七十七銀行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
七十七銀行のデータ | |
統一金融機関コード | 0125 |
SWIFTコード | BOSSJPJT |
頭取 | 鎌田宏(かまた ひろし) |
資本金 | 246億円 |
預金量 | 5兆487億円 (2006年3月31日現在) |
店舗数 | 141店 (2006年3月31日現在) |
従業員数 | 2784名 (2006年3月31日現在) |
設立日 | 1878年12月 (第七十七国立銀行) |
本店 | |
所在地 | 〒980-8677 |
仙台市青葉区中央3丁目3番20号 | |
電話番号 | 022-267-1111(代表) |
外部リンク | 公式サイト |
株式会社七十七銀行(しちじゅうしちぎんこう、The 77 Bank, Ltd.)は、宮城県仙台市に本店を置く地方銀行である。銀行コードは0125、格付機関によるランクは、AA-(格付投資情報センター)。管轄税務署は仙台中税務署である。
宮城県・仙台市および、県内の大半の市町村の指定金融機関である。仙台市のすべての公営企業(仙台市ガス局・仙台市交通局・仙台市水道局)における出納取扱金融機関でもあるが、宮城県については病院事業を除くすべての公営企業の出納取扱金融機関で、病院事業が除外されたのは、県立病院が従来仙台市になかった(名取市の宮城県立精神医療センター・宮城県立がんセンター、および栗原市の宮城県立循環器・呼吸器病センターの3施設のみが従来の県立病院。2003年に開業した宮城県立こども病院が仙台市初となった)事による。
目次 |
[編集] 特徴
県内すべての支店および一部を除く県外支店では宮城県の証紙の売り捌きを行っている。県の証紙を取り扱っているのは、当行の他仙台銀行等県指定代理収納代理機関であり東北他県では珍しい。
日本証券クリアリング機構より「資金決済銀行」に地銀で唯一指定され、株式などの有価証券取引に伴う決済業務にも携わっている。
東北の地方銀行で唯一、名古屋と大阪に支店を持っている(かつては、岩手銀行大阪支店があったが廃止されている。また、両支店ともATMは不設置)。上海に駐在員事務所を持つ。
[編集] コンビニATM
コンビニATMにはこれまで消極的と見る意見がある。2006年2月まで政令都市で唯一仙台は、コンビニATMが無い都市となっていた。しかし、商業界や青年層の利用者からの強い要望と、地域社会に対するアンケート実施の結果を受け入れ、ようやくセブン銀行との提携に同意し、2006年3月1日より仙台市内のセブンイレブン及びイトーヨーカ堂仙台泉店にコンビニATMが設置されることが決定した。しかし、24時間対応ではなく、手数料がかかる上、使える時間が平日に関しては通常のATMと大差ない。それでも従来のATMは土日は17時までだが、セブン銀行は21時まで使えるという利点はある(この点以外は、郵貯ATMとの提携内容とほぼ変わらない)。また、手数料優遇などのポイントサービスである「ポイント・セブン」の適用からはずれる。さらに、2006年2月27日より、宮城県内の一部のローソンにローソンATMが、3月20日からは、ファミリーマート、ミニストップの一部店舗にイーネットが設置されている。しかし、いずれも七十七銀行とは提携していないため、MICS扱いとなる。
なお、東京スター銀行ATMにおける当行キャッシュカードでの引き出しは、これまで東京スター銀行とMICSで提携する他行同様に手数料無料で引き出しできる時間帯があったが、2006年6月1日から宮城県内の東京スター銀行ATMでの当行キャッシュカードでの引き出しは完全有料となった(時間外も1回につき210円(ただし祝日を除く土曜09:00~14:00は105円)となり、宮城県内の東京スター銀行ATMでのメリットは当行口座においてはほぼ完全に失われてしまった)。
[編集] インストアブランチ
ある意味保守的な行風の七十七銀行であったが、旧郡部の2支店を有人出張所に降格し、さらに4有人出張所(うち3箇所は自治体庁舎内)を廃止(口座店は窓口閉鎖2週間前に継承店に移管、通帳も口座店移管と同時に強制切り替え)という方針を打ち出したと同時に、泉区から富谷町にかけての明石南・明石台・新富谷ガーデンシティにかけての地区に新たに「明石支店」を2007年8月までに開設し、2007年2月頃に開業予定の名取市の大型商業施設にも、七十七銀行としては初となる「インストアブランチ」を開設する。
[編集] 県外における法人拠点
東北の県庁所在地で唯一支店のなかった青森市に「青森法人事務所」、郡山・山形・盛岡の各支店には「法人営業部○○駐在」(○の名前は各支店名が入る)が、それぞれ2006年11月6日付けで設置される。
秋田地区は、現在の秋田支店の要員と盛岡駐在のスタッフによるアライアンス体制で当面営業活動を行うことになる。
[編集] 堅実経営
石橋を叩いても渡らないといわれる経営は良くも悪くも堅実である。コンビニATMに対する対応では消極的と評されたが、顧客サービス上セキュリティと利便性のかねあい更に店舗網の緻密さからくるコンビニATMの必要性を考慮した結果といわれる。一方この慎重さは、バブル経済期における開発融資・不動産投資への自制のみならず、漫然とした取引への戒めを示しておりメガバンクが国民の税金による、公的資金導入に至らざるを得なかった時でも、健全経営を続けた。近年地域経済活性化の寄与を狙ってベンチャー支援、事業再生関連業務、などについて日本政策投資銀行と業務提携を結んだ。ATMについてもIC化・生体認証取引対応を進めるなど攻勢に転じたと見られる。
