ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ
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ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ (Romuska Palo Ur Laputa) は宮崎駿監督の映画『天空の城ラピュタ』に登場する、架空の人物(声は俳優の寺田農)。通常は「ムスカ」、もしくは「ムスカ大佐」と呼ばれる。
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[編集] 人物
年齢は28歳と32歳の2説がある。髪は茶色、瞳の色は金色。度の入ったサングラスをかける。
シータと同じラピュタ王家の末裔であり、ラピュタの力を己のものとし、ラピュタ王として君臨することに情熱を燃やす。
特務部隊に属し、政府の密命を受けて謎の天空城ラピュタの調査をしていた。階級は大佐。
性格は自己中心的であり、死にゆく人間をゴミ扱いするなど問題発言も見られるが、軍のラピュタ探索の指揮官であるモウロ将軍と違って、基本的に手荒なことはしない紳士。教養は高く、旧約聖書やラーマヤナなどの文献を調査したり、ラピュタ文字を解読するなど勉強家で、天才というよりも努力家である(おそらくラピュタを復活させるために研究をしていたのだろう)。射撃はピストルでシータの髪をかなりの距離から一発で撃ち落とすほどの腕前を持つ。映画の冒頭、シータにワイン瓶で殴り倒されるが、気絶しただけで、怪我一つしていなかった。後にその行為に対するあてつけからか、ムスカ自身はパズーの石頭の方が頑丈だと述べている。
空中海賊のドーラ同様に暗号の天才であり、一瞬にして相手の暗号を解読する能力を持つ。ちなみに、閣下ことモウロ将軍の打った暗号はドーラに容易に解読されてしまったが、実はこれは暗号とは名ばかりのローマ字による電信であった。
また裏設定では『未来少年コナン』に登場するレプカは彼の子孫である。この事から、実は既婚者で子持ちであることが分かる。『天空の城ラピュタ』の原案は『未来少年コナン2』として書かれたものであり、その時の設定の名残である可能性が高い。
[編集] 名前
もともとは一つだったラピュタ王家は、地上に降りた際に二つに分かれたと作品内で説明されている。一方のシータの本名がリュシータ・トエル・ウル・ラピュタであり、「トエル・ウル・ラピュタ」が「真の王」を表すと同じく説明されている。ムスカの本名と比較すると、「ウル・ラピュタ」が「ラピュタ王」を表すだろう事が示唆され、名前に残りの部分である「真」を表す「トエル」がないことから、ムスカ一族は正統継承者ではなく、分家のようなものであると思われる。
因みに、「パロ」の部分であるが、par(παρ)はギリシャ語で「従属」の意味を示す(→パロディを参照)。古代語と見做して当てはめてみると「ラピュタ副王」となり、上記の説を補強するが推測の域を出ない。
[編集] 行動と最期
ドーラ一家の妨害を受けるも、飛行石を手に入れ、万全の準備をしラピュタへ向かう。ラピュタに到着すると、自分のみが知る通路を抜けて中心部にたどり着く。自らラピュタ王と名乗り、ラピュタの兵器とロボットを使い軍隊への攻撃を行う。だが、拘束していたシータに飛行石を奪われ、逃げられる。玉座の間にて追いつき、パズーと再会した彼女に3分間の猶予を与える(弾切れになった自分の拳銃に弾を込めるための時間も兼ねていた。また、実際には1分弱しか待っていない)。しかし、シータとパズーが「滅びの言葉」を唱え、強烈な光で眼を潰され崩壊するラピュタと共に海へ転落。皮肉にも、「ゴミのようだ」と表現したゴリアテの搭乗員同様、彼もまたゴミのように海へと落ちていった。ちなみに、ラピュタの崩壊シーンをよく見ると、ゴミのように落ちてゆくムスカが描写されている。
作品が公開されてから20年以上経つにもかかわらず、インターネット上などでカルト的な人気を誇り、宮崎駿監督の他の作品と同様、単純に善悪だけでは割り切れない人物である。
「ラピュタは滅びぬ。何度でも蘇るさ!」「見ろ、人がゴミのようだ!」「目が、目がぁぁー!!」などは歴史的名言と言えるだろう。
[編集] パロディ
『天空の城ラピュタ』の科白はその多くが特徴的なフレーズを有し、その科白を口にすれば出典が本作であるとわかるため、しばしばパロディとして他の作品などで用いられている。
【例】
- ドーラ
- 「40秒で仕度しな!」(↑よ↓んじゅうびょう、と発音)
- 「船長とお呼び!」
- 「これはね、東洋の計算機だよ」
- 「面舵、逃げろぉっ!」
- シャルル、ルイ、アンリ他
- 「へへ、泣~かせら~」「お黙り!」
- 「何が腹痛だ」
- 「信じられるか? あの子がママのようになるんだぞ?」
- モウロ将軍
- 「爆薬を使う!? 馬鹿もん! 要塞をふっ飛ばす気か!」
- 「どうだ欲しいか、お前達にはたっぷり縄をくれてやるわい」
- 「素晴らしいムスカくん、君は英雄だ、大変な功績だ!」
- ポム爺
- 「小鬼だ、小鬼がおる」
- パズー
- 「親方! 空から女の子が…!」
- 「親方んとこのチビのマッジが」
- ティディス兵
- 「ロボットだ!」「生きてるぞ!」「火を消せ!」
- 「ご覧下さい、中は宝の山です!」
- 黒眼鏡(ムスカの部下)
- 「大佐! 大佐!」
そのような『天空の城ラピュタ』においてムスカの科白は特に顕著であり、特に印象の強い傾向にある。パロディの出典が明示されることは少ないが、それは改めて説明する必要が無いほど彼の科白が浸透していると書き手が考えているからであろう。
[編集] ムスカの科白を使用した作品
- テイルズウィーバーに登場するマキシミン・リフクネはグラフィックが非常に似ている。
- しかもゲーム内でも「パロウル実験体」などと呼ばれており、もはや公式的に認めている。(他のキャラは「金髪の実験体」など)
- その上PK性能がずば抜けて高いので、空中要塞(英語表記でLAPUTA)争奪戦では絶大な威力を発揮する。
もしかしたらラピュタ王だからかもしれない。
- 水夏(CIRCUS)では第1章と第4章において使用されている。
- 第1章において、風間彰が水瀬伊月に裏山に誘われる。そこからは村が精巧なミニチュアのように見えた。その際、水瀬伊月からの、「ここね……私のお気に入りの場所なんだ」という言葉を受け、風間彰は「人がゴミのように見えるからか?」と返答している。
- 第1章において、風間彰が犬の散歩をする水瀬小夜を見かけて、「おお! ここから見ると、まるで人間がゴミのようだ!」と叫んでいる。
- 第4章において、名無しの少女が会話から仲間外れにされたことを怒り、アルキメデスを振り回す。その際アルキメデスは「目、目が~!」と叫んでいる。
- CROSS†CHANNEL(FlyingShine)では、海水浴の場面で使用されている。ムスカの科白によって、人物が錯乱する様子が表されている。島友貴の「跪け! 命乞いをしろ! 小僧から石を取り戻せ!」(錯乱中)という言葉の後に、黒須太一による「その大砲で私と撃ちあうつもりかね?」というムスカの科白を使用した返答が行われている。