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日本語の乱れ - Wikipedia

日本語の乱れ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

日本語の乱れ(にほんごのみだれ)とは、規範とされる日本語標準語)(国語)と現実の日本語の食い違いを否定的に捉えた語である。食い違いは現実の日本語が変化することでも規範が変化することでも生じうる。乱れは、自然になくなることもあるが、定着して日本語の変化となることもあり、その受容の過渡的段階で特に盛んに取り沙汰される。 「言葉は生きもの」というように、正しいとされている日本語も、古来は今とは違った意味である場合が多数あり、昨今言われている日本語の乱れというのは野暮なことと考える意見もある。

日本語の乱れは言語学上の概念ではない。科学社会科学)の一分野である言語学では物事に対して良悪の価値判断をしない。言語の実態と文法が一致しない場合、言語学では実態に合わせて文法を修正すべきだと考える。規範的に誤った表現であるものなどはウィキペディアでは日本語の誤用として区別するものとして、本項では扱わない。

目次

[編集] 概要

日本語の乱れは近年に始まったことではなく、古くは清少納言が作者とされる『枕草子』においても若者の言葉の乱れを嘆いている。

なに事を言ひても、「そのことさせんとす」「いはんとす」「なにせんとす」といふ「と」文字を失ひて、ただ「いはむずる」「里へいでんずる」など言へば、やがていとわろし。(『枕草子』)

一般社会では往々にして憂慮される現象だが、専門家の間には「言語は変化するのが当然であり、乱れでなく「変化」である」という意見が多くみられる。実際、上記枕草子に批判される「ムズ(ル)」も中世期に入るとひとつの助動詞として定着していくことになる。

また、日本語の乱れは、個人の「語感」によるほかに、政府によっても少なからず注意を払われる。政府が言葉の変化に敏感になるのは、国語統制が国民国家における国民統合の上での重要なイデオロギーのひとつであるためでもある。ただし政府の姿勢は、単に日本語の変化を即悪いことと考えるようなものではなく、より冷静である。特に敬語に対する姿勢は「敬語は封建制度の名残であり将来的に無くなるべきもの。無くなる過程では用法も乱れるだろう」とのもので、敬語の用法の乱れを平等社会に相応しい日本語が形成される過程としてある種肯定的に捉えている。

古くからある表現や文法現象でも日本語の規範が変化することで日本語の乱れとされることがある。例えば、「全然」が否定的意味を持たない語を修飾する表現は明治時代には広く見られたが、現在では「全然」は否定の表現を伴うべきであるという規範が定着している。

一方、最近の変化であっても批判なく受け入れられるものもある。例えば、動詞アクセントの起伏化は名詞アクセントの平板化と違ってあまり批判されない。

※日本語の変化の一例として指摘すれば、この「日本語の乱れは……注意を払われる」という表現も昔ながらの日本語ではない。「注意を払う」は英語の pay attention の直訳であり昔からある慣用句ではないし、「乱れ」という抽象概念を主語にした表現法も西欧語の直訳から生まれたものである。このような西欧語の直訳のような表現を欧文脈という。

[編集] 批判

日本語の乱れについては様々な批判がある。箇条書きで挙げる。

  • 年配の人が「最近の若い人は日本語が乱れている」という場面は多々見かけられるが、彼ら彼女らが使う日本語が正しいという絶対的根拠はなく(その年配者の言葉も上の世代からすれば乱れているかもしれない)、ましてコンビニ敬語のように、根本的な原因はマニュアルを作る大人である場合もあるわけだから、そうしたステレオタイプには注意すべきである。
方言は別問題 
近年の乱れの代名詞とされる「ら抜き言葉」が静岡県の一部などで方言として古くから話されているように、ある言葉が政府が定めた言葉や中央都市の特定の階層で話されている言葉から外れているからといって、異端として排除するという姿勢は、日本語の多様な実態を無視するものともいえる。このことは他の文化・風習にもいえることである。
乱れとは何か 
乱れとはバラバラであることである。かつての日本語は地域ごとに方言があり意思疎通ができないほどだった。共通語が普及し方言が消えつつある現在は、かつてバラバラだった日本語が統一されつつあるのだから、「日本語の乱れ」どころか日本語が整いつつある状況である。