[編集] ICキャッシュカード
2006年8月21日にICキャッシュカードの導入を開始した(発行開始は8月14日より)。同時に生体認証取引に対応し、掌認証を採用した。カード到着後に生体認証の登録を口座店窓口で行うことで生体認証での取引が可能になる。
磁気ストライプのあるものとないものの2種類を導入したが、2006年3月1日から提携開始となったセブン銀行を利用する場合は磁気ストライプのあるもののみ対応としている。
これに伴って、従来富士通・日立製作所(ただし、日立オムロンターミナルソリューションズのLeadusブランドは従来からない)・東芝とATMメーカーが分かれていたのを富士通に順次統一し、3月27日までにはすべて富士通に変更になった。(通帳繰越はATMでは対応せず、日立製作所ブランドの繰越機を一部支店のみで導入して対応。ただし、窓口営業時間のみの利用となる)。これに伴って、2006年4月1日からのATMの委託管理先を、七十七コンピュータサービスより富士通フロンテックに変更された。
更新後は、2006年の6月から7月にかけて生体認証装置の取り付けを順次行った。
特筆すべきは、他行のように1拠点最低1台ではなく全拠点(ただし、空中店舗かつATMの設置がない名古屋支店と大阪支店をのぞく)・全台で生体認証・IC機能に対応することがあげられる。
[編集] 預金通帳
[編集] 総合口座通帳での利用科目
普通預金と定期預金のみの利用である。1冊で記帳可能なのは、普通預金は8ページ、定期預金は5ページとなっている。
なお、2004年4月以降発行の現行の通帳デザインは、一般デザインとキャラクター(コツコツくん・ナナちゃん)デザインの2種類がある。
[編集] 通帳の印字
摘要欄はなく、項目は出金時には「お預り金額」欄、入金時には「お支払金額」欄に表示される。
取扱店は、自店利用時・引き落としの場合は空欄、他店窓口・ATM利用時は支店コード(口座店が本店営業部以外の場合、テレホンバンキングの利用時に取引内容によって「100」が表示されることがある)、他行ATM利用時は統一金融機関コード(郵貯ATM利用時は「9900」など)が表示される。取引種別は、入金時は「D」(振替入金は「DT」)、出金時は「TW」の表示となる(なお、引き落とし時と利息の入金は「振替」、振込入金の際には「振込」と、記号ではなく漢字で表記される)。
[編集] 設立
1872年に制定された国立銀行条例によって全国が銀行設立ブームで沸き返る中、仙台でも銀行設立の動きが活発化した。元仙台藩士の氏家厚時を中心とするグループは、当時第一国立銀行と三井銀行の出張所しかなかった宮城県の現状を憂い、地元に基盤を置く銀行の設立を決意。1878年2月に大蔵省に願書を提出した。願書は程なく認可され、同年12月9日、「第七十七国立銀行」として業務を開始した。初代頭取には氏家が就任した。
[編集] 渋沢栄一の支援
第七十七国立銀行の設立に当たっては、渋沢栄一が大きく関わっている。元々国立銀行条例の起草に関わっており、大蔵省に入る動機を作ってくれた伊達宗城は元宇和島藩主であり、仙台と宇和島は伊達氏つながりの血縁関係の都市でもある。こんな背景から、渋沢は東北の振興にも関心を持ち、その核たる国立銀行設立を目指す氏家グループにアドバイスを送った。更に、設立に際しては自ら資本を出資し、自ら頭取を務める第一国立銀行から人材を派遣するなど、物心ともに第七十七国立銀行を支援した。
[編集] 「兜町の銀行」として
株式売買の清算に関わる出納業務を、証券業界用語で「場勘業務」と言う。東京株式取引所(東京証券取引所の前身)では、増大する出来高に対応するため、場勘業務を銀行に委ねる事にし、1894年10月、第七十七国立銀行に業務を委託した。
国立銀行条例に基づく銀行とはいえ、東京ではなく仙台に本店を置く同行が選ばれたのは、東京支店が取引所の近くに立地していた点に加え、渋沢栄一の推薦、恐慌で取引所の経営が危機に瀕した時に同行が救援融資を行った事情などから、取引所の高い信頼を得ていた事が挙げられる。以来、1949年の証券民主化で帝国銀行と富士銀行が参入するまで、場勘業務は七十七銀行の独占状態にあった。
1997年10月の東証の制度改革で、場勘業務は清算銀行制度に改組されたが、七十七銀行は引き続き清算銀行に指定された。2003年1月、日本証券クリアリング機構の業務開始に伴い、同機構の指定する資金決済銀行となり、同行日本橋支店(1965年の<新>東京支店開設により<旧>東京支店から改称)が業務を行っている。
[編集] 関連会社
- 七十七カード
- 七十七スタッフサービス
- 七十七コンピュータサービス
- 七十七事務代行
- 七十七リース
- 七十七ビジネスサービス
- 七十七信用保証
[編集] 関係会社
- 仙台ビルディング
- 宮城商事
[編集] 関連項目
- コンビニATM
- 七十七銀行硬式野球部
- 木梨憲武(かつての貯蓄預金通帳表紙のデザイン作者)
- ベガルタ仙台(ユニフォームの袖スポンサー)