日本海側気候
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日本海側気候(にほんかいがわきこう)とは、北海道から山陰地方に至る日本海側の冬型気候の特徴をなすもの。日本海岸式気候(にほんかいがんしききこう)とも呼ばれる。
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[編集] 概要
西高東低の気圧配置になった際に日本海を渡ってきた大陸からの風が海上で水蒸気を蓄えて山脈に衝かるため、日本海側気候の地方では雨となる。但し、地上の気温が0℃未満又は地上の気温が0℃以上であっても上空1500mの気温が-6℃未満または上空5500mの気温が-30℃未満で雪となり、上空5500mの気温が-36℃未満で大雪となる場合がある。
旧出羽国(東北地方日本海側)から山陰地方(中国地方日本海側)の日本海側が特に積雪が多いのは、この気候が大きく影響している。この地方に降る雪は水蒸気を大量に含んでいるため、ずっしりとした湿った雪になる。
[編集] 地域的特徴
天気予報などで、日本海側全域で大雪になるという印象を持つ場合があるが、実際は筋状の雲や西高東低の傾向・風向き・季節風の強さ等によって、山雪型と里雪型とに分かれ、上空5500mの気温が-36℃未満であったとしても必ずしも大雪になるとは限らない。場所によっては局地的な積雪を観測する場合があり積雪30cmある地域から5km離れただけで積雪が無い場合もある。
島根県石見地方と山口県北部は、朝鮮半島がある関係で海上区間が短く湿気を多量に含むことができないため、大雪になることは少ないが曇天が多く、俄雨や俄雪の日が多い。又、九州の玄海灘沿岸(福岡県筑前地方・北九州市周辺、佐賀県北部、長崎県北部)や壱岐・対馬諸島でも、山陰地方と同様の天気が現れる日が多く、冬の日照時間も短い。
この他にも、琵琶湖沿岸、東海地方の濃尾平野を外れた山がちの地域(岐阜県南西部、三重県北中部)、北西に太平洋がある伊豆諸島や小笠原諸島、北に周防灘のある福岡県京築地域、大分県北部、西に豊後水道のある愛媛県南予地方といった地方でも、冬場は曇りが多く、日本海側気候に近くなっている。
地形の関係上、日本海側と太平洋側を分ける標高の高い山が無い北海道南部と青森県太平洋側の大部分は、日本海側気候となっている。
一方、夏は太平洋側気候とあまり変わらないが、北日本ほど梅雨や台風の影響を受けにくく、概して温暖であることが多い。しかし5月頃から急激に気温が上がる為フェーン現象によって、度々異常高温や森林火災の原因となることもある。
[編集] 日本海側気候の地方
- 北海道(宗谷支庁、留萌支庁、上川支庁、空知支庁、石狩支庁、後志支庁、日高支庁、胆振支庁、檜山支庁、渡島支庁)
- 旧出羽国(青森県津軽地方・下北半島、秋田県、山形県、福島県会津地方)
- 北陸地方(新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県水内地方)
- 北近畿(滋賀県北部、京都府丹波地方・丹後地方、兵庫県但馬地方)
- 山陰地方(鳥取県、島根県、山口県北部)
[編集] 関連項目
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