[編集] 日本語の乱れを取り扱ったTV番組・歌

  • 代表的な番組に「タモリのジャポニカロゴス」、「ことばおじさん」ことNHKアナウンサーの梅津正樹が日本語の乱れや誤用、現代用語について解説する「気になることば」が挙げられよう。
  • TBS系の連続ドラマ「花嫁は厄年ッ!」では、岩下志麻演じる安土幸恵が、東京から花嫁修業に来た篠原涼子演じる竹富明子の言葉遣いを厳しくあげつらっている。
  • 近代では助数詞の正しい用法が忘れかけられている傾向にある。フジテレビ系「めちゃ×2イケてるッ!」のコント「単位上等!爆走数取団」では、物の数え方をきちんと言い当てなければならないため、その意味では、知っておいて恥をかくこともないし、単なる低俗番組と捉えられがちな「めちゃイケ」の中ではなかなか悪くないという意見もある。しかし、正しく言わないと罰ゲームとして相撲技で押し倒されることから、一部の相撲好きからは国技に対する侮辱という意見が出ることも当然考えられよう。

[編集] 日本語の乱れとして取り上げられることの多い例

[編集] 文法の「ゆれ」に関するもの

[編集] ら抜き言葉

「見る」のような上一段活用動詞、「食べる」のような下一段活用動詞、また「来る」のようなカ変動詞の可能表現としてそれぞれ「見れる」「食べれる」「来れる」と綴られるものは、「ら」の文字を含んでいないということから「ら抜き言葉」と呼ばれることがある。

「ら抜き言葉」は、標準語圏においては口語として若年層を中心に用いられやすくある一方で、それ以外の一部の地域においては正当な活用形として使われている。たとえば土佐弁圏、名古屋弁圏、それから北陸地方などにおいては、かなり古くから、「れる」と「られる」を区別した動詞化が一般的となっている。

ちなみに五段活用動詞を下一段活用化させて作る可能動詞(「行く」から作る「行ける」など)は、既に確立した用法であり、「ら抜き言葉」とみなされることはない。

「ら抜き言葉」の使用は、東京地方においては大正期から始まったが、この傾向は国家の教育方針のもとで抑制されてきた。1970年に調査された東京都内の小中学生1539名は、「れる」と「られる」の使用について以下のような比率で分かれた

見られる――64.5%
見れる――9.5%
両方――24.1%
来られない――41.7%
来れない――10.2%
両方――47.5%

(土屋信一「東京語の語法のゆれ」『NHK文研月報』21-9, 1971年)

見解の一つとして、「ら抜き言葉」の語形は、従来から五段動詞に適用されてきた可能動詞化の法則を一段動詞にも批准させたもの、と解釈されうる。現在においては、「ら抜き言葉」を、無意識的に用いるものと、意識的に用いるものとがある。後者は、可能動詞化の法則にまつわる合理性に準拠するかたちで敢えて非慣用的・非伝統的な「ら抜き言葉」を使う者である。彼らは、「動詞の可能表現をすべて「られる」で一括することは言葉の意味の多義化をもたらしかねない」と議論する。すなわち、従来、標準語圏においては、可能・受身・自発・尊敬といった種々の意味をすべて「られる」という語形で表すことが規定されてきたが、これが表現の曖昧さをもたらしかねない、ということがここでは問題視されている。この議論によると、「ら抜き言葉」は、日本語を乱すものではなく、むしろ日本語をより合理的な言語体系へと発展させるべく寄与する「機能分化」の現象として認識される。さらには、「れる」と「られる」の合理的な峻別にもとづいて起こる「見れる」などの言葉を「ら抜き言葉」と呼ぶこと自体が疑問視される。

「しゃべれる、食べれる」をキャッチフレーズとしたコンビニエンスストアミニストップは、「ら抜き言葉」を意識的に用いる者のもう一つの例である。ここでは、意味の合理性や明確性ではなく「語感」や「リズム」が重視されている。

「ら抜き言葉」の否定論者は標準語圏における動詞の活用にまつわる誤った慣習に盲目的に従っているにすぎない、という声がある。日本人は従来から主語を明示しない文体を多用してきたが、これによって日本語における動詞の能動表現が貧窮化する一方で受動表現がより一般化してきたことは、「られる」という受動態の語形がなぜ「れる」に勝って広まったのかについて少なからず根拠を提示している。すなわち、「見れる」などの語が標準語圏において従来から正当な可能表現として台頭しえなかったのは、能動表現よりも受動表現のほうに馴れ親しんでいるという条件が既に当事者達の間で根づいていたことによって「見れる」よりも「見られる」の響きを感覚的に受容しやすくあったから、ということである。この事はつまり、「ら抜き」に先立つ「ら付き」の習慣が、文法や合理性よりも「感覚」にもとづいてまず先に定着してしまったものであることを意味している。

