ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー
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ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー(Car of the Year、略称:COTY)とは、ヨーロッパの58カ国(現時点)で市販される乗用車の中から年間を通じて最も優秀なものに贈られる賞(タイトル)である。
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[編集] 概要
[編集] 高い権威
ヨーロッパの代表的な7つの自動車雑誌社が主宰する会において、現地の自動車ジャーナリストの投票により選定される。最近の投票方法は、最終選考に残った7つの候補車に、最低5車以上、最高10点まで配点する、というもの。日本やアメリカなどいくつかの国でも同様の賞が行われているが、一般的に「カー・オブ・ザ・イヤー」と呼ばれる場合はこの賞のことを指すだけあり、同類の賞の中では最も歴史があり権威の高い賞とされている。
[編集] 小型車重視
伝統的にルノー(過去6回受賞)やフィアット(過去8回入賞)等、小型車の受賞が多く、メルセデス・ベンツやアウディなどの高級車が受賞したことがあったが、ごく少ない。また過去には「選考に愛国心が働く」と言われ、ある国の審査員が自国の候補車に高配点する傾向があったが、1990年代以降は冷戦の崩壊により国の数が増えたこともあり、その傾向もなくなった。
[編集] 日本車の受賞
1993年に日産・マイクラ(日本名マーチ)が、日本メーカーの車としては初めての受賞となる快挙を成し遂げた。
その後は、2000年にトヨタ・ヤリス(日本名ヴィッツ)、2004年に同じく、プリウスが受賞している。
[編集] 過去の受賞車
- 1964年 ローバー2000
- 1965年 オースティン1800
- 1966年 ルノー16
- 1967年 フィアット124
- 1968年 NSU・Ro80 ---ロータリーエンジン車唯一の受賞
- 1969年 プジョー 504
- 1970年 フィアット・128
- 1971年 シトロエン・GS
- 1972年 フィアット 127
- 1973年 アウディ80
- 1974年 メルセデス・ベンツ450
- 1975年 シトロエン・CX
- 1976年 クライスラー/シムカ・アルパイン
- 1977年 ローバー3500
- 1978年 ポルシェ928 --- スポーツカー唯一の受賞
- 1979年 クライスラー/シムカ・ホライズン
- 1980年 ランチア・デルタ
- 1981年 フォード・エスコート マークIII
- 1982年 ルノー9
- 1983年 アウディ100
- 1984年 フィアット・ウーノ
- 1985年 オペル・カデット
- 1986年 フォード・スコーピオ
- 1987年 オペル・オメガ
- 1988年 プジョー・405
- 1989年 フィアット・ティーポ
- 1990年 シトロエン・XM
- 1991年 ルノー・クリオ(日本名:ルーテシア)
- 1992年 フォルクスワーゲン・ゴルフ(3代目)
- 1993年 日産・マイクラ(日本名マーチ) --日本車初の受賞--
- 1994年 フォード・モンデオ
- 1995年 フィアット・プント
- 1996年 フィアット・ブラーボ/ブラーバ(日本名ブラビッシモ)
- 1997年 ルノー・メガーヌ/ルノー・セニック
- 1998年 アルファロメオ 156
- 1999年 フォード・フォーカス --史上初めて欧州/北米のカー・オブ・ザ・イヤーを同時受賞--
- 2000年 トヨタ・ヤリス
- 2001年 アルファロメオ 147
- 2002年 プジョー・307
- 2003年 ルノー・メガーヌ
- 2004年 フィアット・ニューパンダ
- 2005年 トヨタ・プリウス (2代目) --日本車初の欧州/北米カーオブザイヤー同時受賞--
- 2006年 ルノー・クリオ (3代目) --ルノーとして6度目、クリオとして2度目の受賞--
[編集] 生産国別受賞回数
因みに、これまでの受賞車を生産国別に見ると、フランス車が12回、イタリア車が11回、ドイツ車が7回、アメリカ系メーカー(ヨーロッパ・フォードとクライスラー)が合計6回、日本車が冒頭で述べた通り3回となる。