住之江競艇場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
住之江競艇場(すみのえきょうていじょう)は、大阪府大阪市住之江区泉一丁目(住之江公園)にある競艇場である。
目次 |
[編集] 概要
狭山競走場が前身であるが、経営難や水面として利用していた狭山池の干ばつが要因となり1956年(昭和31年)4月10日をもって狭山競走場が閉鎖される。その後を引き継ぐ形として開設され、1956年(昭和31年)6月19日に初開催された。
競艇24場の中で唯一、年間1000億円を越える売上げを誇り(2位の平和島競艇場の売上げは約660億円)、常に多くの競艇ファンで賑わっていることから「競艇のメッカ」の異名を持ち、2000年(平成12年)10月13日より日本の公営競技史上初の三連勝式投票券が発売された公営競技場としても有名である。
現在は、住之江競艇場の所在地である大阪市は主催・施行に携わっておらず、大阪府都市競艇組合(堺市・岸和田市・豊中市・東大阪市・池田市・吹田市・泉大津市・高槻市・貝塚市・守口市・枚方市・茨木市・八尾市・泉佐野市・富田林市・寝屋川市の16市で構成する一部事務組合)と箕面市とが主催施行者として別々に開催している。各種施設を保有・運営するのは住之江興業株式会社(南海電鉄グループ)。
例年2月頃に周年記念 (GI) として太閤賞が行われ、さらに例年10月頃に高松宮記念特別競走が行われている。また、賞金王決定戦競走がよく開催されている競艇場(1986年創設、以降1991年(平和島競艇場)・1996年(戸田競艇場)・2000年(平和島競艇場)を除き毎年当場で開催されている。なお2007年の開催地は福岡競艇場である)でもある。また1969年以降、毎年SG競走が開催(1988年4月のグレード制導入以前の相当シリーズを含む)されている競艇場でもある。この事も有ってかSGの開催回数としては58回と第2位の東京都の平和島競艇場の29回を抑えて断トツのトップに立っている。
現在、8つ(事実上は9つ)の大会で構成されているSG競走のうち、実に4つの大会(笹川賞競走・グランドチャンピオン決定戦競走・オーシャンカップ競走・賞金王決定戦競走)の記念すべき第1回大会が開催された競艇場でもある。
全国発売されるGI競走のひとつ「競艇名人戦競走」の第1回も当地で行われ、以降第2回、第3回、第5回と開催されている。住之江競艇場で名人戦が開催された場合、出走時のファンファーレは昔のものが使用される。なお、全国発売されるレース(SGの全競走および新鋭王座決定戦競走、JAL女子王座決定戦競走、競艇名人戦競走のGI3競走)のうち、JAL女子王座決定戦競走のみ未だ開催されたことがない。
企業杯(GIII)として、アサヒビールカップが行なわれている。
正月には全大阪王将戦、ゴールデンウィークにはラピートカップ、お盆には摂河泉競走が行なわれている。この3競走は住之江競艇場をホームとする大阪支部所属選手が一堂に会し、見応えのある競走である。「オール大阪」と呼ばれる事もある。
2006年(平成18年)7月8日より競艇としては群馬県の桐生競艇場、愛知県の蒲郡競艇場、福岡県の若松競艇場に次ぐ全国で4場目、全公営競技場を通じては通算16場目(8月のダイヤモンドレース等ごく一部のシリーズのみをナイター競走として開催している飯塚オートレース場を含む)、都市型競艇場及び関西の公営競技場としては史上初のナイター競走を開催する競艇場である。
2006年7月7日に竣工・点灯式を迎え、実際の開催は翌7月8日から実施された。なお、このナイター競走の実施に伴い、2006年(平成18年)3月6日開催分(ブルースターカップ)より消音型モーターが導入された。
ナイター競走の愛称は住之江シティーナイターと呼ばれる。(桐生競艇場のアクアンナイト、蒲郡競艇場のムーンライトレース、若松競艇場のパイナップルナイターである。)なお、ナイター競走は夏期限定で行われる。住之江競艇場におけるナイター競走の概要は次に示すとおりである。
- 開場 : 平日14:00、土・日・祝日13:00
- 第1競走発走時間 : 平日14:58、土・日・祝日13:58
- 第12競走(最終)発走時間 : 平日20:25、土・日・祝日19:25
- 2006年度の開催計画
- 開催予定期間 : 7月8日から10月10日までの9開催・49日間
- 大阪府都市競艇組合主催 : 5開催・26日間
- 箕面市主催:4開催・23日間
- 特記事項
- 電話投票締切時間は発走3分前
- ナイター開催の入場に当たっては北入場門は利用できない
警備会社ヤマトによるアクアコンシェルジュと呼ばれる警備及び接客スタッフがいる。
住之江競艇場のマスコットは「ジャンピー」(イルカで競艇のカラーの6匹構成で彩っている)。
[編集] 施設の特徴
上掲の写真にも紹介している通りこの住之江には大型映像装置として「ボートくん」(松下電器産業・アストロビジョン)がある。これは2006年に東京競馬場に設置された「ターフビジョン」(三菱電機・オーロラビジョン)に記録を更新されるまで、「世界最大の大型映像装置」としてギネスブックにも登録されていた。レースを映すのは勿論の事、二連勝複式・二連勝単式・三連勝複式・三連勝単式等の各種勝舟投票券オッズも表示でき、更に応援メール等も書ける凄者である。