また、「ら抜き言葉」が不当な語形として喧伝されるなか、これに過剰に服従するかたちで言葉遣いを余計に誤る人がいる。例えば、五段動詞である「喋る」を基本形とする「喋れる」は、もともと文法に適った正当な活用形なのだが、末尾の「れる」が「ら抜き言葉」の語形と共通していることからこれを「ら抜き言葉」そのものとして認識し「ら」を余分に付け足して「喋られる」と修正してしまう人がいる。そのような誤認は、対象の動詞が五段動詞であるか否かを判別することで回避できる。五段動詞は一般に以下のような特徴を有する:

  1. 原形の末尾が「る」以外である。
  2. 原形の末尾が「る」であっても、「る」の直前の音がイ段またはエ段ではない。

上記の条件に当てはまらない例外としては、「入る」「切る」「要る」「知る」「参る」「走る」「帰る」「滑る」などがある。すなわち「入れる」「切れる」「知れる」「参れる」「走れる」「帰れる」「滑れる」はいずれもら抜き言葉ではない。(「要れる」という表現は、「ら抜き言葉」ではないものの、非一般的である。)

「ら抜き」を「ar抜き」とする意見もある。対象の語の音素をそのようにローマ字で表記すると問題の性格がより明瞭となることが指摘されている。すなわち、五十音表記のみに注目していると、たとえば「書く」「触る」「見る」のそれぞれの活用変化の間の関係について見いだせるものが無いが、ここで当の語の音素を構成する子音と母音とを峻別して観察してみると、次のような共通点を確認できるようになる:

「kak-u」(原形)、「sawar-u」(原形)、「mir-u」(原形)
「kak-ar-er-u」(受動、尊敬)、「sawar-ar-er-u」(受動、尊敬)、「mir-ar-er-u」(受動、尊敬)
「kak-er-u」(可能)、「sawar-er-u」(可能)、「mir-er-u」(?)

「書ける」や「触れる」を可能表現たらしめている要素を「見れる」が所有していることからこれを正当な活用形として認識できる、ということが主張される。これは更に、動詞の活用にまつわる従来の国学的な解釈にもとづく法則の数々(上一段、下一段、カ行変格など)をより合理的に統一することになる。この場合、「ら抜き言葉」という呼称はおろか、そういった言葉を非文法的として排除する観点そのものが根拠を失うこととなる。

参照: 平成12年度「国語に関する世論調査」の結果について<問14>

[編集] ら入れ言葉

ら抜きの逆に、「出来らん」(「出来ない」の変形である「出来ん」に「ら」を入れたもの)などのように、本来不要な「ら」を入れた言葉が使われていることもある。出雲地方(島根県東部)で主に使われている。

[編集] い抜き言葉

「~している」のような言葉を「~してる」と表現するのが「い抜き言葉」である。

実際に話される言葉としては「い」の発音が弱まる傾向にあり、これを反映して流行歌の歌詞などでは以前からい抜き言葉が多く見られたが、昨今ではビジネス文書などにも見かけられるようになり、問題化している。

NHKニュースではアナウンサーは正しく「い」を発音しているが、ニュース字幕にはい抜き言葉が散見され、これに違和感を覚える者も少なくない。

もっとも「~した」という言葉も「~したり」(さらに遡れば「~してあり」)が約まったものであり、「~したり」という形が標準だった時代から見れば「り抜き言葉」だが、今日これを日本語の乱れとして問題にする者はいない。「~した」を許容して「~してる」を許容しない理由はまだ定着していないことである。

[編集] さ入れ言葉

使役動詞に本来不要な「さ」をいれる言葉。敬語(特に謙譲語)に不慣れな人が、過剰に敬意表現を並べてしまうために使われるのではないか、ということから若い世代に多いといわれる。しかし高齢者が正しく話せているという調査がなされたわけでもない。

例:

  • ×やらせていただきます。(正:やらせていただきます、または単に させていただきます)
  • ×行かせていただきます。(正:行かせていただきます)
  • ×叩かせられる。(正:叩かせられる)

[編集] れ足す言葉

ら抜き言葉とは逆に、可能動詞に「れ」を足す言葉がある。2000年前後から、山陽地方(主に岡山)で新しい方言として、若者を中心に使われているのが見受けられるようになった。

