大佐
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大佐(たいさ、だいさ)は軍隊の階級の一。佐官に区分され、少将または准将の下、中佐の上に位置する。北大西洋条約機構の階級符号では、OF-5に相当する。
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[編集] 沿革
かつては、陸軍にあっては、平時の最大の部隊は連隊だったことから、連隊将校団の長(連隊長)たる大佐が平時の最高の階級とされることもあった。スイスにおいては現在も平時には大佐が最高階級である。
海軍においても、艦隊は臨時編成のものであって、個々の軍艦が独立の単位であったことから、艦長たる大佐が常時置かれる最高階級とする海軍も多かった。そのため、複数の軍艦を以て艦隊を編成するに際しては、最先任艦長に代将の職責を付与して艦隊を指揮させることがあった(詳しくは代将参照)。米国海軍でも、1862年7月16日より前には大佐が最高階級であった。
多くの国の海軍では、4条の線で階級が表される。
[編集] 日本
日本陸海軍では、当初は兵科に属する高等武官(奏任官1等)のみを「陸軍○○大佐」や「海軍大佐」と呼称し、陸軍各部に属する高等武官や兵科以外の海軍高等武官には「大佐」の呼称は用いなかったが、後に階級呼称の統一を図り、「大佐」の語を含めるようになった。
警察予備隊の警察官(1950年-1952年)では1等警察正(いっとうけいさつせい)、保安官(1952年-1954年)では1等保安正(いっとうほあんせい)、海上警備官(1952年)では1等海上警備正(いっとうかいじょうけいびせい)、警備官(1952年-1954年)では1等警備正(いっとうけいびせい)がそれぞれ相当する。
自衛隊では1等陸佐(いっとうりくさ)・1等海佐(いっとうかいさ)・1等空佐(いっとうくうさ)(略称は1佐(いっさ))に当たる。
- 陸上自衛隊では、陸上幕僚監部課長・師団司令部幕僚長・副旅団長・連隊長・戦闘団長(検閲時のみ・有事は・・・・。)・群長・対馬警備隊長等を務める。なお、陸上自衛隊では1等陸佐以下の自衛官について職種に分類している。
- 海上自衛隊では、隊司令、艦長等を務める。
- 航空自衛隊では、群司令等を務める。
[編集] アメリカ合衆国
[編集] イギリス
- 陸軍:Colonel
- 海軍:Captain(同じ名称が陸軍にもあり、こちらは大尉を指す。)
- 空軍:Group Captain
[編集] フランス
- 陸軍:Colonel
- 海軍:Capitaine de vaisseau
- 空軍:Colonel
[編集] バラエティTV番組における大佐
- とんねるずのみなさんのおかげです(フジテレビ)- 仮面ノリダーのファンファン大佐(岡田眞澄)
- ブラックワイドショー・ルドイア☆星惑三第(日本テレビ)- 第三惑星放送協會の細川大佐(細川俊之)
[編集] 関連項目
- 軍隊における階級呼称一覧
- 代将(司令たる大佐に与えられる階級または地位)
- 名誉大佐
- カーネル・サンダース:カーネルはケンタッキー州から与えられた称号であって陸軍大佐の意味ではない。ケンタッキー・フライドチキン創業者。
- カダフィ大佐:リビアの国家元首。大佐は通称であって、カダフィの軍人としての階級は大尉まで。リビア国軍には将官も存在する。
- ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ:
- ウラジーミル・プーチン:1999年に陸軍大佐の階級を得ている。