この映像装置は2004年3月に完成したもの。それまで当競艇場の対面側の電光掲示では競走成績および2連勝単式勝舟投票券のオッズと配当金しか表示できず、2連勝単式以外の賭式オッズは大型映像装置(2面)を使わなければならなかった。ボートくんにリニューアルしてからは各種勝舟投票券賭式のオッズが自由に表示できる他、レース開催中は複数のカメラでレースの進行状況がつかめるように設計されている。当然、SG競走の場外発売として開催している時には現地の様子も映せる。 映像装置の上には国旗、主催施行者の大阪府都市競艇組合旗か箕面市旗、大阪府モーターボート競走会旗を掲揚するポールが3本有るがそのポール自体がまるで子供の様な大きさに見えるほどである。実にビジョンの大きさは300インチもありその大画面がレースをより一層、盛り上げる。尚、右下にはPanasonicと書かれている。
[編集] 水面の特徴
水質は淡水。選手からは「ゴツゴツとして乗りづらい」という感想が良く聞かれる。1995年(平成7年)8月13日からFKS(フライング警報装置)が使われていたが、2003年(平成15年)3月2日をもって廃止された。
[編集] 過去のSG開催経験
※一番右は優勝者
- 第8回全日本選手権競走(1961年)倉田栄一
- 第8回モーターボート記念競走(1962年) 芹田信吉
- 第10回全日本選手権競走(1963年) 歌谷博
- 第12回全日本選手権競走(1965年) 長瀬忠義
- 第13回全日本選手権競走(1966年) 芹田信吉
- 第2回鳳凰賞競走(1967年) 竹内虎次
- 第3回鳳凰賞競走(1967年) 石川洋
- 第16回全日本選手権競走(1969年) 早川行男
- 第5回鳳凰賞競走(1970年) 加藤峻二
- 第17回全日本選手権競走(1970年) 中野信次
- 第18回全日本選手権競走(1971年) 鈴木一義
- 第19回全日本選手権競走(1972年) 金子安雄
- 第20回全日本選手権競走(1973年) 北原友次
- 第19回全国地区対抗競走(1973年) 井上弘
- 第1回笹川賞競走(1974年) 野中和夫
- 第21回全日本選手権競走(1974年) 野中和夫
- 第22回全日本選手権競走(1975年) 林通
- 第11回鳳凰賞競走(1976年) 常松拓支
- 第3回笹川賞競走(1976年) 野中和夫
- 第4回笹川賞競走(1977年) 加藤峻二
- 第5回笹川賞競走(1978年) 彦坂郁雄
- 第25回全日本選手権競走(1978年) 松田慎司
- 第6回笹川賞競走(1979年) 中道善博
- 第7回笹川賞競走(1980年) 中道善博
- 第8回笹川賞競走(1981年) 貴田宏一
- 第9回笹川賞競走(1982年) 常松拓支
- 第10回笹川賞競走(1983年) 彦坂郁雄
- 第31回全日本選手権競走(1984年) 半田幸男
- 第12回笹川賞競走(1985年) 井上利明
- 第13回笹川賞競走(1986年) 新田宣夫
- 第1回賞金王決定戦(1986年) 彦坂郁雄
- 第2回賞金王決定戦(1987年) 安岐真人
- 第15回笹川賞競走(1988年) 安岐真人
- 第3回賞金王決定戦(1988年) 野中和夫
- 第36回全日本選手権競走(1989年) 瀬古修
- 第4回賞金王決定戦(1989年) 福永達夫
- 第17回笹川賞競走(1990年) 野中和夫
- 第5回賞金王決定戦(1990年) 高山秀則
- 第18回笹川賞競走(1991年) 野中和夫
- 第1回グランドチャンピオン決定戦競走(1991年) 西田靖
- 第19回笹川賞競走(1992年) 中道善博
- 第7回賞金王決定戦(1992年)野中和夫
- 第3回グランドチャンピオン決定戦競走(1993年) 安岐真人
- 第8回賞金王決定戦(1993年) 野中和夫
- 第4回グランドチャンピオン決定戦競走(1994年) 三角哲男
- 第9回賞金王決定戦(1994年) 中道善博
- 第10回賞金王決定戦(1995年) 植木通彦
- 第1回オーシャンカップ競走(1996年) 野中和夫
- 第32回総理大臣杯競走(1997年) 西島義則
- 第12回賞金王シリーズ戦(1997年) 小畑実成
- 第12回賞金王決定戦(1997年) 服部幸男
- 第13回賞金王シリーズ戦(1998年) 中道善博
- 第13回賞金王決定戦(1998年) 太田和美
- 第14回賞金王シリーズ戦(1999年) 長岡茂一
- 第14回賞金王決定戦(1999年) 松井繁
- 第3回競艇王チャレンジカップ競走(2000年) 濱野谷憲吾
- 第16回賞金王シリーズ戦(2001年) 濱野谷憲吾
- 第16回賞金王決定戦(2001年) 田中信一郎
- 第17回賞金王シリーズ戦(2002年) 太田和美
- 第17回賞金王決定戦(2002年) 植木通彦
- 第18回賞金王シリーズ戦(2003年) 市川哲也
- 第18回賞金王決定戦(2003年) 田中信一郎
- 第19回賞金王シリーズ戦(2004年) 太田和美
- 第19回賞金王決定戦(2004年) 田中信一郎
- 第20回賞金王シリーズ戦(2005年) 池田浩二
- 第20回賞金王決定戦(2005年) 辻栄蔵
※今後開催が予定されている競走は次の通りである。
[編集] アクセス
大阪市営地下鉄四つ橋線・ニュートラム南港ポートタウン線、住之江公園駅北出口すぐ
[編集] 外部サイトへのリンク
競艇場 |
---|
桐生 | 戸田 | 江戸川 | 平和島 | 多摩川 |
カテゴリ: 競艇場 | 大阪府の建築物・観光名所