例:

  • ×行ける(正:行ける)

[編集] 音便

歩った
カ行五段動詞が完了の助動詞「た」と接続するとイ音便を起こすのが現代の標準である。したがって「歩く」は「歩いた」となるが、一部で「×歩った」という形も行なわれている。「行く」もカ行五段動詞なので規則どおりならば「×行いた」となるはずだが、この動詞に関しては例外的に「行った」の形が標準として定着している。「行った」を許容して「歩った」を許容しない理由は「一般的でない」ことである。
い(良・善・好)くない
「いい」は、「よい」が変化した話し言葉である。終止・連体形でのみこの形を使い、それ以外では元の「よい」を使って「よくない」「よかった」などとするのが一般的だが、若者の間で1980年代中盤から表記のように規則的に変化させた形が用いられた。しかし2000年現在は使われていない。

[編集] 仮名遣いの誤り

現代仮名遣いでは認められないものを挙げる。「おまえ→×おまへ」などの間違いは児童に多く、成長するにつれて直るものであるが、以下に記す事例は、雑誌やメールなどで未だ見られる。

こんにちわ→正:こんにちは

  • 「わ」と発音する音節は「わ」と表記するのが現代仮名遣いの原則だが、「こんにちは」は特例として「は」と表記すると定められている。

ゆう→正:いう

  • 動詞「言う」は、発音どおりに表記するという現代仮名遣いの原則に従えば「ゆう」だが、特例として「いう」と表記すると定められている。

[編集] 品詞の転成

[編集] 動詞の形容詞化

  1. 動詞「違う」を「違かった」「違くない?」のように形容詞化。
  2. 「好きではない」→「好きくない」。

今日の標準語では動詞の否定は「言わない」「言わなかった」のように形容詞型に変化するが、かつてはこうではなかった。一部の語に限られる上記の変化よりも、全ての動詞に及んだ「言わぬ」「言わず」から「言わない」への変化のほうが規模はずっと大きい。なお、「~ない」の形の起源には万葉集などに現れる東国方言「なふ」の活用が江戸時代に形容詞型に変わったとするものなど諸説ある。

[編集] 鼻濁音の消失

鼻濁音[ŋ]については、以前より西日本方言ではあまり使われていなかったが、若年層においては東京など東日本でも使われなくなる傾向がある。さらに、鼻濁音と同様の用法を持つ有声軟口蓋摩擦音[ɣ]が広まっている。これについても、年配層からは日本語の乱れであると指摘する声がある。

[編集] 敬語に関するもの

日本語の誤用敬語に関するもの)も参照されたい。

[編集] 二重敬語

尊敬語や謙譲語を重ねる表現。万葉集の時代から第二次世界大戦に至るまで特定の場面では積極的に使われ、また口語では幅広く用いられたが、戦後敬語の簡略化を目指した政府により、これからの平等社会には相応しくないとされるようになった。特に皇室関連では、それまで通例であった二重敬語が意識的に排除された。

一般に日本語の規範と考えられているNHKアナウンサーも、皇族関係の話題では二重敬語を使わないようにしているものの、それ以外ではしばしば使っている。ただし、敬語の使い方を特に取り上げた番組では好ましくない敬語として扱う。

例:

  • 先生が来るようにとおっしゃられました。

かつては普通に用いられた表現だが([1])、現代社会では「おっしゃいました」または「言われました」が相応しい。尊敬語「おっしゃる」と尊敬を表す助動詞「れる」を二重に用いるのは過剰である。

  • 拝見いたします。

かつては普通に用いられた表現だが([2])、現代社会では「拝見します」で十分である。「見る」の謙譲語「拝見する」に対してさらに「いたす」をつける必要はない。

[編集] 謙譲語+れる・られる

決して新しい表現ではなく、明治期の文学[3][4]はおろか古典文学[5][6]にも現れるが、敬語の理論を機械的に当てはめると矛盾した表現としても解釈できるため誤りとされることがある。古典で使われる場合は二方向敬語であると解釈する。最近ではその用法でない場合がある。

  • 申される
謙譲語「申す」と尊敬を表す助動詞「れる」を接続した表現で、「申された」人を上位に置きつつ下位に置くという矛盾から誤りとする人もいる。誤りだと言われないためには「おっしゃる」が無難。
  • 参られる
誤りとする人もいる。誤りだと言われないためには「いらっしゃる」が無難。理由は「申される」と同様である。

