日本海縦貫線

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日本海縦貫線（にほんかいじゅうかんせん）とは、近畿地方から東北地方あるいは北海道までの日本海沿岸を走る鉄道路線の総称である。

正式には日本海縦貫線という路線名称は存在しないが、以下の路線を通る特急列車・急行列車や貨物列車が多数あり、一体の路線のように機能していることから、このような呼び方をするようになった。

東海道本線の一部（大阪駅～米原駅）
湖西線（山科駅～近江塩津駅）
北陸本線（米原駅～直江津駅）
信越本線の一部（直江津駅～新潟駅）
白新線（新潟駅～新発田駅）
羽越本線（新津駅～秋田駅）
奥羽本線の一部（秋田駅～青森駅）

青函トンネル開通以降は、これに津軽線・海峡線・江差線（3線をあわせて津軽海峡線の愛称がある）・函館本線・室蘭本線・千歳線を合わせ、北海道の札幌駅に至るまでの路線を指して用いられることもある。

いわゆる日本海縦貫線が全通したのは、1924年 7月31日に羽越本線の村上駅～鼠ヶ関駅間が開業した時である。開業と同時に、早速神戸駅～青森駅間を結ぶ急行列車が新設された。1956年に白新線が全線開通してこれに加わり、翌1957年には同線内に新潟操車場（現新潟貨物ターミナル駅）が設置されている。

この区間は近畿と北海道を結ぶ最短経路であり、早くから多数の貨物列車が設定されていた。そのため国鉄内部では「日本海岸線」ないしは「裏縦貫」という呼び方が存在した。1972年新津～秋田間の電化完成により、全区間で電車の直通運転が可能になった頃から国鉄は「日本海縦貫線」の語を公に用いるようになった。なお貨物時刻表では、各路線名ではなくこの「日本海縦貫線」の路線表記となっており、青森信号場から吹田信号場までの時刻が掲載されている。

1974年 7月20日に山科～近江塩津間の湖西線が開業するまでは、すべての列車は米原経由で運転されていた。

日本海縦貫線のほぼ全線を走破する列車として貨物列車や、定期夜行列車の寝台特急「日本海」、臨時夜行列車の寝台特急「トワイライトエクスプレス」・寝台急行「あおもり」「東北夏祭り」が運転されている。

かつては日本最長距離を走る昼行の直通列車として大阪～青森間に特急「白鳥」が運転されていたが、利用客減少により2001年 3月2日に系統廃止された。以来同区間を通して走る昼行特急列車は無く、北陸方面が「雷鳥」・「サンダーバード」、「北越」、奥羽・羽越方面が「いなほ」に分割されており、利用区間によっては乗り継ぎの不便を強いられる。

なお北陸本線の富山以西では「雷鳥」、「サンダーバード」に加えて、米原・名古屋方面へ行く特急・「しらさぎ」も運行されている。

ちなみに貨物では札幌貨物ターミナル駅と福岡貨物ターミナル駅を結ぶ高速貨物列車が1往復あり、これは貨物の日本最長距離を走る列車である。