が次代の朝倉義景の統治にも影響を及ぼすこととなる。
内政においては、守護斯波氏の下では同格であった国人衆などと呼ばれる諸勢力を、完全に臣従下させるには至っていない。 弟である朝倉景高と対立する、という内紛もあった。 周辺諸国への大軍派遣、朝廷や幕府に対する多額の献金、一乗谷の繁栄などを鑑みるに、財力も相当なものであったことが窺え、豪商らが名物茶器を所持していたり、家臣らが京に書物を求めるなどの例から、孝景統治時代の越前の、国全体の繁栄が窺い知れる。
[編集] 年表
- 永正9年、3月。父朝倉貞景鷹狩の途中に急死。家督を継ぐ。
- 永正13年、将軍足利義稙、朝倉孝景に白傘袋および毛氈鞍覆を免ぜらる。
- 永正14年、幕命を受け、朝倉宗滴を軍奉行として若狭・丹後に出兵。若狭守護武田氏を助けて、若狭逸見氏と丹後守護代延永氏の反乱を鎮圧。
- （丹後の海賊を追討したのはこの頃か。）
- 永正15年、隣国美濃における、守護土岐氏と守護代斎藤氏の対立に敗北した斎藤利良は、守護家の土岐頼武を擁して越前へ亡命。（孝景の母は斎藤氏出身）
- 永正16年、7月 弟・朝倉景高に兵3千を率いさせ、美濃に出陣。9月14日・正木合戦と10月10日・池戸合戦に連勝し、斎藤利良・土岐頼武を美濃に復帰させる。
- 大永5年、朝倉宗滴に軍勢を率いさせ、近江小谷城へ出陣。六角氏と協力して美濃の内乱に介入した浅井氏を牽制。その後、六角氏と浅井氏(浅井亮政)の間を調停。美濃には朝倉景職の率いる軍勢が出兵、稲葉山まで進出する。
- 大永7年、10月 京を追われ、近江に座していた将軍足利義晴の求めに応じ、朝倉教景（朝倉宗滴）・前波氏らに兵一万を率いさせ出兵。管領・細川高国らと合流、10月13日、洛中に進軍する。24日、洛中を支配していた三好勢ら諸軍勢と桂川を挟んで合戦、勝利。その後の反撃をも撃退し、京都を将軍家・細川家・朝倉家の下に実効支配する。
- 同年、実弟・朝倉景高を越前大野郡司に任命。
- 同年、若狭で粟屋元隆、守護武田氏に対し反乱。朝倉氏に身を寄せていた武田一族の武田信孝、朝倉家臣と共同で若狭乱入を企て、朝倉軍も同時行動の動きを見せる。
- 大永8年、将軍足利義晴の御供衆に加えられる。3月 朝倉全軍、京都撤兵。管領・細川高国との対立が原因とされる。
- 享禄元年、5月、前年に対立した管領・細川高国が自ら一乗谷へ下向。京への軍勢派遣を要請するが、孝景応じず。
- 享禄4年、加賀一向一揆の内紛（享禄の錯乱）起こり、朝倉宗滴を派遣して加賀一向一揆を攻撃。手取川付近まで侵攻。朝倉宗滴、敦賀郡司職を養子・朝倉景紀（孝景の弟）に譲る。
- 天文元年、12月 六角氏と朝倉氏の間で「末代迄」とされる密約が交わされている。加賀一向一揆と和議成立。
- 天文2年、一子朝倉義景、誕生（孝景41歳）
- 天文4年、塗輿御免。
- 天文5年、土岐頼武と土岐頼芸の守護職を巡る闘争に関与し、朝倉景高、大野郡穴間城を攻略。
- 天文7年、幕府相伴衆に列する。11月 後奈良天皇の践祚に際し、一万疋を献上。
- 天文9年、8月 朝倉景高上洛。幕府要人や公家の人脈を頼り、反朝倉孝景の運動を画策するが失敗。孝景、朝廷へ御所修理料百貫文、将軍家へ五十貫文を贈った上、景高の追放を幕府へ願い出る。9月、景高、京洛を追放。若狭武田氏の庇護を受ける。その後も本願寺、一向一揆、若狭武田氏、尾張斯波氏らと反孝景を画策する。
- 天文12年、4月 景高、本願寺との同盟交渉を拒否され、若狭から撤退。西国へ逃れる。
- 天文13年、越前に逃れてきていた土岐頼純（土岐頼武嫡男）を美濃守護とするため、尾張の織田信秀と共闘し、美濃の斉藤道三および土岐頼芸を攻め、井口城（稲葉山城）下を焼き払う。
- 天文17年(1548年)3月、寺院参詣の帰途に急死する。55歳。
[編集] 「文道を左に、武道を右にした風流太守」
当時、戦乱に明け暮れた日本国内（特に畿内周辺）において、越前は朝倉氏の実力の内に（周辺諸国と比較して、ではあるが）比較的平穏であった。 そんな朝倉氏を頼り、都からも多くの貴族、文化人らが避難がてら一乗谷を訪れ、滞在している。 またこの時代、京都出兵や将軍家との付き合い、朝倉の実力に対する将軍家からの厚遇を含め、朝倉氏はその軍事力だけでなく（特に畿内方面に於いて）社会的地位をも向上していき、もはや朝倉の話なくしては、当時の京都政界は成り立たなかったであろう。
一方この頃一乗谷には都風の文化・社交が流入し、庶民にすら溶け込んでいった。 孝景自身については
- 「治世よろしく、将帥に兵法を論じて厳、詩歌を評して妙である」月舟寿桂
- 「文道を左に、武道を右にした風流太守」春沢永恩
と、文武に於いて賞賛されている。 蹴鞠は飛鳥井流伝授、和歌は三条西実隆に批評を依頼するなど、京都文化を好んで嗜んだことが知られている。 家臣らも、武の道とは別にこれら文化に親しんだことが伝わっている。 実際朝倉家臣には実弟朝倉景高を筆頭に「文道を左に、武道を右にした風流武士」が多いのである。
では家中は「京都風文化」に溺れ暮らしたかと言えばさにあらず。家中にては「軍略」「剣術」の研究が盛んであったと伝えられている。
武を疎かにしない。であるからこそ、富田勢源、富田景政、川崎時盛、そして「名人越後」富田重政、伝説の佐々木小次郎らといった朝倉家中に縁を持つ剣の道が、深々と磨かれていったのであろう。
また、谷野一栢・半井見孝・同明孝・丹波親孝らの医学者を招いて、その知識を積極的に吸収させた。明の医学書「八十一難経」を注釈し、版木本として一乗谷で出版している。
その他この頃、一乗谷を訪れた、または招待され逗留した、貴族・文化人らの例を列挙しておく。
など。