[編集] 「~させていただく」の濫用

上記の「さ」入れ言葉以前の問題として、誰かの許可を得て何かを「させていただく」わけでない場面で、単に「いたす」の代用として「~させていただく」と言うこと自体を嫌う向きもある。形式的にだが、反対する余地を残した言い方をすることで、高圧的な印象を薄める、同意を得て進行するという印象を持たせる、という意識が働いているわけで、これはいろいろな敬語表現に共通する発想であるとあまり否定的な評価をしない見解もある。さらに、一見、反対する余地を与えるような表現をしながら結果的には一方的に進めていくこと自体があまりに形式的として反発する向きもある。

例:

  • ×それでは閉会させていただきます。(「誰も閉会していいとは言ってないぞ」「嫌だと言ったら閉会を取り止めるのか」などとして「閉会いたします」が正しいとする人もいる)

[編集] 「~していただく/お~いただく」の誤用

「~してもらう」の謙譲語という意味を離れて「~していただく/お~いただく」を使ってしまう現象。これが定着すると、本当に誰かに依頼して何かを「していただく」ことを言いたいときに困ってしまう。

例:

×取扱説明書をよくお読みいただいてからお使いください 
この文の書き手Aと読み手Bの他に、Bより身分の高いCを想定して、(1)BからCに説明書を代読を依頼 (2)Cが説明書を読む (3)Bが機器を使う――という手順を踏むべきだと言っているなら正しいが、読むのも使うのもBの場合は正しくは「取扱説明書をよくお読みになってからお使いください」。常体に戻して「よく読んでから使え」と「よく読んでもらってから使え」を比べてみると分かりやすい。

[編集] とんでもありません、とんでもございません

「とんでもない」でひとつの形容詞なので、「×とんでもありません」は「危ない」を「×危ありません」とするような誤用だとする者もいる。正しくは形容詞に「です」を接続することの是非は措いて「とんでもないです」あるいは「とんでものうございます」。一方で例外的な表現として認める見方もある傍ら、高校・大学(短期大学を含む)・専門学校における一般常識ではこれでも誤用と見なし、「とんでもないことです」とすべきという考え方もある。

[編集] アクセントに関するもの

[編集] 名詞アクセントの平板化

かつて起伏型に発音されていた名詞が平板型に発音されるようになる現象。

一般に新語や外来語は後ろから3番目の音節にアクセント核が置かれる。使用頻度が低いうちはそのままのアクセントが保たれるが、使用頻度が高くなると発音に要するエネルギーの低い平板型に移行する傾向がある。

外来語を中心に日々増える新語の多くは起伏型であり、また後述するように動詞については近年起伏型に発音される傾向が強い。せめて定着した名詞は平板化しなければ起伏型ばかりになって発音しにくくなってしまうとする意見もある。

一方、使用頻度が低い語や、特殊な語と意識される語では、逆に平板型から起伏型に移行する現象も見られるが、こちらはなぜかあまり問題にされない。

[編集] 用言アクセントの起伏化

用言のアクセントについては名詞とは逆に起伏型に移行する傾向がある。

動詞はアクセントの点で、

  1. 終止形が起伏型に発音されるもの
  2. 終止形が平板型に発音されるもの

の2つに分類されるが、かつて(2)に属していた動詞が(1)に移行する傾向が近年強まっている。複合動詞で特にこの傾向が強い。保守的なアクセントで話していると考えられているNHKのアナウンサーでも既にかなりの揺れが見られる。

例:

  • 立ち寄る - たちよる → たちよ

また、形容詞のアクセントも同様に2つに分類されるが、もともと(2)に属する語が少ないこともあって、混乱している。

例:

  • 赤い - あかい → あ

[編集] 若者言葉に関するもの

別項若者言葉も参照されたいが、ここでは30代以上の間でも使用され、言葉の乱れとして考察の余地があるものを取り上げておく。

[編集] ぼかし表現

「ぼかし表現」とは、あらかじめわかり切っている事柄であろうがなかろうが、曖昧にしてしまうことである。従来から敢えて匿名にするため「某○○」「さる~」としたり、「ある種」「ある意味」などは広く用いられてきたが、主として若者の言葉遣いで指摘されているのがバイト敬語に多い「~のほう」、「私的には…」、あるいは不必要に「~とか」「~みたいな」である。また「~する人」といった自分を第三者に見立てた表現も然りである。

[編集] 主語の「脱落」

日本語では古来より主語は必須のものではない。しかし、英語などの主語を必ず表示しなければならない言語に触れる機会が増えたため、主語のない表現をなにか良くないもののように考える者が増えた。必須のものではないので本来「脱落」という表現は当たらないが、若者言葉の「あり得ない」「イケてる」「切り替えていこう」「つながってる」などの表現は目新しいため、主語が「脱落」していると感じる者もいる。

[編集] 感動表現のらん(乱・濫)用

形容詞の語幹の用法
  • 「すごっ」、「はやっ」のような表現は形容詞の語幹の用法といって、平安時代以前からある感動表現である。口語における形容詞の終止形が「~し」から「~い」に変化したのは鎌倉時代なので、「すごい」「はやい」よりむしろ古くからある表現である。しかし、こうした表現を若者流と捉える者もいる。

[編集] マニュアルに関するもの

バイト敬語
  • とりわけ、ファミリーレストランやコンビニエンスストアなどで、若者のアルバイトが使っていることが多い。詳細は別項を参照されたいが、ここではパートや従業員も用いることの多い言葉をいくつか採り上げる。

例:

  • 1221円からお預かりします。

正:1221円お預かりします。「から」は不要である。なお、「預かる」自体が不適切で、「頂く」「頂戴する」が正しいとする人もいる。500円の支払いに対して1000円札を差し出す場合、おつりの分を含めて「預かる」と表現していると見ることもできる。

  • レシートのお返しです。

正:レシートです。 または、 レシートでございます。レシートは客が預けたものではないという理由である。しかしながら、「返す」には、「相手が何らかの働きかけをしてきた場合に、等しい価値を持つ働きかけをする」という意味があり、その意味でとらえれば正しいとする人もいる。

  • もりもりハンバーグのほうお持ちしました。

正:もりもりハンバーグをお持ちしました。 または、 もりもりハンバーグです。「ほう」は不要。

  • こちらがデザートになります

正:こちらがデザートでございます。何かが「デザート」に変化するわけではない。

  • ご注文の品はひょうたんでよろしかっでしょうか。

正:よろしいでしょうか。既に注文したような表現であると不快に感じる人がいる。1か月前に注文した商品を今渡す場合に、記憶があいまいでないか確認するために言うのなら不自然な表現ではない。たった今目の前でした注文に対してこのように確認すると、「今言ったのにもう忘れてしまったのか」という印象を与えかねない。

※このほか、総額表示(本体価格+消費税)が定着してきているにもかかわらず、1点しか買っていないのにわざわざ「合計で1221円になります」と言ったり、まったく同一の商品に「100円が1点」と1個1個数えたりする店員がたまに居る。これは不慣れなうちについ口にしてしまう場合が考えられるが、採用する側も、きちんと研修してからレジに立たせるべきであろう。

[編集] 若者流の敬語表現

ここでは、若者に限らず中年層でも用いられる場合が多く、かつ「乱れ」として取り上げる余地のあるものを取り上げる。

[編集] 敬語表現の誤用によるもの

私ってコーヒーとか好きじゃないですか。→正:私はコーヒーが好き(なの)です

  • 下記「語尾上げ」を伴うことが多い。ともすれば自分の意見をことさら強調したり、「聞いて欲しくてたまらないんだな」と思われたりすることがあるため、フォーマルな場では差し控え、右記の表現を用いたほうが良いだろう。

主任も行かれるのですか。→正:主任もいらっしゃるのですか。

  • 尊敬語として用いる場合、「行かれる」は「お行きになられた」のつもりで用いても受け身と勘違いされやすいため、誤解が生じることがしばしばである。「言われる」も同様で、「~と言われた」のか、「~と呼ばれる」の意か、それとも「お言いになった」のかあやふやなため、尊敬語としては「おっしゃる」がより無難で、間違いのない言い方。

[編集] 体育会系(敬)語
  • 中高大学の部活動(スポーツ部)で用いられることが多い。上下関係が厳しく、1学年上であっても敬語を使わなければならないという掟があり、これが男性タレントでも自分より同世代か年下であるものの、馴れ馴れしいと思われるのはまずいという深謀遠慮から使うことはあるが(団塊の世代以降から)、多くの場合は慇懃無礼と受け取られることが多いので控えた方がよさそうである。

[編集] 文章上の表現に関するもの

[編集] かな書き

新聞や広告、テレビなどは、できるだけ多くの人がわかりやすいことが前提であるべきで、そのために制定されたのが常用漢字であり、現代仮名遣いである。これに比べて、雑誌は購読者層がある程度絞られることが多く、乳幼児など低年齢が対象のものほどかな書きが多用される(カタカナにもルビが振ってあったり、全部かな書きしてあることも)。したがって、義務教育で必修とされる当用漢字くらいは当然読めることを前提に、新聞やそれ以上の年齢が対照の雑誌などは努めて漢字を用いるが、例外的に誤読防止や文面を和らげるために意図的にかな書きを用いることは少なくない。
たとえば、

  • 「何」は、「なに」と読むのか、それとも「なん」なのか紛らわしい場合に「なに」と表記
  • 「私」を、「わたくし」と読んでほしいのか、それとも「わたし」であるのか明確にするために「わたし」と表記

されるケースは少なくない。ただし、後者は「わたし」という読み方は常用外でも認められていないことで前述したような場合はかな書きが無難であるが、前者は文面からどちらの読みであるのか、大抵の人はわかるので、「何」と書いた方がいい。このほかにも、「とくに(特に)」などの事例は枚挙に暇がなく、表記をなるべく統一することは当然であろう。だが、編集者以外の記者が書いた原稿は、筆者のオリジナリティーを尊重する観点からも基本的に原文ママであることが望ましい。さらに、読者からの意見・感想・苦言提言はなおさらである。

[編集] 交ぜ書き

公文書でも、かつては常用外の漢字については基本的に交ぜ書きまたはかな書きされることが多かったが、この常用漢字も別記のように限界が見えてきたので、文部科学省は2005年、「数年以内に見直しを検討する」と発表している。雑誌においてもこうしたケースは少なくなく、たとえば「荒唐無稽」を「荒唐無けい」といった具合に表記することがある。これでは中途半端で逆に文面栄えがしないので、別な言葉を用いるか、ルビを振ったほうが無難であろう。

[編集] 当て字

「当て字」とは、規範的な漢字の読みを無視して、便宜的または慣用的にまったく別の読みを当てることである。詳細は当該項目を参照されたいが、近年では歌謡曲の歌詞で次のような表現が見られる。

  • 理由 - 「わけ」(正しくは「りゆう」)
  • 孤独 - 「さびしさ」(同上「こどく」)



[編集] カタカナ文のらん(乱・濫)用

女性や若者、小中高生に多い表記のゆれが、文章中にカタカナをやたら多用することである。手紙を書く時や個人経営の商店のチラシ、10~40代前半が対象の雑誌、テレビバラエティ番組等でのテロップ、そして携帯端末パソコンe-メールなど、数えだしたらきりがないが、次のような表現が目に付く。この他、ウキウキした気分を表わすために「♪(音符)」を使ったりする例もある。強調のために用いたり、おどけた表現をこめる場合であるが、後者は常用していると軽率な人間と受け取られかねず、慎んだ方がいい。雑誌であっても読者が若者とばかりは限らず時として不快感を与えることがあるので控えた方がいい。

  • 今が旬です!とっても美味しいです!
    • 比較的広域に複数の店舗を展開する大型食料品店のチラシから。女性(主婦)の心を捕らえるには古くからある。
  • そうした危険性もアル
    • ~もアリだねと同様な表現と考えられる
  • ~というワケ(コト)なのだ。

[編集] 形容詞「すごい」の無活用

「すごい速い」「すごい欲しい」の類。正しくは、「すごく速い」「すごく欲しい」。「すごい」の後に来るものは名詞で、形容詞、動詞を修飾する際には「すごく」と活用する。「えらい・えらく」も同様。近年非常に間違いが多いが、「すごい」という新しい副詞ができたという見方もある。また、西日本では形容詞は口語で「~く」とは言わず「~う」と音便形を使うが、その使用地域が広範囲で使用人口も多いため、首都圏に広まったとの見方もある。この場合、「すごい人が並んでいた」の意味が、「程度が並外れた人が並んでいた」と、「とても多くの人が並んでいた」の二通りに取れてしまい、「すごい」が、「人」を修飾しているか「並んでいた」を修飾しているのかが明らかにならない。

なお、形容詞「すごい」の第一義は、「とても恐ろしい・気味が悪い」である。よって、書き言葉においては、「程度が並外れた」という意味で「すごく」を用いるべきではないとされる。

※ この「とても」にしても「とても~できない」のように使うものであって、「非常に」という意味で使うのは本来は誤用だと言う人もいる。

[編集] 連用形の連体修飾

「×許可なく立ち入りを禁ず」の類。「立ち入りを禁ずる許可を受けていないがそれでも禁止する」という意味ならば正しいが、おそらくは「無許可で立ち入るな」という意味であろう。「許可なく」は連用形なので「立ち入り」という名詞を修飾することはできず、「禁ず」を修飾しているとしか文法的には解釈のしようがない。正しくは「許可なき立ち入りを禁ず」のように「許可なく」を連体形にするか、「許可なく立ち入ることを禁ず」のように形式名詞を用いる必要がある。このほか、「許可なしに」のような言い方は昔から見られるが、場面によっては不適切であろう。

[編集] 全然~ない

全然 - 「全然~ない」などと後ろに否定や打ち消しを伴うのが正しいとされ、そうでない場合に「日本語の乱れ」とされる。しかし夏目漱石などによる近代初期の文学作品に否定を用いない例があり、必ずしも近年の乱れとはいえない。さらには「漢字の意味を考慮するなら『乱れ』どころか自己是正現象である」とする立場もある。全然の後ろに肯定を伴いたいときには、「全く」、「とても」、「完全に」、「非常に」などと言い換える方法などがある。全然の後ろに肯定で伴うと違和感を覚える者がいる。但し、「全然違う」、「全然だめ」、「全然反対」などは、内容的に否定的な要素が含まれていて、古くから使われているので、正しい言葉である。

例:

  • 全然大きい

正:全然小さくない、全く大きい、完全に大きい、明らかに小さくない

例:

  • 全然平気

正:全然問題ない、全然構わない

[編集] 語尾上げ

文節の語尾をいちいち上昇させて話すこと。「今朝ねバタートースト?食べたんだけど、まだ消化してない?のかしらおなか空いてない?つうかあ、…」話す内容は肯定文なのに疑問文のように聞こえるため、聞き手にとっては逐一確認されているように感じて疲れてしまう。語尾上げ症候群とでも言うべき現象で広い層にわたって蔓延している。自分の話す内容に自信が持てないか、話すのと同時進行で相手から同意を得ていないと不安になるという心のありようが原因と推察される。米国の"Up talking(upspeaking)"が輸入されたものとみられ、日本にも受け入れる下地があったということである。

[編集] その他

  • 「×ご利用できます」のような中途半端な敬語。(「ご利用いただけます」「ご利用になれます」なら、正統的な表現。)
  • 助動詞「です」の接続 - 「です」が形容詞に接続すること(「おもしろいです」など)は、戦前は「私がやるです」などと同じく誤った用法とされていたのが、昭和27年の国語審議会による『これからの敬語』により「合法化」されたものである。国家からは「正しい」と認定されたが、半世紀を経た今日でも未だに違和感を覚える者がおり、例えば『暮しの手帖』誌では用いない。戦前にこの用法が一切なかったかというとそうではなく、1906年発表の夏目漱石坊っちゃん』にも多数の用例が見られる。
  • 1980年代生まれの日本人からは、話し言葉における音便化や子音が転換された誤発音(舌足らずな幼児を演出)などをそのまま音写する表記をすることが多くなった。インターネットスラングの類には、この傾向が顕著である。
  • 「×ご利用いただけますようお願いします。」「○ご利用いただきますようお願いします。」これは、「ご利用いただけます。」という許可文から類推して、「お願いします」で終わる命令文にも「け」でつないだものと考えられる。
  • 並行する、あるいは継起する同類の動作や状態を並べあげる場合「本を読んだり、手紙を書いたりする」と正式にはするが、「本を読んだり、手紙を書く」というように最後の「たり」を抜く傾向が戦前から見られる。助詞「と」を使って列記する際にも同様に「本と手紙が届く」とするのがかつては正式だったが、こちらは「本と手紙が届く」のように最後の「と」を省略することがかなり定着している。

[編集] 海外での事例

  • 若年層による言語の「乱れ」は日本独特の現象ではなく、当然海外でも見られる。韓国でもそういった現象が見られ、近年の歌謡曲の歌詞などにその影響が見られることもある。
  • 近年の日本の曲(いわゆるJ-POP)の中にも、文法的におかしくかつ乱れた日本語を用いた歌詞を持つものが多くある。そういった曲も台湾香港等で発売されていたりする。それらの曲を聴いた現地の人が、それが正しい日本語だと思ってしまうという問題もないとはいえない。

[編集] 関連

[編集] 外部リンク

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